マンション売却と築年数。売れる限界は何年?

カテゴリ:マンション売却のお金
投稿日:2020.03.20

マンション売却と築年数。売れる限界は何年?

マンション売却築年数と検索すると、実際には不動産の売買をしたことがないであろうと思われる人の書いた記事がたくさん検索結果として表示されます。

マンションの売買(購入と売却)を年間400件超、そしてマンションを購入するために年間2500件を超える物件調査をおこなっている東京テアトルが、実際の売買で役に立つマンション売却築年数について解説を致します。

マンションを手放すのに最適な築年数何年か?築年数売却価格にはどんな相関関係があるか?など売却を検討する時の参考にして頂ければ幸いです。

マンションの「築年数」と「資産価値」

土地(敷地)と建物で資産価値が決まる

そもそもマンションを構成する土地と建物のうち、土地については、築年数という概念が当てはまりません。

土地は築年数が経過して古くなったからといって、価格が上がったり下がったりするものではありません。

築年数が影響を及ぼすのは建物だけであり、築年数が古くなっても土地価格の評価に影響するわけではありません。

分譲マンションは、区分所有建物という建物になります。区分所有建物とは、構造上区分され、独立して住居、事務所、店舗等の用途に供することができる数個の部分から構成されているような建物のことです。

この建物部分の査定額は、原則年数の経過とともにマイナスの評価をします。

建物は築年数が経過して古くなると経年劣化しますので、資産価値が減価します。結果として築年数が経過すると、建物の売却価格は下がることになります。

どこかで聞いたことがあると思いますが、このように徐々に劣化する資産の価値を帳簿上毎年減額(減価)することを減価償却といいます。詳細は他の記事でご説明致しますが、不動産売却の時の所得費などでも同様に減価償却費相当額を差し引くことになります。

建物は専有部分と共有部分、土地は敷地権

区分所有建物で、建物の独立した各部分を「専有部分」と呼びます。この専有部分を所有する者のことを「区分所有者」と言います。

エントランス、廊下、エレベーター、階段などのように区分所有者が共同で利用する建物の部分を共用部分と呼びます。これらの共用部分は、区分所有者で共有することになります。

マンションの敷地(土地)も建物の共用部分と同様に区分所有者の共有となり、その共有持分は敷地権(敷地利用権)と呼ばれます。

ご所有されるマンションの1室の資産価値を構成する要素は、マンションの敷地利用権の共有持分、専有部分の区分所有権、建物や建物付属物の共有持分ということになります。

マンションを売却するということは、部屋=専有部分(区分所有権)だけでなく、共用部分の共有持分と敷地権(敷地の共有持分)を売却するということになります。

専有部分と共用部分の範囲

【専有部分の範囲】

玄関タイル(床)フローリング(床)、巾木、ビニールクロス(壁、天井)、建具などの内装

キッチン、トイレ、洗面化粧台、ユニットバス、給湯器など住設機器

床下の給水・給湯・排水・ガス管や壁下の電線などの建物の付属物

【共用部分の範囲】

建物躯体、外壁、エントランス、共用廊下、階段、屋上等
建物の付属物(電気配線、ガス・給水・排水・給湯・排気配管等)
共用設備(エレベーター、機械式駐車場、インターネット設備等)
バルコニー、サッシュ、窓、玄関ドア、専用庭等

バルコニーは部屋に付いているので専有部分と思われるかもしれませんが、実は共用部分になります。

バルコニーは、共用部分ですが接する部屋(専有部分)の区分所有者が専用使用できる部位という位置づけになります。メールボックス、玄関パネル、玄関扉、窓枠、窓ガラスなども同様の位置づけになります。

専用使用できる権利、専用使用権は敷地及び共用部分等の一部について、特定の区分所有者が排他的に使用できる権利をいいます。

築年数の経過でマンション価格はどう下がる?

1年目から20年目までに急激に価格が下落

新築マンションは購入後1年で価値が急落して、以降築年数20年目あたりまで急激に価値は下落すると言われています。

21年目からは緩やかなペースで下落

一般的には築年数21年目以降は緩やかなペースで下落すると言われています。

実際の中古マンションの成約価格や成約㎡単価を見ながら、築年数と価格の変化や関連を確認してみましょう。

公益財団法人 東日本不動産流通機構の「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2018年)」によると”中古マンションは築20年以下で需要の高さ示す”と結論づけています。築浅のニーズが強いようです。

中古マンション成約状況(2018年)

築年数 ㎡単価 変化割合 価格 面積
築0~5年 80.96万円 100.0% 5,411万円 66.83㎡
築6~10年 68.06万円 84.1% 4,602万円 67.62㎡
築11~15年 60.56万円 74.8% 4,242万円 70.04㎡
築16~20年 52.77万円 65.1% 3,716万円 70.42㎡
築21~25年 38.70万円 47.8% 2,528万円 65.32㎡
築26~30年 29.68万円 36.7% 1,697万円 57.19㎡
築31年~ 31.70万円 39.2% 1,815万円 57.25㎡

出典:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2018年)

築年数が5年以内の築浅物件が成約となった㎡単価を100とした場合に、築年数が経過するとどの程度資産価値が下落するのか、東日本不動産流通機構が算出している「築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2018年)」のデータを参考に計算をしてみます。

築10年以内のマンション

築6年~10年の㎡単価は、築浅物件(築年数5年以内)と比べ約15.9%程度下落した価格になっています。以降10年間の5年単位下落幅より大きい下落となっています。

築11年~20年のマンション

築11年~20年以内の㎡単価は、築浅物件と比べて約25~35%程度下落した価格となっています。この10年間は、5年単位で約10%程度の下落幅となっています。

築21年~30年のマンション

築21年~30年の㎡単価は、築浅物件と比べて約52%~63%程度下落した価格となっています。築浅物件のおよそ50~40%がこの築年数の金額の目安となります。

この10年間は、築21年~25年目の5年間の下落幅が大きく、築26年~30年の5年間の下落幅は緩やかになっています。

築31年超のマンション

築年数31年を超えた㎡単価は、築浅物件と比べて約60%強程度下落した価格となっています。築浅物件のおよそ40%弱がこの築年数の金額の目安となります。

築年数31年超になると下落幅がより緩やかになっています。

築年数とマンション売却価格の関係

  • 新築の雰囲気が残る築0年~5年と比べて、使用感の出てくる築6年~10年の5年間下落幅は約16%と、以降10年間の下落幅より大きい。
  • その後の築20年までの10年間は、5年間下落幅が約10%と築6年~10年の5年間下落幅と比べて緩やか。
  • 築21年~25年の5年間下落幅は、約18%と下落幅が前の5年間より大きい。

経験則ですが、築年数20年超は、耐用年数を超えた水回りなどの住設機器が、経年劣化によって見た目の不衛生感が強まり、故障不具合なども急激に増えてきます。

見た目が汚く、大規模リフォームをしないと水回りが使えない状態の物件が増えます。

大規模リフォームには大きなコストがかかります。このコスト負担が嫌われ築21年~25年の物件は売れ行きが悪くなり、結果成約価格が大幅に下がるのではないかと考えます。

築26年以降は、内装や住設機器の価値がゼロに近くなるので、築26年も築31年も専有部分の価格差は無くなると考えます。

建物の緩やかな減価のみが下落幅の要因となるので、成約価格の下落幅も緩やかになると考えます。(マンション相場の上下の影響は除いて考えています)

マンションは築何年が売り時?

現在、中古マンション価格は上昇傾向

この数年間は、中古マンション価格が上昇局面にあったので、同じ築年数でも数年前に比べると成約価格が上がっています。

特に新築マンション価格の上昇に引っ張られて中古マンション価格は上昇するので、新築と比較される築年数の浅い物件ほど価格は上がっています。

「築年数〇年が売り時」というような記事がありますが、最大の売り時は、今回の上昇局面のようなマンション価格が上がっている時期に売却、特に築浅物件を売却をすることです。

余談です。築10年が売り頃とか、内装の痛みが少ない築浅が売り頃などの記事等がありますが、実は不動産会社の都合です。築浅の方が査定価格が高くなり、不動産会社の売り上げとなる仲介手数料の金額も高くなります。築年数の古い物件に比べ築浅の方が購入希望者の反響も取り易く、売却活動もし易いことが築浅のタイミングで売った方が良いですと業者が言っている理由です。

築5年以内、16~20年は売り時

前項で説明をした、成約㎡単価の5年間下落幅が大きい期間の前(大幅値下がりする前)がポイントで「売り時」と言えるかもしれません。

築0年~5年:最新の設備が整い、内装のダメージも少ないので、下落が少ない価格での取引が期待できます。

築16年~20年:水回りなどの住設機器の見た目、機能的耐用年数ギリギリなので、綺麗に使っていれば大規模リフォームが必要とならない分、下落が少ない価格での取引が期待できます。

マンション、売れる築年数の限界は?

中古マンションは築何年まで売れる?

中古マンションの売れる築年数の限界は何年か気になりますよね?

弊社東京テアトルは、中古マンションを1部屋単位で買い取り、リフォームをした後エンドユーザーに販売するという買取再販事業をおこなっています。

年間200戸前後の中古マンションを買い取り、リフォーム済みマンションとして200戸を販売している弊社ならではの、リアル売買データから「マンション、売れる築年数の限界」について考察してみたいと思います。

弊社が買い取り、リフォーム後販売している中古マンションの築年数

弊社が築何年のマンションを買い取っているかを見れば、買取目線の築年数の限界が見えてくると思います。過去約4年半に弊社が買い取らせて頂いたマンションの築年数をご紹介します。

築年数 戸数 比率
0~5年 13 1.5%
6~10年 45 5.2%
11~15年 86 10.0%
16~20年 105 12.2%
21~25年 123 14.3%
26~30年 71 8.2%
31~35年 116 13.4%
36~40年 122 14.1%
41~45年 88 10.2%
46~50年 81 9.4%
51~55年 13 1.5%
56年~ 0 0.0%

 

 2016年4月以降に買い取りをさせて頂いたマンションの平均築年数は29.0年となっています。

築11~築50年のマンションを多少幅はありますが、万遍なく買い取りをさせて頂いております。

買取の限界築年数は?

弊社の買取目線の築年数の限界は、築51~55年となっています。築51~55年の物件は下記の一覧の通りとなりまして、最高は築54年です。(築後年は買取時点の築年数を表記しています。現在の築年ではありません

買取した限界築年数、築51~55年のマンションは、いくらで売れた?

築51~55年の限界築年数マンションは、リフォームをした後、下記「リフォーム後成約価格」で売却をしました。

築後50年を超えるようなマンションでも、大規模リフォームをすることで再販売が可能です。

マンション名 所在 築後年 リフォーム後成約価格
田園マンション 大田区 51年 1198万円
西片住宅 文京区 51年 1900万円
上丸子住宅D棟 川崎市中原区 51年 1980万円
富士見町住宅32号棟 立川市 51年 990万円
習志野台一二街区住宅13号棟 船橋市 51年 1550万円
ニュー武蔵野マンション 武蔵野市 51年 販売中3480万円
鷺沼スタードエリング 川崎市宮前区 51年 販売中1980万円
ガーデン山住宅団地六号棟 横浜市神奈川区 52年 1880万円
秀和目黒レジデンス 目黒区 52年 2950万円
日吉第参コーポA棟 横浜市港北区 53年 1280万円
西三田住宅2-6号棟 川崎市多摩区 53年 1580万円
目黒コーポラス 目黒区 54年 4480万円
日吉第3コーポ 横浜市港北区 54年 1850万円

 

築56年を超えるマンションの販売中物件と成約件数

築56年を超えるマンション

2018年の時点で築50年を超えるマンションは全体の約6.3%となっています。

築後56年(1964年築)を超えるような民間の分譲マンションは、都内のブランドエリアに高級マンションとして供給された物件が多いようです。

戸数もそれほど多くないので中古マンションとしての流通は少なく、弊社では築56年を超えるような物件の買取は稀です。

築56年超のマンションはどの位売れている?

エリア 成約件数 販売中物件数
東京都 28 48
神奈川県 8 36
千葉県 1 2
埼玉県 4 3

2020年10月29日時点のレインズ販売中、成約データです。

成約件数は、直近1年間に成約になった築56年超の物件の件数です。

販売件数は、今日現在レインズに登録されている販売中物件の件数です。

築56年を超えた物件でも、件数は多くありませんが上記の通り市場に流通しています。

日本初の分譲マンション「四谷コーポラス」はどうなった?

日本初の民間分譲マンションとされているのは、新宿区の「四谷コーポラス」というマンションのようです。昭和31年(1956年)の竣工、まだ存在していれば築後64年になるマンションです。

このマンションは下記参考記事:「四谷コーポラス」建て替えについてにあるように、築後61年となった平成29年に解体され建て替えられています。

立地が良く、容積に余裕があるなどいくつかの条件が整えば、建て替え成功というマンションもあります。

参考記事:「四谷コーポラス」建て替えについて

四谷コーポラスは、下記参考記事にあるように2019年にアトラス四谷本塩町に建て替わりました。

参考記事:日本初の民間分譲マンションの建替え│旭化成不動産レジデンス

マンション売却と築年数のまとめ

築年数と売却時期

マンションの建物部分については、築年数が売却額を左右することはご理解頂けたと思います。

但し築年数によりその左右する幅(築浅からの下落幅)は変わってきます。

実際の中古マンションの成約㎡単価で見たように、築年数が新しい方が築浅物件からの下落幅は小さくて済みます。

築年数が新しいということは、その物件に居住している年月が短いということになります。そもそもの目的である居住に供した年月が短ければ価格は高く、居住に供した年月が長ければ価格が低くなるのは至極当然のことです。

家族が増えたから売却して住み替える、勤務地が変わったので通勤の便利な場所に売却して住み替える、というように築年数で売却するのではなく、理由やニーズがあるから売却するのが一般的です。

古くなったので売却という理由もありますが、その所有者個別の使い方による室内状態によりますし、リフォームなどのコストをかけたか否かにもより、単純に築年数が何年で売却を選択した方が良いという単純な答えは無いと考えます。

築年数が何年だからではなく、売却する理由やニーズがあるので売却して住み替えると考えた方が、より良い売却が出来ると考えます。

築年数と資産価値

既に説明したように部屋(専有部分)や建物(共用部分)を年数使えば、その価値が減価するのは当然のことです。

空き家にしていない限り減価相当の価値、利益、収益を得ているからです。

マンションを資産と考えるなら、マンションの立地(エリア、駅距離、周辺環境等)が重要であり、相場の上下の局面では影響が大きいと考えます。

ブランド力のある人気エリア、希少性の高い駅近物件、地位(じぐらい)が高く環境の良い住宅地などが、今回の価格上昇局面でも、大幅に資産価値を上げています。

建物が古くなると、資産を維持するコスト、マンションであれば大規模修繕など建物修繕費用は古い方が費用がかかるようになります。月々の修繕積立金の値上げが必要になるなど維持管理費用が高くなるというデメリットが考えられます。

そのほか必ずしもすべての物件に当てはまるわけではありませんが、下記のような築年数の経過による流通性の低下、売却査定額のマイナスが考えられます。

  • 一定以上古くなると、買主の住宅ローン借入れ期間が短くなることがあります。期間が短いと返済額が増えるので、買主が限定され流通性が低くなることが考えられます。
  • 一定以上古くなると(25年超)、原則住宅ローン控除が使えなくなります。控除の使える築年数の物件に競合負けを見込むとすると、査定額を割り引いて考える必要が出てきます。

この記事のおさらい

マンションは築何年が売り時?

以下の時期が売り時といえます。

  • 築5年以内:最新設備で傷みも少なく、価格下落を抑えた取引が期待できます。
  • 築16~20年:設備が耐用年数間近ですが、綺麗にお使いなら価格下落を抑えた取引が期待できます。

詳しくはこちらをご覧ください。

築年数の経過で価格はどう下がる?

  • 築6年~10年の5年間下落幅は約16%と大きい
  • 築11年~20年の5年間下落幅は約10%と緩やか
  • 築21年~25年の5年間下落幅は約18%と大きい
  • 築26年以降の5年間下落幅は緩やか

詳しくはこちらをご覧ください。

売れる築年数の限界は?

ブランド立地や駅近など希少性の高い物件、建物の維持管理の良い物件は古くても売れます。逆も然りです。詳しくはこちらをご覧ください。

築50年以上のマンションでも売れる?

弊社が買取させて頂いた実績では、最高で築54年(買取時点)です。詳しくはこちらの実例をご覧ください。

最後に

最後に築年数は関係なく、どんな築年数でも”お部屋はそのまま、立ち会い1回で売却可能”な売却方法である東京テアトルの直接買取をご紹介します。

弊社の直接買取なら一括査定も売却のコツも必要ありません。郊外、駅15分超、バス便など都心へのアクセスが悪い、古いのでお部屋の内装状態が悪く故障もある、事件事故(孤独死、自殺)などがあった、日当たりや眺望などの住戸条件が悪いなど、一般的には売り難いとされるような物件でも、原則問題なくお取り扱いをさせていただきます。

「築50年のマンションは売れない」というようなネットの記事があります。築年数が50年前後の古い物件は良い建物と良い管理という条件が付きますが、50年を超える物件でも買取実績はたくさんございます。

築浅物件でも売却期限が決まっていて早く売却したい方、築古物件だけどリフォームなど手間をかけないで売りたいなど、早く手間なく売却をお望みの方に特にお薦めです。

直接買取の詳細、メリットデメリットや注意点など詳しくは下記関連記事をご参照ください。

関連記事:直接買取

関連記事:直接買取と仲介のメリットデメリット

賃貸中物件など一部お取り扱いが出来ない物件もございます。詳しくは下記連絡先へお気軽にお問い合わせください。

マンションの売却のご相談、売却価格の査定(仲介、買取)などは無料で承っております。

東京テアトル株式会社 マンション売却相談センター ☎0120-900-881

 

 

 

 


森田学(執筆
森田 学【宅地建物取引士】

1999年東京テアトル株式会社に入社。「テアトルタイムズスクエア」などの映画館の運営スタッフ業務、ラグジュアリーホテル「ホテル西洋銀座」ドアマン業務を経て2008年不動産関連部署に異動、区分所有マンションの売買を担当し現在に至る。

 マンションのご売却はご不明な点も多く、不安をお感じの方も大勢いらっしゃるかと存じます。
 マンション専門に年間200件以上、取引築年数平均が30.8年と築古物件が得意な弊社が独自メソッドによる査定で高値買取致します。円滑で安心なお取引の一助となれば幸いです。