媒介契約とは?不動産売却で媒介契約書を締結する際の9つの注意点

カテゴリ:マンション売却
投稿日:2024.06.17

不動産の売却や購入を考える際は、専門家である不動産会社に相談することが一般的です。

いざ、不動産会社に不動産の売却を依頼する際に不可欠なのが媒介契約です。

媒介契約の3つの種類と不動産の売却で媒介契約書を交わす際の9つの注意点を解説していきます。

この記事でわかること
  1. 3種類の媒介契約の内容とメリット・デメリットがわかる!
  2. 所有している不動産ごとにどの媒介契約を結べばよいか?
  3. 媒介契約を締結する際の注意点!
  4. 専任媒介契約や専属専任媒介契約は途中で解約できるのか?

媒介契約とは

媒介契約とは

媒介契約とは、マンション等の不動産を売却する時、不動産会社(仲介業者)に間に入ってもらい、買主を探してもらうために結ぶ契約です。媒介契約は売主と不動産会社との依頼内容を明確化させる事で、トラブルの回避を目的としており、宅地建物取引業法34条の2に記載されている内容に基づいた媒介契約書を取り交わします。

例えば、個人でマンションを売却しようとするとき、買主を探すための集客、不動産売買契約書の作成、不動産登記業務の手配等、全ての業務を自分一人で行うのは現実的ではありません。そこで、不動産のプロである不動産会社に相談することになります。このとき、不動産会社にマンション売却の仲介を依頼する契約が媒介契約となります。

そして、「媒介契約」は、不動産が高く売却できるか、早く売却できるかを左右する大切な要素の1つとなります。

媒介契約書の締結時期

媒介契約書の締結時期は、不動産会社の業務内容が異なるため購入と売却で異なります。一般に、購入の場合は購入契約の直前、売却の場合は売却を依頼した時に媒介契約が締結されます。

不動産の購入に関する業務

媒介契約における不動産会社の購入に関する主な業務は、①契約条件の調整②購入物件について宅地建物取引業法35条に基づく重要事項の説明③宅地建物取引業法37条に基づき契約書の作成④引き渡しに係わる補助となります。これらの業務は購入物件が決まってから行われることから、買主の媒介契約の締結は、購入契約の直前になります。

不動産の売却に関する業務

媒介契約における不動産会社の売却に関する主な業務は、上記不動産購入者に対する業務に加えて、①レインズへの登録②レインズへの登録を証する書面の発行③売却者に対する販売活動の報告義務となります。これらの業務は売却を依頼した時から行われることから、売主の媒介契約の締結は、売却を依頼した時になります。

媒介契約の内容

媒介契約の内容が記載されている媒介契約書には、不動産会社の業務のほかに約定報酬の件、違約の件、直接取引の件等の記載があります。媒介契約の内容は媒介契約の種類によって異なり、メリットおよびデメリットがあるため、慎重に媒介契約の種類を決める必要があります。

また詳細は後述しますが、媒介契約の種類によって、向いている不動産、向いているケースが異なるため注意が必要です。

媒介契約の種類

媒介契約の3種類について分かりやすく解説していきます。

媒介契約は3種類

媒介契約とは、不動産の売買契約に関わる不動産会社との契約を指し、以下の3つの種類があります。

  • 専任媒介契約
  • 専属専任媒介契約
  • 一般媒介契約

専任媒介契約や専属専任媒介契約は、売主と媒介契約を締結した不動産業者のみが買主候補を探すことができます。

一方、一般媒介契約は様々な不動産業者が買主候補を探すことができますが、当然デメリットもあります。

それぞれの媒介契約について詳細を解説していきます。

一般媒介契約

一般媒介契約は、最も自由度の高い媒介契約です。

売主や買主は複数の不動産業者と契約することが可能であるほか、自ら購入者や売却者を探すことが可能です。不動産売買における一般媒介契約は以下の特徴があります。

1.複数の不動産業者と同時に契約することが可能

2. 自身で買主や売主を見つけることが可能

3. 不動産業者は買主や売主に対して報告義務がない

専任媒介契約

専任媒介契約は、売主または買主が1つの不動産業者と契約し、その不動産業者が売却や購入活動を行う契約のことです。他の不動産業者と契約はできませんが、自分で購入者を探すことは認められています。この契約の特徴は以下の通りです。

1. 複数の不動産業者と同時に契約することは不可

2. 自身で買主や売主を見つけることは可能

3. 不動産業者は売主に対して2週間に1回の報告義務がある

専属専任媒介契約

専属専任媒介契約は、専任媒介契約と同様に1つの不動産業者とだけ契約しますが、売主は自身で物件の購入者を見つけられない点が異なります。

1. 複数の不動産業者と同時に契約することは不可

2. 自身で買主や売主を見つけることは不可

3. 不動産業者は売主に対して1週間に1回報告義務がある

媒介契約のメリット・デメリット

3種類の媒介契約それぞれのメリット・デメリットを分かりやすく解説していきます。

一般媒介契約のメリット

一般媒介契約のメリットは、複数の不動産業者に依頼ができ、不動産の露出を最大限に高めて売却活動を進められるところです。

また、一般的には、違約金や費用償還の請求がされることもありません。

さらに指定流通機構への登録義務もないことから、希望すれば不特定多数の方に不動産を売却している事が知られるということを避けられます。

一般媒介契約のデメリット

一般媒介のデメリットは、レインズへの登録義務や売主への報告義務がないことです。

一般媒介は、販売の進捗状況が把握できず、売れないと思って調べてみたら、どの不動産業者もほとんど売却活動を行っていなかったというケースもありますのでご注意が必要です。

専任媒介契約のメリット

専任媒介契約のメリットは、1つの不動産業者とだけ契約し、専属のサポートを受けることができる点です。

また、不動産業者には売主に対して定期的な報告義務、レインズへの登録義務があるため、売主には下記のようなメリットがあります。

  • 販売の進捗状況を把握しやすく
  • レインズ登録により他の不動産業者への周知がされやすい

さらに、自己発見が可能なため、媒介契約期間中であっても買取りをする不動産業者に直接売却することも可能です。但し、トラブル防止のために直接売却する場合は、仲介業者との専任媒介契約は解約しておくことが望ましいです。

専任媒介契約のデメリット

専任媒介契約のデメリットは、1社にしか依頼ができないため、経験不足の担当者・会社に依頼してしまった場合、思ったように販売活動が進まなくなることです。

専属専任媒介契約のメリット

専属専任媒介契約は、不動産業者の責任が一番重い媒介契約になります。

従って、専属専任売却契約のメリットは、3種類の契約の中で、不動産業者が一番責任をもって販売活動を行うことが期待できることです。

また、報告義務も1週間に1回のため販売進捗もスピード感をもって知ることができ、売れない場合の次の手を打ちやすいというメリットがあります。

また、売りづらい物件の場合は、自己発見が不可な専属専任媒介契約にすることで、親身に相談に乗ってもらうことや、熱心な販売活動が期待できます。

専属専任媒介契約のデメリット

専属専任媒介契約のデメリットは、1社にしか売却を依頼できない、自身で買主を見つけられない、の2点です。

そのため専属専任媒介契約を結ぶ不動産業者の信頼性や能力の見極めが非常に重要です。

媒介契約はどれがいい?

媒介契約は、売却する不動産によって向き・不向きがあります。

それぞれの媒介契約が、どのような不動産、どのようなケースに向いているか解説をしていきます。

一般媒介契約が向いているケース

売却物件が人気のあるエリアや築年数が浅い不動産になります。

このような不動産は、買い手が多く、不動産業者も積極的に活動するため、複数の不動産業者に売却活動を依頼することで思わぬ高値の売却が期待できます。

また、一般媒介契約は、レインズへの登録義務がないため、離婚等の理由により内々で不動産を売却したい場合に向いております。

専任媒介契約が向いているケース

住み替え等で売却期限が決まっている場合等です。

販売活動の進捗把握しやすいため、期限ギリギリになっても売れないという事が回避できるほか、自己発見が可能なので売主自身が不動産買取業者に売却を相談できます。

専属専任媒介契約が向いているケース

売却不動産が事故物件や交通利便性の悪い売りづらい物件になります。

このような物件は、しっかり販売活動をしなければ売却が難しいため、3種類の媒介契約で不動産業者が責任をもって販売活動をおこなう事が期待される専属専任媒介契約が向いているといえます。

但し、信頼できる不動産業者の見極めが非常に重要になってきますのでご注意ください。

不動産売買の媒介契約9つの注意点

媒介契約を結ぶ際は、その内容について十分に確認することが大切です。

不動産の売却や購入を検討する際、媒介契約書は重要な役割を果たします。

媒介契約書とその約款には契約内容の詳細が記載されており、その内容は主に国
土交通省によって策定された雛形を基に作成されています。

媒介契約書を確認すべきポイントとして、不動産業者の義務や報酬額、契約期間などがあります。

不動産取引でトラブルを避けるためにも、媒介契約書の内容を細かく確認し、自分に合った契約形態を選ぶことが大切です。

媒介契約の違いを理解

不動産の売却や購入を検討する際の媒介契約には専任、専属専任、一般の3種類があります。前述した通り、これらの3種類の違い、契約形態を理解し、自分のニーズに最も適した媒介契約を選びましょう。

媒介契約とレインズ

専任媒介契約または専属専任媒介契約の場合は、国土交通大臣から指定を受けた指定流通機構(レイズン)への登録が義務化されております。

また、専任媒介契約または専属専任媒介契約を締結した不動産会社は、レインズに登録した証である書面を発行する義務があります。

売主は、媒介契約で依頼した不動産がレインズに登録されているか、登録内容が正しいかを確認する必要があります。レインズの登録情報を閲覧していると物件の登録地域が異なっていたり登録金額が一桁異なっているという事もありましたので、売主自身の目でレインズの登録情報を確認しなければなりません。

媒介契約と報告義務

専任媒介契約または専属専任媒介契約の場合は、売主への業務報告義務が1週間または2週間に1回があります。業務報告は、主に問い合わせ数、案内件数、オープンルームをやった場合には来場件数やチラシの配布数になります。また、迅速に売却を進めるための提案等も併せて行われる場合もあります。

媒介契約の期間

媒介契約の契約の有効期間は、専任媒介契約が宅地建物取引業法上最大で3か月と決まっており3か月を超える期間での媒介契約については3か月になります。

一方で、専属専任媒介契約および一般媒介契約については、宅地建物取引業法で具体的な記載はありませんが、国土交通省の「宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款」には、専任媒介契約と同様に3か月を超えない範囲と定められております。

媒介契約の報酬額

媒介契約を締結する場合は、仲介業務の報酬額である仲介手数料について理解することは非常に重要です。仲介手数料は成果報酬であり、原則的に仲介手数料は下記の表のとおりになります。仲介手数料は、不動産業者によっては値引きする場合もありますので事前に確認が必要です。

成約価格 仲介手数料の上限
400万円超   「契約金額(税抜) × 3% + 6万円 」+ 消費税
200万円超~400万円以下 「契約金額(税抜) × 4% + 2万円」 + 消費税
200万円以下  「契約金額(税抜) × 5%」 + 消費税

媒介契約と仲介手数料の支払い 

媒介契約書には、報酬額=仲介手数料の支払いタイミングについても記載があります。

媒介契約に基づく仲介手数料は、主に不動産売買契約の締結時半金、残代金支払い時半金の2回に分けて支払います。また、不動産業者と合意すれば、仲介手数料は、残代金支払い時に一括で支払う契約内
容とすることも可能
です。

媒介契約の解除

媒介契約の契約期間は通常3ヶ月ですが、国土交通省の「宅地建物取引業法施行規則の規定による標準媒介契約約款」には、義務の履行に関してその本旨に従った履行をしない場合には催告の上、履行がないときは媒介契約を解除することができるとあります。また、一般的にも、書面による通知を行えば解除することは可能です。

媒介契約と費用

媒介契約において、ホームページ掲載やチラシ配布等の販売促進にかかる費用は、原則として媒介契約を締結した不動産業者の負担費用となります。

但し、売主が特別に依頼した広告の費用(例えば、TV広告や駅前看板等)又は遠隔地への出張旅費は依頼者の負担になるので注意が必要です。

また、媒介契約を契約期間の途中で解除した場合には、それまでに発生した費用を不動産会社は売主に請求する場合があります。但し、売主が特別に依頼した費用が発生していない場合で、かつ、媒介契約解除に正当な事由がある場合は一般的に不動産会社も発生した費用を請求することはできません。不当な請求をされた場合は、お近くの宅地建物取引業協会に相談をしてみてください。

媒介契約と違約金

専任媒介や専属専任媒介契約の場合は、違約金や費用償還の請求が発生する下記のようなケースがありますので注意が必要です。

専任または専属専任で契約したが、売主が媒介業者と以外の不動産業者に売却を依頼して売買契約を成立させた場合

専任または専属専任の媒介契約を結んでいる場合、他の不動産業者に売却を依頼して売買契約が成立すると違約金が発生する可能性があります。専任媒介契約や専属専任媒介契約は、他の不動産業者に売却を依頼することは契約違反とする規定があり、違約金が設けられているためです。なお、一般媒介契約は、複数の不動産業者に依頼することができるため、そのような制限はありません。

専属専任契約で契約したが、売主が自分で発見した買主と売買契約を締結した場合

専属専任媒介契約を結んでいる場合、売主と買主が直接交渉して売買契約が成立すると違約金が発生する可能性があります。専属専任契約は、売主が自ら見つけた買主と契約を締結することは契約違反とする規定があり、違約金が設けられているためです。

媒介契約でよくある質問

媒介契約を締結する際には多くの疑問が浮かぶと思います。ここでは、よく質問される媒介契約の疑問について回答をしていきたいと思います。

専任媒介契約なのにレインズに登録しません

専任媒介契約を結んだ場合、不動産業者は国土交通大臣指定の不動産流通機構レインズへの物件登録が義務付けられています。この義務は宅建業法34条の2に基づいており、違反すると法律違反となります。レインズへの登録が確認できない場合は、まず不動産業者に登録の依頼をして、それでも解決しない場合は、地域の不動産協会や国土交通省に相談することが有効です。但し、法律的な義務を果たさない不動産業者に大切な資産の売却を依頼する事はおすすめできませんので、当該不動産業者との媒介契約は解除して、新たに信頼できる不動産業者を探すことをおすすめいたします。

賃貸の場合でも媒介契約は必要ですか?

媒介契約は賃貸契約の場合にも書面にて必要となります。書面化することで契約内容を明確にし、将来的なトラブルを防ぐことができます。宅建業法では賃貸媒介契約書の交付が義務付けられているため、不動産業者に書面にて契約書を要求してください。これにより賃貸契約の透明性と安心感が向上します。

宅建業者同士でも媒介契約書を結ばないといけないですか?

宅建業者同士の場合でも、媒介契約書を結ぶことは重要です。書面による契約は双方の権利と義務を明確にする手段であるほか、不動産の取引は地域の慣習もありますので、トラブルを防ぐ根拠となります。不動産取引は多くの資金が動くため、信頼関係が非常に重要であり、明確な契約書はその基盤となります。したがって、宅建業者同士でも書面による契約を結ぶことを強くお勧めします。

媒介契約書に印紙は必要か?

印紙は媒介契約書に通常必要ありません。ただし、契約の具体的内容によっては必要となる場合もあるため、確実を期すには専門家の確認を受けることをおすすめいたします。これにより、予期しない税負担を避けることができます。不動産のルールや税法は複雑であり、適切な対応をするための知識が求められます。このためにも、専門家の助言を受けることが良いでしょう。なお、不動産の売買契約書や賃貸借契約書には原則として印紙税が課されます。


(著者
今井 俊輔【不動産鑑定士、宅地建物取引士】

2006年東京テアトル株式会社に入社。不動産鑑定により培った「理論」と不動産取引実務の「経験」に基づき、一棟オフィスビルをはじめ多岐にわたる不動産物件の売買に携わる。現在は管理職として区分所有マンション担当若手社員の育成にも力を注ぐ。

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