区分マンションとは?投資のメリット・デメリット・ポイント・購入の流れを解説
カテゴリ:マンション売却
投稿日:2024.04.09
不動産投資に興味がある人のなかには、区分マンション投資を考えている人もいるのではないでしょうか?
区分マンション投資は、マンションの一部屋を購入し賃貸として運用し家賃収入を得る不動産投資手法です。不動産投資のなかで未経験でも挑戦しやすい方法として人気があります。
しかし、メリットだけではなく区分マンションならではのデメリットも存在します。
本記事では、区分マンション投資の特徴、そのメリットやデメリット、成功させるポイントについて解説します。
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- 区分マンションとは、区分所有法に基づく区分所有物件のこと
- マンション1棟ではなく1戸または数戸を所有し運営するのが「区分マンション投資」
- 区分マンション投資には、少ない投資額で始められる、管理の手間がかからないというメリットがある
- ただし、空室のリスクがある、運用の自由度が低いというデメリットもある
- 区分マンション投資で損をしないためには、立地を重視する・金融機関からの借入を減らすといったポイントを押さえよう
目次
区分マンションとは?
区分マンションとは、区分所有法に基づく区分所有建物を指します。
区分所有建物とは、一棟の建物に構造上区分された「専有部分」が複数独立している建物のことです。
出典:総務省|e-Gov法令検索 建物の区分所有等に関する法律 第一章 建物の区分所有 第一節 総則
分譲マンションとの違いは?
分譲マンションも、法律上は区分マンションの一つです。居住と賃貸の2つの使用目的の違いがそのまま呼び方の違いとなっています。
分譲マンションは新築時に販売し、購入者が居住することを目的に建てられているものがほとんどです。
一方、不動産投資での一般的な表現としての区分マンション(賃貸マンション)は、賃貸が目的となります。
一棟マンションとの違いは?
不動産投資においては、全戸が投資対象となる一棟マンションと区別するために、ワンルームや1Kといった間取りの単身者向け賃貸物件を、一般的な表現として区分マンションと呼んでいます。
一棟マンションとは、全戸が賃貸マンションとなっており、一棟すべてを所有し運営するのが一棟マンション投資です。
区分マンション投資とは?
区分マンション投資とは、マンションの1戸や数戸を所有し運営する不動産投資のことです。
一棟マンションが建物の全部を貸し出すのに対し、区分マンションは建物の一部を貸し出すため、運営の自由度やリスク、初期投資額などに違いが出ます。
次項では、区分マンション投資のメリットやデメリットについて、詳しく解説します。
区分マンション投資のメリット
区分マンション投資には、少ない投資額で始められること以外にもさまざまなメリットがあります。
金融機関の審査の通りやすさ、売却のしやすさといった区分マンションならではのメリットを知り、前向きに投資を検討しましょう。
少ない投資額で始められる
区分マンションは、集合住宅のうち1戸ないし複数戸のみを購入します。そのため、マンションやアパートをすべて所有する一棟投資よりも、少ない投資額で始めることが可能です。
初期投資額が少ないため、自己資金の割合を増やせば借入金の割合を減らせます。新築物件にこだわらず、中古物件にも目を向ければ、さらに初期投資額を抑えることが可能です。
築年数がかなり経過している物件や、立地の条件によっては全額自己資金で始められるケースもみられます。
金融機関の審査に通りやすい
区分マンション投資では、1棟のマンションを購入するよりも必要な融資額が少なくて済みます。
一部の部屋のみを所有する形態となるため、始めるハードルが低く、金融機関からの借入も容易です。そのため、金融機関の審査に通りやすいといえます。
しかし、借入金額が少ないとはいえ、返済可能な収入や信用情報など、金融機関の審査項目に問題がないか確認することが重要です。
管理の手間が比較的かからない
管理の手間が比較的かからない点も、区分マンションの大きなメリットです。
不動産投資で収益を安定的に確保するためには、日々のメンテナンスや賃貸管理が必要になります。
しかし、区分マンションの場合、管理範囲(占有部分)が限られているため、共用廊下や階段、エントランス、エレベーターといった共用部分の管理は、管理会社の責任範囲です。
一棟投資に比べて管理業務の範囲が少ないため、管理の手間が格段に省けます。
流動性が高く売却しやすい
区分マンション投資は一般的な不動産投資と比較すると、流動性が高いという特徴があります。
不動産は価格が高く、一般的に流動性が低い資産といわれています。しかし、区分マンションは個々に所有・売買できるため、価格が抑えられ購入者が見つけやすいという特徴があります。
ただし、区分マンションでも築年数や地方の物件は買い手がつきにくい場合があるので注意が必要です。
空室の出にくい不動産で運営できる
区分マンション投資のメリットとして、空室が出にくい不動産で運営できるという点があります。
これは、区分マンションの多くが立地の良さと単身者向けのワンルーム物件で構成されているため、比較的空室が出にくいという特性があるからです。
具体的には、毎年学生が出入りするような大学や専門学校が近くにあるエリア、単身者が多く住むビジネスエリアなど、特定のエリアをターゲットにすることで、区分マンションの空室率を低く抑えることが可能です。
上記のようなエリアに絞って探せば、比較的簡単に良い物件を見つけることが可能です。これにより、初心者でも物件選びを失敗するリスクを軽減することができます。
区分マンション投資のデメリット
区分マンション投資にはさまざまなメリットがある一方で、以下のデメリットも存在します。
- 利回りが悪い物件もある
- 空室のリスクがある
- 運用の自由度が低い
デメリットも理解した上で投資を行いましょう。
利回りが悪い物件もある
区分マンション投資は、一棟に比べて利回りが悪い可能性があります。
利回りとは、物件から得られる年間満室想定賃料を物件金額で割り戻したものを指します。借入金を利用して不動産を購入する場合、収支がギリギリもしくはマイナスになってしまうこともあるので注意が必要です。
また、管理費や修繕積立金が割高の物件もあり、一般的な賃貸物件と比べると経費率が高いケースもみられます。
区分マンション投資を検討する場合、利回り、借入額、収益、経費を詳細に確認することが大切です。
空室のリスクがある
区分マンション1戸のみ所有している場合、その投資物件が空室になると収入は完全に0となります。
それに対し、一棟投資では、1~2室が空室になっても他の部屋からの収入があるため収益損失は相対的に少ないです。
収入が0となった場合でも、借入金の返済義務は変わらないため、その返済に追われるリスクがあります。
区分マンション投資を成功させるためには、入居率を高く維持し、空室リスクを最小限に抑える運営戦略が求められます。
運用の自由度が低い
区分マンション投資では、自分が所有する部屋(占有部分)の管理しか行えません。
自分が所有する部屋以外の修繕を行いたい場合、管理組合の決議が必要となります。そのため、運用の自由度が低いといえます。
また、他の区分所有者が管理に関心を持っていない場合や、集合的な意思決定が難しい場合には、建物全体の管理が不十分になる可能性があります。
区分マンション投資が儲からないといわれる理由
区分マンション投資は、月々のキャッシュフローが赤字になる可能性があることから儲からないといわれています。
赤字になる原因は、下記の通りです。
- 借入金が多い場合、入居者がいなければ赤字が続く
- 1戸の場合、他の収益源がなければ収益が0になる
- 築年数が経過すれば家賃が下落する可能性がある
- 修繕積立金などのメンテナンス関連費用が増加する
上記を避けてうまく不動産運用するためには、全額自己資金で投資するか、借入金を最小限に抑える努力が大切です。
借入金が多いと赤字になるリスクが高いため、極力借入金を減らすことが望ましいでしょう。
区分マンション投資を成功させるポイント
区分マンション投資を成功させるためには、下記のポイントを抑えることが大切です。
- 立地のいい物件を購入
- 金融機関からの借入金を減らす
- 都内の中古区分マンションを購入する
上記の三つが大切な理由を詳しくご紹介します。
立地のいい物件を購入
区分マンション投資を成功させるためには、恵まれた立地の物件を購入することが大切です。
可能であれば、都内の駅から徒歩10分程度の物件を選びましょう。都内であれば、単身者が多く空室のリスクを減らすことができます。
ただし、どれだけ立地が良くても、相場よりも家賃が高すぎる物件は学生や若手会社員に選ばれにくいため、空室になるリスクが高まることを頭に入れておきましょう。
金融機関からの借入金を減らす
赤字になるリスクを減らすためには、金融機関からの借入金を減らすことが重要です。借入金は物件価格の4~5割程度に抑えることが好ましいとされています。
可能な限り全額自己資金で購入することが最もリスクを低減できますが、それが難しい場合でも、借入金額が土地価格を超えないよう配慮することが重要です。
特に都心部では土地価格が高騰しているため、十分に考慮することが必要です。
都内の中古区分マンションを購入
都内の中古区分マンションを購入する際のポイントとして、ワンルーム条例施行前後の物件の選択が重要になります。
ワンルーム条例が施行された2007年以前に建てられた区分マンションは、18平米程度と小さな面積のものが存在します。これらの物件は家賃が安いため、入居者を見つけやすいです。
一方、ワンルーム条例が施行された後の東京都内の物件の多くは、最低住戸面積が25平米以上と定められており、家賃が高い傾向があります。
出典:新宿区ワンルームマンション等の建築及び管理に関する条例_建築の基準
東京23区は、全国から若い世代が多く集まる場所であり、放置すればワンルームマンションが増え続ける可能性があります。
街がワンルームマンションだらけにならないように、各市区町村ではワンルーム条例を施行し、ワンルームマンションの建設を制限しています。
これらの情報を考慮し、都内の中古区分マンションを購入する際には、自身の投資目的や管理能力、入居者のニーズなどを考えた上で物件を選択しましょう。
区分マンションを購入する流れ
ここからは、区分マンションを購入する流れをご紹介します。
区分マンションを購入する流れは、下記の通りです。
- 情報収集
- 物件を探す
- 物件購入を申し込む
- 融資の仮審査を受ける
- 売買契約の締結
- 本審査を通過し金銭消費貸借契約を結ぶ
- 残金の決済・物件の引き渡し
それぞれのステップにおける注意点を分かりやすく説明します。
情報収集
区分マンション投資を行うにあたり、事前の情報収集は欠かせません。
特に、購入予定の地域や街の選定、人口の動向、年齢層の分析、そして信頼できる不動産会社の選択など、具体的な情報を集めることが求められます。
また、不動産投資に関するセミナーや研修に参加することで、成功へ導くための貴重な知識を手に入れることができます。
情報収集を通じて知識を増やすことで失敗のリスクを減らし、安定した区分マンション投資が可能となります。
物件を探す
情報収集ができたら、不動産会社のサイトや広告などを活用して投資物件を探します。下記を基準にして物件の候補を絞ると、リスクを防ぎやすいでしょう。
- 都内
- 政令指定都市・県庁所在地周辺
- ターミナル駅周辺
- 駅から徒歩10分
- ワンルーム条例施行以前の18平米程度の物件
条件を吟味しながら、自分に合った区分マンションを選びましょう。
物件購入を申し込む
気にいった物件があれば、内覧して購入の申し込みをします。購入の申し込みをする前に、支出で必要となるもの一覧を受領します。
一覧を受け取ったら、以下の固定のコストを確認しましょう。
- 固定資産税
- 都市計画税
- 損害保険料
- 管理委託料
- 管理費及び修繕積立金
固定のコストが高い場合は、赤字になる場合があるので注意が必要です。固定のコストは、できれば家賃の3割程度に収まっているのがベストです。
買い付けの際は、不動産会社に買付証明書を提出する必要があります。
ただし、買付証明書を提出したとしても必ずしも購入できるとは限りません。
誰に売るかという決定権は、当然売主にあるため、購入希望者が複数いる場合は売主が重視しているポイントや条件によって購入者が決まります。
融資の仮審査を受ける
購入を検討している区分マンションに対して金融機関から融資を受けるためには、仮審査を受けることが必要です。
仮審査では、借り手の信用情報や返済能力、さらには投資予定の区分マンションの収益性等が評価されます。
この評価結果により、金融機関からローンを組むことが可能か否かを事前に確認することができます。
しかし、仮審査での承認はあくまで「仮」であり、その後の売買契約締結後に行われる本審査で最終的な融資可否が決定されます。
本審査では、より詳細な情報を基に審査が行われ、借り手の信用状況や物件の評価が変わってしまった場合、仮審査で承認されていても本審査で落ちる可能性があります。
そのため、仮審査での承認は確定的なものではないことを頭に入れておきましょう。
売買契約の締結
物件購入を申し込んだ後、融資の仮審査を通過すると売買契約の締結に進みます。
この際、契約書には物件の詳細情報や取引金額、支払い方法などが明記されます。不動産取引は金額が大きいため、契約内容を十分に理解した上での署名・捺印が求められます。
また、この時点で手付金と呼ばれる一部の金額を支払うのが一般的です。手付金の額は全体金額の5%〜10%程度が目安となります。この金額は後日、残金の支払いに充てられます。
このステップを経ることで、正式にその物件を購入する意思が固まり、売買契約が成立します。
本審査を通過し金銭消費貸借契約を結ぶ
売買契約締結後、本審査が行われます。ここでは金融機関が投資家の信用状況を詳細にチェックします。安定した収入があるか、他の借入がないか、過去に滞納歴がないかなど、各項目を厳しく審査します。
審査に通過したら、次は金銭消費貸借契約を結びます。これは、投資家が金融機関から融資を受ける際に交わす契約です。契約内容を確認した上で署名・捺印を行い、その後、指定の口座に融資金が振り込まれます。
残金の決済・物件の引き渡し
金銭消費貸借契約が結ばれた後、購入者は手付金を除く残りの金額を支払います。
支払いが完了した時点で売主は物件を購入者に引き渡し、所有権移転に必要な書類も購入者に渡します。
この書類には物件の登記情報などが記載されており、これを元に購入者は法務局などで新たに自分の名義に物件を登記する手続きを行います。
まとめ
本記事では、区分マンションの概要や特徴・投資のメリット・デメリットなどについて解説しました。
最後に、Q&A方式でこの記事のおさらいをしていきましょう。
区分マンションとは?
区分マンションは、区分所有法に基づく区分所有建物を指します。
区分マンションの1戸や数戸を所有し運営する不動産投資を「区分マンション投資」と言います。
区分マンション投資のメリットとは?
区分マンション投資には、
- 不動産投資のなかでは比較的少ない投資額で始められる
- 管理の手間が比較的少ない
というメリットがあります。
区分マンション投資のデメリットとは?
区分マンション投資にはメリットもありますが、一方で
- 利回りが悪い物件もある
- 空室のリスクがある
といったデメリットもあります。
区分マンション投資を成功させるポイントとは?
区分マンション投資を成功させるには、
- 立地のいい物件を購入する
- 金融機関からの借入金を減らす
- 都内の中古区分マンションを購入する
といったポイントを押さえることが大切です。
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