遠方のマンションを売却する際の注意点

カテゴリ:マンション売却
投稿日:2020.11.16

遠方のマンションを売却する際の注意点

不動産の売買は通常、売主と買主、不動産仲介会社が同席して、売買契約や決済(残代金の支払いと物件の引渡し)の手続きを行います。しかし相続や転勤などのご事情で、お住まいから遠方の物件を売却しなければならないときがあるかと思います。

その場合、お仕事やご家庭の都合等もあり、簡単には現地へ行くことができませんでしょうし、現地へ行かなくても済む方法があればそうしたいところですよね。ここでは遠方のマンションを売却する際の、基本的な流れや気をつけたいポイントを解説します。

遠方のマンションを売却する方法

「仲介」と「買取」、2つの売却方法

遠方のマンションに限らず、不動産物件の売却方法として、大きく分けると「仲介」と「買取」の二つの方法があります。

「仲介」は、仲介会社(不動産会社)にマンション(不動産)の売却を依頼して、主に個人の購入検討者(買主)を探してもらう方法です。

買取」は、不動産会社にマンション(不動産)を直接買い取ってもらう売却方法です。

それぞれの方法で売却する場合の流れと注意点を見ていきましょう。

仲介」と「買取」の違い、それぞれのメリットとデメリットについては、下記のリンクから詳しくご覧いただけます。

関連記事:マンション売却方法、仲介と買取の違い、メリット・デメリット

仲介で売却する際の注意点

仲介で売却する際の大まかな流れは以下の通りです。

1.売却相談・査定依頼(売主様➡︎仲介会社)

2.訪問査定(売主様/立ち会い)

3.査定価格の提示(仲介会社➡︎売主様/検討)

4.正式に売却依頼⇒媒介契約の締結(売主様⇔仲介会社)

5.広告・販売活動(仲介会社/実施)

6.買主より購入申込書取得(仲介会社が取得➡︎売主様)

7.契約条件の調整・交渉(売主様⇔仲介会社⇔買主様)

8.不動産売買契約書の締結(売主様⇔買主様)

9.引越し・引渡しの準備(売主様/不用品の整理、荷造りなど)

10.残代金決済・物件引渡し(売主様/鍵引渡し⇔買主様/売買代金)

1.売却相談・査定依頼

まず仲介してくれる不動産会社を探す必要がありますが、最初に悩むのが「どの不動産会社と媒介契約を結ぶか」という問題です。

テレビのCMでよく見る「東急リバブル」、「三井のリハウス」、「野村の仲介プラス」などの大手のほうがすぐに買い手が付きそうなイメージもあると思いますが、地元の不動産会社にもそのエリアの不動産事情に精通している強みがあります。

そこで、「売却予定のマンションが首都圏を含む大都市圏なら大手、それ以外の地方なら地元の不動産仲介会社」を中心に探すことをお勧め致します。

わざわざ現地に出向いて不動産会社の事務所を回るのは大変なので、遠方からでも現地の会社にまとめて査定依頼できる一括査定サイトを利用すると良いでしょう。

室内を見せるとなると鍵が必要になりますので、まずは簡易的な方法で査定する机上査定を依頼して、数社に絞りこみます。

・売却予定のマンションの立地で仲介会社を選びましょう

首都圏を含む大都市圏なら→大手仲介会社を中心に

それ以外の地方なら→地元の不動産仲介会社を中心に

不動産仲介業者の種類や選び方については、下記リンクをぜひご覧ください。

関連記事:マンション買取の注意点、仲介の60%は誤り?手数料0円が可能

2.訪問査定

不動産仲介会社を数社に絞りこんだら、訪問査定をしてもらいましょう。売却するマンションの部屋を訪問して見てもらうことで、内装や設備など部屋の状態と周辺環境を加味した精度の高い査定価格を算出してもらうことが可能となります。

もし現地に出向くことができるのであれば、机上査定でピックアップした地元の不動産会社を訪問し、話しを聞いて情報収集するのも良いでしょう。

現地立会いが難しく、ご家族等代わりの方の立会いも難しい場合は、鍵を不動産会社に郵送してお部屋の中を見てもらう必要があります。

鍵を送るのは心配かもしれませんが、どうしても現地立会いが難しい場合は、鍵の郵送に対応してもらえるか相談してみて下さい。信頼できる会社かしっかりと判断して、訪問査定をお願いしましょう。

訪問査定でどうしても現地立会いが難しい場合、

「鍵の郵送による訪問査定をしてもらえるか」

を不動産会社に確認してみましょう

3.査定価格の提示

訪問査定をした結果を比較して、任せられると思った不動産会社と媒介契約を結びます。査定結果が妥当かどうか、売却マンションの相場を知っておけば判断しやすくなります。

下記リンクで、実際に相場を調べる方法と実例がご覧いただけます。

関連記事:マンション売却、おすすめの一括査定と仲介業者 /一括査定サイトとは

関連記事:マンション売却の相場を把握。方法と注意点

4.媒介契約の締結

媒介契約の手続き自体は、わざわざ現地にいかなくても郵送で行うことが可能ですので、査定価格を提示された段階で不動産仲介会社に相談しましょう。

媒介契約の詳細については、下記リンクをご覧ください。

関連記事:媒介契約とは?一般媒介と専任媒介の違い

5.広告・販売活動

仲介会社の「仲介」は、買主を探すためにチラシなどの広告を出す、集客した購入検討者をお部屋(物件)に案内する、など販売活動が必要です。

販売活動の期間は、一般的には3ヶ月~6ヶ月程度といわれています。

売却活動には人件費と宣伝費がかかります。不動産仲介会社にとっては、コストをかけるからには仲介手数料が確実に見込める物件の販売を優先したいというのが本音でしょう。

そのため、相場からかけ離れた売り出し価格を設定することは、仲介会社の売却活動の意欲を削ぐことにもなります。

売り出し価格の設定などは、信頼できる仲介会社の営業マンに相談されることをお勧めします。

6.買主より購入申込書取得→7.契約条件の調整・交渉

購入希望者がみつかったら契約金額、契約決済日などの交渉を行います。

購入希望者をその気にさせるため安易に値引き交渉をしてくるケースもあります。値引き交渉に応じるかは、広告の反響状況、集客状況なども勘案して正しく判断されることが肝心です。

購入希望者が住宅ローンを借りる場合、通常契約前のこの期間に事前審査というローン審査を行います。契約後に住宅ローンが借りられないので契約解除ということにならないよう確認が必要です。

8.不動産売買契約書の締結

条件が整ったら売買契約の締結となります。売買金額、契約日、残金決済日や契約の解除についての取り決めなどを盛り込んだ契約書を不動産仲介会社が作成してくれます。

基本的には、売買契約時と引き渡し時には本人が立ち会う必要があります。
しかし、どうしても都合がつかない場合には、以下の方法で契約を締結することもできます。

【①持ち回り契約】

不動産仲介会社が直接、契約書を持って売主と買主の元に出向くか、郵送のいずれかで買主と売主から署名・捺印をもらって売買契約を成立させる方法です。

郵送の場合は、不動産仲介会社が契約書原本を作成して買主に郵送し、買主が署名・捺印すると同時に手付金を所定の口座へ振り込んだ後、売主へ郵送します。
売主は契約書に署名・捺印し、手付金が振り込まれていることを確認後、不動産仲介会社または買主へ返送すれば、売買契約が成立します。

立会いせずに契約することを納得してくれる買主であれば、この方法により遠方へ出向くことなく売買契約が行えますが、取引相手と会えないので、他人のなりすましなどが無いか、リスク除去を不動産仲介会社はしっかり行う必要があり、それだけ信頼できる不動産仲介会社に任せなければいけないということでもあります。

なお、買主が不安に思って持ち回り契約には応じてもらえないこともある点を留意してください。

また、残代金決済・物件引渡しの際は売主である本人が出向く必要があります

【②代理人による契約(家族や親戚等に依頼)】

家族や親戚などを代理人に選任して委任状を作成し、売買契約時や決済時に代わりに立ち会ってもらうという方法により、遠方のマンションを売却することもできます。

その際、委任状などの必要書類をすべて間違いなく揃えて持っていくという点に気をつけましょう。不動産仲介会社に相談しながら進めてください。

もし忘れ物があっても、遠方であることや本人ではないことからすぐに対処できず、場合によっては売買契約や決済が延期になってしまう恐れがあります。

そうなってしまいますと買主や不動産仲介会社に迷惑をかけてしまいますし、代理人が再度足を運ぶといった手間も増えてしまいます。最悪の場合、買主から損害賠償を請求される可能性もありますので、しっかりと準備を整えることが大切です。

遠方のマンションで立会いが難しい場合の売買契約の方法

→「持ち回り契約」と「代理人による契約」

9.引越し・引渡しの準備

決済前に必ず確認しておかなければならないのは、「空室の状態になっているか」ということです。家具や荷物などが何もない状態にして、引渡しができるようにしておきましょう。

10.残代金決済・物件引渡し

決済日になりましたら、売買金額の全額を受領します。同時に物件の引渡しを行います。

通常引渡しは、設備表や物件状況報告書という書面で内装や設備の状況を買主に説明して、家具や荷物などを撤去して空になった部屋と鍵を買主に引渡すことで完了となります。

このように、遠方のマンションを仲介で売却する場合には、お住まいや近隣のマンションを売却する場合に比べて、現地までの交通費、必要な場合は宿泊費、また郵送料などの費用もかかりますのでご注意ください。

直接買取で売却する際の注意点

買取で売却する流れは以下の通りです。

1.売却相談・買取査定依頼(売主様➡︎不動産会社)

2.訪問査定(売主様/立ち会い)

3.買取査定金額の提示(不動産会社➡︎売主様/検討)

4.契約日、残代金決済日のすり合わせ(売主様⇔不動産会社)

5.不動産売買契約締結(不動産会社/手付金➡︎売主様)

6.引越し、引渡しの準備(売主様/不用品の整理、荷造りなど)

7.残代金決済、物件引渡し(売主様/鍵引渡し⇔不動産会社/売買代金)

1.売却相談・買取査定依頼

買取」のメリットのひとつに、不動産仲介会社が間に入らないため仲介手数料が要らず、その分手取り金額が多くなるということがあります。

買取」をご希望であれば、仲介会社に買取業者を探してもらうのではなく、直接買取をする不動産会社(マンション買取業者)に直にご相談されることをおすすめします。

おすすめのマンション買取業者(リノベ8)

上記「おすすめのマンション買取業者」は、東京テアトルの独自基準で選んでいます。

「直接買取」をご検討であれば、弊社東京テアトルを含めた上記「おすすめ買取業者」にぜひご相談下さい。

2.訪問査定

不動産会社(マンション買取業者)が、部屋を訪問して査定を行うことで周辺相場に室内の状態や周辺環境を加味した、精度の高い適正な買取金額がご提案できます。

レインズや東京カンテイなどの取引事例などのデータを見ていただきながら買取金額の根拠についてご説明致します。

訪問査定でどうしても現地立会いが難しい場合、

東京テアトルなら「鍵の郵送による訪問査定」も承ります!

3.買取査定金額の提示→4.契約日、残代金決済日のすり合わせ

【無料査定後でも納得できなければお断り】

金額に納得がいかなければ、このタイミングで断りを不動産会社(マンション買取業者)に入れます。よっぽど悪徳業者でなければ、費用やペナルティは何もありません。

【契約日、決済日(売買代金を全額受領して物件を引き渡す日)の検討】

金額をご納得頂きましたら、売主様のご希望をお聞きしたうえ契約日や決済日などのご提案を致します。

このタイミングでスケジュール、諸費用、税金、登記、不用品の処分などご不明な点があれば併せてご相談ください。

5.不動産売買契約締結

【売買代金の5〜10%を手付金として受領】

買取金額や契約決済日などのスケジュール等が決まったら売買契約を締結します。

通常、不動産会社(マンション買取業者)は売買代金の10%程度の金額を手付金として売主様にお支払いします。残りの90%は、決済・引渡し時に残代金としてお支払いします。

「仲介」で売却する際、売買契約には売主様と買主様と不動産仲介会社が立ち会う必要がありましたが、「直接買取」での売却なら、売主様とマンション買取業者の2者だけで売買契約を締結できます。

遠方にお住まいの方でも、東京テアトルが

直接「出張契約」に伺います!

【契約前の注意事項、不動産会社の資金調達方法】

残代金を借入で調達するという不動産会社(マンション買取業者)もあります。借入が否認されて契約が解除となるということも稀にあります。

そんなことにならないよう、売買契約に借入の不調による契約解除条項が入っているかを念のため確認されることをおすすめします。

下記イラストは、東京都下のマンションを相続されたご子息様がいらっしゃる大阪まで出張契約に伺い、直接買取させて頂いた実例です。ご参照ください。

出張契約対応

6.引越し、引渡しの準備→7.残代金決済、物件引渡し

前もって残金決済・引渡しに向けて不用品の整理処分、荷造りなどの準備を行う必要があります。

東京テアトルの直接買取であれば、不用品の整理処分など無し、お部屋をそのままの状態で、立会いもすることも無いので感染リスクも無く引渡しが可能です。そのため、必要最低限の家具や荷物だけのお手軽引越しができます。下記の画像は東京テアトルが直接買取させて頂いた実例です。ご参照ください。

お片付け不要

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森田学(執筆
森田 学【宅地建物取引士】

1999年東京テアトル株式会社に入社。「テアトルタイムズスクエア」などの映画館の運営スタッフ業務、ラグジュアリーホテル「ホテル西洋銀座」ドアマン業務を経て2008年不動産関連部署に異動、区分所有マンションの売買を担当し現在に至る。

 マンションのご売却はご不明な点も多く、不安をお感じの方も大勢いらっしゃるかと存じます。
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