マンション売却で儲かった人が行った方法6選と損しない税金対策3点
カテゴリ:マンション売却
投稿日:2024.07.11
マンション売却にあたって、儲かった人が何をして成功に至ったのか具体的に知りたい!と思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、購入金額より高くマンションを売却された方に共通した、販売活動の基本戦略となる6つの方法とともに、税金対策による節税のための3つのポイントについて解説いたします。
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- マンション売却で儲かるために基本戦略とすべき方法は6つ
- 損をしないための税金対策、節税ポイントとなる特例は3つ
- 売却にかかる費用のほか、手元に戻ってくるお金があるか要確認
目次
マンション売却で儲ける基本戦略
まず基本戦略として、マンション売却で儲かった方々が行った、以下の6つの方法に基づいて進めていきましょう。
- 購入時に立地の良さを優先する
- 事前にマンション売却相場を調べる
- 築10年以内に売却する
- 販売期間は6ヶ月以上の余裕を持つ
- 需要が高い時期を見極めて売却する
- 複数の不動産会社へマンションの査定を依頼する
順に解説いたします。
購入時に立地の良さを優先する
マンション売却で儲かった方々は、マンションの立地が価格を決定する重要な構成要素であることを認識しているため、購入時に立地の良さを優先しています。
国土交通省が実施した令和5年(2023年)マンション総合調査のうち、マンション購入の際に考慮した項目を示す以下の表では、間取りや日常の買い物環境などを上回って「駅からの距離など交通利便性」が一番多い結果となっています。
そのため、マンションを購入するときは、将来的に買い替えることも予測して、立地の良い物件を選びましょう。
多少築年数が経過していても、駅から近い好立地であれば需要が高いため買主が見つかりやすく、複数の購入希望者が現れる場合には、より高値でのマンション売却も期待できます。
出典:国土交通省|令和5年度マンション総合調査|(6)マンション購入の際に考慮した項目
事前にマンション売却相場を調べる
マンション売却で儲かった方々は、自宅及び周辺のマンション売却相場を把握してから、販売活動を始めています。どうしてでしょうか?
なぜなら、マンション売却では買主を探してもらう不動産仲介会社へ不動産査定を依頼する必要がありますが、前もってある程度の売却相場を把握しておくことにより、こちらから不動産仲介会社を選定するための基準を持つことができるからです。
具体的に言えば、あまりにかけ離れた売却相場を言ってくる不動産仲介会社を選定対象から外すこともできるということです。
そのため、自分のマンション、周辺の同程度のマンションの売り出し価格がいくらかなど相場をきちんと確認しておきましょう。
事前にマンション売却相場を調べるための4つの方法は以下の通りです。
- レインズマーケットインフォメーション
- 不動産情報ライブラリ
- 不動産情報サイト
- チラシ
ひとつずつ、みていきましょう。
レインズマーケットインフォメーション
「レインズマーケットインフォメーション」は、レインズを運営している国土交通大臣指定の不動産流通機構が、前述のレインズデータライブラリーとともに公開する不動産取引情報提供サイトです。
レインズに登録している不動産会社により実際に行われた不動産取引に基づいた成約価格を調べることができます。
出典:レインズマーケットインフォメーション ((公財)東日本不動産流通機構、(公社)中部圏不動産流通機構、(公社)近畿圏不動産流通機構、(公社)西日本不動産流通機構)
不動産情報ライブラリ
国土交通省が運営している不動産情報サイト、不動産情報ライブラリ(旧:土地総合情報システム)では、レインズマーケットインフォメーションと同様、実際に行われた不動産の取引価格=成約価格を調べることができます。
不動産情報サイト
HOME’SやSUUMO、アットホームといった不動産情報サイトは、物件数の掲載が多いので、やはり不動産売却相場を知るには参考になります。
室内の写真などの情報も多いので、売却しようとしている自宅マンションの部屋が、同じマンションや近隣で販売されている物件と比較して、見映えが良いのか悪いのかなどを知ることができます。
チラシ
ポストに投函されているチラシや、新聞に折り込まれているチラシは、同じマンションなど、最新の近隣販売物件として参考にしたい情報です。
なぜなら、不動産会社(仲介会社)は、売れそうな物件、相場適正価格の物件を積極的にチラシなどに掲載しているからです。
関連記事:マンション売却チラシは信用できる?不動産売却物件募集チラシの疑問を解消
築10年以内に売却する
マンション売却で儲かった方々は、「築浅」といわれる築10年以内の時期にマンション売却をしています。
なぜなら、築年数の経過に比例して建物の資産価値が低下していくのが一般的であるため、資産価値が低下する前に売却できているからです。
下記の表は、2022年度の首都圏における築年数ごとのマンション売却相場です。築年数を経るほど成約価格が下落しているのがみてとれます。
築年数 | 成約価格 | ㎡単価 | 専有面積 | 下落率 |
~5 | 6,638 | 105.21 | 63.09 | - |
6~10 | 6,193 | 93.76 | 66.05 | ▲6.7% |
11~15 | 5,543 | 79.86 | 69.41 | ▲16.5% |
16~20 | 5,250 | 74.01 | 70.94 | ▲20.9% |
21~25 | 4,290 | 61.91 | 69.29 | ▲35.4% |
26~30 | 2,832 | 44.57 | 63.54 | ▲57.3% |
31~ | 2,183 | 38.98 | 56.25 | ▲67.1% |
※成約価格・㎡単価:万円、専有面積:㎡
また、下落率をみると、11~15年は6~10年に比べて、およそ10%ほど価格が下落してしまうことがわかります。
さらに、築10年頃は、マンションの管理組合が予定している大規模修繕工事が数年後に近づき、各戸が毎月支払っている「管理費」や「修繕積立金」といったコストの値上げが検討され始める時期でもあるため、値上げ前の時期でのマンション売却がおすすめです。
販売期間は6ヶ月以上の余裕を持つ
マンション売却で儲かった方々は、販売期間に余裕を持たせてスケジュールを立てているようです。言い換えれば、急いで売る、早く売るという制約がないゆえに、必要以上の値引きをしなくてもよい状況でマンションの販売活動が出来ているということです。
下記の表は、直近5年の首都圏における、中古マンションの登録から成約までの平均日数です。
年 | 平均日数 |
2018 | 78.8 |
2019 | 81.7 |
2020 | 88.3 |
2021 | 74.7 |
2022 | 71.4 |
年ごとに違いはありますが、マンションの平均売却期間はおよそ2〜3ヶ月であることが分かります。
ただし、この期間は、媒介契約の締結から売却活動を経て売買契約を締結するまでしか指しておらず、事前のマンション売却相場調査や不動産査定を依頼する期間や、成約から決済・引き渡しまでの期間は含まれておりません。
そのため、販売から成約までの3ヶ月にその他の期間とゆとりを加えた、およそ6ヶ月以上の余裕をもってマンション売却期間を設定しておくことをおすすめします。
需要が高い時期を見極めて売却する
マンション売却で儲かった方々は、適切なタイミング、売り時を逃さずに見極めて売却したことが利益につながっています。
最大の売り時はいったいいつでしょうか?それは売却相場が上がっている、すなわち需要が高い時期に売却することです。
上記の表は、首都圏の中古マンションの売却相場の直近20年の推移です。
2002年度の相場価格は1,971万円でしたが、東日本大震災後の2012年度以降、毎年上昇を続けています。
2022年度の首都圏中古マンション相場価格は4,343万円で、この20年でおよそ2.2倍に上昇しており、最高値を10年も更新していることから、市場の長期的推移からみても、まさに今が売り時といえます。
では1年のうち、売りやすい季節や時期はあるのでしょうか。下記の表は2023年の首都圏の中古マンション月次成約件数です。
月(2023年) | 成約件数 |
1月 | 2,581 |
2月 | 3,240 |
3月 | 3,442 |
4月 | 2,954 |
5月 | 2,737 |
6月 | 3,111 |
7月 | 3,236 |
8月 | 2,367 |
9月 | 3,191 |
10月 | 3,287 |
11月 | 2,900 |
12月 | 2,941 |
表をみると、1月や8月は成約件数が少なく、新生活に合わせた2、3月は成約件数が多いことがわかります。
2月と3月を目標の成約時期とし、先述のゆとりをもって売却にかける期間のおよそ6ヶ月を逆算した8~9月にマンション売却をスタートすることをおすすめします。
複数の不動産会社へ査定を依頼する
マンション売却で儲かった方々は、複数の不動産会社のなかから信頼できる不動産会社を選定し、仲介営業担当者の協力を得て利益につながっています。
査定を依頼するときは、必ず複数の不動産会社に訪問査定を依頼することをおすすめします。
そうすれば、実際に売却する部屋を各社の担当者に見てもらうことができるため、内装や水回り等の経年劣化の状態なども勘案した査定価格(査定額)になり、より精度の高い査定金額を知ることができます。
また、直接会うことで、その不動産会社や担当者の雰囲気、自分と相性が良さそうか、営業としてのスキルが高いかなどを確認することができます。
マンションの売却は、販売活動期間中の購入検討者の部屋への案内、販売状況の報告、売買契約、残代金決済引渡しなど担当者と接する機会がたくさんあります。
そのため、重要なのは「販売活動をしてくれるのが信頼できる担当者であるかどうか」です。売主の利益を考えて販売活動の具体的な提案をしてくれる、信頼できる担当者を探しましょう!よく相談をして売り出し価格、下限価格を決めておきましょう。
不動産売却時の税金対策
マンション売却で儲かった方々のみならず、不動産の売却で利益を得た方々は、不動産売却時の税金対策を万全に行っています。
税金対策とは、実際には確定申告において、受けることができる控除や軽減税率などの特例を最大限に活用することにより、税負担を最小限に抑えることです。
確定申告とは、1月1日から12月31日までの1年間の所得にかかる税金の額を計算し、管轄税務署に申告・納税する手続きのことです。マンションを売却した翌年の2月16日から3月15日が申告期間となります。
一般的なサラリーマンでも、マンションなどの不動産売却をして、譲渡所得がプラスの(売却益がある)場合は、確定申告が必要になります。
譲渡所得は、以下の計算式で求めます。
また、下記の図の通り、譲渡所得がマイナス(譲渡損失が発生)であっても、税金の特例の適用要件があてはまる場合、その特例を利用するかどうかで確定申告が必要か不要かが決まります。
「損しない」ための税金対策のポイントとして、確定申告で利用すべき特例は3点あります。
- 居住用財産の3000万円の特別控除の特例
- 10年超所有の軽減税率の特例
- 特定居住用財産の買換え特例
順を追って解説いたします。
居住用財産の3000万円の特別控除の特例
●自分が住んでいる家屋を売るか、家屋とともにその敷地や借地権を売ること。なお、以前に住んでいた家屋や敷地等の場合には、住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること。
●売った年の前年および前々年にこの特例(「被相続人の居住用財産に係る譲渡所得の特別控除の特例」によりこの特例の適用を受けている場合を除きます。)またはマイホームの譲渡損失についての損益通算及び繰越控除の特例の適用を受けていないこと。
●売った年、その前年および前々年にマイホームの買換えやマイホームの交換の特例の適用を受けていないこと。
●売った家屋や敷地等について、収用等の場合の特別控除など他の特例の適用を受けていないこと。
(※抜粋)
10年超所有の軽減税率の特例
●日本国内のマイホームの売却
●売った年の1月1日において所有期間が10年を超える
●売った年の前年および前々年にこの特例の適用を受けていない
●特定居住用財産の買換え特例など他の特例の適用を受けていない(3000万円の特別控除は併用可)
●売主と買主が親子や夫婦など特別の関係でない
(※抜粋)
売却した年の1月1日時点で、所有期間が10年超の場合は、3000万円の特別控除の特例を適用後の譲渡所得に対して、6000万円までは軽減された税率で税額を計算できます。(適用要件を満たしているケース)
合計20.315%の税率が、14.21%の軽減税率となります。
- 6000万円まで:所得税10%、復興特別所得税0.21%、住民税4%
- 6000万円超 :所得税15%、復興特別所得税0.315%、住民税5%
この10年超所有の軽減税率の特例は、前述の3000万円の特別控除の特例と重ねて受けることができますので、両方の特例にあてはまる場合は、利用もれのないようご注意ください。
特定居住用財産の買換え特例
●日本国内のマイホームの売却で居住期間が10年以上
●売却した年の前年から翌年までの3年の間に日本国内のマイホームを買換える
●3000万円の特別控除、10年超所有の軽減税率などの特例の適用を受けていない
●売却代金が1億円以下
●売主と買主が親子や夫婦など特別の関係でない
(※抜粋)
売却価格が買い替え価格以下の場合と、売却価格が買い替え価格を超える場合でみてみましょう。
【売却価格≦買い換え価格の場合】
売却した時点では、自宅マンションの譲渡所得には課税されず、買い換えた居住用財産を将来売却する時に繰り延べられます。
課税が免除されるわけではなく、買い換えた居住用財産を売る時まで先送りされることになります。
【売却価格>買い換え価格の場合】
売った金額より買い換えた金額が少ないときは、その差額を収入金額として譲渡所得の金額の計算を行います。
- 収入金額 = 売却価格 − 買い換え価格
- 必要経費 =(売却した自宅マンションの取得費 + 譲渡費用)×(1.÷ 売却価格)
- 譲渡所得 = 1.−2.
出典:国税庁|売った金額より少ない金額でマイホームを買い換えたとき
売却にかかる費用と手元に残るお金
マンション売却で儲かった方々は当然ながら、売却価格から不動産売却にかかる費用を引いて手元に残るお金がどのくらいなのか、把握できています。
不動産売却にかかる費用を把握すること自体は、不動産会社に仲介を依頼してマンション売却を進めていれば、わかりやすく教えてもらえますので、特段難しいことではありません。
ここでは、マンション売却にかかる費用と手元に残るお金について解説します。
売却に伴う費用の確認
まずは、マンションを仲介で売却する場合にかかる費用について確認していきましょう。
下記の費用概算は、一般的なファミリータイプの中古マンションを想定しています。
費用 | ケース | 概算 |
仲介手数料 | 必ず | 売買金額3%程度 |
印紙税 | 必ず | 5千~3万円程度 |
抵当権抹消 | 該当すれば | 3~6万円程度 |
住所等変更 | 該当すれば | 3~4万円程度 |
住宅ローン完済 | 該当すれば | 4~5万円程度 |
不用品処分 | 必要に応じ | 20万円~ |
リフォーム | 必要に応じ | 15万円~ |
ハウスクリーニング | 必要に応じ | 8.5万円~ |
引越し | 必要に応じ | 11万円~ |
それぞれの費用についてはケースごとに、
- 必ずかかる費用
- 該当すればかかる費用
- 必要に応じてかかる費用
の3つに分けてご紹介します。
関連記事:マンション売却にかかる費用まとめ。相場、手数料や税金など
必ずかかる費用
●仲介手数料
不動産会社(仲介業者)は、以下のような業務を行います。これらの対価として仲介手数料を支払います。
- マンションの売却価格の査定
- 広告等の販売活動
- 契約条件の調整、交渉
- 売買契約書等の作成
- 重要事項説明書の作成
- 契約から決済までの事務手続き
宅地建物取引業法により、不動産会社(仲介業者)が受け取ることができる仲介手数料には上限額が定められています。
国土交通省で定める仲介業者が宅地建物の売買などをおこなって受け取ることのできる上限は、下記の計算式の通りです。
売買金額 | 報酬額(仲介手数料) |
200万円以下の部分 | 売買金額の5%以内 |
200万円超400万円以下の部分 | 売買金額の4%以内 |
400万円超の部分 | 売買金額の3%以内 |
●印紙税(印紙代)
課税文書である売買契約書に規定の金額の印紙を貼付します。
租税特別措置法により、不動産の売買契約書について印紙税の軽減措置が講じられています。平成26年(2014年)4月1日から令和9年(2027年)3月31日までに作成される契約書が対象になります。
不動産売買契約金額 | 本則税率 | 軽減税率 |
100万円超500万円以下 | 2千円 | 1千円 |
500万円超1000万円以下 | 1万円 | 5千円 |
1千万円超5千万円以下 | 2万円 | 1万円 |
5千万円超1億円以下 | 6万円 | 3万円 |
1億円超5億円以下 | 10万円 | 6万円 |
※100万円未満、5億円超は記載を省略
該当すればかかる費用
該当すればかかる費用の内容は以下の通りです。
●抵当権抹消費用
住宅ローンなどを借りる際に金融機関が抵当権を設定します。その抵当権の登記を抹消する手続きです。
関連記事:マンション売却時の抵当権抹消登記。申請のタイミングや手続きの流れ
●住所・氏名変更登記費用
転勤による引っ越しでなどで不動産所有者の住所が変わった、結婚などで氏名が変わった場合、法務局で変更登記が必要です。
変更登記はこれまで任意でしたが、令和3年(2021年)の不動産登記法の改正により、令和8年(2026年)4月までに、登記申請が義務化されます。
出典:東京法務局|転勤等で引っ越した方へ(住所の変更登記手続のご案内)マンション編
●住宅ローン一括返済費用
住宅ローンを一括で返済する場合、一括返済手数料がかかります。
関連記事:マンション売却時に住宅ローン残債がある場合の売却方法を解説!
必要に応じてかかる費用
必要に応じてかかる費用の内容は以下の通りです。
●不用品処分費用
不用品処分には自治体の有料引き取り、不用品回収業者や引っ越し業者の有料処分などがあります。
関連記事:マンションや家を売却する際、家具や荷物はそのままで売れる?家財や不用品を処分せず売却できる方法
●リフォーム費用
リフォームは、極端に汚かったり、不衛生でなければ多額の費用をかけて実施する必要はありません。詳しくは下記関連記事をご覧ください。
関連記事:マンション売却にリフォームは必要?費用相場や注意点を解説
●ハウスクリーニング費用
空き家や引っ越し後に売却をする場合、部屋の状態によってはハウスクリーングが有効なことがあります。部屋の第一印象がアップして高く、早く売れる可能性が高まります。
関連記事:マンション売却でハウスクリーニングは必要?費用やメリットを解説
●引っ越し費用
引っ越し費用の相場に関して、「引越し侍」の調査では、6月下旬の3人家族、輸送距離200㎞以内の引っ越し費用」が過去4年のデータ平均で約10万円と発表しています。
マンション売却での引っ越しについて、詳しくは下記関連記事をご覧ください。
関連記事:マンション売却による引っ越し、準備はいつから何をすればいい?
戻ってくるお金を見逃さない
マンション売却ではさまざまな費用がかかりますが、戻ってくるお金もあります。
どんな名目のお金がどれくらい戻ってくるのかを見逃さないよう、不動産会社の仲介担当者と一緒にしっかりと確認しておきましょう。
●固定資産税、都市計画税
通常は、マンションを売却した年の1月1日の所有者あてに、その年の固定資産税と都市計画税が請求されます。
買主と買主の間で締結する売買契約書に、買主が引き渡し日以降の税額を負担する旨の「日割精算に関する取り決め」を明記し、取り決めの通り決済時に精算することによって、引き渡し日以降の固定資産税と都市計画税の金額が戻ってきます。
●管理費、修繕積立金
マンションの管理費や修繕積立金についても、売買契約書に、買主が引き渡し日以降の支払額を負担する旨の「日割精算に関する取り決め」を明記し、取り決めの通り決済時に精算することによって、支払済の当月分に関して、引き渡しの日以降の管理費と修繕積立金の金額が戻ってきます。
●火災保険料(地震保険料)
マンションの購入時に火災保険へ加入している場合には、加入期間に応じて返還される解約返戻金があるか、保険会社に確認しましょう。
マンションの売却成功例と失敗例
ここでは、実際にマンション売却で儲かった成功例や失敗例など、体験記のブログをご紹介いたします。
儲かったマンション売却の成功例
東京都内城南地区に位置し、大手デベロッパーいわゆるメジャーセブンの1社が手掛けた、ローン残債4,235万円の小規模マンションを6,200万円でご売却され、費用を引いて1,830万円の利益を得た、りのさんのブログです。
著者 | りのさん |
エリア | 東京都内(城南地区) |
売却時の築年数 | 築10年以内 |
売却理由 |
|
売却状況(売却期間) | 売却済み(不明) |
※上記は2024年7月時点の情報です
事前に首都圏中古マンション在庫件数や成約㎡単価を調査
りのさんは、一般的に新築マンションを購入して間もない築浅物件の売却については、住んだ分購入価格より売却価格が低くなり損が出ることが多いということを念頭に置かれていたようです。
しかしながら、ご自身で事前に首都圏中古マンション在庫件数や成約㎡単価の推移を調べた結果、市況について以下の2点を導き出しています。
- コロナ前から首都圏のマンション価格は上昇していて、コロナ・ウッドショック・ウクライナ戦争でさらにマンション価格は高騰し高止まりしている
-
金利の上昇(金融緩和の縮小→前回の不動産バブル崩壊も金利上昇がきっかけ)/中古マンションの在庫数増加/資材費・エネルギー価格の下落(ウクライナ戦争の終結)/長期的にみる人口減少、の4点により数年後に住宅価格は下がると予測
自宅マンションや近隣の販売物件情報を確認
りのさんは、ご自宅マンションの販売物件情報を常に確認されていたようです。
2020年頃の時点では、同じマンションの別部屋の売却金額が購入時の金額と同じかそれ以下だったので、売却は検討されていなかったようですが、2021年秋頃には同じマンションの売却額が大幅に増加していたので、ご自宅の訪問査定を依頼されました。
その結果、購入時約5,000万円が約6,300万円と、購入時の26%増の査定金額がついたことで、売却を決意されました。
出典:【2022年】マンション売却体験記!1800万円の資金を得た話)
販売期間がかかってしまったマンション売却の例
著者 | MIYUさん(40代主婦・4人家族) |
エリア | 不明 |
売却時の築年数 | 6年 |
売却目的 | 戸建に住み替え |
売却状況(売却期間) | 売却済み(11ヶ月) |
※上記は2024年7月時点の情報です
海の見える新築マンションを購入して6年目のMIYUさんご家族は、将来的にお部屋の数が足りなくなるというお悩みを抱えていました。
そこで、戸建への住み替えを目指して2021年5月からマンション売却をスタート、2022年4月にマンション売却契約を締結なさいました。2022年12月には、マンションの引き渡しと戸建てへのお引越しが完了しています。
「つなぎ融資」を活用した住み替え
MIYUさんのブログでは、注文住宅を建てるにあたって、土地のお金や着工、上棟などの際にハウスメーカーに支払わねばならないお金について、つなぎ融資の利用を検討される場面があります。
つなぎ融資とは、住み替えや買い替えで購入物件の代金支払が売却物件の代金受領よりも先に来てしまった場合において、一時的な資金不足を補うために利用する短期の融資です。
MIYUさんのご新居の住宅ローンは年利0.39%(変動金利)ですが、つなぎ融資は年利2.9%と金利だけで40万円近い出費となっています。
つなぎ融資の金利は、住宅ローンの金利より高い場合が多いので、融資を受けている期間が長くなるとその分の金利負担が増えます。
建築スケジュールをしっかり確認して、自己資金と照らし合わせながら、返済計画を立てることが重要です。
内覧対応と清掃ポイント
MIYUさんは、仲介会社の変更や度重なる内覧を含めて、11ヶ月の長期間にわたる販売活動をご経験されました。
引き渡し後に「玄関の大理石タイルのヒビがあった」と仲介会社を通して買主の方から問合せを受けたそうです。
5年前に自然発生したもので、もちろん内覧時には靴を全部しまい、ヒビも見える状態だったようですが、内覧時にご指摘を受けてのやりとりはなかったようです。
ヒビの発生経緯をお伝えし、現状でご納得いただいたようですが、部屋の現状で何かあれば、内覧時に正確にお伝えすることをおすすめされています。
マンションの購入を検討している人は、内覧での室内の印象を重要視します。自分がマンションを購入した時のことを思い出してみるとわかりやすいでしょう。
住んでみたいというイメージを持ってもらうため、内覧前には、売却するマンションの室内を念入りに掃除しておきましょう。
関連記事:マンション売却の内覧の注意点。掃除は?来ない時はどうする?
受領した手付金は決済引渡しまで保管
MIYUさんのご主人は2022年4月に売買契約を締結され、手付金の紙幣を受領されました。手付金200万円から印紙代1万円を除いた199枚を数えるのは大変だったようです。
それに先立って仲介会社の担当者から違約金の説明もありました。キャンセルの可能性があるということです。
売買契約を結んだものの、他にいい物件が見つかったりローン審査に落ちてしまったりする場合があり、万が一買主が住宅ローンの審査に落ちてしまった場合、住宅ローンの特約により売買契約を解除できてしまうのです。
この記事のまとめ
この記事で紹介した、マンション売却で儲かった方々共通の方法6つと税金対策ポイント3つに関する要点をQ&A形式でまとめました。
マンション売却で儲ける基本戦略は?
購入金額より高くマンションを売却された方々が行った、販売活動の基本戦略は6つです。
- 購入時に立地の良さを優先する
- 事前にマンション売却相場を調べる
- 築10年以内に売却する
- 販売期間は6ヶ月以上の余裕を持つ
- 需要が高い時期を見極めて売却する
- 複数の不動産会社へマンションの査定を依頼する
6つの販売活動の基本戦略は詳細はこちらをご覧ください。
事前にマンション売却相場を把握するメリットは?
前もってある程度の売却相場を把握しておくことにより、不動産仲介会社を選定するための基準を持つことができるからです。
事前にマンション売却相場を把握する方法の詳細はこちらをご覧ください。
マンション売却で損をしない税金対策は?
損しないための税金対策ポイントとして、確定申告で利用すべき特例が3点あります。
- 居住用財産の3000万円の特別控除の特例
- 10年超所有の軽減税率の特例
- 特定居住用財産の買換え特例
3つの特例の詳細はこちらをご覧ください。
マンション売却で儲かった具体例は?
マンション売却で儲かった方の具体例など、体験記のブログをご紹介いたします。
詳細はこちらをご覧ください。