ペット飼育中のマンションを売却する際の注意点
カテゴリ:マンション売却
投稿日:2022.08.10
ペットを飼っているマンションの売却をご検討なさっている方の多くは、
「ペットを飼っていることでマンションが売れないのではないか」
「ペットを飼っているマンションは売却価格が下がってしまうのではないか?」
というご心配をされているかと思います。
この記事では、ペットを飼っているマンションを売却する際に知っておきたい、
- 不動産会社による売却査定後の不動産査定価格が下がってしまう理由
- 売却する際に修繕するならどこをどの程度すべきか
といった内容を解説いたします。
- ペットを飼っていたことで不動産査定価格は下がるのか?
- 不動産査定価格が下がってしまう原因
- 資産価値を保つ劣化状況対策
- 消臭のためのリフォームは効果的?
- 劣化状況対策もリフォームも不要な「直接買取」について
目次
室内の劣化状況で不動産売却査定額は変わる
結論から言うと、「ペットを飼っていた」という理由だけで不動産査定価格が下がることはありません。
しかし、ペットを飼っていたことによる室内の劣化状況がマイナスポイントとなり、不動産査定価格が下がってしまうということはあります。
ペットを飼っていたことによる室内の劣化状況とは、具体的には以下の2点が挙げられます。
・傷や汚れ
飼っていたペットの種類や飼っていた期間によっても、劣化状況はある程度変わってきます。例えばマンションの同じ棟で大きな犬を5年以上飼っている住戸と、数か月前に猫を飼い始めた住戸とでは、ニオイのつき方も汚れや傷のつき方も異なるでしょう。
築浅のマンションで飼い始めて間もないというような場合でも、「ペットが粗相した箇所をクリーニングせず放置してしまってニオイが壁や床に染み付いた」といった状況では査定価格が下がることは防げません。
この状況は、実際に弊社が購入させて頂いたマンションの実例で、下の画像がそのときの床の状態です。
逆に、築年数がかなり経っているマンションで、大きな犬を5年以上飼っていたとしても、しっかりクリーニングや劣化状況対策をしてニオイも傷も目立っていない状況であれば、査定価格がそれほど下がることはありません。
このように、「ペットを飼っていた=査定価格が下がる」というわけではなく、然るべき対策や処置を行って劣化を防いでいたかどうかが重要であるということを理解しておきましょう。
資産価値を保つための劣化状況対策ポイント
それでは、ペットのいるマンションの劣化状況への対策ポイントを挙げていきます。
- ニオイ対策
- クロス・床の傷や汚れ対策
ただし、ペットのいるマンション全てに対して共通のポイントではなく、劣化状況によって対策ポイントは変わってきます。心配な内容がございましたら、不動産仲介会社に早めに相談しましょう。
ニオイ対策
ペットのいるマンションの劣化状況として大きな要素が、ニオイです。
ニオイは、普段住んでいると慣れてしまうこともあり、気づきにくくなりがちという側面もあります。特にペットを飼っていない人が購入検討客となると、ニオイが一番気になるところではないでしょうか。
例えば、間取りを気に入っても、いざ内覧を終えるとニオイが気になって購入を見送ってしまう、というケースは少なくありません。
当初から消臭クロスを使用している場合、ニオイのダメージをある程度防ぐことができるでしょう。しかし劣化状況によっては、消臭クロスにもペットのニオイが染みついてしまっていることもあります。
このような場合は、固く絞ったタオルでクロスを水拭きしたり、消臭用品を使用することで多少の消臭効果は期待できます。
また、クッションやソファー、カーペットなどの布製品や家具にもニオイは染みつきます。洗濯可能なものは洗濯するのがベストですし、消臭用品を使うのも効果的です。洗濯もできず消臭用品も効き目が弱いものなら、しまえるものは内覧時にしまっておき、それほど必要のないものであれば、この機会に処分することも検討してください。
ただし、消臭用品や換気だけでは、深く染み付いたニオイは消えにくいので、不動産仲介会社にニオイの度合いを確認してもらうのがよいでしょう。
劣化状況によっては、ある程度減額して売却することも検討する必要があります。
クロス・床の傷や汚れ対策
壁のクロス・床などのひっかき傷や汚れも、ペットを飼っているマンションの劣化状況で目立つ部分です。
特に猫を飼っているマンションは爪とぎによって壁のクロスがボロボロになりやすく、そのままの状態では、購入検討客が内覧した際の印象は非常に悪くなります。
また、壁のクロスも床も範囲が広いため目立ちやすく、部屋の印象への影響が大きいということからも、壁・床のひっかき傷や汚れはマイナスポイントです。
壁のクロスと床のダメージを補修する方法をご紹介いたします。
【壁のクロスを自分で補修】
クロスがめくれてしまっているだけのときはクロス用の接着剤を使って、剥がれたクロスを再び元の位置に合わせて接着していきます。
ひっかき傷でクロスが一部なくなっているときは、全く同じ素材のクロスがあれば望ましいのですが、無い場合は、収納の天袋近くの部分など目立たない場所のクロスを切り取り、形を合わせて接着していきます。
接着後に指などで軽く押し込んで周りのクロスと馴染ませることで違和感が軽減します。
【床を自分で補修】
床の傷については、埋めて補修する方法と、塗って補修する方法をご紹介します。ホームセンターや100円均一の店舗などで関連商品も比較的入手しやすいでしょう。
埋めて補修する方法は、専用のパテを購入してフローリングと同じ色の素材にして、傷を埋めます。
塗って補修する方法は、専用のマーカー等でフローリングと同じ色のものを購入して、傷部分を隠すように塗って補修します。
いずれかの方法を用いることで、多少の傷なら補修が可能です。
消臭のためのリフォームは必要?
劣化状況によってはペットのニオイがクロスの奥にあるコンクリート躯体まで染み込んでしまっていることも多いです。
この場合は、消臭のためのリフォームをしてもあまり効果が見込めません。一旦、ニオイが消えたようになりますが、それでも時間が経つと再びニオイが出てきてしまうケースがあります。
マンションのリフォームで「ニオイを消す」というのは難易度が高く、価格も高くなりますが、その効果は確証できません。そのため、消臭のためのリフォームは安易におすすめできません。
もし次の買主がペットを飼う予定であれば、修繕してもまた傷がつくので、その分値引きなどの交渉で成立するかもしれません。
また、消臭のためのリフォームにかかる費用を考慮して売却価格をある程度安くした方が、売主としては結局安く済むということもあります。
リフォームはしなくても、ハウスクリーニングで対策をするという方法もあります。下記リンクの関連記事をご覧ください。
関連記事:マンション売却にハウスクリーニングは必要?費用やメリットを解説
劣化状況対策の関連ポイント
1.ペット飼育細則は最新版をチェック
ペットに関する決まりごとは、管理規約集に「ペットの飼育に関する細則」等として定められていることが多いです。
マンションによっては、細則の内容を管理組合の総会などで見直して変更しているケースもあります。ペットのいるマンションを売却する際は、まず管理会社に管理規約集について確認し、不動産会社には最新版の内容を伝えるようにしましょう。
2.複数の不動産会社に訪問査定を依頼
ペットを飼っていたマンションを売却する場合、複数の不動産仲介会社に訪問査定を依頼すると良いでしょう。
ニオイは人によって感じ方が異なりますので、前述の通り、不動産仲介会社に実際に訪問してもらい、マンションのニオイを体感してもらう必要があります。
不動産仲介会社の訪問査定を受けたとしても、購入検討客が内覧したときのニオイの印象が不動産仲介会社と同じとは限りません。
ニオイに関してはかなりバラつきの大きい印象になりますので、あらかじめ複数の不動産仲介会社から査定をもらい、査定価格の幅を把握しておくのが良いでしょう。
3.内覧時の対応
内覧の準備段階として掃除を徹底して行い、ペットの毛が落ちていないかチェックしましょう。また、内覧前に換気をするのも、ペットのニオイを和らげるためには重要です。
また、内覧の際は、ペットがいない状態で対応しましょう。ペットがいると、内覧してくれる購入検討客の気が散ったり、集中できなくなって、悪い印象を与えてしまうかもしれないからです。
内覧してくれる購入検討客に好印象を与えるために、ご夫婦の場合はご主人に散歩に連れて行ってもらったり、トリミングなどでペットを預かってもらったりするのもいいかもしれません。
もし購入検討客がペットを飼っているようでしたら、マンション周辺のペット飼育環境について説明してあげると良いでしょう。仲介会社の担当者から言ってもらっても構いません。ペット病院や、預かり対応OKの場所、犬ならお散歩のおすすめコースや公園などです。
このように対応することで、物件の購入をより前向きに検討してもらえるかもしれません。
直接買取なら劣化状況対策もリフォームも不要
不動産会社による直接買取なら、不動産会社が買主になるため、仲介会社と媒介契約をしてその都度販売活動をして買い手を探すといった必要はありません。
直接買取なら、買い取った不動産会社がリフォームをして再販売するため、内覧などの販売活動はもちろん、劣化状況対策も消臭のためのリフォームも不要です!
直接買取のメリットは、販売活動をしなくて済むことや劣化状況対策もリフォームも不要なこと以外にもたくさんありますので、詳細は下記「直接買取と仲介のメリットデメリットはこちら」からご確認ください。
メリットのひとつに、仲介会社が間に入らないことで仲介手数料が要らず、その分手取り金額が多くなるということがあります。