マンションが売れない!区分所有権を放棄することは可能?
カテゴリ:マンション売却
投稿日:2023.06.02
マンションを不動産会社の仲介で売却中でも、買い手がつかず売れないという状況に陥ってしまう場合もあります。
マンションが売れずお悩みの方は、一戸建てへの住み替えや住宅ローンの負担など様々な理由をお持ちのなか、所有しているだけで管理費や固定資産税などの費用がかかり続けてしまうこともご心配の種ではないでしょうか。
なんとかして早く処分したいと思い、不動産売却はあきらめて所有権を放棄して手放すことを検討した際に、果たしてそれは可能なのでしょうか?
そもそも所有権とは何か、国や自治体への寄付は可能か、また無償譲渡とその注意点についても詳しく説明いたします。
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- 区分マンションの所有に関係するのはどんな権利か
- マンションを国や自治体への寄付で手放すことはできない
- マンションの無償譲渡は何に注意すべきか
- マンション買取はなぜおすすめなのか
- 東京テアトルは築古や駅距離が遠いマンションも積極買取
目次
マンション物件のさまざまな権利について
まずは、区分所有権について理解するため、マンション売却において知っておくべき権利について詳しく解説いたします。
所有権とは?
まず始めに、不動産には「所有権」という権利があります。所有権とは、土地や建物を自由に使用・収益・処分できる権利のことです。
民法では、不動産に関する権利を大きく物権(所有権や地上権、抵当権など)と債権(賃借権など)に分け、権利の内容やその効力など、基本的な権利関係を定めています。
(出典:総務省|e-Gov法令検索 民法 第三章 所有権 第一節 所有権の限界 第一款 所有権の内容及び範囲 第一条(所有権の内容))
そして「区分所有権」とは、マンションなどの一棟の建物に構造上区分された「専有部分」が複数独立しているとき(区分所有建物)、その専有部分を所有する権利のことです。
この専有部分を所有する者のことを「区分所有者」と言います。
購入などで取得した分譲マンションの住戸の場合には、「区分所有権」が「建物の区分所有等に関する法律」(区分所有法)によって定められています。
マンションのエントランス、廊下、エレベーター、階段などのように、区分所有者が共同で利用する建物の部分を「共用部分」と呼びます。
これらの共用部分は、区分所有者で共有することになります。
(出典:総務省|e-Gov法令検索 建物の区分所有等に関する法律 第一章 建物の区分所有 第一節 総則)
敷地利用権とは?
まず「敷地」とは、建物が建っている土地のことです。そして、その敷地に関する権利のことを「敷地利用権」と言います。
敷地利用権の内容としては所有権や借地権、地上権などがあります。
マンションの敷地利用権も建物の共用部分と同様に区分所有者の共有となります。
また、各専有部分の敷地利用権の割合は原則として専有部分の床面積の割合となります。ただし、規約で別段の定めをすることも可能です。
(出典:総務省|e-Gov法令検索 建物の区分所有等に関する法律 第一章 建物の区分所有 第三節 敷地利用権)
敷地利用権とは別に、「敷地権」という権利もあります。次の項から詳しくみていきましょう。
敷地権とは?
「敷地権」とは、登記された敷地利用権のことです。
登記により敷地利用権は建物の所有権と一体となり、分離処分、すなわち土地売却と建物売却を別々にすることはできません。
この分離処分の禁止は、1983年の区分所有法の大改正による導入以降、管理組合規約への明文化や、新築分譲の際の登記で一般的になりました。
そのため、各専有部分の敷地利用権は一般的に「敷地権の共有持分」、各専有部分の敷地利用権の割合は一般的に「敷地権の共有持分割合」あるいは「敷地権割合」とも呼ばれています。
登記を経ると、登記簿謄本という書類に記載されている専有部分の登記記録の表題部に「敷地権の目的である土地」が記録され、敷地権の目的である土地の登記記録の権利部には「敷地権である旨」が記録されます。
敷地権の登記がされると、以降の所有権または担保権に関する登記については原則として、専有部分の登記記録にのみ記録され、敷地権の目的である土地の敷地権についてされた登記としての効力も持ちます。
(出典:総務省|e-Gov法令検索 不動産登記法 第四章 登記手続 第二節 表示に関する登記 第三款 建物の表示に関する登記)
【売れないマンション】区分所有権を放棄する方法とは?
ここまでご紹介した「区分所有権」を放棄できるのは、マンションを売却した場合のみです。
現在の日本の法律では、マンションを所有したまま区分所有権を放棄することはできません。
この決まりによって、マンションがなかなか売却できないけど管理費や固定資産税が発生してしまうというお悩みが生まれてしまうのです。
不動産を国や自治体に寄付することはできる?
不動産を手放すために、国に不動産の寄付の申出をした場合、受け入れてもらえるのでしょうか。
財務省ホームページには、
「土地等については、各省各庁が国の行政目的に供するために取得しようとする場合は、財務大臣と協議の上、取得手続をすることとなります。なお、行政目的で使用する予定のない土地等の寄付については、維持・管理コスト(国民負担)が増大する可能性等が考えられるため、これを受け入れておりません。」とあるように、行政目的以外の不動産の寄付は受け入れないと明記しています。
(出典:財務省|国に土地等を寄付したいと考えていますが、可能でしょうか)
自治体によっては土地などの寄付の仕組みがありますが、基本的には自治体として使う目的のない物件は受け入れないでしょう。
また、トラブルを避けたいという自治体の立場上、所有者が固定資産税の支払いを免れる手段とも解釈できる寄付行為を認めること自体が難しいと推察されます。
一例として、新潟市の土地の寄付に関する受け入れ要件には「建物等が付属する土地」は対象外となっていることからも、特に区分建物であるマンション物件の寄付の受け入れは現実的に難しいといえます。
寄付以外に不動産を手放す方法として「無償譲渡」も考えられます。
【売れないマンション】無償譲渡で処分できる?
無償譲渡とは、特定の物を無償で誰かに譲り渡すことです。
不動産に関していえば、使用していない空き家や空き地などを、希望する人へ無料で譲り渡すことを指します。
不動産取引では対価として代金を支払うのが一般的ですが、不動産の無償譲渡では、対価が0円となります。
法律上は、このような行為は「譲渡」ではなく「贈与」と呼ばれます。
無償譲渡でも税金など費用が発生
不動産の無償譲渡を個人間で行う場合、譲渡を受ける側には税金が課されます。
また条件によっては、譲渡する側にも税金が課されるケースがあることにご注意ください。
有償の不動産取引のほとんどの場合、宅建業者が仲介に入って、販売活動から引き渡しまでサポートしてくれます。
しかしながら、無償譲渡の場合は当該不動産の調査、贈与契約書の作成などやるべきことがたくさんあり、その煩雑な手続きを個人で行うのは大変です。
後述の所有権移転登記申請と合わせて司法書士に依頼する場合は司法書士報酬が必要になります。
さらに、所有権移転登記の申請に伴う費用、ならびに司法書士に登記申請を依頼する場合は司法書士報酬が必要になることにも注意が必要です。
不動産の無償譲渡を行うのが個人と限定して、譲渡先が個人の場合と法人の場合での、課される税は以下の表をご覧ください。
個人からの無償譲渡先 |
譲渡する個人が課される税 |
譲渡を受ける側が課される税 |
個人 |
無し |
・贈与税 |
法人 |
所得税(みなし譲渡所得課税) |
・法人税 |
個人と法人での無償譲渡について、上記表の詳細をご説明します。
【個人への無償譲渡】
譲渡する側の個人には税金が課されませんが、譲渡を受ける側の個人に贈与税、登録免許税、不動産取得税(要件を満たす場合の軽減措置あり)、固定資産税及び都市計画税が課されます。
【法人への無償譲渡】
譲渡する側の個人は不動産を「時価で譲渡したもの」とみなされます。
具体的にいうと、実際に無償で譲渡したとしても、税法上は一定の対価を受け取ったものとみなされ、「みなし譲渡所得課税」として所得税が課されます。
譲渡を受ける側の法人には登録免許税、不動産取得税(要件を満たす場合の軽減措置あり)、固定資産税及び都市計画税が課されます。
また、不動産を受け取ったことで利益があったとみなされるので、法人税が課せられます。
(出典:総務省|e-Gov法令検索 所得税法 第五十九条(贈与等の場合の譲渡所得等の特例))
・無償譲渡を受ける個人→贈与税、登録免許税、
不動産取得税、固定資産税及び都市計画税
・無償譲渡を受ける法人→法人税、登録免許税、
不動産取得税、固定資産税及び都市計画税
・法人へ無償譲渡する個人→所得税
・所有権移転登記申請にかかる費用
・司法書士に登記申請等を依頼する場合は
司法書士報酬
売れないマンションを処分するなら「買取」
所有しているマンションの区分所有権をそのまま放棄することはできず、国や自治体に寄付することも難しく、個人からの無償譲渡でも譲渡を受ける側に税金などの経費が発生することなどをご説明しました。
他に処分する方法はないのでしょうか?
不動産会社の仲介で売却する以外にも、マンションの売却方法には「買取」という選択肢があります。
買取とは、不動産会社が自ら買主となり不動産会社にマンションを買い取ってもらう売却方法です。
売れないマンションの処分をご検討であれば、早くて手間のかからない買取による売却がおすすめです。
築年が古いマンション物件の買取事例
弊社「東京テアトル」がこれまでに買取らせて頂いた2000件超のマンションから、築年が古い、駅からの距離が遠い、といったマイナスポイントがある物件を実際に買取らせて頂いた事例をご紹介いたします。
買取を検討するためのご参考になさっていただければ幸いです。
築30年超のマンションが全体の3割以上
上記のグラフは、弊社が2021年3月までに買取らせて頂いたマンション物件を、築10年未満、築10~19年、築20~29年、築30年超と築年別で4グループに区切って集計したものです。
築30年超のマンションが全体の36.1%、755件となっており、4グループ中で最も多いことがお分かりいただけます。
弊社が実際に買取らせて頂いたマンションの事例を、築年数が古い順にピックアップしましたのでご覧ください。
住所 | マンション名 | 面積 | 築後 | 総階数 | 総戸数 | 買取金額 |
目黒区 | 目黒コーポラス | 73.79 | 54 | 7 | 65 | 3,200 |
千葉市 | 稲毛海岸三丁目団地 | 62.98 | 53 | 5 | 768 | 400 |
立川市 | 富士見町住宅 | 44.95 | 52 | 5 | 876 | 70 |
品川区 | 大森駅前住宅 | 59.22 | 51 | 13 | 528 | 2,505 |
東久留米市 | 滝山団地 | 78.92 | 50 | 5 | 720 | 440 |
和光市 | 南大和住宅 | 48.93 | 49 | 5 | 390 | 150 |
船橋市 | 薬園台ハイツ | 73.32 | 48 | 5 | 90 | 150 |
相模原市 | 新原町田グリーンハイツ | 55.84 | 47 | 4 | 624 | 960 |
さいたま市 | 加茂川住宅 | 49.30 | 46 | 5 | 810 | 150 |
川崎市 | 宮前平グリーンハイツ | 58.35 | 45 | 5 | 995 | 420 |
買取金額の単位:万円
駅からの距離が遠いマンション物件の買取事例
弊社が実際に買取らせて頂いたマンションの事例を、最寄り駅からの距離が遠い順にピックアップしましたのでご覧ください。
住所 | マンション名 | 面積 | 駅距離(分) | 階 | 戸数 | 買取金額 |
川崎市 | リリーベル宮前ヒルズ | 81.88 | バス25→歩5 | 6 | 75 | 1,955 |
横浜市 | 若葉台団地 | 81.18 | バス25→歩3 | 12 | 91 | 1,260 |
さいたま市 | 加茂川住宅 | 49.30 | バス22→歩1 | 5 | 810 | 150 |
川崎市 | ライオンズヒルズ宮前潮見台 | 65.24 | バス20→歩6 | 7 | 55 | 950 |
川口市 | アルファスクエア川口グランデ | 64.81 | バス20→歩1 | 7 | 31 | 1,430 |
横浜市 | 若葉台団地 | 48.93 | バス18→歩2 | 9 | 179 | 996 |
三郷市 | グランテラス水元公園 | 64.13 | バス17→歩8 | 7 | 60 | 784 |
川口市 | 川口根岸パークホームズ | 72.99 | バス17→歩7 | 11 | 112 | 960 |
川崎市 | リーベスト宮前平 | 62.40 | バス17→歩4 | 6 | 66 | 1,259 |
江戸川区 | パークホームズ江戸川親水公園 | 94.61 | バス15→歩2 | 9 | 93 | 2,872 |
買取金額の単位:万円
東京テアトルは、中古マンション専門、築古物件でも、最寄駅からの距離が遠い物件でも、積極的に取り扱いをさせて頂きますので、お気軽にお問い合わせください。
「仲介」と「買取」の詳細や違い、メリット・デメリット、不動産査定依頼におすすめの不動産買取業者などは下記関連記事にてご確認ください。
関連記事:マンション買取の注意点、仲介の60%は誤り?手数料0円が可能
この記事のまとめ
最後に、この記事で紹介した内容をまとめていきます。
所有しているマンションが売れないので区分所有権を放棄することは可能か?
現在の日本の法律では、所有しているマンションの区分所有権を放棄することはできません。
国や自治体へ区分マンション物件を寄付することは可能か?
国は行政目的以外の不動産の寄付は受け入れておらず、自治体も同様です。区分マンション物件の受け入れは現実的ではありません。
無償譲渡とは?
特定の物を無償で誰かに譲り渡すことです。
不動産の無償譲渡では対価が0円となり、法律上は「贈与」と呼ばれます。
不動産の無償譲渡を個人間で行う場合、譲渡を受ける側には税金が課され、譲渡を受ける側が法人であれば、譲渡する個人にも税金が課されます。
さらに、所有権移転登記の申請に伴う費用、司法書士に登記申請等を依頼する場合は司法書士報酬が必要になることにもご注意ください。
買取とは?
不動産会社が自ら買主となる、不動産会社に買い取ってもらう売却方法です。
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(執筆) 森田 学【宅地建物取引士】 1999年東京テアトル株式会社に入社。「テアトルタイムズスクエア」などの映画館の運営スタッフ業務、ラグジュアリーホテル「ホテル西洋銀座」ドアマン業務を経て2008年不動産関連部署に異動、区分所有マンションの売買を担当し現在に至る。 マンションのご売却はご不明な点も多く、不安をお感じの方も大勢いらっしゃるかと存じます。 マンション専門に年間200件以上、取引築年数平均が30.8年と築古物件が得意な弊社が独自メソッドによる査定で高値買取致します。円滑で安心なお取引の一助となれば幸いです。 |