マンション売却における査定のポイント
カテゴリ:マンション売却査定
投稿日:2019.12.25

マンション売却における査定のポイントについて解説致します。
マンションの売却を検討する時に避けては通れない査定。
査定方法、査定価格の精度、査定の種類と流れ、査定価格と売れる価格などについても解説致します。
マンション売却時の不動産査定
不動産売却における3つの査定方法
不動産の査定方法には、「原価法」「収益還元法」「取引事例比較法」の3つがあります。
対象となる不動産を土地の取得も含め、もう一度建てるといくらかかるかという考え方で価格(再調達原価)を算出する「原価法」は、主に一戸建ての建物や工場倉庫などの査定方法です。
賃料をもとにして算出する「収益還元法」は収益物件全般(アパート、投資用マンション、賃貸オフィスビル等)の不動産売却の査定方法です。
マンション売却の査定方法は、取引事例をもとに算出する「取引事例比較法」です。
「原価法」 → 再調達原価を算出
「収益還元法」 → 賃料をもとに算出
「取引事例比較法」 → 取引事例をもとに算出
マンション(区分所有)の売却価格査定
1.査定価格とは
マンションを売却する時、売却可能な概算上限価格を査定価格として算出するのが一般的に言われている売却査定となります。
マンションの売買には様々な変動要因がありますので、あくまでも査定価格は概算であり、査定時期や競合物件によって上限価格は変動することになります。
2.各社ばらばらな査定基準
不動産会社(仲介会社)の一般的な査定は、何らかの統一された査定基準にもとづいて算出されている訳ではありません。
仲介会社各社の独自の算出方法や算出根拠により算出されます(不動産鑑定士の鑑定とは違います)。従ってその査定は任意に行われており、査定スキルや経験値、仲介会社の意図によって上げ下げできることになります。
査定価格で売れなくても、査定をした仲介会社に何らかのペナルティや不利益が発生することもありません。結果として、媒介契約を取得したいがために根拠の乏しい高値査定価格を提示する会社も出てきます。
売れなければ、売れない理由を並べて後出しの価格下げ交渉をしてきます。
3.査定価格で必ず売れる?
物件の条件(築年数、駅距離、エリア等)にもよりますが、必ずしも査定価格=売れる価格ではないことをご認識ください。
査定をした営業担当者の査定能力や経験、競合する物件の売り出し価格や販売状況、売却活動をする時期や市況によっては、査定価格を大幅に下回らなければ売れないケースもあります。
根拠のある査定、スムーズにストレスの少ない売却をご希望であれば、信頼できる不動産会社に査定を依頼することをお勧めします。
マンションの売却価格の査定方法の具体的内容やポイントについては、次項以降で解説します。
4.マンションの査定方法、査定のポイント、比較条件
専門的な話しなので一般の方には分かり難い内容かと思います。
簡単に言うと、類似するマンションの取引事例に住戸個別条件の違いをプラスマイナスします。取引事例は、不動産業者間の情報交換システムである「レインズ」に登録されている「成約事例」を使うのが一般的です。
同じマンションに取引事例があれば、住戸個別条件(専有面積、階数、方位、内装状況等)の違いを点数化してプラスマイナスをして査定価格を算出します。
同じマンションに取引事例が無ければ、より近隣で築年や駅距離など条件の似ている物件の取引事例との築年、駅距離などの建物・立地条件の違いを点数化してプラスマイナスした後、住戸個別条件の違いを同様にプラスマイナスして査定価格を算出します。
カラオケの点数は、音程が良ければ(駅近)プラス、悪ければ(駅遠)マイナス、ビブラート(南向き)やこぶし(角部屋)が入るとプラスとなりますが、マンションの査定も同じように良い「条件」はプラス、悪い「条件」をマイナスの点数を付けて加点減点をして価格を算出します。
次に取引事例の取引時期と現時点の相場の上下を時点修正します。不動産の相場価格は景気、株価、金利、国際情勢などにより変動をします。
取引事例の取引時期より現在の相場が上昇していれば加点、下降していれば減点をして不動産の相場価格の変動を織り込んだ査定価格とします。
最後に、査定物件周辺の競合マンションの販売状況を加味して修正をします。価格帯などが類似する競合物件数が多いか少ないかにより修正を加えます。競合が多ければマイナス、少なければプラスの修正をします。
・正しく住戸個別条件の比較をしているか?
・正しく時点修正しているか?
※このポイントをちゃんと押さえた査定をしているか否かは、
営業マンの力量によって差が出る
→信頼できる不動産会社に査定を依頼することが重要!
5.査定に使うデータや資料
中古マンションの査定に使うデータや査定価格の決め方、仲介会社によって異なるので、ここでは弊社(東京テアトル)の査定方法についてご説明致します。
マンションを査定する時に使用するデータや資料は概ね下記の通りになります。
②レインズの販売中物件
③東京カンテイのマンション別売りデータ
④東京カンテイの分譲時パンフレット(間取図、各階平面図、物件概要等)
⑤登記簿謄本(法務局で取得、オンラインで取得可能)
⑥重要な事項の調査報告書(管理会社から取得)
6.査定価格の決め方
中古マンションの価格を構成する要素は下記の通りです。
直近の上記「①レインズの成約事例」に下記要素の優劣を加味して査定価格を算出します。
価格構成要素 | 優劣の判断基準 |
所在地 | 人気エリアor不人気/低地or高台/嫌悪施設有無など |
最寄駅、駅距離 | 人気路線or不人気、急行停車駅or各駅など |
専有面積 | 広い方が人気 |
主開口部方位 | 南向きが人気 |
階数 | 高層階ほど人気 |
築年数 | 築浅が人気 |
間取り | カウンターキッチン、ウォークインクロゼットが人気 |
住戸特徴 | 角部屋/ルーフバルコニー/専用庭などが人気 |
分譲、施工会社 | 三井、三菱、野村不など大手デベ分譲、大手ゼネコン施工が人気 |
周辺環境 | 騒音の有無、日照を遮る建物有無、公園の有無など |
商業施設 | スーパー、コンビニなどの有無、距離 |
教育施設 | 保育園、幼稚園、小学校、中学校などの距離 |
管理等 | 管理体制、共用部分の維持管理状況など |
共用部分 | エントランス広さ、エレベータ有無、宅配ロッカーなど |
内装、住設機器 | 経年劣化状況、リフォーム有はプラス評価 |
7.査定価格より高く売れるケース
買主の特殊な事情・ニーズにより査定金額より上振れして売れるケースがあります。
また競合が極めて少ないマーケット状況、極めて希少性の高い物件であるということも高く売れる要因となります。
これは仲介会社が高く売るのではなく、「少し高くても買いたい」という下記のような買主の特殊事情・ニーズと物件の希少性によるものです。
このようなケースもあるので、当初の販売価格(出し値)を少しチャレンジしてみる価値はあります。
・人気のある特定の学校の学区内マンションを購入希望
・転校など避けたいので同じマンション内の広い部屋を購入希望
・エリアで常に人気のランドマーク的物件の購入希望
・駅徒歩3分以内
・ルーフバルコニー、最上階角部屋など特徴ある住戸
机上査定(簡易査定)と訪問査定、査定依頼の注意点
1.机上査定と訪問査定の違い
机上査定(簡易査定):周辺相場などから机上で算出
実際のお部屋は見ずに、物件概要(面積、方位、階数など)をもとに周辺相場、取引事例から算出をします。おおよその査定価格を知りたいお客様に向いた査定方法です。
訪問査定:実際のお部屋の状態から算出
机上査定で使用するデータに加えて、お部屋の状態や周辺環境を加味して査定価格を算出します。具体的に売却をご検討であれば、精度が高く適正な価格がご提示できる訪問査定をおすすめします。
訪問査定 → 取引事例+実際のお部屋、周辺環境の状況から算出
=より高精度、適正な価格が提示可能!
2.査定は無料
一般的に机上査定(簡易査定)も訪問査定も無料で行ってくれます。A社に査定を依頼したけど、希望価格に届かないから売らない、事情が変わったので売らない、B社に依頼することにしたなど、査定を依頼したからといって、必ず売却しなければならないことはありません。弊社を含めて査定依頼は、お気軽にお申し付けください。
3.査定の流れ
一般的な訪問査定の流れは、下記のようになります。3-3.の立ち会いは居住中、空き家、荷物が多い少ないなどお部屋の状況にもよりますが、概ね1時間程度となります。3-4.の査定価格の報告は、一般的には立ち会いから数日後となります。
3-1. 訪問査定の申し込み |
↓
3-2. 日程調整 |
↓
3-3. お部屋で査定の立ち会い(1時間程度) |
↓
3-4. 査定価格の報告(立ち会いから数日後) |
4.査定依頼をするときの注意点
査定は不動産営業マンという人間がおこないますので、当然第一印象が良いと評価も高くなります。
査定価格が高いから必ずしも成約価格が高くなるということはありません。あるとすれば、第一印象が良くて査定価格を上げた営業マンは、良い印象を持った物件を心から本気でお客様にお薦めできるので、お客様に対して説得力が出て、結果上手く売れるということはあると思います。
査定価格と成約価格
査定額が高くなれば良いの?
「高く売る為に高い査定額を引き出したい」「マンションの査定価格をあげるポイント」などのような広告テキストをネット上でよく目にします。
「マンションの査定のポイント」と検索すると下記のようなテキストで煽るサイトが検索結果として表示されます。
・・・鉄則◯選、高く売るポイント・・・、損をしないポイント・・・、知らないと損する・・・など。
お伝えしたいのは「査定額、査定価格が高い」と「実際の成約価格が高い」とは連動、リンクしないことです。査定価格=成約価格ではなく、査定価格≠成約価格です。
「査定が高ければ、高く売れる」ような表現をネットで見ますが、決してそんなことはありません。最初から査定が相場を下回ってやる気のない査定金額の場合は成約価格が低くなってしまう可能性はありますが、そもそもそんな査定をする仲介業者はその前に淘汰されているはずです。
物件が売れる金額は相場と競合状況で決まる
成約価格は査定ではなく、相場と競合状況によって決まります。相場価格を大幅に逸脱して高く売れる可能性は低いと考えます。(ゼロではありません。前項で説明した希少物件且つ競合物件極少のようなケースはあります)
ご自身に置き換えて考えてください。ポータルサイトで販売中の物件価格が比較検討でき、査定サイト(不動産一括査定サイトやマンション評価サイト)で当該マンションの簡易査定が簡単にできるこの時代に、周辺相場より高いマンションをわざわざ購入しますか?(但し簡易査定はまだまだ精度が低いので注意が必要です。重要な判断をする場合は、簡易ではなく実際の仲介会社の訪問査定を受けることをお薦めします。)
不動産会社は何でたくさん査定させようとする?
「たくさんの査定依頼をして査定額、査定価格をあげましょう!」を声高に言っているひとは、あなたに査定依頼をたくさんしてもらうことで利益が上がるひとたちです。あなたのマンションの査定や売却がストレス少なく、滞りなくと心から願っているひとは残念ながら少なそうです。
査定額が気になり過ぎてたくさんの査定依頼をして、結果根拠が薄い高い査定価格を出す不動産会社(仲介業者)に騙され時間を浪費するのではなく、親身に希望や売却目的を聞いてくれる仲介業者を探す方が希望、ニーズにあったストレスの少ない売却への近道です。
大手仲介会社の査定なら適正で安心
仲介会社を選ぶポイント
弊社は、マンションの購入(仕入)を年間200件超、売却(販売)も同様に200件超、合わせて年間400件超の売買に携わっています。
この売買のシビアな局面で、様々な仲介会社の営業マンと日々接触をしています。
社会人として、不動産営業マンとして皆さんにお薦めできるのは、やはり大手仲介会社の営業マンです。どの営業マンも一定以上の査定能力、マナー、接客態度、営業スキル、交渉力などを持っています。
信頼できる大手仲介会社
大手仲介会社や信託銀行系仲介会社などは、営業成績だけでなく顧客満足度の高さを重視する方向に数年前から舵を切っています。大手にはゴリゴリの不動産営業マンは少なくなりました。
上位3社(三井、住友、東急)や銀行系3社(三菱UFJ不販、みずほ不販、三井住友トラスト)などの営業マンは社員教育が行き届いていて、査定能力が高く、礼儀正しい優秀な営業マンが多い印象です。
査定後の電話や訪問などが煩わしい一括査定サイトを使わなくても、大手仲介会社数社に査定を依頼すれば十分満足できる、正確で適正な査定価格を知ることができると思います。(煩わしくない方は一括査定もお薦めです)
大手仲介会社は土地、戸建て(一軒家)、都心高額マンション中心
大手仲介会社は、中古マンションだけでなく新築戸建て、中古戸建て、土地、収益アパート、投資用マンション、投資用ビルなど多岐に渡る不動産全般の仲介をおこなっています。は
余談になりますが、売上(仲介手数料)を上げやすいのは、販売価格の高い土地や戸建てなどです。
マンションであれば、都心億ション、湾岸ベイエリアのタワーマンション、都内駅近の築浅物件が高価格帯の物件になります。
中古マンション専門の東京テアトル
大手仲介会社もお薦めですが、中古マンションの査定や売却をご検討であれば、中古マンションに特化して売買をしている弊社(東京テアトル株式会社)もお薦めです。
中古マンション専門不動産会社として、査定調査や売買のノウハウ、実績を積み上げて参りました。
大手仲介会社でも取り入れていないような弊社独自の査定ノウハウもあります。このノウハウは、レインズの成約事例だけでは把握できない隠れた成約事例を見つけ出し、出来る限り正確に高い査定金額を導き出すためのノウハウです。
東京テアトルの2つの査定と選べる3つの売却方法
仲介査定、買取査定の両方をご提案
東京テアトルの売却査定のポイントは、仲介で売却、直接買取で売却の2つの売却査定金額を同時にご確認いただけるところです。
東京テアトルのマンション売却は、2つの売却査定金額と下記3つの売却方法をご提案致します。
それぞれの売却方法にはメリットデメリットがあります。メリットデメリットをご理解いただいたうえ、ご希望の売却方法、物件の室内状態、物件の流通性、ご希望の期限やスケジュール感にあった売却方法をお選びください。
直接買取

お客様(売主様)と弊社(買主)が直接売買をするので仲介手数料は不要です。
お部屋の見学(内覧)は弊社の1回のみ、購入検討者の見学(内覧)などは必要ありません。
お部屋は現況(掃除、荷物撤去、故障箇所のリフォーム等不要)のままでOKです。
仲介サービス

買主が見つかり売買契約が成立した場合は、仲介手数料をお支払い頂きます。
チラシ、SUUMOなど広告で広く購入検討者を探して、市場価格での売却にチャレンジをします。
買取保証付仲介

仲介で成約すれば仲介手数料発生、直接買取になれば仲介手数料は不要。
「市場価格にチャレンジ」と「いつ、いくらで売れるか確定」という仲介サービスと直接買取の良いとこ取りができます。
合言葉は「お客様の心のパートナー」
東京テアトルは、「古くなったけど愛着のあるマンションを安心して売却したい」というお客様の心に寄り添うパートナーとなれますよう日々精進してまいります。
どんな些細なご相談でもお気軽にお問い合わせいただけることを心よりお待ちしております。
お電話によるお問い合わせ、無料相談は☎0120‐900‐881
査定価格と売れる価格
査定価格が高かったり安かったり?
極論をすれば査定価格というのは、ひとつだと考えます。
類似事例に価格を構成する要素の優劣をプラスマイナスすると答えはひとつだからです。
A社に比べてB社の査定が〇百万円も高かったという広告は「?」です。こんなことがあるとすれば、A社B社どちらかが査定を間違っているか、意図的に高くしているかのいずれかと推察されます。
査定に関する記事がたくさん、正しいのは?
最後に「マンション売却査定」と検索すると”査定の注意点”、”高く売るコツ・ポイント”、”周辺売却データ”などが様々なサイト記事が検索結果として出てきます。
皆さんもお気づきだと思いますが、それぞれのサイトの思惑に沿ったカタチで記事は書かれています。
あふれる情報に振り回されずに、早く信頼できる仲介会社(不動産会社)を見つけて査定の依頼をされることをお勧め致します。
マンション売却における査定のポイントのまとめ
マンション売却における査定のポイントは、
- 中古マンション売却の査定は「取引事例比較法」を使用
- 査定価格=売却可能な概算上限価格
- 机上査定より訪問査定のほうが高精度→適正価格を提示可能
- 信頼できる不動産会社に査定を依頼することが重要
- 査定物件の状態は清潔で綺麗なほど有利→水回りは特に注意
ということになります。
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マンション売却相談センターby東京テアトル ☎0120-900-881
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