マンション売却は住宅ローンがあってもできる?ローン残債の一括返済

カテゴリ:マンション売却のお金
投稿日:2020.09.17

マンション売却は住宅ローンがあってもできる?ローン残債の一括返済

返済中の住宅ローン残債があるけどマンション売却できるのか?

マンションを売りたいけど、残っている(返済中)の住宅ローン残債はどうすればよいのか?

結論から申し上げると、住宅ローンが残っていても売却活動をすることは可能です。後ほど詳しく解説しますが、売買契約締結までは可能です。

売買契約を完了(決済)するためにはローン残債一括返済、抵当権の抹消登記などが必須となります。こちらも詳細は後ほど詳しく解説致します。

住宅ローンの残債がある場合、売買代金がローン残債を上回るか、下回る(オーバーローン)かが重要なポイントです。こちらも詳細は後ほど詳しく解説致します。

マンション売却、返済中のローンはどうする?

住宅ローンの返済途中でマンションを売却する場合、何をすれば売却ができるかを解説していきます。

一般的には、住宅ローンを借りているマンションを売ったお金(売却代金)でローン残債を一括返済して抵当権の抹消登記をする、という流れで売却をすることになります。

売却には抵当権の抹消登記が必要

抵当権とは

抵当権とは、住宅ローンを借りる時に、購入するマンションに金融機関が設定する権利のことです。抵当は、財産を借金の保証にあてること、担保というような意味です。

抵当権は、万一ローンの返済ができなくなった時のために、金融機関がマンションを担保に取る権利を言います。

抵当権の設定登記は、金銭消費貸借契約(住宅ローン契約)の締結日をもって設定登記をおこないます。

抵当権は、物件の登記簿の乙区欄にいつ、どの金融機関から、いくら借りたなどの内容が登記されます。

抵当権の抹消

一般的な(FRK標準書式)売買契約書には、下記のような条項があります。

第7条(抵当権等の抹消)

売主は、買主に対し、本物件について、所有権の移転時期までにその責任と負担において、先取特権、抵当権等の担保権、地上権・・・・・・・買主の完全な所有権等の行使を阻害する一切の負担を除去抹消します。

要約すると「売主は所有権の移転時期までに抵当権など完全な所有権(所有物を使用、収益及び処分をする権利)の行使を阻害する一切の負担を除かなければならない」になります。

簡単に言うと「売主は、売買契約に定めた日までに抵当権を抹消(消す)しなければなりません」となります。

参考:FRK標準書式の見方│売買契約書の見方│FRK(不動産流通経営協会)

上記「売買契約書の見方」の第7条(抵当権等の抹消)のFRKの解説がすごく纏まっているの引用します。

実際の取引においては、残代金支払日に、残代金の授受、債務の完済、抵当権等の抹消登記申請、所有権移転登記申請の手続きを同時に行うことが一般的です。この場合、残代金支払い日に抵当権等の抹消登記申請が行われますが、抹消登記が確認できるのは数日後になります。

FRK標準書式の見方│売買契約書の見方│不動産流通経営協会

抵当権の抹消登記に必要なこと

マンションを売却するので抵当権の抹消をしたい場合、住宅ローンの残債を完済すれば、金融機関から抹消登記に必要な書類を取得でき、抵当権の抹消登記が可能になります。

この抹消書類の取得が見込めれば抵当権の抹消登記は可能なので、住宅ローンが残っていて抵当権の登記が設定されている状態でも、売却に問題はありません。

もちろん住宅ローンの返済をしていても何ら問題はありません。

重要なのは、住宅ローンの残債を期限までに一括返済できるかです。売買契約を締結した後に、一括返済できないので抹消登記ができないとなると、先ほど説明した契約条項に違約することとなり、違約金を払って売買契約を解除することになるので注意が必要です。

住宅ローンの残債を確認

残債額の確認方法

通常は、マンションを売却した代金から売却に係る諸経費を差し引いた手取り金額、この手取り金額から残債を返済することになります。

住宅ローンの残債を完済するためには、手取り金額がいくら必要か、最低限いくら以上で売らなければ完済ができないか、を把握するために残債額を確認しましょう。

手取り金額から、或は手元資金から充当して残債を完済できれば、問題なく抵当権の抹消書類を金融機関から取得することが出来ます。(完済に不足する金額を次のローンに上乗せして借入れする方法もあります)

残債がいくらかなのかは、手元にある償還表(返済予定表)で確認できます。手元に償還表が見当たらなければ、金融機関に住宅ローンの残高証明書を発行してもらうという方法もあります。

と昔の感覚で書きましたが、このIT時代世の中は便利になっています。

インターネットバンキングを利用できる環境ならネットで残債額などを確認できます。詳しくは下記参考記事をご確認ください。

参考記事:住宅ローン お借入内容確認│三井住友銀行

マンション売却代金をローンの一括返済に充当

マンション売却代金がローン残債等を上回るケース

下記のように①マンション売却代金が、②ローン残債と②売却に係る費用の合計を上回れば、売却代金を充当して一括返済(全額繰り上げ返済)が可能です。

①≧②+③

①売却代金:3000万円

②売却にかかる費用概算:127.6万円

  • 仲介手数料105.6万円(仲介会社へ支払う)
  • 印紙1万円(売買契約書用)
  • 抵当権抹消登記費用5万円(登録免許税と司法書士への報酬)
  • 住宅ローン一括返済費用5万円(銀行に支払う手数料)
  • 引越し費用11万円

③ローン残債:2500万円

既に説明してきましたが、残債の一括返済ができれば抹消書類が取得でき、抵当権の抹消登記が可能となります。

これで住宅ローンの残っていたマンションの売却が完了できます。

「全額繰上返済に必要な資金」「抵当権抹消書類のご返却について」など銀行さんのページをご紹介しますので、こちらでもご確認ください。

関連記事:住宅ローン 繰上返済│三井住友銀行

住み替え先の購入、入居資金に充当

上記のケースであれば、372.4万円の売却代金が残ります。①-(②+③)

買い替えであれば次に購入する住宅の自己資金として、老人ホームや高齢者施設への入居であれば入居一時金などとして利用するのが一般的です。

マンションを売却、売却代金がローン残債に足りない

売却代金がローン残債を下回る

マンションを売却した金額から売却に係る諸経費を差し引いた手取り金額、この手取り金額から、或いは手元の資金を充当しても住宅ローンの残債を完済できないケースもあります。

住宅ローン残債額5000万円、手元の資金200万円

売却代金4000万円 - 諸経費200万円(売却代金の5%)= 手取り金額3800万円

一括返済に不足する額1000万円

手取り金額を残債が上回り、上回った残債を手元資金で返済が出来ない場合、債権者(金融機関)は抵当権抹消手続きに必要な書類を出してはくれません。

不足分を支払い、返済する

できるだけ高く売却できるように複数社で査定しても、現実的には売却額が残債額を下回ってしまうこともあると思います。

そういった場合にとれる方法のひとつが「不足額を自己資金で補い、ローンを完済する」というものです。

不足しているのが少額であれば自己資金を返済に充てることも考えられますが、上記のように不足する額が1000万円と金額が大きくなってしまう場合、自己資金での完済は難しいケースが多いと思います。

オーバーローン状態の場合、不足を自己資金で用意して完済できなければ、売却を諦めなければなりません。

住宅ローンの返済が滞っていて、金融機関から残債務全額の一括返済(期限の利益の喪失)を求められているような状況でなければ、売却を諦め住み続けるか、不足分を貯めるしかありません。

住み替え(買い替え)ローン

融資の条件などが厳しくなりますが、買い替えであれば不足分を買い替えする物件の住宅ローンに上乗せして借り入れができる、住み替え(買い替え)ローンを使って買い替える方法はあります。

借入れ額が増えて、支払いも増えるケースが多いので利用の際は、金融機関や不動産会社に相談をして、慎重に検討、判断しましょう。

住み替えローンの概要や商品詳細については、下記関連記事でご確認ください。

関連記事:住み替えローン│三井住友銀行

ローンを滞納、残債が売却代金を上回り完済できない場合は任意売却

期限の利益の喪失による一括返済と任意売却

先ほども触れましたが、住宅ローンを滞納して一定の期間が経過すると、金融機関は残債全額の一括返済を求めてきます。(期限の利益の喪失)

一般的には、ローンを完済するには、担保となっているマンションを売却して返済資金を捻出することになります。

完済に不足する金額の取り扱いは、債権者(金融機関)と交渉をしてその返済方法などの合意を得る必要があります。

所謂任意売却になり、債権者(金融機関)の同意がなければ実質マンションの売却が不可能となります。

販売価格の設定、売買契約の締結などは、都度債権者(金融機関)にお伺いをたて、承認を得なければならないことになります。

マンションを売却しても返済しきれない金額がいくら残るのか、残った金額をどのように返済していくのかなど、金融機関と事前に話し合い、調整をして互いの合意をしておかなければなりません。

競売

任意売却をするための金融機関との交渉や売却活動をせず、一括返済の求めを放置すると、金融機関は担保となっているマンションを強制的に売却をして、売却代金から貸しているお金の回収をすることになります。

どこかで聞いたこともあると思いますが、この担保不動産(マンション)を地方裁判所が強制的に売却するのが競売です。

マンションの競売は、直接室内の確認ができなかったり、明渡し交渉に時間がかかるなどリスクがあるので、不動産のプロが落札することが多く、一般的には相場価格より低い価格で売却されることになります。

マンション売却、ローン一括返済と抵当権抹消

住宅ローン残債の一括返済、流れ

一括返済(全額繰り上げ返済)に必要な資金の確定

売却が決まり、売却代金を受領して一括返済する日決まったら金融機関に連絡をします。

金融機関は、完済日までの日割りの金利(未払い利息)などを計算して、最終的な返済金額を確定します。

通常、金融機関が定める全額繰り上げ返済手数料がありますので、上記返済金額と合わせて支払うことになります。

ローン残債の一括繰り上げ返済日を決める

住宅ローンが残っているマンションを売却して、その売却代金を繰り上げ返済に充当する場合は、売却の決済日と同日に繰り上げ返済日を設定します。(※決済は買主から売買代金の全額受領して、買主に物件の引渡しを行う日)

通常、住宅ローンを一括繰り上げ返済すると金融機関から抵当権抹消に必要な書類が送られてきます。

一括繰り上げ返済日当日に抹消書類が必要なので、事前に金融機関へ依頼をしておきましょう。

一括返済と抵当権の抹消登記の流れ

一括繰り上げ返済日、抵当権抹消書類の受領

既に連絡をして金融機関より案内されている借入れ残高、繰り上げ返済日当日までの未払い利息、繰り上げ返済手数料、延滞をしている場合は損害金を繰り上げ返済日当日に支払います。

金融機関から抵当権抹消書類を受け取ります。決済手続きをおこなう銀行と繰り上げ返済する銀行が異なる場合は、売主本人か登記を担当する司法書士が銀行に取りに行くことになります。

抹消書類を司法書士へ渡し、抹消登記申請

金融機関から受け取った抵当権抹消書類を司法書士に渡します。

銀行から受領する抵当権抹消書類

  • 弁済証書(解除証書)
  • 登記済証(設定登記が平成19年以降受付であれば登記識別情報)
  • 委任状
  • 会社法人等番号(登記事項証明書)

司法書士は、決済日に売却するマンションの所有権移転登記申請と同時に上記抵当権抹消書類と売主の委任状で抹消登記の申請を行います。

既に説明してきましたが、これで「所有権の行使を阻害する一切の負担を除かなければならない」を履行したことになります。

マンション売却、ローンの抵当権抹消登記費用

抹消登記費用の内訳

  1. 登録免許税(不動産の数(1筆)×1000円)
  2. 事前調査費用(抹消前登記事項証明書の取得費用600円+報酬)
  3. 抹消登記完了後登記事項証明書取得費用(取得費600円+報酬)
  4. 司法書士報酬(一般的なマンションの抹消登記10000〜50000円)

概算の見積もり

下記見積書は、弊社がマンションを購入する時の所有権移転登記申請を多数おこなってくれている「H司法書士事務所」の抵当権抹消登記申請手続の金額です。

見積書

件名 件数 報酬額 登録免許税
1番抵当権抹消登記 1 20,000 2,000
2番抵当権抹消登記 1 20,000 2,000
       
調査・閲覧料・測量図・建物図面   1,000 350
謄本・抄本・印鑑証明書・資格証明書   1,000 600
申請・受領   10,000  
小計   52,000・・・① 4,950・・・②
       
その他の費用/郵送代及び交通費   2,080  
小計   2,080・・・③  
合計(①+②+③)   59,030・・・④  
消費税(①×10/100)   4,160・・・⑤  
差引請求額(④+⑤)   63,190  

抹消登記費用

登録免許税は、税金(国税)なのでどこの司法書士に登記を依頼しても同じ金額となります。

司法書士に支払う「報酬額」は一律ではありません。上記見積もりにある「報酬額」は抹消登記1件で20,000円となっていますが、この金額は司法書士が任意に決められます。

抵当権の抹消登記の「報酬額」をネットで調べると最低は3,800円という事務所もあり、10,000~20,000円程度が相場のようです。

マンション売却、住宅ローン一括返済のまとめ

返済中のローンがあるマンションでも売却できる?

売却できます。売却代金が住宅ローンの残債額を上回るか下回るかによって手順や手続き、必要なお金などが違ってきます。

売却代金が住宅ローン残債額を上回れば、売却代金を残債額の一括返済に充当することでスムーズに売却が完了を出来ますが、下回った場合は下回った金額を自己資金で充当しなければ売却が出来ないことになります。

売却代金がローン残債を下回って、且つローン返済を滞納してる場合

前述していますが、滞納後一定期間を過ぎると金融機関から残債の一括返済を求められます。(期限の利益の逸失)

マンションを売却してローンの返済に充てるとしても、売却代金を充当しても返済しきれないローン残債をどのように返済するかなどの協議を金融機関としながら売却をしなければなりません。

所謂任意売却です。

債務者が任意売却に応じない場合、金融機関は一定期間が経過すると競売の申立てを行い、強制的に債権の回収をします。

一般的には任意売却の方が競売より高く売却できると言われています。

ローンを滞納中でマンションの任意売却をご検討であれば、マンション専門の東京テアトルにお気軽にご相談ください。

東京テアトル 0120‐900‐881(マンション売却相談センター)

住宅ローンを返済中のマンション所有者が死亡、相続発生、ローン残債は?

住宅ローンを返済中のマンション所有者が亡くなり、そのマンションを相続した場合、住宅ローンの残債はどうなるか?

相続した相続人がローンの支払いを続けなければならないのか?

一般的な住宅ローンには、団体信用生命保険(団信)が付いています。

住宅ローンの返済期間は長期間にわたり、返済中にローン契約者が死亡や高度障害状態になったとき、住宅ローンの返済が困難になります。このようなリスク回避のために、銀行が契約者となり生命保険に加入します。これが団体信用生命保険です。

ローン契約者が死亡、高度障害となった場合、保険会社から銀行に保険金が支払われて、住宅ローンの残債額はゼロになります。

住宅ローンを返済中のマンション所有者が亡くなった場合、団体信用生命保険でローン残高は0円になるので、相続する方は安心です。

関連記事:りそな銀行 団体信用生命保険の比較

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