マンション売却の手付金、入金はいつ?3つの役割・相場・流れ
カテゴリ:マンション売却
投稿日:2025.05.29

マンション売却では、買主から売主へ、まず手付金を支払ってから後日に残代金を支払うというのが一般的な流れです。
しかし、その手付金には3つの役割があるのはご存じでしょうか。
この記事では、手付金の役割とともに、相場、入金のタイミングなど授受の流れや注意点について解説していきます。

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- 手付金が売買代金の一部として充当するように契約内容を定めているケースがほとんど
- 手付金は低額過ぎると安易に解除され、高額過ぎると役割を失う
- 手付金が発生しない一括決済は、売主が早期売却を望む場合や買主が現金購入の場合に適している
- 手付金は売買契約の終盤に買主が売主へ渡し、売主は領収書を買主へ渡す
- 手付金のみの受領となっても一時所得として確定申告が必要
目次
手付金の3つの役割

手付金とは、マンションや土地といった不動産の売買契約の際に支払うお金のことをいいます。
もし何の取り決めもないまま手付金が支払われると、その手付金は売買代金の一部とみなされていないので、売主が引き渡し時にさらに売買代金全額を受領したら、もちろん手付金全額を買主に返還しなくてはなりません。
しかしながら実際には、こういった授受の煩雑さを解消するため、手付金を売買代金の一部として充当する契約内容を、下記のように定めているケースがほとんどです。
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手付金は、その役割によって3つの名称に分かれ、それぞれの役割は異なります。
- 証約手付
- 解約手付
- 違約手付
それぞれがどんな役割を持つのかを、具体的に解説していきます。
証約手付
証約手付は、売買契約が明確に成立した証とする役割によって支払われる手付金を指します。
売主は手付金を受け取ることで、当該マンション物件を売却する意志表示となり、買主が当該マンション物件を購入する意志があることを確認できます。
解約手付
不動産取引では、手付金は一般的に解約手付として扱われることが多いです。
解約手付は、契約成立後に、どちらか一方の当事者の意思だけで契約解除ができるようにする役割によって支払われる手付金を指します。
また下記の条件のように、手付金を元に行われる契約の解除を「手付解除」といいます。
何らかの理由で契約後に買主が当該マンションの購入を解除したい場合や、売主が当該マンション売却を解除したい場合、
売主からは、
「手付金の倍額を返還すること(手付倍返し)」
または、
買主からは、
「手付金を放棄すること(手付流し)」
により、契約を解除することが可能です。
加えて、売主買主双方で「手付解除期日」を定め、手付解除を期限付きとすることも可能です。
違約手付
マンション売却は、契約の際に確認する売買契約書に記載されている内容に従って進めていきます。
万が一、当事者が売買契約書に記載されている責務を果たさない場合は、相手方に大きな損害を与えることになります。
この際、契約違反として損害の状況に応じた損害賠償の支払い義務が生じるのですが、それとは別に手付金を違約罰として没収(あるいは手付金の倍額を返還)する役割によって支払われるのが違約手付です。
違約金の額を手付金と同額とした契約の場合、もし買主が契約違反をしたら、支払った手付金を放棄します。
同様にもし売主が契約違反をしたら、すでに受け取っている手付金を買主に返却したうえに、手付金の同額を支払います。
不動産売買における手付金の相場

実際の不動産売買における手付金の相場とは、いったいどれくらいなのでしょうか。
ここでは、手付金の相場に関して解説いたします。
手付金の相場は売買代金の5~10%
実は、手付金の相場には明確な取り決めはされていません。
一般的には、売買代金の5~10%程度となっているケースが多いです。
仮に3,000万円のマンション売却であれば、買主から売却契約時に150~300万円が手付金として支払われる計算になります。
弊社受領手付金は売買代金の4.5%(2024年度売却物件)
弊社買取の区分所有マンションのうち、2024年度にリフォームを施して再販売した250あまりの物件でご成約・決済頂いた買主様から受領した手付金は、売買代金の4.5%でした。
手付金が低額だと安易に解除される恐れがある
しかしながら、手付金が売買代金の5%以下であったり、あまりにも安い物件で手付金を売買代金の10%に設定したりすると、安易に契約解除などをされる恐れがあります。
そのため、近年では不動産物件の購入価格に関係なく、手付金を一律100万円とするケースも増えてきています。
手付金が高額だと解除が難しくなる
逆に、手付金を売買代金の50%と高額に設定してしまうとどうなるでしょうか。3,000万円のマンション売却で、買主から1,500万円の手付金を受け取った場合でみてみましょう。
もし売却を中止したくても売主から手付解除するには、受け取った手付金1,500万円を買主に返還し、さらに1,500万円を支払い、合計3,000万円を買主に手付解除はできません。
また、売主から手付解除するには、支払った手付金1,500万円を放棄しなくてはなりません。
上記のように、契約解除すること自体がとても難しくなるため、手付金が高額になるに従って解約手付としての役割が失なわれていくことがおわかりいただけます。
業者が売主の場合、手付金の上限がある
個人が売主の場合、買主から受け取る手付金の上限は特に定められていません。
一方、不動産会社など宅地建物取引業者(宅建業者)が売主の場合は、手付金の額が売買代金の20%を超えてはならないと法律で定められています。
出所:e-Gov法令検索|宅地建物取引業法第三十九条(手付の額の制限等)
業者が売主の場合、手付金の保全措置がある
さらに、宅建業者たる売主に対して、一定額を超える手付金などを契約後に受け取る以下の場合に、買主が手付金を取り戻せるようにする「手付金等の保全措置」を法律で義務付けています。
- 不動産が未完成物件で、手付金が売買代金の5%を超え、かつ1,000万円を超えた場合
- 不動産が完成物件で、手付金が売買代金の10%を超え、かつ1,000万円を超えた場合
これらは、宅建業者が万が一倒産した場合などに、消費者である個人の買主が支払った手付金を守るとともに、買主からの手付解除で宅建業者が多額の手付金を受け取ることを防ぐためです。
保全措置を義務付ける上記の条件をみると、手付金の額が不動産売買代金の5%もしくは10%とされており、一般的な手付金の相場とも共通していることがみてとれます。
出所:e-Gov法令検索|宅地建物取引業法第四十一条(手付金等の保全)
手付金が発生しない「一括決済」
不動産取引において、売買契約と決済・引き渡しを同日で行い、一度で済ませる方法があり、一括決済、または同時決済と呼ばれています。
通常の手付金や残代金といった支払い方法とは異なり、文字通り売買代金を全額一括で支払います。一括決済の場合、通常手付金は不要です。手付金や手付解除の条項は適用されません。
一括決済は、売主が住み替えを急いでいる場合や、期限までにまとまった資金が必要などの事情により早期売却を望んでいる場合、また買主が現金で不動産を購入する場合や、住宅ローンを組む必要がない場合に適した不動産取引方法です。
一方、一括決済による購入では、買主が住宅ローン控除やすまい給付金を受けられないといったデメリットもありますので注意が必要です。
マンション売却でのお金の流れ

マンション売却では、どのような流れのなかで、どんなお金がやりとりされるのでしょうか。
まずは、売主買主双方の出入金の流れに関する下記の表をご覧ください。
売主の出入金 | 買主の出入金 | |
売却査定 | - | - |
媒介契約 | - | - |
売却活動 | - | - |
売買契約 | 〈受取〉 ・手付金 〈支払〉 ・仲介手数料 (半金) ・印紙代 | 〈支払〉 ・手付金 ・仲介手数料 (半金) ・印紙代 |
決済・ 引渡し | 〈受取〉 ・残代金 〈支払〉 ・仲介手数料 (残金) | 〈支払〉 ・残代金 ・仲介手数料 (残金) |
確定申告 | 〈税金の支払〉 ・手付金 (一時所得) ・譲渡所得 (譲渡益) | - |
次項では、手付金が入金されるタイミングについて、詳細を解説していきます。
マンション売却で手付金が入金されるのはいつ?

上記のお金の流れでは、マンション売却の手付金は一体どのタイミングで入金されているのでしょうか?
マンション売却で手付金が入金されるのは売買契約時
マンション売却で買主から手付金が入金されるタイミングは、売買契約時です。
売買契約は、重要事項説明書や売買契約書に基づいて宅地建物取引士が行う説明からはじまります。
次いで、物件状況等報告書などを含めたすべての確認すべき内容を売主買主双方が確認し、売買契約書に記名押印したあと、契約の終盤のタイミングで、手付金の授受が行われます。
手付金の授受では、売主は当該マンションの売買契約に関わる手付金である旨とその額面、契約日時、買主の氏名、売主の氏名住所などが記載された領収書を買主に渡します。
マンション売却時の手付金と確定申告

ここでは、マンションなど不動産売却での手付金が、課税対象として確定申告が必要となるのかについて解説いたします。
手付金の受領のみでも課税対象として確定申告が必要となる
結論からいうと、手付金も「一時所得」という立派な所得扱いになるため、確定申告は行わなければいけません。
手付金のみを得るということはおそらく誰も想定していないことであり、臨時収入などの扱いとなるため、「一時所得」に分類されているのです。
一方で手付金の確定申告の必要性についてちゃんと認識している人というは少ないのではないでしょうか。
しかし、買主の突然のキャンセルや違約によって手付金のみを受け取ることもあるため、手付金の確定申告についてもしっかりと理解しておかなければいけません。
ちなみに、解約されることなく無事に売却が完了した場合、譲渡所得(譲渡益)があれば課税対象となりますので確定申告が必要となります。
手付金に関する注意点
手付金に関する注意点は、以下の2点が挙げられます。
- 決済・引き渡しを終えるまでは手付金を使わない
- 自宅の押し買い、契約するとクーリングオフできず手付金等被害も
順を追って解説いたします。
決済・引き渡しを終えるまでは手付金を使わない
売主が売買契約時に買主から受け取った手付金は、決済・引渡しが終わるまでは使わないようにしましょう。
なぜなら、住宅ローンを利用する買主が、もしローン審査に落ちてしまうと、売主は買主に手付金を全額返還することになるかもしれないからです。
不動産売買では、買主が住宅ローンを利用し、金融機関から融資を受けて購入することが一般的です。
しかしながら、もし買主がローン審査に落ちてしまうと購入ができなくなります。
その際に買主が支払った手付金が戻ってこない事態を防ぐため、住宅ローンを利用する買主は「住宅ローン特約(住宅ローン条項)」を定めることができます。
住宅ローン特約とは、買主が住宅ローンの審査に落ちた場合に売買契約を白紙解除することを定める契約事項です。下記の一例をご覧ください。
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自宅の押し買い、契約するとクーリングオフできず手付金等被害も
近年、悪徳業者が自宅を訪問して貴金属などを安く買い叩く「押し買い」の被害が話題となっていますが、訪問先の自宅不動産までも「押し買い」のターゲットとなっています。
2000年代後半から苦情や相談が増加、2010年度には苦情・相談が2,420件にのぼり、2012年には特定商取引法が改正され、訪問購入・消費者が売主となる取引は、クーリングオフが可能となりました。
一方、宅建業法に基づくクーリングオフは、宅建業者への自宅不動産の売却では適用されません。
そのため、押し買いにより不動産売買契約を締結してしまうと、契約解除には手付金の倍返しや違約金などで多額の金銭の支払いが必要になってしまいます。
自宅の不動産売却契約はクーリングオフできませんので、押し買いをされても安易に契約しないよう注意が必要です。
関連記事:不動産買取業者は悪質?詐欺的な騙しの手口、不当に安く買い取る手口を解説
マンション売却の手付金、入金はいつ?3つの役割・相場・流れのまとめ
最後に、この記事で解説した手付金について、要点をまとめます。
手付金の3つの役割って何?
- 売買契約が明確に成立した証とする役割
- 契約成立後に、どちらか一方の当事者の意思だけで契約解除ができるようにする役割
- 違約罰として手付金を没収、あるいは手付金の倍額を返還する役割
上記の3つの役割によって証約手付、解約手付、違約手付と名称が分かれており、それぞれ意味合いや特徴が異なるため、しっかりと理解しておくことが大切です。
手付金の3つの役割の詳細はこちらをご覧ください。
手付金の相場はいくら?
手付金の相場は明確には決まっていませんが、マンションの価格の5~10%程度、あるいは一律100万円と取り決めることもあるので、覚えておくと良いでしょう。
手付金の相場の詳細はこちらをご覧ください。
手付金の入金はいつ?
マンション売却で買主から手付金が入金されるのは、売買契約の終盤のタイミングです。
その際、売主は領収書を買主に渡します。
手付金の入金タイミングの詳細はこちらをご覧ください。
不動産売却での手付金は確定申告が必要?
手付金のみの収入であっても一時所得として確定申告が必要なため、忘れずに行うようにしてください。
手付金の確定申告に関する詳細はこちらをご覧ください。
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