事故物件や訳あり物件の売却方法とは?告知義務や不動産売却相場について解説
カテゴリ:マンション売却
投稿日:2024.06.11
事故物件の売却にあたり、市場価格の相場に比べどれくらい安くなるのか、そもそも売却できるのか、ご心配なところではないでしょうか。
この記事では、事故物件や訳あり物件とはどんな物件を指すのか、不動産売買における告知義務、事故物件売却の方法や売却相場、売却のコツについて解説いたします。
- 事故物件とは、何らかの原因で人が亡くなった物件で、心理的瑕疵の告知義務がある、またはその恐れがある物件
- 告知の具体的方法は、宅地建物取引業者が契約時に重要事項として買主へ説明、加えて契約書の特約事項など必要書類へ明記
- 事故物件売却のコツは5つ
- 事故物件の売却方法は仲介と買取の2つ
目次
事故物件とは?
一般的に事故物件とは、何らかの原因で人が亡くなった物件のことです。
事故物件に法律上の定義はない
ここでは、不動産の売買における事故物件の定義について解説いたします。
そもそも、事故物件を定めている法律はありませんので、法律上の定義はありません。
しかしながら前述の通り、宅地建物取引業者は心理的瑕疵(しんりてきかし)がある物件内で発生した事件や事故の事実を告知することが、宅地建物取引業法第47条(業務に関する禁止事項)の告知義務で義務付けられています。
例えば、販売図面などに「告知事項あり」という記載がある物件は、事故物件の可能性が高いと言えます。
告知事項とは、「物件を購入しようとしている人が、その事実を知っていたら購入しない可能性がある、物件の重大な瑕疵や事実」のことです。
後述しますが、2021年10月8日に国土交通省が「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を制定したことで一定の判断基準が示され、法的な拘束力はないものの、定義が明確化されました。
心理的瑕疵と物理的瑕疵の違い
心理的瑕疵は人の感じ方の問題であるため物理的瑕疵と違い、
- 購入検討者ごとの感受性により瑕疵の程度に差が生じる
- 瑕疵に対して売主自ら対策することが難しい
といえるでしょう。
そもそも瑕疵とは、一般的には備わっているにもかかわらず本来あるべき機能・品質・性能・状態が備わっていないことを指していますが、不動産売買においては、その性質により次の5つに分かれています。
- 権利の瑕疵
- 物理的瑕疵
- 法律的瑕疵
- 心理的瑕疵
- 環境的瑕疵
権利の瑕疵とは、契約に基づき取引物件を引き渡す義務を負う売主が、取引物件の完全な所有権を持っていない状況を指します。
住宅ローンの残債があり抵当権が設定されている場合も権利の瑕疵に当たります(契約において抵当権を含む担保権の存在が予定されている場合を除く)。
物理的瑕疵とは、建物については雨漏り・シロアリ・耐震強度の不足など、土地については土壌汚染、地中障害物の存在など、取引物件自体に物理的な不都合が存在する状況のことです。
法律的瑕疵とは、建築基準法などの法律や市区町村の条例などの制限により、契約上の目的を達することができない状況をいいます。
心理的瑕疵とは、心理的なストレスを負う物件のことをいいます。
物件自体で嫌悪される出来事があった場合や、墓地や火葬場、反社会的勢力の事務所が近いといった心理的に住みたくなくなる事情がある場合、心理的瑕疵があると判断されます。
環境的瑕疵とは、取引物件の近隣において、環境上の問題が発生していることを意味します。
例えば工場やパチンコ店が近く振動や悪臭、騒音がする、近隣に立っている大きなビルにより日照が遮られている状況などが挙げられます。
事故物件の告知義務
宅地建物取引業者は、心理的瑕疵のみならず、権利の瑕疵・物理的瑕疵・法律的瑕疵・環境的瑕疵のある物件においても、事前に買主に告知する義務があります。
しかし、その物件で人が亡くなっていたとしても、全ての原因で告知が必要となるわけではなく、告知が不要な物件は、通常の物件として扱われます。
物件内で人が亡くなる原因は、自然死(病死や老衰など)以外にも、事故死、自殺、他殺(殺人)が考えられます。
しかしながら、これらすべての原因を「心理的瑕疵についての告知が必要な事故物件」と扱うべきかどうかの判断は各業者に委ねられており、判断基準については、これまでは明確ではありませんでした。
仮に、凄惨な殺人事件に巻き込まれて亡くなったケースであれば、事故物件扱いになるだろうということは想像できます。
一方、ご高齢の方が自然死されすぐに発見されたケースであれば、寿命で亡くなるのは日常生活上考えられることなので、事故物件と扱われるのに抵抗を感じるという方もいらっしゃるでしょう。
いずれのケースも、事故物件と扱うべきかどうかの判断は、人によってさまざまでした。
さらに一例を挙げると、室内での自然死や事故について、何年前のものまで告知するかといった判断も現場ごとに異なり、似たようなケースでも告知されることもあれば、告知されない場合もあるなどあいまいでした。
このため、不動産の取引においては各業者や現場の判断が難しく、円滑な流通や安心できる取引が阻害されていた背景があります。
こうした状況を受け、国土交通省は2021年10月8日に「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を公表しました。
このガイドラインは、取引物件で過去に人の死が発生した場合における告知義務の解釈についてまとめられており、一定の判断基準となっています。
法的な拘束力はなく、各業者が事故物件と扱うべきかどうかを判断することは変わりませんが、ガイドラインがあることにより、各業者の判断基準がある程度統一されています。
告知が必要となる具体的な条件
国土交通省のガイドラインによる告知が「不要」か「必要」かを明記した、具体的な条件の一覧は以下の通りです。
条件 | 告知 |
自然死(病死や老衰など) | 不要 |
日常生活のなかでの不慮の死(階段からの転落や入浴中の事故・誤嚥など) | 不要 |
隣接住戸や集合住宅で日常使用しない共用部分での自然死 | 不要 |
他殺や自殺・事故死・火災などによる死亡 | 必要 |
遺体が放置され特殊清掃や大規模リフォームが必要になった場合 | 必要 |
事件性や周知性・社会に与えた影響が大きい事案 | 必要 |
集合住宅で通常使用される共用部分での事案 | 必要 |
事故物件の売却時に必要な告知とは?
上記一覧の太字で表記されている、告知が「必要」な4つの条件のうち、当てはまるものがあれば、事故物件の売却時に必要な告知の内容となります。
なお、国土交通省のガイドラインによれば、「告知が不要な事案」に当てはまらないものは告知する必要がある、とされています。
自然死であっても、放置され特殊清掃や大規模リフォームが必要になったか否かという状況によって、告知が必要かどうかが異なります。
また、「取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる」場合は、原則告知をする必要があります。
さらに、買主から問われた場合は、告知の義務のない事例であっても告知する必要があるので、注意しましょう。
ただし、ご売却物件の事情によっても様々ですので、告知すべきか否かについては仲介の不動産会社に相談しましょう。
告知の具体的方法とリスク
仲介を行う宅地建物取引業者は、売主や管理会社に告知書(物件状況等報告書)への記載を求めることで、仲介業者としての心理的瑕疵の調査義務を果たしたものとされています。
実務上ではそれらに加え、売買契約をとり交わす際、宅地建物取引業者が、告知書(物件状況等報告書)とともに重要事項として買主への説明に加え、売買契約書の特約事項にも明記することが、告知の具体的方法となります。
もし告知しなかった場合、売主は「契約不適合責任」(以前の瑕疵担保責任)及び「告知義務違反」が問われ、買主から補償請求、減額請求、損害賠償請求、契約解除を求められるリスクがあります。
さらに、売主のみならず、仲介を行う宅地建物取引業者にも買主から「告知義務違反」が問われ、損害賠償を請求されるリスクがあります。
仮に、仲介業者が自殺などの事実を知り得ず、かつ売主ご自身が仲介業者に事実を伝えなければ、買主はその事実を知らずに契約を締結してしまうということになるかもしれません。
【判例】事故物件の告知義務期間の事例
ここでは、事故物件の告知義務期間に関して2つの事例をご紹介いたします。
H1.9.7 | 横浜地裁 | 家族との居住目的で購入したマンションにおいて6年前に縊首自殺があつたことは瑕疵であるとして、買主の売主に対する売買契約の解除及び違約金条項に基づく損害賠償請求が認められた事例 |
自殺が心理的瑕疵として認められ、買主の契約解除と損害賠償請求を認める判決が下されました。
H21.11.26 | 大阪地裁 | 売買の8年9か月前にマンション室内で2名が他殺が疑われる態様で死亡し、2名が近隣のマンションで飛び降り自殺をした事件があり、事件の5年6か月後に告知を受けてマンションを取得し、その3年3か月後に事件を告知せずに買主に売り渡した売主には告知義務違反があるとして、買主の売買代金の返還並びに約定違約金の支払い請求が認められた事例 |
告知義務違反が認められ、買主の売買代金の返還並びに約定違約金の支払い請求を認める判決が下されました。
賃貸取引においては、3年以上時間が経過すれば事故物件であることを告知する必要がないとされています。
一方、売買取引においては「告知が不要な事案」に当てはまらないため、売買取引からの時間の経過にかかわらず、事故物件であることを告知する必要があります。
出典:不動産適正取引推進機構 | RETIO判例検索システム
事故物件の売却価格相場
事故物件の売却は可能です。ただし、事故物件には、売却価格相場と比較しての割安感が必要です。
一般的に、心理的瑕疵のある物件と無い物件を比較検討した時、当然無い物件を選ぶでしょう。従って心理的瑕疵の度合いを勘案して価格を安くする必要があります。
瑕疵の度合いや瑕疵の捉え方によっては、瑕疵のある物件は絶対買わないという人も少なからずいるため、もともとの需要は低いということをご承知おきください。
ここでは、事故物件を売却する時、どの程度割安にする必要があるのかをご説明します。
市場における事故物件の価格設定
市場における事故物件の価格設定については、自殺は◯%ダウン、火災は◯%ダウンというような決まりや方程式はありません。
弊社社員の不動産鑑定士に聞いても、鑑定評価に自殺減価率、火災減価率は無いとのことです。
物件の条件による価格変動
物件の条件による価格変動については、下記に挙げる需要にかかわる条件により減価率=値下り率が変動します。
前述の通り、条件の良い=需要の多い物件であれば、値下がり率は小さくなります。
- 物件所在エリア
- 駅距離
- 価格帯
- 面積、間取り
- 規模・総戸数
- 分譲不動産会社(分譲時売主)
通常物件との価格差
鑑定評価に自殺減価率、火災減価率といった考え方は無いため、あくまでも感覚的な数値、弊社基準となりますが、事故物件を仲介で売る場合は下記のような通常物件との価格差が必要と考えています。
孤独死:通常物件の5%〜10%ダウン
販売価格900万円の△5%(△45万円)と販売価格1億円の△5%(△500万円)では、同じパーセントでも値下り金額が大きく異なるので、販売価格帯によってパーセントは上下するとお考えください。
市場価格には幅があります。市場価格を算出する根拠となる、成約登録されている成約事例の売却事情は様々であり、「売り急ぎ」の物件が多く含まれれば算出される市場価格は低くなります。
逆に成約事例が少なく、その中に「高くても買いたい」という特殊な事情・ニーズを持った買主の事例が入っていた場合、算出市場価格は高くなります。
このように市場価格自体に上下幅がありますので、減価率をかけた事故物件の価格にも幅があることをご理解ください。
事故物件を売却するコツ
ここでは、事故物件の中古マンションを多数買取させていただいている弊社のノウハウやデータも交えつつ、事故物件を売却するコツを5つ挙げさせていただきます。
- 修繕やリフォームを行う
- 特殊清掃の実施
- 期間を空けて売却する
- 更地にして売却する
- ご供養・お祓いを済ませておく
順を追って解説いたします。
修繕やリフォームを行う
事故の内容や状況にも左右されますが、修繕やリフォームは必須と考えるべきです。
人間には最初に提示された情報が後の印象形成や判断に大きな影響を与える、「初頭効果」と呼ばれる心理的な傾向があります。つまり、第一印象が最重要ということです。
床や壁に汚れが残ったままで売却しようとしても、基本的に怖がられ、通常は買い手が付きません。
事故物件は、心理的な原因だけでなく衛生面での心配から買主様に避けられてしまうケースもありますので、目に見える汚れだけでなく、部屋に染み付いた臭いにも注意が必要です。
事故物件の場合、効果を考えて極端に汚れている箇所のみの部分リフォームが合理的です。
部分リフォームにかかる費用の目安を以下の表にまとめました。
リフォーム | 費用(万円) | 範囲 |
床-壁クロス | 50~90 | LD・居室・廊下・水回り |
フローリング-巾木 | 55~125 | LD・居室・廊下・キッチン |
トイレ | 25~60 | トイレ-収納 |
洗面室 | 26~40 | 洗面台(750)-リネン庫 |
キッチン | 70~140 | キッチン(2100)-換気扇 |
浴室 | 75~150 | ユニットバス(1216)-乾燥機 |
マンション売却におけるリフォームについては、下記の関連記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
関連記事:マンション売却にリフォームは必要?費用相場や注意点を解説
特殊清掃の実施
ご自身での清掃やハウスクリーニングで対応しきれない場合は、特殊清掃の実施を依頼する必要があります。
特殊清掃とは、通常の清掃やハウスクリーニングでは落としきれない汚れや臭いの清掃のことです。
特殊清掃の費用や作業時間の目安は下記の表の通りで、床上清掃や消臭、害虫駆除などの作業料金も含まれています。
間取り | 特殊清掃作業時間 | 消臭時間 | 特殊清掃・消臭作業代 |
1R | 1.5時間 | 4時間 | 60,000円 |
1R | 3時間 | 6時間 | 60,000円 |
1DK | 4時間 | 48時間 | 60,000円 |
1R | 4時間 | 12時間 | 80,000円 |
1R | 2.5時間 | 72時間 | 95,000円 |
ただし、これらはあくまでも一例となり、同じ間取りであってもご遺体の状況や死後の経過日数等によって料金は変動します。
より正確な料金を把握するためにも、事前に複数の見積もりをとるのがおすすめです。
期間を空けて売却する
事件や事故の発生直後はマイナス印象が強いため、売却しにくいと推察されます。
一定期間を空け、事件や事故のイメージが風化することで、購入検討者の嫌悪感が緩和され、売却しやすくなる可能性があります。
とはいえ、早期売却をご希望の場合には難しい選択肢であり、事件や事故の直後は特に売主ご自身の精神的な疲労も強いでしょうから、よりよい判断のためにも、協力者が必要です。
どのくらいの期間を空ければ良いのかも事件の内容によって異なりますので、仲介の不動産会社に相談しましょう。
更地にして売却する
建物の売却を諦め、建物を解体して更地にして売る方法もあります。
更地にしてしまうことで元の建物はなくなるため、見た目の変化とともにイメージが払拭され、売却しやすくなる可能性があります。
人気のあるエリアもしくは立地が良い場所であれば、更地の方が売りやすく場合もあります。
また、更地にして駐車場などに活用する方法もあります。賃料収入を得ながら一定の期間が経過することでイメージが払拭され、売却も期待できるようになるでしょう。
ただし、建物が無くなったからといって告知義務が無くなることはありません。更地で売却する場合でも告知義務は残っていますので注意してください。
また、更地にしたからといって必ずしも売却できるわけではなく、売却できなければ、その期間の固定資産税がかかります。
さらに、更地にするのに工事費用などがかかったり、再建築するための条件があったり、そもそも再建築ができなかったりする場合もありますので、更地にするかどうかは、不動産会社に相談したうえで判断すると良いでしょう。
ご供養・お祓いを済ませておく
ご供養やお祓いをしておくことによって、心理的瑕疵によるマイナスイメージの軽減が期待できるとともに、売主ご自身の安心材料にもなります。
事故物件の売却方法
事故物件を売却する方法は2つあります。
- 市場で売却する方法
- 不動産会社の買取りを利用する方法
1つずつ解説いたします。
市場で売却する方法
普通の物件と同じように仲介会社に依頼をして、買主を探してもらう売却方法です。成約時に、仲介会社へ仲介手数料(成約価格×3%+6万円+消費税)を支払います。
事故物件の場合、割安な価格にしても普通の物件に比べて流通性が低く、成約までに時間がかかる傾向にあります。
また、告知義務対応でチラシ等に「告知事項あり」の文章を添えての広告とともに販売活動を行うため、事故物件を売却していることが周囲に知られてしまう可能性が大きいといえます。
さらに、普通の売却物件を多く抱える大手仲介会社などでは、時間のかかることを嫌いあまり積極的に販売活動をしてくれないこともあるようなので注意が必要です。
不動産会社の買取りを利用する方法
不動産会社(買取業者)に直接売却する=買い取ってもらう売却方法です。仲介会社が間に入らないので、仲介手数料(成約価格×3%+6万円+消費税)は不要です。
買主は、プロである不動産会社(買取業者)なので事故物件でも成約までの時間はかかりません。弊社東京テアトルの場合、最短5日で現金化が可能です。
また直接買取であれば、広告が不要なので周囲に知られずに売却が可能です。
不動産会社に仲介を依頼して市場で売却、不動産会社の直接買取りで売却、それぞれメリットデメリットがあります。
詳しくは下記『関連記事:直接買取と仲介のメリットデメリット』からご確認ください。
関連記事:直接買取と仲介のメリットデメリット
マンション事故物件の売却
マンションの事故物件は売却できる?事故物件の価格はどうなる?不動産の事故物件とは?といった疑問やお悩みに特化し、解決方法について関連記事で詳細を解説しております。ぜひご一読ください。
マンション特有のポイント
マンションなどの集合住宅の事故物件売却に関する、特有のポイントがあります。
それは、国土交通省のガイドラインによる共用部分での自然死の場合、通常使用されている共用部分か否かの条件の違いによって、告知すべきかどうかが異なるということです。
共用部分については、以下の3種類に分けられています。
- 階段やエレベーターは「法定共用部分」
- 集会室は「規約共用部分」(共用部分であることが管理規約上設定されている)
- 各戸のバルコニーや専用庭は「専用使用部分」(専用使用権が管理規約上設定されている)
集合住宅の共用部分での自然死は、通常使用されている共用部分での自然死については告知が必要となりますが、日常使用しない共用部分での自然死については告知が不要となります。
訳あり物件の売却方法
「訳あり物件」とは、不動産取引において土地や建物に、瑕疵がある物件のことです。瑕疵物件ともいいます。
不動産の売買においては、宅地建物取引業者による権利の瑕疵・物理的瑕疵・法律的瑕疵・心理的瑕疵・環境的瑕疵の告知義務がある、またはその恐れがある物件を訳あり物件と呼びます。
心理的瑕疵のみの告知義務またはその恐れがある「事故物件」との違いは、下記の通りです。
告知義務(の恐れ)がある瑕疵 | |
事故物件 | 心理的瑕疵 |
訳あり物件 | 権利の瑕疵・物理的瑕疵・法律的瑕疵・心理的瑕疵・環境的瑕疵 |
違いを見てみると、訳あり物件は事故物件も含んでいるということがわかります。
訳あり物件の売却方法については事故物件と同様、市場で売却する方法(仲介)と、不動産会社の買取りを利用する方法の2つがあります。
事故物件査定のポイント
ここでは、事故物件の査定における注意すべきポイントについて解説いたします。
査定時にチェックすべき事項
事故物件売却の査定を依頼する前にまずチェックすべき事項として、告知義務違反とならないためにも、事故物件であることとその詳細を不動産会社に正直に告げておくことが重要です。
また、前述の売却方法の2つ、不動産会社の「買取」、もしくは市場で売却する方法「仲介」のどちらで売却したいのか、売却方法を明確に決めておくことが挙げられます。
買取と仲介には、下記のような違いがあります。
買取 | 仲介 | |
買主 | 買取業者 | 個人(法人、業者) |
売買契約まで | 早期確定 | 長期・確定しにくい |
売主の契約不適合責任 | 免責 | 負担 |
仲介手数料 | 直接取引なら不要 | 必ずかかる |
売却金額 | 買取価格 | 市場価格 |
査定金額 | 必ず売れる | 売れるかも |
広告・売却活動 | 不要 | 必要 |
現金化 | 早い | 遅い |
故障・不具合 | 〇 | △ |
汚れ・経年変化 | 〇 | △ |
事故物件 | 〇 | △ |
事故物件の売却を仲介で行う場合、いくら価格を下げても、いつになっても買手が付かない、というケースも想定しなければなりません。
一方、買取なら、提示された買取価格に応じれば必ずその価格で売ることができます。
また仲介の場合、「告知事項あり」と記入された広告や内覧者対応といった販売活動が必要となります。
そのため、事故物件を売却していることを周囲に知られてしまう可能性が大きいといえますが、買取なら販売活動が不要ですから、周囲の人に知られることなく売却が可能です。
買取の最大のメリットは、売却までが比較的短期間で可能という点です。
買取なら、査定から引渡し・決済まで早ければ、約1か月で済むので、価格よりもなるべく早く手放したいという人に向いている方法といえるでしょう。
査定を依頼する方法
査定を依頼する方法は、不動産会社のホームページ内の記入フォームに入力して依頼する方法のほか、ページ内に明記されているフリーダイヤル宛に直接お電話する方法もあります。
複数の買取業者に査定依頼する
不動産一括査定サイトは、査定したい物件の情報と氏名、連絡先などの個人情報を入力すると、一度の入力でまとめて複数の仲介業者に査定を依頼できる利便性が特徴です。
基本的にはどの一括査定サイトも無料で査定依頼ができ、査定方法は机上査定か訪問査定を選択できます。買取査定依頼であれば、各仲介業者は買取できる不動産買取業者を探します。
しかしながら、事故物件の買取で一括査定を依頼する際の注意点が1点あります。
それは、一括査定サイト経由で仲介業者に買取査定を依頼すると、直接買取では不要な仲介手数料がかかってしまうことです。
仲介手数料をかけたくないなら、一括査定サイトの活用は控え、複数の買取業者へ直接依頼が確実といえます。
なお、一括査定サイトの提携不動産会社の多くは仲介業者ですが、なかには下記のような「仲介と買取の両方を行う」大手不動産会社もあります。
- 大京穴吹不動産
- 長谷工リアルエステート
- 大成有楽不動産販売
- オークラヤ住宅
- 東急リバブル
- 近鉄不動産
- 阪急阪神不動産
これらの大手不動産会社に直接買取を依頼すれば、「仲介手数料がかからない」事故物件売却にすることが可能です。
関連記事:マンション買取業者のおすすめはどこ?注意点やデメリット、相場も解説
事故物件を専門に買い取る「成仏不動産」に査定依頼する
「成仏不動産」は、横浜の不動産屋さんNIKKEI MARKSが2019年より運営している、事故物件を総合的に取り扱う不動産サービスの名称です。
ユニークなネーミング訴求によりたくさんのメディア、ニュースに取り上げられています。
2022年には千葉支店・浜松支店・大阪支店・福岡支店を開設、2023年には日本橋へ本社を移転、神奈川大和支店、静岡支店、名古屋支店を開設。
2024年には仙台支店を開設し全国へネットワークを拡大。同年に社名をマークスライフ株式会社に変更しています。
不動産事故物件の買取、特殊清掃・遺品整理、ご供養、成仏物件と称した不動産投資など事故物件となった不動産まわりのサービスを提供しています。
成仏不動産は、無料で売却のお問い合わせを受け付けています。問い合わせ方法は、フリーダイヤルもしくは下記画像でご覧いただける無料相談/無料査定フォームからとなります。
フォームのお客さま情報と物件情報の必要項目を入力後、個人情報保護方針に同意して送信します。
複数の買取業者へ査定を依頼するとともに、依頼先に専門性の高い成仏不動産を加えることにより、精度の高い査定額を交えて比較検討をすることができます。
関連記事:成仏不動産の評判・口コミ|強みやデメリットもご紹介
この記事のまとめ
この記事で紹介した事故物件売却に関する要点をQ&A形式でまとめました。
事故物件とは?
事故物件とは、何らかの原因で人が亡くなった物件で、不動産の売買においては、宅地建物取引業者による心理的瑕疵の告知義務がある、またはその恐れがある物件を指します。
事故物件の定義に関する詳細はこちらをご覧ください。
事故物件のトラブル事例(判例)は?
事故物件の売買に関するトラブル事例(判例)をご紹介いたします。
自殺があった物件の瑕疵担保責任、他殺が疑われる事件があった物件の告知義務違反に対する損害賠償請求を争った裁判の判例についての詳細はこちらをご覧ください。
事故物件の売却価格は?
心理的瑕疵により流通性が低くなった事故物件は、市場価格と比べ割安な売却価格設定が必要になります。
どの程度割安にすべきかなど詳細はこちらをご覧ください。
事故物件売却のコツは?
この記事では事故物件売却のコツを5つご紹介しています。
事故物件売却のコツについての詳細はこちらをご覧ください。
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