相続したマンションを売却、相続税、手続き、売却時の税金

カテゴリ:マンション売却と相続
投稿日:2020.04.22

相続したマンションを売却、相続税、手続き、売却時の税金

相続したマンション売却相続税の計算方法、相続の手続きや流れ、売却時の税金などについて解説します。

兄弟マンション相続するけど、住む人はいないし、相続税支払いのために売却することになるな、という方も多いのではないでしょうか?

相続人は高齢の兄弟、部屋はそのままの状態で売却、現金化して分けるつもり、という方もいらっしゃると思います。

相続したマンションの名義変更(相続登記)相続税、売却時かかる費用税金などお金にまつわることも詳しく解説します。

マンションを相続する手続き・流れ

一般的なマンションを相続して売却するまでの手続き・流れは下記の通りです。

  1. 遺言書の確認
  2. 遺産(負債)の確認(相続放棄の検討)
  3. 相続人の確認
  4. 基礎控除額の計算
  5. 相続税の確認、算出
  6. 遺産の分け方の話し合いと決定(遺産分割協議)
  7. 相続登記(名義変更)
  8. 相続したマンションを売却する

1から8、それぞれのステップに分け、具体的な手続きとポイント、注意点などを解説していきます。

マンション相続の手続きや注意点、相続税、遺産分割協議など

1.遺言書の確認

  • 被相続人が亡くなってから7日以内に死亡届を提出
  • 遺言書が残されているか確認

2.遺産(負債)の確認

プラスの相続財産

不動産、現金、有価証券、動産(自動車、貴金属など)、その他(ゴルフ会員券、著作権など)

死亡3年以内の生前贈与や相続時精算課税制度による贈与を相続財産に加算する必要があるケースは、贈与額を加算します。

(参考:国税庁|贈与財産の加算と税額控除)
(参考:国税庁|相続時精算課税の選択)

マイナスの相続財産

負債(借金、住宅ローンなど)、税金関係(未払いの所得税住民税など)、その他(未払い分の家賃など)

相続放棄の検討

借金などマイナスの財産の方が多いケースなど、相続の権利をすべて放棄する相続放棄という選択肢があります。

相続放棄は、「相続の開始をしった日から3ヶ月以内にしなければならない」という期限があります。相続財産の全容を調べたうえ検討することが必要です。

(参考:国税庁|「相続を放棄した人」とは)

3.相続人の確認

法定相続人

相続人の範囲は、死亡した人の配偶者、配偶者以外は下記順序で配偶者と一緒に相続人になります。

優先順位法定相続人(代襲相続人)
第1順位死亡した人の子供、その子供が既に死亡⇒その子供の直系卑属(子供や孫など)。子供も孫もいるときは、死亡した人により近い世代である子供が優先。
第2順位死亡した人の直系尊属(父母や祖父母など)。父母も祖父母もいるときは、死亡した人により近い世代である父母が優先。第1順位の人がいないときに相続人になる。
第3順位死亡した人の兄弟姉妹、その兄弟姉妹が既に死亡⇒その人の子供。第1順位の人も第2順位の人もいないとき相続人になる。

法定相続人の範囲は、戸籍謄本で確認することになります。戸籍謄本は、戸籍のある市町村で入手できます。郵送での交付が可能な市町村もありますが、交付方法は該当する市区町村役場にお問い合わせください。

相続したマンションの売却をご検討であれば、相続手続きや相続登記についてのご相談も承っております。お客様のご希望、ご要望、スケジュールなどをお聞きしたうえ、問題やお悩み解決に最適な方法や専門家をご紹介致します。お気軽にご相談ください。

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法定相続分

相続人法定相続分
配偶者と子供配偶者1/2 子供1/2(2人以上のときは全員で1/2)
配偶者と直系尊属配偶者2/3 直系尊属1/3(2人以上のときは全員で1/2)
配偶者と兄弟姉妹配偶者3/4 兄弟姉妹1/4(2人以上のときは全員で1/2)

子供、直系尊属、兄弟姉妹がそれぞれ2人以上いるときは、原則として均等に分ける。

4.相続税の基礎控除額の計算

相続税は、相続税の課税対象となる課税価格の合計から基礎控除額を差し引いた部分に対してかかります。

基礎控除額の計算式

3000万円+(600万円×法定相続人の数)

例えば法定相続人が4人いる場合、3000万円+(600万円×4人)=5400万円が基礎控除額となります。

5.相続税の確認、算出

基礎控除と正味の遺産額

マンション(不動産)や現金預金、有価証券、自動車、貴金属等のような財産のほか、著作権のような無形財産も相続税の対象となります。

相続や遺贈によって財産を取得した人ごとに、課税価格を計算します。

各人の課税価格の計算の詳細は、国税庁のホームページ「相続税の計算」でご確認ください。

遺産を相続すると、必ず相続税を納めなければならないというこではありません。ざっくり言うと、相続財産総額(正味の遺産額)が「4.基礎控除額」を超えなければ相続税は発生しませんし、相続税の申告手続きも必要ありません。

遺産の総額相続税相続税申告
基礎控除額以下課税されない不要
基礎控除額より多い基礎控除額を超えた分に課税必要
基礎控除額を超える場合、その超える部分に対して課税されます。この場合、相続税の申告及び納税が必要となります。その期限は、被相続人の死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内になります。

(参考:国税庁|相続税の計算)

相続税の速算表

相続税額の算出方法は、各人の相続で所得した財産に直接税率を乗じるわけではありません。

正味の遺産額から基礎控除額を差し引いた残りの額を法定相続分で按分します。

この法定相続分に応ずる取得金額を下の表に当てはめて、それぞれの相続人ごとに税率を乗じます。算出された金額が相続税の総額の基となる税額となります。

法定相続分に応ずる取得金額税率控除額
1000万円以下10%
3000万円以下15%50万円
5000万円以下20%200万円
1億円以下30%700万円
2億円以下40%1700万円
3億円以下45%2700万円
6億円以下50%4200万円
6億円超55%7200万円

この速算表で計算した法定相続人ごとの税額を合計したものが相続税の総額となります。

(参考:国税庁|相続税の税率)

相続税を払う人は何パーセント?

国税庁によると相続税の課税件数の割合は、2017年で8.3%となっています。被相続人100人のうち約8人の財産に相続税が発生することになります。

2015年以降、相続税の基礎控除額が縮小されたことで、課税される割合は2014年の4.4%から8%台に増加しています。

それでも相続財産そのものが無いか、基礎控除額を差し引くと課税対象がゼロとなり納税義務の生じない人が大多数のようです。

(参考:国税庁|相続税の申告状況について)

資産家でない限り、マンションと一般的な家庭の現金預金を相続するようなケースでは、相続税の発生はしないことが多いようです。

それでも隠し財産があるかもしれないので、しっかり被相続人の財産を調べて把握することが大切です。

6.遺産の分け方の話し合いと決定(遺産分割協議)

遺産分割協議

遺言書がなければ、遺産は相続人全員で遺産の分け方を決めることになります。

話し合いや相談して分ける場合、「遺産分割協議」を行う必要があります。この協議に特別な方法があるわけではありませんが、相続人が全員で行わないと、無効となってしまいます。

遺産分割協議書

分割協議の結果や内容は、書類に残すことがおすすめです。この書類のことを遺産分割協議書といいます。

遺産分割協議書は、協議の結果を記録する重要な書類となります。

7.相続登記(名義変更)

相続したマンションの名義変更

相続をしたマンションの登記上の名義変更をする手続きが相続登記になります。

マンションの相続登記も、遺言があれば遺言の内容にしたがって相続登記または遺贈登記をすることになります。

遺言書が無い場合は、遺産分割協議による相続登記か法定相続分どおりの相続登記かになります。

相続人が複数人いる場合、前項にある遺産分割協議を行ない、遺産分割協議書を作成して相続登記を行ないます。

司法書士など専門家がアドバイス

遺産分割協議や遺産分割協議書の作成などのご相談を承ります。弊社取引先専門家と協議のうえアドバイスを差し上げます。まずはお気軽にお問い合わせください。

※弊社相談員へのご相談は無料です。専門家への具体的な相談は初回無料のケース、初回から有料のケースもございます。詳しくは弊社相談員にお問い合わせください。

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8.相続したマンションを売却する

二つの売却方法

遺産分割協議により相続する人が決まれば、相続したマンションの売却が可能になります。

マンションを売却するとき、ふたつの選択肢があります。

不動産会社(マンション買取業者)に直接買取をしてもらうか、仲介で一般の方に買ってもらうかのふたつの選択肢です。

買取は不動産会社が買主、仲介は一般の方(個人)が買主

「直接買取」は、不動産会社(マンション買取業者)が自ら買主となります。

「一般の方に買ってもらう」は、不動産会社(仲介会社)に販売活動を依頼=仲介をしてもらい、個人の買主を探してもらうことになります。

どちら選ぶかは、売却にあたり何を重視するかの優先順位によるので、どっちが正解、どっちが良いと一概に言えるものではないと考えます。

分かり易く言うと「直接買取」は、プロ(不動産会社)に買ってもらうので手間と時間がかからず売却が可能な売り方、「一般の方に買ってもらう」仲介は、個人の買主を探すので手間と時間はかかるけど、市場価格で売却が可能な売り方と言えます。

どちらを選ぶべきか?両方の売り方の査定価格が知りたい!両方の売り方の良いとこどりをしたい!などご相談、ご質問などお気軽にお問い合わせください。

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相続したマンションの売却をご希望の方は無料査定をご利用ください。

お問い合わせ先:☎0120-900-881

相続したマンションの名義変更、相続登記の費用

1.名義変更(相続登記)

亡くなった人の名義を相続人へ変更する

マンションを相続したら、相続手続きのひとつとしてマンションの名義変更(相続登記)が必要になります。

被相続人(亡くなった方)の名義になっているマンションの登記名義人を、そのマンションを相続した相続人の名義に変更する登記手続きが相続登記です。

親のマンションを兄弟で相続、兄弟のマンションを兄弟で相続、叔父叔母のマンションを姪甥で相続など相続の形態は様々です。

相続したマンションを売却するなら

相続したマンションを売却する場合、被相続名義人のマンションをそのまま第三者に名義変更=所有権移転登記することはできません。

相続人への相続を原因とする所有権移転登記を行なった後に、第三者への所有権移転登記を行なう必要があります。

2.相続登記(名義変更)に必要な書類等

相続不動産の相続登記

相続不動産の相続登記には、下記の3通りの手続きがあります。

  • 遺言書による相続登記
  • 遺産分割協議による相続登記
  • 法定相続分どおりの相続登記

ここでは、遺産分割協議による相続登記の必要な書類をご案内いたします。

遺産分割協議による相続登記に必要な書類

遺言書が無く、相続人が二人以上いるときは、マンションを誰が所有するかを記入した遺産分割協議書を作成して、有効な遺産分割協議書とするために相続人全員の署名押印をします。

【亡くなられた方(被相続人)の書類】

書類内容、理由
戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本相続人を確定するため、遺産分割協議書に署名押印しているのが相続人全員であることを証明するため、被相続人が生まれた時から亡くなった時までの連続した戸籍謄本が必要。
住民票除票or戸籍附票被相続人を住所、氏名、本籍地で特定をするのに必要。
  • 被相続人必要書類の詳細は、相談員にお気軽にお問い合わせください。
  • 戸籍謄本(1通)は、最後の本籍地のある市町村役場にてご請求ください。
  • 出生時からの除籍謄本(1通)は、市町村役場にお尋ねください。
  • 改正原戸籍謄本(1通)は市町村役場にお尋ねください。

【相続人の書類】

書類内容、理由
戸籍謄本相続人全員の戸籍謄本が必要です。相続開始後に取得したもの。
遺産分割協議書+印鑑証明書相続人全員が署名、実印で押印して、印鑑証明書を付けます。
住民票全部事項証明書に所有者として記載される住所を特定するため。
登記委任状相続登記の手続きを司法書士に委任する場合に必要。
固定資産税評価証明書相続登記にかかる登録免許税を計算するため。
登記済権利証(or登記識別情報通知書)相続登記をおこなうべき不動産を確認するため。

詳しくは、相談員にお気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ先:☎0120-900-881

3.相続登記(名義変更)の費用を見積もり

相続登記費用の内訳

相続登記の費用の内訳は、大きく分けると下記の二つになります。

  1. 登録免許税と登記事項証明書や固定資産税評価証明書等の取得費用
  2. 司法書士への報酬

1.登録免許税は、固定資産税評価額に登録免許税の税率0.4%を乗じて算出した金額になります。

2.司法書士への報酬は、個々の司法書士が決定していますので、見積もりを依頼して比較してみましょう。

実際に見積もりするといくら?

【見積書例】

件名件数報酬額登録免許税
1.所有権移転(相続)登記 区分建物160,00057,300
2.遺産分割協議書作成130,000 
    
14.調査・閲覧料・測量図・建物図面 1,000360
15.謄本・抄本・印鑑証明書・資格証明書11,000600
16.市役所証明(戸籍、固定資産税評価証明書)31,0001,250
17.申請・受領 10,000 
小計 103,000/①59,510/②
    
その他の費用/郵送代及び交通費 2,550 
小計 2,550/③ 
合計(①+②+③) 165,060/④ 
消費税(①×10/100) 10,300/⑤ 
差引請求額(④+⑤) 175,360 

上記見積もりは、郊外の3000万円程度のマンション、相続人が2~5人程度を想定して作成したものです。詳しくはお問い合わせください。

ご希望があれば、信頼性は高く、報酬はリーズナブルな、弊社取引先司法書士事務所をご紹介致します。

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相続したマンションを売却した時の税金と経費

1.譲渡所得と譲渡税(所得税、住民税)の計算方法

譲渡所得(利益部分)の計算方法

譲渡所得(利益部分)=売った金額(売却金額)-買った金額(取得費)-売却にかかった経費(譲渡費用)-特別控除額

【売った金額】

実際に売却した金額

【買った金額】

相続したマンションの場合、被相続人(亡くなった方)が購入した金額を買った金額(取得費)として引き継ぎます。建物は、購入した金額から減価償却相当額を差し引く必要があります。その他取得時の経費を取得費として買った金額(取得費)に含めることが出来ます。

(参考:国税庁|減価償却のあらまし)

(参考:国税庁|建物の取得費の計算)

【譲渡費用】

売却にかかった仲介手数料、印紙代など

【特別控除額】

譲渡所得の金額の計算上、要件に当てはまれば特例として受けられる特例・特典です。

譲渡所得(利益部分)に税率を乗じて税金を計算する

【短期譲渡】マンションを購入してから5年以内の場合

所得税=譲渡所得(利益部分)×30%

復興特別所得税=譲渡所得(利益部分)×0.63%

住民税=譲渡所得(利益部分)×9%

【長期譲渡】マンションを購入してから5年超の場合

所得税=譲渡所得(利益部分)×15%

復興特別所得税=譲渡所得(利益部分)×0.315%

住民税=譲渡所得(利益部分)×5%

【相続によって取得したマンション(資産)の取得の時期】

相続により取得した場合、死亡した人の取得の時期がそのまま所得した人に引き継がれることになります。

親が亡くなって相続したマンションの場合、親がマンションを取得した日から、相続した子供が売却した年の1月1日までを所有期間として長期譲渡所得か短期譲渡所得かを判定することになります。

2.譲渡税以外の経費

仲介手数料

一般的なマンションであれば、仲介手数料の上限金額である”売却金額の3%+6万円+消費税”が不動産会社(仲介会社)に支払う手数料相場となっています。

住所変更登記、氏名変更登記、抵当権抹消登記などの登記費用

登記を行なうのに登録免許税と司法書士への報酬等が発生します。

印紙

売買契約書(不動産売却)に貼付する印紙が必要になります。

契約金額本則税率軽減税率
500万円を超え1千万円以下1万円5千円
1千万円を超え5千万円以下2万円1万円
5千万円を超え1億円以下6万円3万円

※軽減税率は平成26年4月1日から令和2年3月31日までの間に作成される、不動産の譲渡(土地や建物、区分所有マンションなどの不動産売却)に関する契約書が対象となります。

(参考:国税庁|不動産売買契約書の印紙税の軽減措置)

不用品の処分費用、引越し費用等

廃棄する不用品の量や内容によって費用が決まります。お見積りやご相談は、信頼できる弊社取引先会社等をご紹介致します。

関連記事:不用品の処分や荷物整理・お引越しのサポートチームメンバー紹介

3.譲渡所得を減らし、税金が減る特例や特別控除

所得費加算の特例

【特例を受けるための要件】

  • 相続によって財産を取得した人が売却をしたこと
  • その財産を取得した人が相続税を支払っていること
  • その財産を相続税の申告期限から3年以内に売却したこと

譲渡所得(利益部分)=売った金額(売却金額)-(買った金額(取得費)+売却したマンションに対する相続税額)-売却にかかった経費(譲渡費用)

相続税の取得費加算は、支払った相続税のうちのマンション売却に関わる部分に相当する金額を所得費に加算できることで、課税の対象になる譲渡所得(利益部分)を減らすことが出来ます。

(参考:国税庁|相続財産を譲渡した場合の取得費の特例)

空き家売却の特例(被相続人の居住用財産(空き家)に係わる譲渡所得の特別控除の特例)

マンション(区分所有建物)は適用されませんが、一定の条件を満たす家屋の敷地等を相続して譲渡した場合、譲渡所得(利益部分)から最高3000万円まで控除することが出来ます。

マンションは対象外なので詳細は割愛致しますが、詳しくは国税庁の該当ページをご参照ください。

(参考:国税庁|被相続人の居住用財産(空き家)を売った時の特例)

所得費が不明な場合

取得したのがかなり昔で、取得した金額(取得費)が分からない場合、概算取得費として売った金額(売却金額)の5%と計算することになっています。

5000万円で売った場合、その5%の250万円が所得費となります。

過去の契約書を紛失していても、通帳の出金履歴や分譲時の価格表等、根拠となるものがあれば、その金額を取得費として計上が出来ます。

その金額が5%で計算した金額より高い場合、譲渡所得(利益部分)が減ることで、課税対象額が減り税金が少なくなるので、購入時の取得費を調べてみましょう!

契約書などがあり購入代金が分かる場合は、マンションの購入代金や仲介手数料など取得に要した費用を合計した金額から、建物の減価償却を差し引いた金額が取得費となります。

(参考:国税庁|取得費が分からないとき)

参考:国税庁|建物の取得費の計算)

マイホーム(自宅)を売却したときの5つの特例

適用要件に合致すれば、自宅マンションを売却したときに使える5つの特例があります。

【譲渡益が出た場合の特例】

●3000万円の特別控除の特例

譲渡所得(利益部分)から3000万円を控除できる特例です。

親と同居していた子供が相続した後に売却するときや、相続で取得後に子供が自宅として住んだ後に売却したとき等に適用が可能となります。

(参考:国税庁|マイホームを売ったときの特例)

●10年超所有軽減税率の特例

所有期間が10年を超えて、細かい適用要件にも合致していると、税率が軽減されます。

3000万円の特別控除の特例とこの軽減税率の特例は重ねて受けることができます。

 課税譲渡所得6000万円以下課税譲渡所得6000万円超
6000万円以下の部分6000万円超の部分
所得税10.21%10.21%15.315%
住民税4%4%5%
合計14.21%14.21%20.315%

(参考:国税庁|マイホームを売ったときの軽減税率の特例)

●特定居住用財産の買換え特例

所有期間が10年を超えるマイホーム(自宅)を売却して、代わりのマイホーム(自宅)に買い換えたときは、譲渡益に対する課税を将来に繰延べすることが出来ます。

(参考:国税庁|特定のマイホームを買い換えたときの特例

【譲渡損が出た場合の特例】

●居住用財産の買換え等の場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

(参考:国税庁|マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例

●特定居住用財産の譲渡損失の損益通算及び繰越控除

(参考:国税庁|特定のマイホームの譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例)

4.税務署への確定申告及び納税

相続したマンションを売却して譲渡所得に対する譲渡税が発生するときには、その申告手続き、納税手続きを自ら税務署へおこなう必要があります。

手続きは毎年の所得税の確定申告と同様に、売却した年度の2月16日~3月15日におこないます。

(参考:国税庁|平成30年分譲渡所得の申告のしかた(記載例))

相続したマンションを売却した場合の税金の特例の詳細

1.「相続税を取得費に加算する特例」とは?

個人が相続したマンションを、売却する場合、相続時には相続税、売却時は譲渡所得に対する所得税がかかり、短期間のうちに税金の負担が重くなる場合があります。
その負担を軽くするために「相続税を取得費に加算する特例」という税法上の制度があります。
この特例は、相続により取得したマンション等を、一定期間内に売却した場合に、相続税額のうちの一定金額を取得費に加算することができるというものです。相続税額の一部を取得費に加算することで、譲渡所得を減らし所得税の負担を減らすことができます。この手続きは「所得税の確定申告」で行います。
計算式は次のとおりです。

※上の図では、取得費が増えた分だけ譲渡益が減り譲渡所得が減額していることがわかります。

2.「相続税を取得費に加算する特例」の適用要件

「相続税を取得費に加算する特例」を適用するためには、次の全ての要件を満たす必要があります。

① 売却したマンションは相続(又は遺贈)により個人が取得した
② 相続税額が確定している
③ 相続財産の課税価格の中に、売却したマンションの相続税評価額が入っている
④ 相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却している
⑤ 売却により譲渡益が生じている

各要件のポイントは以下のとおりです。

① 売却したマンションは相続(又は遺贈)により、個人が取得した

個人つまり自然人(ヒト)が取得したということです。法人が取得した場合にはこの特例は適用できません。法人税の枠組みで計算します。また取得要因は、相続(又は遺贈)でなければなりません。

② 相続税額が確定している

マンション売却日の属する年分の所得税の納税義務の成立する時点、すなわち原則として売却した年の12月31日時点で相続税額が確定している必要があり、マンションを相続して売却した人が負担していなければなりません。
 相続税額が確定しているかどうかは、通常は相続税の申告期限が、所得税の申告期限よりも前か後かで決まります。以下ではその2つのパターンについての申告手続の違いをみていきます。

(1)相続税の申告→所得税の申告をする場合

 相続税の申告・納税→相続により取得したマンションを売却し、譲渡益が生じた(その年の12/31時点で所得税の納税義務が発生)→翌年の申告期限(通常は3/15)までに、所得税の申告・納税という流れであれば、所得税の確定申告時には既に相続税額が確定しているので、この要件はクリアしています。

(2)所得税の申告→相続税の申告をする場合

相続税の申告が後であるため、所得税の確定申告時点では、相続税の金額が確定しておらず、相続税を取得費に加算する特例の計算ができません。
その場合は、取得費の特例は適用をせずにひとまず所得税の確定申告書を提出し納税します。 その後、相続税の申告書を期限内に提出し納税が済んでから、税務署へ所得税の「更正の請求」という手続きを行うことにより、特例を適用して計算した場合の税金との差額を還付してもらうことになります。

③ 相続財産の課税価格の中に、売却したマンションの相続税評価額が入っている

納付した相続税額のうち、売却したマンションに対応する相続税相当額を取得費に加算するには、相続財産の課税価格の中に、売却したマンションの相続税評価額が入っていることが前提になります。

・相続開始前3年以内に亡くなったかたから受けた贈与により取得したマンションも含みます。

④相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに売却している

相続開始のあった日の翌日から10か月後が相続税の申告期限ですから、この特例が適用できるのは、相続発生後3年10か月以内に売却したマンションが対象となります。相続開始後3年10ヵ月を過ぎて売却すると、取得費加算の特例は受けられません。
例えば、令和2年5月1日に亡くなった場合は、その翌日の令和2年5月2日から令和6年3月1日までに売却している必要があります。 

⑤売却により譲渡益が生じている

譲渡損失が生じている場合には、この特例の適用を受けることはできません。また特例の適用は譲渡益を限度とするため、譲渡所得を0にすることはできますが、マイナスになることはありません。

特例の適用を受けられるか否かについてはチェックシートが便利です。
相続財産を譲渡した場合の相続税額の取得費加算の特例チェックシート

3.取得費に加算する相続税の計算式

【相続税を取得費に加算する特例の計算例】 
Aさんが支払った相続税:4,000万円
Aさんが相続し売却したマンションの相続税評価額:1億円
Aさんの相続財産の課税価格:2億円
債務控除額 なし

 

※確定申告書を作成する際には「相続税の申告書」の内容を確認しながら、「相続財産の取得費に加算される相続税の計算明細書」により計算します。
  この用紙は税務署にあります。国税庁のホームページからもダウンロードできます。

【参考条文:措法39条】
 
 
相続したマンションに住む予定がなく空き室のままであっても、固定資産税・管理費・共益費・修繕費等の費用が継続的に生じます。管理の手間や時間もかかるでしょう。さらに人が住まないとなおさら建物が劣化して時の経過と共に財産価値が落ちていきます。収益を生み出さず費用のほうがかかる不動産であれば、できるだけ早めに、相続したマンションを売却して現金化するというのも選択肢のひとつでしょう。

※本内容は令和2年5月31日現在の税制等に基づいて一般的な税法の取扱いを記載しております。税法は改正されることが多く、本内容と異なる取扱いがなされる場合があります。判断が難しい場合やご不明点がある場合等は税務署や税理士に相談することをお勧めします。

相続した空き家を売却し利益が生じた場合の税法の特例の詳細

被相続人(亡くなった人)がひとり暮らししていた自宅を相続しても、特に誰も住むこともなく管理もせず放置されている空き家が増えています。このような空き家を売却しやすくするために、被相続人の居住用財産であった空き家を売却して利益(譲渡益)が生じた場合、税法上の特例を適用することにより税額の減額ができる場合があります。空き家(一軒家)が対象となりますので、マンションには使えませんが、是非、知っておきたい制度です。

1.被相続人の居住用財産であった空き家を売却した場合の3,000万円の特別控除

相続(又は遺贈)により取得した被相続人(亡くなった人)の居住用財産を売却し一定の要件に当てはまるときは、譲渡益から最高3,000万円まで控除できます(措法35条の3)。
 長期譲渡所得、短期譲渡所得のいずれの場合にも適用できます。 

収入金額―(取得費+譲渡費用)―特別控除(3000万円まで)=譲渡所得

特別控除することにより譲渡所得が減る結果、税額も減少します。
 ただし、譲渡益が3,000万円まで満たない場合の特別控除額は、譲渡益の金額が限度となります。

つまり、特別控除の適用により課税所得は0になることがありますが、マイナスになることはありません。

2.被相続人の居住用財産とは?

「被相続人の居住用財産」とは「被相続人の居住用家屋及び居住用家屋の敷地等」をいいます。

①被相続人の居住用家屋とは?

次の全てを満たすものです。

・昭和56年5月31日以前に建築されたこと
旧耐震基準で建築された家屋
・区分所有建物登記がされている建物でないこと
一軒家等ということ。マンション等は対象になりません
・相続の開始の直前において被相続人以外に居住をしていた人がいなかったこと。被相続人が一人で住んでいたということ
ただし、被相続人が老人ホーム等に入所して亡くなった場合は、入所直前に居住用に供していた家屋(従前居住用家屋)について、こちらの要件を満たせば適用できます。
国税庁「被相続人が老人ホーム等に入所していた場合の被相続人居住用家屋」

②被相続人居住用家屋の敷地等とは?

「被相続人居住用家屋の敷地の用に供されていた土地又はその土地の上に存する権利」をいいます。

3.適用のポイント

①取得要因は相続又は遺贈であること

②売却した人が被相続人居住用家屋及びその敷地の両方を取得していたこと
→いずれかのみを取得した場合は、適用できません
③相続の開始があった日から3年目にあたる年の12月31日までに売却すること

④家屋に被相続人の同居人又は賃借人がいなかったこと

⑤相続時から売却時まで、事業用、貸付用、居住用として使用していないこと

⑥譲渡価額が1億円を超えないこと

⑦配偶者、直系血族(父、母、子、孫等)その他生計を一にする親族などや同族会社などに売却したものでないこと

⑧売却時に次のいずれかに該当していること

(1)家屋が耐震基準を満たしていた
(2)家屋が耐震基準を満たすための耐震リフォームをした
(3)家屋を取り壊し更地にした

⑨相続税を取得費に加算する特例等の適用を重ねて受けることはできません。
相続税の取得費加算の特例についてはこちらをご覧ください→「相続したマンションを売却した場合の税金の特例」

4.相続空き家の特例についてのQ&A

Q1 相続税額が0円の場合にも使えますか?
A  使えます

Q2. 被相続人が老人ホームで亡くなりましたが、入居前はひとりで居住していた空き家については使えますか?
A  要介護認定等を受けて老人ホーム等に入所するなど、特定の事由により相続の開始の直前において被相続人の居住の用に供されていなかった場合で、一定の要件を満たすときは使えます。適用要件についてはこちらをご覧ください。→国税庁「被相続人が老人ホーム等に入所していた場合の被相続人居住用家屋」

Q3 同年に、自宅マンションを売却しました。自宅マンションの3,000万円の特別控除と空き家の3,000万円特別控除は、同じ年に適用できますか?
A  適用できます。ただし、両方を合計して3,000万円までしか控除できません。

Q4 昨年、自宅マンションを売却し3000万円の特別控除を適用しました。今年、相続した空き家について3,000万円特別控除は受けられますか?
A  適用できます。

Q5 住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)との併用はできますか?
A.  できます。

Q6 相続した空き家と敷地を相続人AとBの共有で相続しました。売却した場合、3,000万円控除はどうなりますか?
A. AとBは各自、3,000万円特別控除を適用できます。

Q7 相続した空き家の家屋は相続人Aが相続し、敷地はAとB共有で相続しました。これらを売却した場合の3,000万円特別控除はどうなりますか?
A  Aは適用できますが、Bは適用できません。本特例は、家屋及びその敷地の両方を取得していなければ適用できません。


                                   【参考条文:措法35条3項】

「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」の適用要件についてはこちらをご覧ください。 
「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
特例の適用を受けられるか否かの確認にはチェックシートが便利です。
被相続人の居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除の特例チェックシート 

※本内容は令和2年5月31日現在の税制等に基づいて一般的な税法の取扱いを記載しております。税法は改正されることが多く、本内容と異なる取扱いがなされる場合があります。判断が難しい場合やご不明点がある場合等は税務署や税理士に相談することをお勧めします。

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