マンション買取のデメリット、買取と仲介の売却価格相場の差は?

カテゴリ:マンション買取
投稿日:2025.03.14

マンション買取のデメリット、買取と仲介の売却価格相場の差は?

マンションの売却では、仲介を依頼する方法のほか、「マンション買取」という方法もあります。

仲介に比べ売却価格が安くなるというデメリットがある一方、早期かつ確実に売却できるというメリットもあるため、双方をしっかり把握しておけば、マンション買取は売却での有力な選択肢となります。

そこでこの記事では、マンション買取と仲介の違いや、マンション買取のデメリットとメリット、さらに買取と仲介の売却価格相場の差についても詳しく解説します。

この記事でわかること
  1. 買取価格が仲介相場より安くなるデメリットは、メリットとなる付加価値の対価
  2. 直接買取は買取業者と直接取引するので仲介手数料不要、デメリットも軽減
  3. 買取価格は立地、築年、面積、価格帯、室内状態、市場動向などの変動要素あり

目次

マンション買取とは何か?仲介との違い

マンション買取とは何か?仲介との違い

最初に、マンション買取とは何かについて、一般的な仲介との違いを中心に解説します。

マンション買取は業者が買主

マンション買取は、下記の通り、不動産会社(マンション買取業者)が買主となり、マンションを買取ってもらう売却方法です。

プロである不動産会社にマンションを売却するマンション買取は、一般的な仲介と比べ、数日~1週間といった短期間で現金化可能、契約不適合責任免責など、多くのメリットがあります。

マンション買取とは何か?仲介との違い/マンション買取は業者が買主
■買主は不動産会社(マンション買取業者)

ちなみに弊社東京テアトルのマンション買取なら、現金化まで最短5日でご売却が可能です。

東京テアトルの直接買取

仲介は主に個人が買主

仲介とは、不動産取引において、売主様と買主様の間に仲介業者に入り契約を成立させることです。

一般的な仲介は、下記の通り主にエンドユーザー・個人が買主となります。

仲介業者は、買主を探すため広告や販売活動を行い、契約まで一定の時間がかかります。

仲介業者は、契約が成立すると報酬として仲介手数料を受領します。

マンション買取とは何か?仲介との違い/仲介は主に個人が買主
■買主様はエンドユーザー(個人)

仲介でかかるマンション売却の平均日数はどれくらい?

ここでは、仲介でのマンション売却にかかる平均日数について解説いたします。

公益財団法人東日本不動産流通機構(東日本レインズ)の「首都圏不動産流通市場の動向」に下記のようなデータがあります。

中古マンション前年比中古戸建土地
202087.0日5.6%114.1日116.6日
202172.1日‐17.1%95.2日100.1日
202273.0日1.2%79.0日78.9日
202382.6日13.2%87.1日82.5日
出所:首都圏不動産流通市場の動向(2023年度)

マンションの販売開始から成約に至る日数

不動産会社が東日本レインズに物件登録してから成約登録するまでの平均日数です。言い換えるとマンションの販売開始から売買契約締結までの期間ということになります。

レインズの登録には、専任媒介7日、専属専任媒介5日の猶予があります。
従って平均すると表の日数に約6日を足した日数、2020年度93.0日、2021年度78.1日、2022年度79.0日、2023年度88.6日が、販売を開始してから成約するまでの平均日数=期間ということになります。

これが巷で言われている「マンション売却にかかる期間は約3ヶ月」の根拠です。

しかしながら、マンション売却完了までの期間は、売却の準備から残代金決済・引渡しまでになります。売却活動開始から売買契約締結までの3ヶ月前後に、

  • 部屋の片づけや掃除など売却準備
  • 不動産会社への売却相談
  • 売却査定や媒介契約締結までの期間
  • 売買契約締結後残代金決済・引渡しまでの期間

がプラスされますので、合計すると平均売却期間は約6ヶ月となります。

売却活動が長引けば、売却完了までの期間が1年超かかることもあります。

次項では、マンション買取でのデメリットについて解説いたします。

マンション買取のデメリット

マンション買取のデメリット

マンション買取のデメリットは、下記の1点です。

  • 仲介に比べて売却価格が安くなることがある

具体的に解説いたします。

デメリット①仲介に比べて売却価格が安くなることがある

マンション買取のデメリットは、仲介で売却するマンション売却相場より安い価格となる可能性が高いことです。

中古マンション売却の場合、仲介の買主は主に個人ですが、マンション買取の買主は不動産会社です。

そのため、後述しますが仲介では不特定多数・不確定な検討客へお部屋を案内する見学会や広告といった売却活動の手間をかける必要がありますが、買取なら売却活動は不要です。

買取にはこのようなメリットがたくさんありますが、それらのメリットの対価としてコスト化され、結果として仲介に比べ売却価格が安くなります。

マンション買取のメリットとデメリットは、トレードオフの関係であり、メリットの対価としてデメリットが生じることになります。

次項では、マンション買取でのメリットについて解説いたします。

マンション買取のメリット

マンション買取のメリット

マンション買取には、仲介と比べて主に下記の7つのメリットがあります。

  • 仲介で売り難い物件でも早期に売却が確定
  • 希望に沿った契約日や短期間で現金化が可能
  • お部屋はそのまま、家具や荷物の処分も不要
  • 故障・不具合があってもリフォームは不要
  • 部屋の内覧立ち会いなどの売却活動が不要
  • 広告が不要なため周囲に知られず売却が可能
  • 売却後のクレーム・トラブルの心配無用

順を追って解説いたします。

メリット①仲介で売り難い物件でも早期に売却が確定

マンション買取業者なら、一般的な中古マンション市場で個人客への売却がしにくい「室内の経年劣化」や「間取りの陳腐化」が進行した築古マンションでも買取が可能です。

なぜなら、マンション買取業者は蓄積された取引経験によるノウハウや市況分析などに基づき、建物や立地がもつ潜在的な価値や需要を見出し、適正な買取価格を素早く算出することができるからです。

そのため、仲介で売り難いと思われるような物件でも、早期に売却を確定できます。

メリット②希望に沿った契約日や短期間で現金化が可能

マンション買取なら、売却する相手がプロである不動産会社のため、ご希望に沿った契約日などの設定を含め、売却手続きも短期間かつスムーズです。

また、短期間で現金化できることから、資金計画のスケジュールも立てやすいというメリットもあります。

メリット③お部屋はそのまま、家具や荷物の処分も不要

リフォームを行っての再販売を前提とするマンション買取なら、お部屋の汚れの掃除・クリーニング、荷物や家具の処分が不要です。

相続して空き家になっているマンションなども、お部屋をそのままの状態で売却でき、売却までの時間や手間がかからず、出費も抑えられます。

メリット④故障・不具合があってもリフォームは不要

仲介でのマンション売却では、購入検討客の購買意欲をより高めるため、場合によってはリフォームを実施する必要に迫られます。

しかしながら、マンション買取なら不動産会社がリフォームを行って再販売をする前提であるため、当然ながらリフォームは不動産会社が行うので、売主がリフォームをする必要はありません。

メリット⑤部屋の内覧立ち会いなどの売却活動が不要

マンション買取なら、休日にお部屋で購入検討客を待つなどの内覧対応は不要です。

そのため、マンションが売れるまで毎週末外出できない不便、お部屋を不特定多数に内覧されるストレスも無しです。

メリット⑥広告が不要なため周囲に知られず売却が可能

マンション買取なら広告による宣伝なども不要なため、近隣に知られずに売却が可能です。

いくらで売るの?なぜ売るの?いつ売れるの?などご近所の噂話や視線に対するストレスなどを感じることなく売却できます。

メリット⑦売却後のクレーム・トラブルの心配無用

仲介では、売主様は買主に対して契約不適合責任を負います。

そのため、万が一売却後に契約書に記載がない不具合が見つかったら、契約不適合責任による損害賠償や契約解除の申し出を受ける可能性があります。

売主様は契約不適合責任を負う限り、契約不適合を発見してから1年以内、または引渡し時から10年、あるいは契約書で定めた「責任期間」が過ぎるまで、不安を抱えることになってしまいます。

マンション買取なら、売主様の契約不適合責任は免責ですので、マンション売却後の水漏れ、故障などのトラブル・クレームの心配はありません。

弊社東京テアトルのマンション買取については、下記をご覧ください。

東京テアトルの直接買取

マンション買取では、仲介手数料がかからないようにする方法により、仲介との手取り額の差をさらに小さくすることができます。次項では、マンション買取での仲介手数料について解説いたします。

マンション買取での仲介手数料

マンション買取での仲介手数料

マンション売却での一番大きな費用として仲介手数料が挙げられます。

仲介手数料は仲介会社にとって重要な収入源のひとつであるため過度な値引きは難しいものの、競争原理のもとに仲介手数料の割引などを実施する仲介会社もあるようです。

ところで、マンション買取では、仲介手数料が必要なケースと不要なケースがあることをご存知でしょうか?。

マンション買取を誰に依頼するかによって、仲介手数料がかかったり、仲介手数料がかからなかったりします。

ここでは、マンション買取で仲介手数料がかかるケースと、マンション買取で仲介手数料がかからないケースをそれぞれご紹介いたします。

マンション売却の仲介手数料の相場など、詳細は下記関連記事をご覧ください。

関連記事:マンション売却の仲介手数料の相場を解説。値引きはできる?

マンション買取で仲介手数料がかかるケース

マンション買取を仲介会社に依頼すると、仲介会社は買主となる不動産会社を探して媒介することとなるため、「仲介手数料がかかる買取」になってしまいます。

その仕組みは以下の図の通りです。

【仲介手数料がかかる買取】

マンション買取での仲介手数料/マンション買取で仲介手数料がかかるケース
売却を仲介会社に依頼

仲介は、上記図の「売却を仲介会社に依頼」の通り、仲介会社に買主となるマンション買取業者を探してもらい、そのマンション買取業者と売買契約を締結します。

この場合、仲介会社の仲介(媒介)で売買が成立したこととなり、マンション買取業者の買取ですが、媒介契約に基づき仲介会社に仲介手数料を支払うことになります。

一括査定サイトで買取査定すると「仲介手数料がかかる買取」になる確率が高いのでご注意ください。詳しくは下記関連記事をご覧ください。

関連記事:マンションの買取は一括査定できる?おすすめの不動産一括査定サイトをご紹介

マンション買取で仲介手数料がかからないケース

一方、買取業者が不動産を直接買い取ることで、仲介手数料がかからない「直接買取」になります。

その仕組みは以下の図の通りです。

【仲介手数料がかからない「直接買取」】

マンション買取での仲介手数料/マンション買取で仲介手数料がかからないケース
売却を買取業者に直接

直接マンション買取業者に相談し、直接取引することで、仲介手数料がかからない「直接買取」になります。そのため、「マンション買取価格が仲介に比べ安くなるデメリット」をより小さくすることができます。

マンション買取、仲介での売却相場との価格差はいくら?

マンション買取で売却する場合、仲介での売却相場との価格差はいくら?

仲介と比べて買取価格が安くなることがマンション買取のデメリット、とお伝えしました。

マンションの買取価格は一般的な仲介での売却相場の60%~70%程度、と言っているサイトも見かけます。では、具体的にどのくらい安くなり、価格差はどれくらいになるのでしょうか?

弊社が導き出したマンション買取は、仲介で個人に売るマンション売却相場の概ね80%(弊社理論値)です。したがって価格差は、「マンション買取は仲介での売却相場より約20%安く」なります。

例えば、一般的な仲介での売却価格が3,000万円のマンションの場合、マンション買取価格は概ね80%(弊社理論値)の2,400万円となり、価格差は「20%(600万円)」となります。

中古マンションの市場価格、相場は様々な要因によって金額に上下幅があります。

同様に、マンションの所在地、立地、駅距離、築年数、専有面積、価格帯、部屋の状態、リフォームの有無や時期、市場動向などの条件によってマンション買取価格も上下します。

現状のような価格上昇マーケットの場合、人気エリアのマンションなら買取価格は90%を超えることも。

その場合、価格差は縮小されるため、「マンション買取は仲介での売却相場より約10%未満ほどの安さ」となります。

一方アスベストが使われている、浴室が在来など解体やリフォーム費用がかさむ物件は80%を大きく下回ることもあります。

また、前述の「直接買取」なら、80%(弊社理論値)が手取りベースで約86%までアップできるので、仲介での売却相場との価格差をさらに縮小させることも可能です。

関連記事:マンション買取の相場、買取価格は市場価格の何パーセント?

マンション買取はこんな方におすすめ

マンション買取はこんな方におすすめ

マンション買取には、仲介と比較してのデメリットやメリットがありました。それらをふまえると、下記のような方には、マンション買取での売却がおすすめです。

  • 内覧などの売却活動に時間を割くことができない方
  • 決まった日時までに売却を完了して現金化が必要な方
  • 売却前の荷物処分やリフォーム等の手間や費用を掛けたくない方
  • 売却後の故障、不具合などのリスクを避けたい方
  • プライバシーの心配をせずに売却したい方

一つずつ、みていきましょう。

内覧などの売却活動に時間を割くことができない方

前述の通り、仲介では必須の売却活動ですが、マンション買取なら不要です。

そのため、忙しいので内覧の立ち合いなどが難しい方におすすめです。

決まった日時までに売却を完了して現金化が必要な方

相続税や、高齢者施設入居費用などの支払期日があるため、決まった日時までに現金が必要な方にとっては、いついくらで売れるかわからない仲介より、現金化のスケジュールが明確なマンション買取がおすすめです。

売却前の荷物処分やリフォーム等の手間や費用を掛けたくない方

室内に残っている家具や家電が片付けられずお困りの方や、リフォームの見積りが高額のためそのまま売りたい方には、故障や不具合があってもお部屋をそのままの状態で売却可能で、売主様によるリフォームも不要な、マンション買取がおすすめです。

売却後の故障、不具合などのトラブルを避けたい方

相続などで物件から遠方、あるいは共有でご所有のため、売却後の故障や不具合による買主とのトラブルを避けたい方には、仲介では発生する売主様の契約不適合責任が免責となる、マンション買取がおすすめです。

プライバシーの心配をせずに売却したい方

仲介の売却活動では、物件情報をインターネット広告やチラシで宣伝することになります。

そのため、自宅の売却活動中であることを知られずに、プライバシーを守って売却したい方には、広告宣伝を含む売却活動が不要な、マンション買取がおすすめです。

また、仲介では必須の売却活動のうち、内覧への立ち合いがあります。マンション買取なら、お部屋を不特定多数に内覧されることによるプライバシーへの悪影響もありません。

お客様のお悩みやニーズに合わせて、マンション買取か仲介かを選ぶことが大切です。どちらの売り方が自分に適しているか判断に迷っている方は、どうぞお気軽にご相談ください。

関連記事:直接買取と仲介のメリットデメリット

マンション買取のデメリット、買取と仲介の売却価格相場の差は?のまとめ

マンション買取は仲介と何が違うの?

マンションの一般的な仲介は、主にエンドユーザー・個人が買主となるため、売却まで平均6ヶ月程度の時間がかかるのに対し、マンション買取は不動産会社が買主となるため、数日~1週間と短期間での売却が可能です。

マンション買取の、仲介との違いの詳細はこちらをご覧ください。

不動産買取のデメリットは具体的にどういうこと?

マンションを含む不動産買取のただ一つのデメリットは、買取業者が提示する買取価格(査定価格)が、仲介で売却するときの売却相場より少し安くなる可能性が高いということです。

買取価格は仲介に比べ安くなるものの、仲介と比べてたくさんのメリットもあります。

マンションを含む不動産買取のデメリットの詳細はこちらをご覧ください。

マンション買取での仲介手数料の注意点って何?

マンション買取業者に相談し直接取引することで、仲介手数料がかからない「直接買取」になります。

また、一括査定サイトで買取査定をすると「仲介手数料がかかる買取」になる確率が高いのでご注意ください。

マンション買取での仲介手数料の詳細はこちらをご覧ください。

中古マンション買取価格の相場、仲介(市場価格)との差は?

中古マンション買取相場は、仲介で売る市場価格の約80%(価格差は約20%)ですが、直接買取なら約86%(価格差は約14%)、時期や物件によっては90%超(価格差は約10%未満)ということもあります。

詳しくはこちらをご覧ください。

マンション買取がおすすめなのはどんな人?

仲介よりマンション買取がおすすめなのは、以下のようなお悩みやニーズをお持ちの方です。

  • 内覧などの売却活動に時間を割くことができない
  • 決まった日時までに売却を完了して現金化が必要
  • 売却前の荷物処分やリフォーム等の手間や費用を掛けたくない
  • 売却後の故障、不具合などのリスクを避けたい
  • プライバシーの心配をせずに売却したい

マンション買取はこんな方におすすめの詳細はこちらをご覧ください。


(著者
今井 俊輔【不動産鑑定士宅地建物取引士

2006年東京テアトル株式会社に入社。不動産鑑定により培った「理論」と不動産取引実務の「経験」に基づき、一棟オフィスビルをはじめ多岐にわたる不動産物件の売買に携わる。現在は管理職として区分所有マンション担当若手社員の育成にも力を注ぐ。

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