マンション売却の登記費用は?内訳や必要書類を解説

カテゴリ:マンション売却の手続き・ノウハウ
投稿日:2020.06.09

非常に大きなお金と権利が動くマンション売却。

しかし普段の生活の中ではあまり触れることのない用語も多く、分からないことだらけという方も多いのではないでしょうか。

ここでは、マンション売却において必須となる登記の意味、必要となる書類等や費用、その支払いのタイミングなど、手続きの一連の流れを見ながら、順を追って解説していきたいと思います。

マンションの売却で必ず必要な登記とは?

登記とは、外見だけでははっきりしない権利関係などを、公に明らかにするために行う手続きのことです。
登記には、商業登記や法人登記など様々な種類がありますが、マンションの売却に関係するのは不動産登記になります。
たとえば、ある分譲マンションの一室について、ただの借り主である住人が勝手に売りに出していてそれを知らずに買ってしまったら、とんでもないトラブルになりますよね。
こうした間違いを防ぎ、取引の安全を確保してくれるのが、登記という制度なのです。

抵当権抹消登記とは?

住宅ローンなどでお金を貸し出す場合、金融機関としては勿論、そのまま返してもらえないようでは困ります。
そこで、もし返さなかったら建物や土地を取り上げますよ、という形で、不動産を担保として確保するために設定するのが抵当権です。
マンションの売却にあたっては原則、この抵当権を抹消してから、売主はマンションを引き渡すことになります。
というのも、抵当権付きの不動産取引としてでなく普通に売買が行われた結果、買主が「完全に自分の物になった」と信じていたマンションが、実のところまだ金融機関が抵当権者のままの物件だった、なんてことになったら困るからです。
すなわちこの「抵当権を抹消しました」ということを公に明らかにするため、法務局に申請して行う手続きを経て登録されるのが、抵当権抹消登記なのです。

所有権移転登記とは?

不動産の所有者に変更があった場合、新しい所有者の情報を登録する必要があります。
一言でいえば、これが所有権移転登記です。この申請に法的な期限は存在しませんが、この手続きを怠ったがために不動産の所有権を失ってしまった例も数多くあるため、非常に重要な手続きであると言えます。
これはAからBへと所有権が移るすべてのケースに関わる手続きですので、相続・贈与・離婚に伴う財産分与などは勿論のこと、マンション売買においても、当然必要となるものです。ちなみに売買においては、売主と買主とが協力して必要書類を集める流れになります。(買主の住民票が必要なため)
この手続きもまた、抵当権抹消登記と同様、法務局で申請して行うことになります。

登記費用の内訳

まず、マンション売却における登記費用は、主に登録免許税と司法書士報酬の2つに分けられます。(司法書士報酬の相場については次項で説明します。)
登録免許税は抵当権抹消と所有権移転それぞれにかかり、抵当権抹消の場合は原則「不動産の個数×1,000円」、また所有権移転の場合は「固定資産税評価額×税率」で算出され、この税率は、マンション売買のケースでは2%となっています(条件によっては軽減税率を受けられる場合もあります)。下記の関連記事では、マンション売却にかかる費用のうち登記費用の詳細も記されておりますので、ぜひご確認下さい。

関連記事:マンション売却にかかる費用。仲介手数料、税金の計算

登記における司法書士報酬の相場

地域ごとにもばらつきはありますが、抵当権抹消の場合(土地1筆及び建物1棟の抵当権抹消登記手続の代理業務を受任し、登記原因証明情報(解除証書等)の作成及び登記申請の代理をした場合)、全体平均で約14,000円から19,000円程度。

また所有権移転の場合(売買を原因とする土地1筆及び建物1棟(固定資産評価額の合計1,000万円)の所有権移転登記手続の代理業務を受任し、登記原因証明情報(売買契約書等)の作成及び登記申請の代理をした場合)、全体平均で43,000円から64,000円程度の相場となっています。

マンション売却の登記に必要な書類

登記申請書

「抵当権抹消登記申請書」、「所有権移転登記申請書」、買主による新たな抵当権の設定が必要な場合は「抵当権設定登記申請書」が必要となります。

印鑑証明書

取引に使用する印鑑が実印であることを証明する印鑑証明書は、発行日が登記日から3か月以内のものが必要となります。

固定資産評価証明書

売却するマンションの土地及び建物の価値を証明する書類です。

登記識別情報通知書(登記済権利証)

かつては登記済権利証と呼ばれていました。不動産の名義が変更されたとき、新たな名義人に対し登記所から通知される情報の記された書類のことです。紛失しても再発行されず、代わりの方法で所有権移転の申請手続きを行なわなくてはならなくなります。失くさないよう大切に保管してください。

登記原因証明情報

登記原因を証明する書面です。以前は売買契約書などをそのまま添付していましたが、登記申請の真実性を担保するために、2004年に法改正がなされました。登記申請の際に、登記原因となる事柄が何なのか登記官に分かるよう、この書類を登記申請書に添付します。

抵当権抹消登記の委任状

抵当権抹消登記の申請手続きを司法書士に依頼する際に必要となる委任状です。住宅ローンを組む際、抵当権を持つのは金融機関であり、その立会なしで手続きを行えるよう金融機関から委任を受ける形になります。そのため、仮に司法書士に依頼しなくても委任状は必要です。

所有権移転登記の委任状

所有権移転登記の手続きを司法書士に依頼する際に必要となる委任状です。特に上記の抵当権抹消登記にまつわる委任においては買主(登記権利者)と売主(登記義務者)から二枚の委任状が必要だということになります。

住民票

新しくマンションを取得する買主(登記権利者)の住民票が必要となります。住所地を管轄する市役所・区役所・役場の窓口で取得します。また、売主(登記義務者)の登記簿上の住所と現住所が異なる場合にも必要です。

戸籍謄本

登記簿上の氏名と現在の氏名が一致しない場合に必要となります。結婚・離婚・養子縁組等で変更が生じる場合があるため、そうした場合には氏名変更登記をする必要があります。

登記費用の支払いタイミング

登録免許税は文字通り国に徴収される税金ですが、他の税金のようなプロセスがなく、司法書士が法務局の窓口で手数料的に納めることになるため、いったん司法書士に預けることになります。
実際には、物件の引渡しの前に司法書士手数料とともに指定の口座に振り込むか、引渡しの場で司法書士手数料及び登録免許税相当額を司法書士に渡す形になるでしょう。

登記費用の負担は売主?買主?

抵当権抹消登記費用については売主が、所有権移転登記費用については買主が負担することが通例となっています。ただこれは法の定めによるところではなく、あくまで商習慣です。たとえば売主の立場が弱い場合には、所有権移転登記費用についても売主が負担するケースもあり得ます。

上述の通り、抵当権抹消登記費用は売主の負担となることが多いです。
これは通常、売買契約書に当該の条項を設けることによって規定されます。
また、売主の登記簿上の住所と現住所が異なる場合の住所変更登記、結婚・離婚・養子縁組等にかかる氏名変更登記などの費用もケースごとに必要です。

相続による所有権移転登記の場合には、相続する全員の住民票・固定資産評価証明書・戸籍謄本等とともに、シチュエーションごとに細かく必要書類をつけ加えていくことになります。

不動産業者の仲介で売却したなら、仲介手数料も必要ですし、郵送費・交通費・契約書に添付する印紙代などの雑費も見込んでおく必要があるでしょう。

買主が負担する費用

売買における所有権移転登記費用は通例、買主の負担となります。
これら売買にかかる登録免許税と司法書士手数料の負担については、多くの場合、売買契約書に定められています。
しかし、定めのない場合、買主が権利を確実にするための費用であると捉える立場の人もおり、買主負担であると考えられることもあります。

また買主が新たに住宅ローンを利用することも考えられますが、この際行われる抵当権設定登記の費用は買主負担となります。ちなみに登録免許税の税率は借入金額の0.4%ですが、いくつかの基準を満たした場合には0.1%に軽減される特例もあります。

コスト削減のために登記を自分でやるのはあり?

結論から申し上げると、可能ではありますが、お勧めはできません

抵当権抹消は一般人でもそんなにハードルが高くないとする意見もありますが、そもそも抵当権者である金融機関が司法書士を入れることを要請してくるのが一般的です。

また、不動産の売却場面では「抵当権抹消」「所有権移転」「抵当権設定」の三つの登記申請を一度に行うことになるケースが多く、それは非常に煩雑な手続きとなるため、素人が一切のミスなくこなすのはかなり困難なのです。

時間や手間のことを考えても、ここは必要経費と考えてプロに任せたほうが安心だといえるでしょう。

マンション売却の登記費用は?内訳や必要書類を解説のまとめ

ここではマンション売却に関わる登記の内容、必要となる費用やその内訳などについて詳しく見てきました。
マンションを購入することもそうですが、マンションを売却することもまた、一生に何度もない非常に大きな取引だと思います。今回の情報が、後悔のない取引のためのひとつの参考となれば幸いです。