媒介契約とは?3種類の違いやメリット・デメリットを解説

カテゴリ:マンション売却の手続き・ノウハウ
投稿日:2022.02.23

媒介契約とは?3種類の違いやメリット・デメリットを解説

中古マンションなど不動産の売買を不動産仲介業者に依頼する場合、媒介契約という契約を締結します。

媒介契約には3つの種類があります。3つの媒介契約の違い、メリット・デメリット、記載事項など媒介契約についてわかりやすく説明をしていきます。

誰もが考えるであろう「どの媒介契約が最もおすすめか?」問題は、弊社独自のデータなども使って解説致します。

媒介契約とは

媒介契約とは、中古マンションなど不動産の売買や賃貸などの契約成立のために、営業・宣伝活動や契約までの手続きなどを不動産仲介会社(仲介業者)に依頼する契約のことをいいます。

媒介契約書では、売却や購入、賃貸の成約に向けた不動産仲介会社の義務や業務内容、指定流通機構(レインズ)への登録、契約期間、約定報酬額とその受領時期などについて取り決めます。

業務内容としては、売買価格の根拠説明、宣伝や売却活動、契約条件の調整、売買契約書類等の作成、重要事項説明、契約から決済までの事務作業などがあります。

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媒介契約の3つの種類

媒介契約の種類

媒介契約には、下記の3つの種類があります。

  • 1社の不動産会社のみ依頼且つ自分で見つけてきた相手と直接取引の出来ない「専属専任媒介契約」
  • 1社の不動産会社のみに依頼する「専任媒介契約
  • 売主が複数の不動産会社に買主探しを依頼できる「一般媒介契約」

3つの媒介契約の違い

一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の違いをまとめると下記の通りです。

媒介契約一般専任専属専任
複数と契約締結可能1社のみ1社のみ
自己発見の買主と契約
契約期間規定無し~3ヶ月~3ヶ月
指定流通機構登録義務規定無し7日以内5日以内
販売状況報告義務規定無し14日に1回以上7日に1回以上
一般媒介契約→専任媒介契約→専属専任媒介契約の順に制限が厳しくなる

一般媒介契約

一般媒介契約とは、依頼者(売主)が物件の売買の依頼を重複して複数の不動産仲介会社に依頼できる媒介契約をいいます。

一般媒介契約

上記のように一般媒介契約は、仲介業者Aと媒介契約を締結しても、同時に仲介業者Bとも媒介契約を締結することができます。

一般媒介契約には、明示型と非明示型があります。

明示型は、当初依頼した業者に対して他にどの仲介業者に依頼をしているか明示(通知)する義務があります。

非明示型は、他にどの仲介業者に依頼をしているか明示(通知)する義務がありません。

専任媒介契約

専任媒介契約とは、依頼者(売主)が物件の売買の依頼を重複して他の不動産仲介会社に依頼できない媒介契約をいいます。

専任媒介契約

上記のように仲介業者Aと専任媒介契約を締結すると、仲介業者Bとは媒介契約を締結できません。

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約とは、依頼者(売主)が物件の売買の依頼を重複して他の不動産仲介会社に依頼できない媒介契約をいいます。

専属専任媒介契約

依頼者は、専任媒介契約や一般媒介契約とは異なり、自ら発見した買主と売買契約を締結できません。買主を自分で見つけても仲介業者を媒介として取引を行わなければなりません。

媒介契約のメリット、デメリット

一般媒介契約のメリット・デメリット

一般媒介契約のメリットは、複数の不動産仲介会社と契約を締結できることが最大のメリットです。1社しか契約のできない前述した専任媒介契約や後述する専属専任媒介契約とは異なり、他の不動産仲介会社より早く成約させなければ仲介手数料を受領できないため、不動産仲介会社が競争をすることで、早い売却が期待できます。

一般媒介契約のデメリットは、不動産仲介会社が競争をしてでも売りたい思うような条件の物件でないと、宣伝費などのコストやオープンルームなど時間・手間をかけて積極的に売却活動は期待ができないことです。

仲介手数料が少額になる販売価格が低価格の物件、一般的には売り難いとされる築古物件、バス便や駅徒歩15分超など駅から遠い物件、エレベーター無しの団地など需要が少ない物件にとっては、デメリットになります。

専任媒介契約のメリット・デメリット

専任媒介契約のメリットは、物件の販売を1社のみに任せるので、仲介手数料を受領できる確率が高まり、不動産仲介会社の積極的な営業活動が期待できます。

専任媒介契約のデメリットは、買主を自社で見つけて仲介手数料を買主からも受領するために、物件を囲い込まれる(他社に物件を紹介しない)可能性があることです。物件を囲い込まれると物件見学などの機会ロスになり、結果として売却までの時間が余計にかかってしまうことになります。

専属専任媒介契約のメリット・デメリット

専属専任媒介契約のメリットは、物件の販売は1社のみに任せ、依頼者の自己発見客との売買契約も禁じているので、仲介手数料を受領できる確率が一番高く、不動産仲介会社の積極的な営業活動が期待できます。

専属専任媒介契約のデメリットは、前述した通り物件を囲い込まれる(他社に物件を紹介しない)可能性があることです。物件を囲い込まれると物件見学などの機会ロスになり、結果として売却までの時間が余計にかかってしまうことになります。

媒介契約書の記載事項

一般媒介契約書

(甲)欄に依頼者が住所、氏名を署名して捺印をします。

(乙)欄に宅地建物取引業者が商号、代表者、主たる事務所の所在地、免許証番号を記名して押印します。

一般媒介契約書

以下が一般媒介契約書の契約内容です。

  1. 依頼する乙以外の宅地建物取引業者
  2. 甲の通知義務(明示型)
  3. 成約に向けての乙の義務
  4. 媒介に係る乙の業務
  5. 建物状況調査を実施する者のあっせんの有無
  6. 指定流通機構への登録の有無(レインズへの登録)
  7. 有効期間(一般媒介契約の期間)
  8. 約定報酬額
  9. 約定報酬の受領の時期
  10. 特約事項

別表として所有者の住所・氏名、登記名義人の住所・氏名、目的物件の表示、媒介価格や希望する条件などを記入します。

専任媒介契約書

(甲)欄に依頼者が住所、氏名を署名して捺印をします。

(乙)欄に宅地建物取引業者が商号、代表者、主たる事務所の所在地、免許証番号を記名して押印します。

専任媒介契約書

以下が専任媒介契約書の契約内容です。

  1. 成約に向けての義務(報告義務等)
  2. 媒介に係る業務
  3. 建物状況調査を実施する者のあっせんの有無
  4. 違約金等
  5. 有効期間(専任媒介契約の期間)
  6. 約定報酬額
  7. 約定報酬の受領の時期

別表として所有者の住所・氏名、登記名義人の住所・氏名、目的物件の表示、媒介価格や希望する条件などを記入します。

媒介契約の期間

一般媒介契約の期間

一般媒介契約では、有効期間について法律上の成約はありません。但し、国土交通省が定めた標準媒介契約約款では、有効期間は3ヶ月を超えない範囲で、依頼者と宅地建物取引業者が協議のうえ定める、としています。

専任媒介契約の期間

国土交通省が定めた標準媒介契約約款では、専任媒介契約の有効期間は、3ヶ月を超えない範囲で、依頼者と宅地建物取引業者が協議のうえ定める、としています。専任媒介契約では、有効期間は3ヶ月を超えることができません。

専属専任媒介契約の期間

前述してきた専任媒介契約と同様に、専属専任媒介契約では、有効期間は3ヶ月を超えることができません。

媒介契約のレインズ登録義務

一般媒介契約はレインズへの登録の義務なし

一般媒介契約によって買主探しの依頼を受けた場合、依頼された不動産仲介会社は、国土交通大臣が指定した指定流通機構(レインズ)に物件を登録する義務はありません。任意にレインズに登録することによって、買主を探すことも可能です。

専任媒介契約はレインズへの登録義務あり

依頼された不動産仲介会社は、国土交通大臣が指定した指定流通機構(レインズ)へ物件を7営業日以内に登録する義務があります。

指定流通機構の運営するコンピューターネットワークシステムは、通称「レインズ」と呼ばれ、全国に「東日本レインズ」「中部圏レインズ」「近畿圏レインズ」「西日本レンズ」があります。

レインズに登録された物件情報は、レインズのネットワークシステムを通じて他の不動産仲介会社すべてに提供されます。業者間で物件情報が共有されることで、もっとも最適な買主を探すことができます。

専属専任媒介契約はレインズへの登録義務あり

依頼された不動産仲介会社は、国土交通大臣が指定した指定流通機構(レインズ)へ物件を5営業日以内に登録する義務があります。

前述しましたが、レインズに登録された物件情報は、レインズのネットワークシステムを通じて他の不動産仲介会社すべてに提供されます。業者間で物件情報が共有されることで、もっとも最適な買主を探すことができます。

媒介契約の自己発見取引・報告義務

媒介契約一般専任専属専任
自己発見の買主と契約
販売状況報告義務規定無し14日に1回以上7日に1回以上
一般媒介契約→専任媒介契約→専属専任媒介契約の順に制限が厳しくなる

一般媒介契約の自己発見取引、報告義務

依頼者(売主)は、自ら発見した相手と直接売買契約を締結することができます。

不動産仲介会社は、法令上の「依頼者(売主)に報告」の義務はありません。

専任媒介契約の自己発見取引、報告義務

依頼者(売主)は、自ら発見した相手と売買契約を締結することができます。

不動産仲介会社は、「2週間に一度以上業務状況を依頼者(売主)に報告」が義務づけられています。通常文書または電子メールのうちいずれかの方法を選択することとなっています。

専属専任媒介契約の自己発見取引、報告義務

依頼者(売主)は、自ら発見した相手と売買契約を締結することができません。

不動産仲介会社は、「1週間に一度以上業務状況を依頼者(売主)に報告」が義務づけられています。

どの媒介契約が最もおすすめ?

媒介契約のまとめ

最も新規登録件数の多い媒介契約は?

2021年1月22日に発表されている「指定流通機構の活用状況について(2020年分)」にある「取引態様別新規登録件数(売り物件)」を見ると、どの媒介契約が多く選ばれているかが分かります。

【取引態様別新規登録件数(売り物件)の推移】

2019構成比2020年構成比
専属23225411.417030211.0
専任65736732.248936031.5
一般59505829.141333826.6
売主53305326.145793529.5
代理253981.2220681.4
合計2043130100.01553003100.0
出所:指定流通機構の活用状況について(2020年分) 公益財団法人不動産流通推進センター

2020年、レインズに新規登録された物件の媒介は、専属専任媒介11.0%、専任媒介31.5%、一般媒介26.6%でした。

専任媒介契約が一番多く選ばれています。続いて一般媒介契約、専属専任媒介契約となっています。

売主と代理を除いた3つの媒介のみで比率を出すと、概ね専属専任15.87%、専任45.61%、一般38.52%となります。

専属専任媒介15.87%<一般媒介38.52%<専任媒介45.61%

但し、下記のような理由で一般媒介契約の件数と比率は、実際の依頼者(売主)の数とは異なると思われます。

  • 一般媒介は、必ずしもレインズへの登録を義務づけられていないので、実数より低い可能性がある。
  • 一般媒介は、依頼者が複数の不動産仲介会社に重ねて販売活動を依頼ができるので、実際の物件数より多い可能性がある。

最も成約率の高い媒介契約は?

取引態様新規登録成約報告成約率
専属専任媒介1703023566520.9
専任媒介4693608985218.4
一般媒介413338243395.9
売主457935339787.4
代理226089784.4
出所:指定流通機構の活用状況について(2020年分) 公益財団法人不動産流通推進センター

専属専任媒介と専任媒介では、専属の方が2.5ポイント成約率が高いようです。

一般媒介の成約率が低いのは、一般媒介は1物件に対して複数の新規登録がおこなわれるのに成約報告は取り引きした仲介業者のみからなので、このような低い成約率になっていると思われます。

高価格帯、ブランド立地なら一般媒介契約も

東日本レインズに登録されている売りマンションについて、一般媒介、専任媒介、専属専任媒介、どの媒介契約が多いか集計をしたので結果をご紹介します。

東京23区横浜市川﨑市合計
一般媒介18233491082280
比率26.9%17.9%15.3%24.2%
専任媒介354612004165162
比率52.2%61.7%59.1%54.7%
専属専任14183961801994
比率20.9%20.4%25.6%21.1%
出所:東日本レインズ(9月17日時点、30㎡未満、オーナーチェンジ、売主代理除く)東京23区6787件、横浜1945件、川﨑704件を集計

一般媒介契約のメリット・デメリットで前述してきましたが、横浜川崎に比べると不動産仲介会社が競争してでも売りたいと思うような条件の物件(高価格帯、ブランド立地など)が多い東京23区は、一般媒介契約の比率が高いことがお分かりいただけると思います。東京23区は、横浜市川崎市より一般媒介契約が多く選ばれています。

東京23区:専属専任媒介契約<一般媒介契約<専任媒介契約

横浜川崎:一般媒介契約<専属専任媒介契約<専任媒介契約

高価格帯、ブランド立地のマンションは、一般媒介契約での売却もおすすめです。

最もおすすめな媒介契約の結論

3つの媒介契約には前述してきたような違い、特長、メリット・デメリットがありますので、それらを理解したうえ、売却する物件や売主様の売却に対する考え方やニーズに合った媒介契約を選ぶことが必要です。

前述したように横浜市川崎市などの郊外立地マンションは、専任媒介や専属専任媒介契約が多く選ばれているようです。

媒介契約と指定流通機構制度

指定流通機構とは?

指定流通機構制度は、一定の媒介契約(専属専任媒介、専任媒介)を締結した不動産会社に対して、国土交通大臣が指定する不動産流通機構に物件情報を登録し、レインズ(不動産流通標準情報システム)を通じて物件情報の交換を義務づけるものです。

指定流通機構を通じた取引の流れ
出所:ハトマークサイト

レインズ(REAL ESTATE INFORMATION NETWORK SYSTEM)とは?

家や土地などの不動産売却をしたい方や買いたい方は、通常不動産仲介会社(宅地建物取引業者)に売買の相手や物件の検索を依頼します。コンピューターやオンラインシステムがなかった時代は、物件情報の店頭への貼紙、新聞広告、知り合いの業者間の情報交換などに検索を頼っていました。これでは迅速性に欠け、広く物件情報を公開して買主を探すことが出来ませんでした。

迅速性を上げ、広く情報を公開することで、不動産取引の透明性や適正な取引の実現を図るためにレインズが導入されました。

参考:REINS TOWER|レインズとは?(公益社団法人 東日本不動産流通機構)

中古マンションが高く売れる理由は媒介契約とは無関係

中古マンションなど不動産が高く売れる理由は下記の二点です。

  1. 少し高くても買いたい理由がある買主がタイミングよくいた物件
  2. 立地や駅距離などの条件で希少性が高い物件

1.については「親の介護のために同じマンションが欲しかった」「希望公立学校の学区のマンションが欲しかった」など強いニーズを持つ買主が存在したケースです。

2.については、「広尾ガーデンヒルズ」「青山パークタワー」など供給の少ない人気の立地、駅徒歩5分以内など希少性が極めて高い物件が該当します。

広尾ガーデンヒルズは、広尾駅徒歩5分という好立地でありながら、敷地面積約6.6㏊、総戸数1181戸という山手線の内側では最大規模という希少性があります。

青山パークタワーは、渋谷駅徒歩4分という好立地の地上34階建てタワーマンションという希少性があります。湾岸の倉庫工場跡地などのタワーマンションはたくさんありますが、これだけ都心駅近のタワーマンションは極めて少ないのでより希少性が高まっています。

媒介の種類ではなく、上記1.や2.のような物件が高く売れる物件です。高く売れる理由や強いニーズのある物件が高く売れます。

媒介契約とは?3種類の違いやメリット・デメリットまとめ

媒介契約とは?

媒介契約とは、不動産の売買や賃貸などの契約成立のために、営業・宣伝活動や契約までの手続きなどを仲介業者に依頼する契約です。

媒介契約書で不動産仲介業者と取り決める項目や仲介業者の主な業務の詳細についてはこちらをご覧ください。

媒介契約の種類は?

媒介契約には下記の3つの種類があります。

  • 一般媒介契約
  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約

それぞれの媒介契約の詳しくはこちらをご覧ください。

媒介契約の期間は?

媒介契約の期間は、3ヶ月を超えない範囲で依頼者と不動産仲介業者が協議のうえ定めるとなっています。

媒介契約の期間についての詳しくはこちらをご覧ください。

媒介契約書の記載事項は?

媒介契約書の記載事項は、レインズへの登録の有無、期間、約定報酬額、報酬額の受領時期などです。

媒介契約書記載事項の詳しくはこちらをご覧ください。

3つの媒介契約の違いは?

一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約は、下記5点に違いがあります。

  1. 複数の仲介業者に依頼が可能か否か
  2. 自己発見の買主と契約が可能か否か
  3. 媒介契約の契約期間
  4. 指定流通機構登録義務の有無
  5. 販売状況報告義務の有無

3つの媒介契約の違いについての詳細は、こちらをご覧ください。


森田学(執筆)
森田 学【宅地建物取引士】

1999年東京テアトル株式会社に入社。「テアトルタイムズスクエア」などの映画館の運営スタッフ業務、ラグジュアリーホテル「ホテル西洋銀座」ドアマン業務を経て2008年不動産関連部署に異動、区分所有マンションの売買を担当し現在に至る。

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