タワーマンションを買取で売るべき場合や流れ、おすすめ買取業者
カテゴリ:マンション買取
投稿日:2024.03.12
高層かつ大規模な建物であるタワーマンションの売却にあたり、スムーズに売れるかご心配の方もいらっしゃるのではないでしょうか。一般的なマンションよりも物件の特徴が明確なタワマンの売却方法としては、不動産会社に直接買い取ってもらう「買取」も選択肢の一つです。
この記事では、タワーマンションを「買取」で売るべきなのはどんな場合なのかを、「買取」による売却と「仲介」による売却の違いやメリット・デメリット、「買取」の流れ、おすすめの買取業者、より高額で買い取ってもらうためのポイントとともに解説いたします。
目次
タワーマンション買取売却の基本
そもそも「買取」とは、いったいどのようなマンション売却方法なのでしょうか?「買取」と「仲介」の基本的な考え方を比較しながらみてみましょう。
買取とは、中古マンションを自らが買主となる不動産会社に買い取ってもらう売却方法です。
マンション買取業者は、1度の内見のみで所有するマンションを購入してくれます。
一方、「仲介」とは、中古マンションの売却を不動産会社に依頼して、主に個人の買主を探してもらう売却方法です。
不動産仲介業者は、買主を探すために広告や販売活動を実施します。
買主が見つかり売買契約が成立した際、売主様は不動産仲介業者に仲介手数料を支払います。
マンションを売る方法や注意点などの詳細は、下記記事をご覧ください。
マンション買取と仲介の違い
マンション買取と一般的な仲介の違いを一覧表にしてみました。
買取 | 仲介 | |
買主 | 買取業者 | 個人(法人,業者) |
売買契約まで | 早期確定 | 長期・確定しにくい |
契約不適合責任 | 免責 | 負担 |
仲介手数料 | 直接は不要 | 必ずかかる |
売却金額 | 買取価格 | 市場価格 |
査定金額 | 必ず売れる | 売れるかも |
広告・売却活動 | 不要 | 必要 |
現金化 | 早い | 遅い |
マンション買取と仲介の主な5つ違いの詳細は下記「買取と仲介の違い」をご覧ください。
タワマン「買取」と「仲介」の選択:どちらが適しているか
不動産売却においては、「より高額を提示してもらえる買主を探す時間的余裕があるなら仲介」「手間なく早期売却希望なら買取」と考えて、売却価格か時間や手間を省くかの優先順位によって買取か仲介かを選ぶのが一般的です。
しかしながら、タワーマンションの売却の場合には、加えて買取を考慮すべき場合が3つあります。
大規模修繕の予定が近いタワーマンションなら買取
大規模修繕は費用がかかるため、ほとんどのタワーマンションでは管理組合が長期修繕計画を策定し、大規模修繕後に修繕積立金の値上げを予定しているので、値上げ予定が近いと以前の相場のままの価格では売りづらくなります。
では、値上げ予定が近いとどれくらい安くしなければならないのでしょうか?これからご紹介するいくつかの指標をもとに、概算してみましょう。
修繕積立金の額
国土交通省が5年ごとに実施しているマンション総合調査の最新結果によると、修繕積立金の平均戸当たりのおよその月額は11,243円です。
修繕積立金の値上げ幅
上記のグラフは最新結果のうち、現在の修繕積立金収入に対する直近の修繕積立金の増額幅の割合を示してており、平均的なマンションの修繕積立金については30%程度の値上げ幅が目安となります。
建物の耐用年数
建物の耐用年数(国税庁によって定められた「資産価値が0になるまでの年数」)は、鉄筋コンクリート造のマンションでは47年とされています。建物の耐用年数は鉄筋コンクリート造のマンションの平均寿命ではありません。
これらを指標として概算すると、修繕積立金(月額約11,243円)を徴収して竣工から15年後に大規模修繕を行う平均的なマンション場合、30%の値上げ予定額(月額約3,372円)の32年分、およそ130万円は安くする必要があると推察されます。
この概算額は、修繕積立金月額が20,000円で竣工から16年後に大規模修繕を行い、値上げ予定額が35%のマンションの場合であれば、値上げ予定額(月額約7,000円)の31年分でおよそ260万円となります。
タワーマンションによっては、修繕積立金が30%台を超えて大幅に引き上げられたり、各戸から高額な一時金を徴収したりといったことが必要なほど大きな支出が発生する可能性も考えられます。
そのため、大規模修繕の時期が近いタワーマンションを売却したい場合には、仲介で個人の買主を時間をかけて探す以外に、買取での早期売却という方法も検討に値します。
出典:国土交通省|マンションに関する統計・データ等 平成30年度マンション総合調査結果
供給過多エリアのタワーマンションなら買取
不動産経済研究所が2023年5月に発表した資料によると、東京23区内で2023年に完成が計画されている超高層マンションは113棟・60,166戸で、国内全体の52.7%を占めています。TOP3の区は以下表の通りです。
区 | 棟数 | 戸数 | |
1 | 港区 | 31 | 15,219 |
2 | 中央区 | 13 | 11,667 |
3 | 品川区 | 9 | 4,043 |
TOP3の区で供給戸数が3万戸以上多くなるということは、それら新築タワーマンションへの引っ越しと住み替えが一時的に多くなるということです。
「湾岸2024年問題」とは、それら新築タワマンへの大規模な住み替えによる諸問題を指しますが、東京都中央区や江東区といった湾岸エリアでは、一時的に中古タワマンが供給過多となることで物件価格が下落する可能性も指摘されており、大きな話題となっています。
湾岸2024年問題の要因のひとつとなる湾岸エリアの代表的な新築タワマンには、東京オリンピック・パラリンピックの選手村跡地に建築される晴海フラッグ(総戸数:5,632戸)、パークタワー勝ちどき(総戸数 2,786戸)などが該当し、約1.5キロ圏内に9棟が建設されています。
そのため、新築タワマンとの比較で中古タワマンの需要低下が予想されている状況では、不動産会社による買取での早期売却も対応策となりえます。
出典:マネーポストWEB|【タワマン供給過剰問題】「晴海フラッグ」約1.5キロ圏内に9棟のタワマン建設が進行中 月島では“反対運動”も
税制改正による影響が大きいなら買取
不動産は相続税の算定において、時価よりも低い「相続税評価額」での評価となるので、現金で相続するよりも節税効果がありました。
とくにタワーマンションは、上層階になるほど時価は高くなりますが、相続税評価額には反映されていなかったので、大きな節税効果がありました。そのため、相続税対策として購入された方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかしながら2024年1月1日以降、これまで考慮されていなかった所在階や築年数、総階数などが相続税評価額の算定基準に含まれ、相続税評価額が時価の6割に達しない場合、一戸建て同様に6割まで補正して評価することになりました。
そのため、相続税対策にならないと判断した多数の所有者が、今後タワマンを売却する可能性があります。それによって供給過多となる前に、買取による早期売却という選択肢も考えられます。
出典:プレジデントオンライン|富裕層の「タワマン節税」がついに終了…これからタワーマンション住民にのしかかる"大増税"の現実
タワーマンションを買取で売るメリット
タワーマンションを買取で売却するメリットは以下の3点です。
早期に現金化できる
売却したいタワーマンションを早期に現金化できるということが、買取で売却する大きなメリットです。
弊社東京テアトルなら最短5営業日、期限までに確実に現金化できます。
内覧など販売活動の手間がかからずに売却できる
タワーマンションを買取で売却するなら、買主を探すための販売活動が必要な仲介と違い、休日に部屋で購入検討者を待つなどの内覧対応が不要であることもメリットです。
販売活動自体が不要なので、そのぶんの時間と手間がかかりません。そのため、売れるまで毎週末外出できないといった不便もありません。
知られずに売却できる
買取でのタワーマンション売却なら、広告などの販売活動も不要のため、近隣に知られず売却が可能であることもメリットです。部屋を不特定多数に見学されることもありません。
タワーマンションを買取で売るデメリット
タワーマンションを買取で売却するデメリットは1点です。
仲介よりも売却価格が安くなる傾向がある
買取によるタワマン売却でのたった1つのデメリットは、「仲介による売却より多少価格が安くなる」ことです。
なぜなら、仲介手数料によって収益を得る仲介会社とは違い、タワーマンションを買い取った不動産会社は、リフォームやリノベーションを施して付加価値を上げて再販することを事業として行っているからです。
そのため、急いで売却しなければならない理由が無ければ、時間をかけて仲介で売却する方が売却価格は高くなります。
マンション買取相場や実際の買取事例などについて詳しくは下記関連記事をご覧ください。
関連記事:マンション買取の相場、買取価格は市場価格の何パーセント?
タワーマンション買取の流れ
タワーマンションを、仲介ではなく買取で売却する場合の流れは以下の通りです。
名義確認
タワーマンションを含む不動産の売却にあたっては、所有者本人であることを証明する書類が必要となります。それが不動産登記簿です。
まずは不動産登記簿でタワーマンションの名義が誰なのかを確認しましょう。
所有者本人の名義以外では、タワーマンション購入の際に夫婦共同名義になさっているケースがあります。その場合には、売却について夫婦両方の合意が必要です。
なお、相続したタワーマンションの場合には、相続登記がされているかを確認し、されていないなら相続登記の手続きが必要となります。
関連記事:マンション相続の手続き、相続税や評価額、売却までの税金
査定
買取業者に査定依頼のお問合せをしていただければ、実際に買取業者の担当者が希望日時に訪問し、スピーディーに査定を行い、買取価格を提示します。
弊社東京テアトルは年間2500件を超える調査の実績を活かした適正買取価格を算出してご提示いたします。
売買契約締結
価格や引渡し(引越)スケジュールを確認して充分納得頂いたのち、契約締結となります。必要なものは、印鑑、本人確認書類など。詳しくは担当者がご案内します。
決済・引渡し
決済・引渡しには、実印、印鑑証明書、登記済権利証などが必要となり、詳しくは担当者がご案内します。買取業者から売買代金を振込み、売主様からは鍵、登記に必要な書類などを頂きます。
高額買取を実現するポイント
タワーマンションの高額買取を実現するためのポイントは3点です。一つずつみていきましょう。
仲介相場価格を把握
買取によるタワマン売却では、仲介による売却より多少価格が安くなるというデメリットを先述しました。
そこで、「同じマンションまたは近隣の仲介相場価格」を把握しておけば、買取査定価格とどのくらい違うのかもわかるため、より高額での買取を実現するための判断材料となります。
具体的な把握方法として、以下の2点をご紹介します。
・販売中のタワーマンションの仲介相場価格は、SUUMOの「買う→中古マンション」から把握することができます(出典:SUUMO)。
・成約したタワーマンションの仲介相場価格は、レインズマーケットインフォメーションの「マンション→都道府県→地域」から把握することができます。
複数業者の買取査定額を比較
次のポイントは「買取の相談・査定は複数の業者」です。
タワーマンションを含む不動産買取の相談・査定は、複数の不動産会社に相談・依頼がお勧めです。複数の不動産会社のうち大手不動産会社も入っていれば、さらに確実な査定が望めます。
複数の不動産会社からの買取査定金額を比較すれば、より高額を提示した買取業者に買い取ってもらうことができます。
タワーマンション買取に強い業者に査定を依頼
大手不動産会社とともに査定依頼に加えることをおすすめしたいのは、買い取る不動産を得意分野、専門としている不動産買取業者です。
その買取業者が専門とする不動産物件であれば高値査定が期待できますので、タワーマンションの取引について専門性を持つ買取業者を含む複数社への査定依頼がベストです。
ここでは、タワーマンションの取引経験が豊富な買取業者3社をご紹介します。
インテリックス
インテリックスはマンション買取再販事業の売上が312.9億円、販売件数1420件という中古マンション再生販売専業の最大手であり、アフターサービス、高品質内装が強みです。
インテリックスは首都圏だけではなく、下記地域でもマンション買取事業を展開しています。
- 東京、神奈川、埼玉、千葉、札幌、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡
エフステージ
エフステージは2002年に創業し、東京都文京区に本社を構え、東京本店の他に吉祥寺、横浜、千葉、浦和に支店を展開する成長著しいマンション買取業者です。
エフステージは、首都圏の中~高価格帯の中古マンション買取に強みを持ちます。これまで東京を中心にリノベマンションの販売を行っており、販売戸数「首都圏No.1」の実績を誇ります。
シンプレクス・リアルティ
シンプレクス・リアルティは2002年に設立、中古マンション買取実績は累計4,300戸以上。首都圏エリア1都3県の中古マンションに特化しています。
2024年3月12日現在、シンプレクス・リアルティのホームページに掲載中の販売物件20件はすべて東京都23区内のマンション物件、販売価格平均は約1億2023万円と、都内の高価格帯のマンションの買取に強みを持っています。
適切なタワマン買取業者の選び方
ここでは、タワーマンションの買取業者選定はどうすればいいのか、買取で不動産一括査定サイトは活用できるのかについて解説いたします。
一括査定サイトの活用と業者選定のコツ
不動産一括査定サイトは、査定したいタワーマンションの情報と氏名、連絡先などの個人情報を入力すると、一度の入力でまとめて複数の仲介業者に査定を依頼できる利便性が特徴です。
基本的にはどの一括査定サイトも無料で査定依頼ができ、査定方法は机上査定か訪問査定を選択できます。買取査定依頼であれば、各仲介業者は買取できる不動産買取業者を探します。
しかしながら、タワーマンション買取で一括査定を依頼する際の注意点が1点あります。
それは、「一括査定サイト経由で仲介業者に買取査定を依頼すると、直接買取では不要な仲介手数料がかかってしまうこと」です。
仲介手数料をかけたくないなら、一括査定サイトの活用は控え、複数の買取業者へ直接依頼が確実といえます。
なお、一括査定サイトの提携不動産会社の多くは仲介業者ですが、なかには下記のような「仲介と買取の両方を行う」大手不動産会社もあります。
- 大京穴吹不動産
- 長谷工リアルエステート
- 大成有楽不動産販売
- オークラヤ住宅
- 東急リバブル
- 近鉄不動産
- 阪急阪神不動産
これらの大手不動産会社に買取を依頼できる一括査定サイトであれば、「仲介手数料がかからないタワーマンション買取」にすることが可能です。
関連記事:マンションの買取は一括査定できる?おすすめの不動産一括査定サイトをご紹介
タワーマンション買取に関するFAQ(よくあるご質問)
ここでは、タワーマンションの買取についてのよくあるご質問と回答をご紹介します。ご参考にしていただければ幸いです。
買取にはどれくらいの期間がかかる?
買取業者がタワーマンションの買取に要する期間は、数日から1か月ほどです。
タワーマンションに住宅ローンの残債があっても買取ってもらえる?
住宅ローンの残債がある場合、残債が売却金額を上回る(オーバーローン)か下回るかが重要なポイントです。
一般的には、住宅ローンを借りているタワーマンションを買取業者に売ったお金(売却代金)で残債を一括返済して抵当権の抹消登記をする、という流れで売却をすることになります。
査定依頼をするときに買取業者に相談しましょう。
関連記事:マンション売却時に住宅ローン残債がある場合の売却方法を解説!
タワーマンションの売り時、ベストなタイミングはいつ?
買取での売却に限らず、おすすめしたい3つのベストなタイミングをご紹介します。
税制上および賃貸物件に関するタイミングで、所有期間が5年、もしくは10年を超えたとき、そして空室になったときです。一つずつご説明します。
所有期間が5年を超えたとき
所有期間が5年を超えてから売却することによって、売却時に出た利益に課税される所得税や住民税の負担を減らせます。5年以下のものが短期譲渡所得、5年を超えるものが長期譲渡所得です。
所得税(復興特別所得税を含む)と住民税との合計は、短期譲渡所得は39.63%、長期譲渡所得は20.315%とおよそ2倍の違いですから、少しでも税負担を減らすには5年を超えた時期になってからの売却がおすすめです。
所有期間が10年を超えたとき
居住用に使用しているタワーマンションを、所有期間が10年を超えてから売却すると、譲渡所得の軽減税率の特例を受けられます。
譲渡所得が6,000万円以下の場合、所得税は10%、住民税は4%です。
譲渡所得が6,000万円を超える場合、所得税は15%、住民税は5%です。
譲渡所得が6,000万円以下の部分については、先述の長期譲渡所得よりも税率が下がります。
空室になったとき
タワーマンションの1室を貸している場合、基本的に入居者が退去した後でないと売却できません。
もし空室になることがわかったら、買取で売却するか、仲介で売却するか、またほかの人に賃すかを決めなければなりませんが、買取で業者へ直接売却するなら、仲介手数料もかからず、売却額としてまとまった現金を得ることができます。
関連記事:マンションは売却と賃貸、どっちが得?メリットデメリットを比較