マンション売却査定のおすすめ15選|依頼と準備の注意点も解説

カテゴリ:マンション売却
投稿日:2024.12.19

マンション売却査定の方法と注意点

マンションの売却を検討する時に、避けては通れないのが査定です。

この記事では、マンション売却査定にあたっておすすめの不動産会社について紹介します。

また、実際に査定を依頼をする際の注意点やマンション売却査定書を見る際のポイントについても解説しています。

「早く売りたかったが割高で売れなかった」「時間をかけて高く売りたかったのに安過ぎですぐ売れた」「査定価格の根拠が不明で不安……」というようなことにならないように、この記事を読んでマンション売却査定の基本を理解しましょう。

この記事でわかること
  1. マンション売却査定には簡易査定と訪問査定の2種類がある
  2. おすすめのマンション売却査定サイトを目的別に紹介
  3. マンション査定依頼をするにあたって知っておきたい注意点
  4. マンション査定でどこをどこまで見るか
  5. マンション査定書で見るべきポイント

目次

マンションの売却査定とは

「マンション売却査定」とは、マンションの売却価格の目安を不動産会社がデータなどを使って算出、査定することです。

マンション売却査定の種類には以下の2つがあります。

  • 簡易査定
  • 訪問査定

簡易査定

簡易査定とはマンション机上査定ともいわれます。中古マンションの成約価格などデータ使って机上で算出する査定方法です。

部屋の経年劣化状態などは織り込まず、物件概要(面積、方位、階数など)をもとに周辺相場、取引事例から査定価格を算出します。

不動産仲介業者の部屋の内見・見学は不要なので、仲介業者と会わず査定金額が知れます。

売却するか検討中、おおよその査定価格を気軽に知りたい売主様に向いている査定方法です。

訪問査定

訪問査定とは、中古マンションの成約価格+実際のお部屋の状態から算出する査定方法です。

不動産仲介業者が部屋を見学・内見、簡易査定で使用するデータに加えてお部屋の状態や周辺環境を加味して査定価格を算出します。

具体的に売却をご検討であれば、精度が高く適正な価格がご提示できる訪問査定がおすすめです。

マンション売却査定と不動産会社

マンション売却査定をする不動産会社(サイト)は、多種多様にありますが、マンション売却査定の目的別に分けると下記の5つに分けられます。

目的不動産会社の種類
売ることを前提に査定依頼したい大手仲介
複数の不動産会社に査定依頼したい一括査定サイト
匿名で査定だけしたい匿名可能な査定サイト
投資用マンションの査定依頼したい投資用マンション専門会社
すぐに売却したいマンション買取業者

次に、目的別のおすすめマンション売却査定の不動産会社(サイト)を紹介していきます。

マンション売却査定おすすめ|大手仲介

マンションを売却することを前提に査定依頼を考えているのであれば、不動産の仲介を主な業務とする「不動産仲介会社」に依頼する事が一般的です。

仲介会社は査定だけではなく売却まで担当者が一気通貫で売却までのサポートをしてくれます。一気通貫という事は、仲介会社の担当者が自分で売ることを考慮して売却査定をしていることから、他の査定方法に比べて信頼性が高いです。

特に大手仲介社は、信頼性、販売実績、資金力の面で売却を真剣に考えている場合おすすめです。

マンション売却査定でおすすめの大手仲介3選をご紹介します。

三井不動産リアルティ(三井のリハウス)

マンション売却不動産会社ランキング1位の「三井不動産リアルティ」は、「三井のリハウス」というサービスブランドによって住みかえを一般的な考え方として定着させました。
三井のリハウスでは、個人が所有する不動産の売却、不動産の購入、賃貸に関するサービスを提供しています。

マンション売却査定のおすすめ|大手仲介/三井不動産リアルティ(三井のリハウス)
社名三井不動産リアルティ
住所東京都千代田区霞が関3-2-5
資本金20,000百万円
設立1969年7月15日
上場東証プライム(三井不動産)
電話0120-118-321(新宿センター)
出所:三井不動産リアルティ公式サイト

<三井のリハウスの特徴・強み>

  • 不動産仲介事業の全国売買仲介取扱件数において、38年連続No.1企業です。
  • 三井のリハウスは、お客様の担当が必ず「宅地建物取引士」になります。
  • 実績を活かした営業活動により3ヶ月以内に売却成約率が75%
  • 地域密着展開で、顧客満足度97%

野村不動産ソリューションズ(野村の仲介+)

野村不動産ソリューションズは、2000年11月に野村不動産アーバンネットとして設立、2021年4月には、野村不動産アーバンネットと野村不動産の法人営業本部が統合して野村不動産ソリューションズとして営業を開始しました。

マンション売却査定のおすすめ|大手仲介/野村不動産ソリューションズ(野村の仲介+)
社名野村不動産ソリューションズ
住所東京都新宿区西新宿1-26-2
資本金10億円
設立2000年11月6日
上場東証プライム(野村不動産ホールディングス)
電話0120-199-380(本店営業部)
出所:野村不動産ソリューションズ公式サイト

<野村不動産ソリューションズの特長、強み>

  • 2023年年間サイト利用ユーザー数1,300万超不動産情報サイト「ノムコム」による集客力
  • 顧客満足度の高い営業担当が高いお客様をサポート
  • 豊富なサービスメニューで売却以外の不安もトータルサポート

東急リバブル

マンション売却不動産会社ランキング3位の東急リバブルは、下記の6つの事業を基軸とした総合不動産流通企業です。

  • 主に個人向けの売買仲介
  • 賃貸仲介
  • 法人・投資家向けの不動産ソリューション
  • 新築販売受託事業
  • 不動産販売事業(マンション等開発分譲)
  • その他の事業(レンタル収納、クラウドキッチン、シニアの住みかえサロンなど)
マンション売却査定のおすすめ|大手仲介/東急リバブル
社名東急リバブル
住所東京都渋谷区道玄坂1-9-5
資本金13億9630万円
設立1972年3月10日
上場東証プライム(東急不動産ホールディングス)
電話0800-170-7016(新宿センター)
出所:東急リバブル公式サイト

<東急リバブルの特長、強み>

  • 東急リバブルの歴史は50年
  • 年間売買仲介取扱件数30,265件
  • 全国225店舗以上を展開
  • お客様満足度94.2%
  • 東急不動産ホールディングスグループ

マンション売却査定おすすめ|一括査定サイト

マンション売却査定一括査定サイトは、複数の不動産仲介業者に一括で不動産の査定を依頼できます。

マンション売却査定のおすすめ|一括査定
出所:すまいステップ

査定フォームに下記1、2を入力すると、査定依頼可能な不動産仲介業者が表示され、表示された複数の仲介業者に一括で査定フォームが送信されるという仕様です。

  1. 不動産の所在地、面積、築年数などの物件情報
  2. 売主の氏名、連絡先、売却理由などの個人情報

査定フォームを受け取った不動産仲介業者が査定をして、査定価格などの査定結果を売主に報告をするという流れになります。

査定は、簡易査定と訪問査定から選択できます。簡易査定の場合、メールや郵送で査定報告書などが送られてきます。

一括査定ができるおすすめサイト3選をご紹介します。

SUUMO不動産売却

大手リクルートが運営している有名不動産ポータルサイトです。SUUMO不動産売却は、「知名度のあるサイトを利用したい」「不動産売却について基礎から知りたい」という方におすすめ。知名度の高さはさることながら、掲載している不動産会社数は2000店舗を超えていて、大手不動産会社のみならず地域密着型の不動産会社も探すことができます。提携会社はSUUMO独自の基準を満たした会社のみ掲載されているので、安心して査定を行うことができるでしょう。

マンション売却査定のおすすめ|一括査定/SUUMO
出所:SUUMO公式サイト

SUUMO不動産売却はこんな人におすすめ

  • できるだけ多くの会社で査定をしたい方
  • 首都圏や地方都市の物件を売却したい方
  • コラム記事などで不動産売却の知識を得たい人

HOME4U

HOME4Uは、日本初の不動産一括査定サイト。マンション、戸建て、土地以外にも、ビル、店舗、事務所、倉庫にも対応しているのがメリットです。

成約実績は累計20万件以上と確かな実績があることや、1800社以上の不動産会社の中から条件に合った会社を見つけることができます。

大手NTTデータグループが運営しているため、高度なセキュリティシステムで個人情報保護を行っています。情報が漏れる不安がある、営業電話がたくさんかかってくるのが怖いという方でも、安心して利用できるでしょう。

マンション売却査定のおすすめ|一括査定/HOME4U
出所:HOME4U公式サイト

HOME4Uはこんな人におすすめ

  • 査定は有名なサイトで頼みたい方
  • 個人情報の入力が不安な方
  • 特殊な物件を売却したい方

イエウール

東京商工リサーチの調査で「月間ユーザー数」「提携社数」「エリアカバー率」の3つの部門で見事1位を獲得しているイエウール。

対応エリアが広く、大小問わず様々な不動産会社に査定を依頼することができます。顧客からクレームの多い企業は契約を解除することができるシステムがあるので、悪質な企業は排除され、使いやすいサイトとなっています。

初めて不動産売却を考えているという方は、コラムで知識を得ることができるほか、関連サイトで不動産会社の評判や取引事例を見ることができるので、一度は確認しておく価値のあるサービスです。

マンション売却査定のおすすめ|一括査定/イエウール
出所:イエウール公式サイト

<イエウールはこんな人におすすめ>

  • 地方の物件を売却したい方
  • 不動産会社の評判なども確認したい方
  • 提携会社数が多いサイトで一括査定したい方

マンション売却査定おすすめ|匿名可能サイト

マンションai査定やシュミレーションサイトであれば、個人情報の登録不要でマンション価格を知ることができます。

入力する必須項目は、AI査定を提供する会社によって様々です。

査定対象がマンションのみのサイト、マンション・戸建て・土地が可能なサイトがあります。

マンション名と部屋番号が必要になりますのでご注意ください。

マンション売却査定で匿名可能なおすすめサイト3選をご紹介します。

LIFULL HOME’S

創業20年以上の株式会社LIFULLが運営をしているLIFULL HOME’S。一般的な査定はもちろん、「住み替え」「相続」「買取」など、売却理由から会社を探すことができるのが特徴。匿名で簡易査定をしてもらうこともできるため、個人情報を入力せずに概算価格をチェックすることもできます。

マンション売却査定のおすすめ|登録不要/LIFULL HOME’S
出所:LIFULL HOME’S公式サイト

LIFULL HOME’Sはこんな人におすすめ

  • 匿名査定で金額次第で不動産売却を考えている人
  • 知名度があるサイトを利用したい人
  • 売却理由から細かく不動産会社を選びたい人

すまいステップ

マンション売却査定のおすすめ|登録不要/すまいステップ
出所:すまいステップ公式サイト

すまいステップは、東証スタンダードに上場しているSpeeeが運営しているマンション売却査定サイトになります。登録不要の査定シュミレーションが行えるほか、そのまま一括査定の依頼をする事もできます(登録必要)。

すまいステップの査定シュミレーションは、類似のマンションからAIによる価格補正をおこなってマンションの価格が金額の幅ではなくそのものズバリの金額が出すのが特徴です。

また、査定結果には、「周辺の売却相場」と「近隣の中古マンションの売買履歴」も一緒に表示されるため、マンションの売却相場を把握するのに適しています。

AIマンション査定(SelFin)

マンション売却査定のおすすめ|登録不要/AIマンション査定
出所:Aiマンション査定公式サイト

リニュアル仲介株式会社が運営している個人情報不要の査定システムサイトになります。個人情報を一切入力しなくても価格査定をしてくれるので匿名査定だけを希望している方に向いているサイトになります。

また、個人情報を登録することで細かいレポートや口コミ等も閲覧が可能になります。

マンション売却査定おすすめ|投資用サイト

ワンルームマンション等の投資用マンションの査定に特化した不動産会社を3社紹介いたします。

ランドネット

マンション売却査定のおすすめ|投資用/ランドネット
出所:ランドネット公式サイト

ランドネットは、1999年設立、2021年に東証上場、本社を東京都豊島区に構え、渋谷支店、横浜支店、大阪支店、福岡支店を展開する大手不動産買取業者です。

マンション直接仕入件数3年連続NO1、北海道から沖縄まで49,000件の取引実績を誇ります。

ランドネットの特色としては、投資用不動産の購入も積極的に行っているところです。また、上記の通り、全国展開をしているので、地方のワンルームマンションも積極的に購入できることが強みになります。

ランドネットの口コミ・評判を詳しく見る>>

日本財託

マンション売却査定のおすすめ|投資用/日本財託
出所:日本財託公式サイト

日本財託は、1990年設立、ワンルームマンションの売買と管理を主な事業とする不動産会社です。

日本財託の買取は、2万戸以上のワンルームを取り扱ってきた実績を活かし、正確でスピーディな査定と最短1週間での現金化を実現します。

ワンルーム買取対応エリアは、下記の通りです。

  • 東京23区内
  • 横浜駅・川崎駅周辺

東京1R

マンション売却査定のおすすめ|投資用/東京1R公式サイト
出所:東京1R公式サイト

東京1Rは、ワンルーム投資のためのシュミレーションサイトになりますが、売却査定をすることもできます。メールアドレスの登録は必要になりますが、住所の入力は不要になりますので、まずは査定を考えている方にはおすすめです。

マンション売却査定おすすめ|買取業者サイト

仲介会社は査定をして不動産の所有者から売却依頼を受けてから、不動産の購入者を探し始めます。

一方、マンション買取業者は、査定をして査定価格で不動産の所有者と価格面で合意ができればすぐに売却が決まるため取引成立までがスムーズです。

マンション売却の査定依頼におすすめなマンション買取業者3選をご紹介します。

レジデンシャル不動産

マンション売却査定のおすすめ|すぐ売却/レジデンシャル不動産
出所:レジデンシャル不動産公式サイト

レジデンシャル不動産は、2012年に東京都足立区で創業、札幌から沖縄まで全国に25の営業拠点を展開、マンション買取専門の不動産買取業者です。

社名レジデンシャル不動産
住所東京都足立区千住1-18-1
資本金3,000万円
設立2012年2月2日
上場未上場
営業9:00~18:00
定休日水曜日、日曜日
電話03-6812-0600(東京本社)
出所:レジデンシャル不動産公式サイト

<レジデンシャル不動産の特長、強み>

  • 区分マンションのリノベーションに特化
  • 社内一気通貫体制で物件取得からアフターまでやる事で買取価格アップ

スター・マイカ・ホールディングス

マンション売却査定のおすすめ|すぐ売却/スターマイカホールディングス
出所:スターマイカホールディングス/スターマイカHP

スターマイカは、東証プライムに上場、東京都港区に本社を構え、札幌支店をはじめとして全国に7つの支店を展開する大手不動産買取業者です。

社名スター・マイカ・ホールディングス
住所東京都港区虎ノ門4-3-1
資本金481,942,971円
設立1998年7月
上場東証プライム
営業9:30~18:30(スターマイカ)
定休日土・日曜日・祝日(スターマイカ)
電話0120-503-070(スターマイカ)
出所:スターマイカホールディングス/スターマイカ公式サイト

<スター・マイカ・ホールディングスの特長、強み>

  • 賃貸中物件を購入し、空室になってからリノベーションしたあとに売却するという独自モデル
  • 年間1300件の買取実績
  • 中古マンション保有戸数No1
  • 決済をすぐに行える資金力

マンション売却相談センター

マンション売却査定のおすすめ|すぐ売却/東京テアトル
出所:マンション売却相談センターHP

マンション売却相談センターは東京テアトルが運営するマンション売却サイトになります。東京テアトルは、1946年に設立され1949年に東証上場、看板事業の映画興行・配給や焼き鳥屋である串鳥も営む異色のマンション専門の買取業者です。

社名東京テアトル
住所東京都新宿区新宿1-1-8
資本金45億5,264万円
設立1946年6月28日
上場東証スタンダード
営業10:00~18:00
定休日水曜日
電話0120-900-881(東京本社)
0120-711-018(関西支社)
出所:マンション売却相談センター公式サイト

<東京テアトルの特長、強み>

  • マンション特化、特に築古マンションの買取に強み
  • バス便、事故物件、EVなし物件の買取も積極的
  • リフォーム工事はグループ会社で無駄を省き買取価格に転嫁

マンション査定|依頼の注意点

マンション売却査定をどこに依頼するかは悩むところです。ここでは、売却査定を依頼する際に事前に知っておきたい事、注意点について解説していきます。

マンション査定は無料

マンション売却査定をどこに頼むかにあたって、費用はとても大きな問題になりますが、簡易査定・訪問査定ともに原則無料です。

但し、離婚等の裁判資料として不動産会社の査定書を利用する事は法律的にできません。その場合は、不動産鑑定士に依頼をして鑑定報酬を支払って不動産鑑定評価書を用意する必要がありますのでご注意ください。

マンション査定だけでもOK

マンション査定は無料というのは分かったけど、マンションの査定だけでも良いのかなという疑問をお持ちの方もいらしゃると思います。マンション査定だけでも問題ありません。

例えば、A社に査定を依頼したけど、①希望価格に届かないから売らない、②事情が変わったので売らない、③B社に依頼することにした等により、A社を経由して売却しなくても問題ありません。マンションの査定は依頼だけでも大丈夫です。

匿名登録は避ける

一括査定サイトやaiサイトは個人名やメールアドレスが登録必要なサイトが殆どです。

不動産無料査定のトラブルが不安なので匿名(偽名)で登録しようか悩んでる方もいるかと思います。

しかし、偽名で登録した場合は、そのサイト経由で訪問査定の依頼を決断した場合に本名との齟齬が生じるため、再度本名で登録する必要が出てきます。

不動産無料査定のトラブルが心配だけど、マンション査定価格は知りたいという事であれば、匿名可能なaiサイトやシュミレーションサイトで価格を把握してみることをおすすめします。

ai査定・シュミレーションサイトの使い方

ai査定やシュミレーションサイトは、匿名で売却価格を算定してくれるので非常に便利なサイトになります。但し、AIの特性を理解しておく必要があります。

売却を検討しているお部屋が大規模マンションの標準的なお部屋の場合は、売買金額にかなり近い金額を算定してくれると思います。

一方で、特殊な間取りであったり、隣接住戸に迷惑な方が住んでいる場合等価格に大きな影響を与える要因は反映してくれません。

また、実際の売買価格はaiが決めるのではなく相場が決めるため、aiの価格がアンカーになってその金額を提示してくれる買主さんを探すという事がないよう、ai価格は参考に留めてください。

一括査定サイトについて

一括査定サイトは、沢山の不動産会社に査定依頼ができるため、売主からすると高値で売却できる気がしてしまいます。

しかし、査定をする仲介会社からすると、たくさんの仲介業者に査定依頼がされているので、売主さんの歓心を買おうとしたり、媒介契約(売却の依頼)を取得したいがために根拠の乏しい高値査定額を提示する会社も出てきますのでおすすめできません。

無駄な時間や手間がかかった挙句、売れなければ、売れない理由を並べて後出しの販売価格の下げ交渉をしてくることも多々あります。

たくさんの会社に査定を依頼して「高く査定してくれる不動産会社を見つけよう」と煽る不動産一括査定サイトがありますが、たくさんの査定依頼で儲かるのは不動産一括査定サイトです

査定価格が高いからといって、市場価格を極端に上回って売却価格が高くなるということはない事を肝に銘じておく必要があります。

マンション査定|準備の注意点

マンション売却査定をどこに頼むか決めたら、マンション売却査定の準備をする事になります。依頼準備にあたって、知っておきたい注意点について解説します。

マンション査定で掃除は不要

マンション売却査定の依頼したいけど掃除や片付けが面倒だなって考えている方もいらっしゃると思います。

ズバリ、汚れや埃等の有無は査定価格に影響ありません。但し、荷物等が多くて室内の状況を把握しづらいと、査定する不動産会社によっては保守的な価格を提示する会社もあります。そういう意味では、大掃除と言わないまでも、片付けや簡単に落ちる汚れは落としておいて損はないと思います。

しかし、掃除や片付けをするのが億劫だからマンション査定依頼を後ろ倒しにするくらいなら、掃除を気にせずに査定依頼することをおすすめします。

簡易査定と訪問査定の選び方

マンション売却査定依頼をする際には、簡易査定と訪問査定のどちらを選ぶが悩みどころです。

知らない人がいきなり自宅に入るのは抵抗があると思いますので簡易査定を選びたくなる気持ちは分かりますが、ここは勇気を出して訪問査定を選びましょう!

マンション売却の査定を依頼するということは、所有しているマンションが実際に売れる価格を知りたいという事だと思います。

簡易査定では、室内を見なければ分からない良い眺望やリフォーム履歴が価格に反映されません。また、デメリットについても同様に価格に反映されません。

簡易査定で良い価格が出たから、訪問査定を選んだら全く異なる査定結果が出るという事もあります。貴重な時間を費やすのですから、訪問査定を選んで、ブレの少ない訪問査定の価格提案を受けましょう。

マンション査定で準備すべき必要書類

不動産の査定依頼をした場合は、通常不動産会社の担当者が必要書類を集めます。しかし、不動産会社では集められる資料に限界があるほか、担当者の力量によっては、所有者にヒアリングをせず、自身が集めた資料のみでマンション売却査定をする場合もあります。

マンションが高く売るためには、所有者としてしっかりマンションのアピールポイントを資料として提出することが望ましいです。

売主として集められる必要書類は下記の通りです

必要書類名必要性
登記簿謄本
分譲時のパンフレット、間取り図
住宅ローンの残高証明書
管理規約、使用細則、長期修繕計画書
直近の総会の議事録
管理費、修繕積立金、駐車場使用料に関する書類
固定資産税の納税通知書(課税明細書)
リフォームを行った場合は見積もり、保証書など
◎所有者である売主しか集められないもの
〇不動産会社でも取得できるが通常話が煮詰まってから取得するもの
△不動産会社も比較的早い段階で取得するもの

◎と〇の必要書類については、通常、不動産会社は、査定段階では積極的に確認する事はないので、マンション売却査定前に事前に集めておくことをおすすめします。

マンション査定の方法

マンション査定の方法は、取引事例比較法により行います。取引事例比較法は、対象マンションの過去の事例や周辺の類似マンションの取引事例の価格に対して個別要素(住戸条件、立地条件)を加味して算定します。

更に、過去の事例が古い場合は、価格上昇率や下落率を考慮してマンション査定額を求めます。

マンション査定はどこを見る?

不動産会社の査定ではどこを見るか、またが高額査定が期待できる、住戸条件、建物・立地条件についてまとめてみました。

所有するマンションが、「人気の住戸」や「人気の建物・立地」に多く当てはまるか冷静に確認をしてみてください。多く当てはまれば、高く売れる物件の可能性が高いといえます。

以下のような住戸条件は、高く査定されます。

住戸条件人気の住戸
専有面積広い
方位主開口部南向き
所在階高層階
前面建物前面に建物無し(眺望-日当たり良)
特長住戸角部屋、ワイドスパン、最上階
バルコニールーフバルコニー、広い奥行き
1階専用庭、専用駐車場など
間取り南面3室、カウンターキッチン、ウォークインクロゼット
内装-住設使用感少ない、リフォーム歴有り

以下のような建物・立地条件が高く査定されるポイントです。

建物・立地条件人気の建物・立地
所在地ブランド立地、文教地区
沿線・駅人気路線、急行停車駅
駅距離駅近、高低差・幹線道路無し
築年数築浅
建物仕様タワーマンション、内廊下、雁行設計
分譲会社三井、三菱、野村等大手デベ
施工会社鹿島、大成、竹中等大手ゼネコン
共用部分宅配ロッカー、トランクルーム、地下駐車場
周辺環境閑静な住宅地(住居系用途地域)
商業施設近隣に大型スーパー、コンビニ
教育施設徒歩圏保育園、小学校、中学校
維持管理長期修繕計画、24時間管理等

マンション査定書の注意点

マンション査定の依頼をした場合、不動産会社からマンション査定書が提出されます。ここでは、マンション査定書を見るにあたって知っておきたい注意点についてまとめます。

マンション査定書のひな形について 

マンション査定書は、各社様々な書式で売主様に提出されます。これといった形式はないのですが、公益財団法人不動産流通推進センターでは、「提案書」という形で査定書のひな形が閲覧できますので、参考に見てみることをおすすめします。

詳細については、公益財団法人不動産流通推進センターのマンション版「提案書」をご覧ください

マンション売却査定でよくある質問/マンション査定書のひな形が見たい 
出典:公益財団法人不動産流通推進センターより

マンション査定額と売却額の違い 

ネット上には「高額な査定結果を得るコツ」「高く売るためになるべく高い査定を引き出したい」といったセールストークがあふれていますが、不動産業者は、査定価格で売れることを保証しているわけではありません。

実際の売却価格(成約価格)は、査定額とは関係なく、市場の需要と供給のバランスで決まります。

一般的なマンション売却査定で提示される査定額は、「売却額(売れる価格)」ではなく、「売れるであろう価格」ということを理解しておきましょう。

マンション査定価格と売却相場 

マンションの査定価格は、売却相場によって大きく変動します。

査定の根拠となっている中古マンション成約価格が直近の物件なのか確認が必要です。値上がり前の成約価格を中心に査定していると、実勢価格より安い査定額となってしまいます。

不動産市況によって、どの程度マンション売却価格(成約価格)に差が出るのかを「同じマンション」の事例を使ってご説明します。

<事例1> 成約年月日:2013年7月 面積56㎡ 階数13階 売却価格約3300万円

時代背景としては、アベノミクスがスタートしたのが2012年12月からスタートしたアベノミクスの初期段階で、金融緩和などの経済政策の効果が現在ほど出ていない時期でした。日経平均株価もまだ13,000円台から14,000円台を行き来している時期です。

その時期の、売却価格は3300万円でした。

<事例2> 成約年月日:2021年3月 面積56㎡ 階数6階 売却価格約6000万円

しかし、その後、2021年3月には、同じ面積の6階住戸で売却価格はなんと2倍弱になっています。厳密には、13階と6階なので実際には2倍を超えているといっても良いかもしれません。

この2つの事例は、不動産市況や時期によって、売却価格に差が出るという例です。

現在のような価格上昇相場では、直近の成約事例が使われていないと査定金額が実勢価格より下振れする可能性がありますので注意が必要です。

ワンルームマンションの売却査定価格

最後に、ワンルームマンション(投資用マンション)の査定価格は少し特殊なので解説いたします。

ワンルームマンションは投資を目的として購入する人が大半なので、投資用ローンが利用されます。投資用ローンには、個人が窓口で申し込むローンと提携ローンの2種類があります。

個人が窓口で申し込むローンは、貸出期間や担保割合、貸出金利等の貸出条件がかなり厳しいです。一方で、提携のローンは貸出条件が緩くなります。

購入者は提携ローンを利用したいと考えますが、提携ローンは仲介物件では利用できず売主物件でなければ利用できません。そのため、売主物件は仲介物件より割高に設定されています。

これらの背景を理解したうえで、売主物件と仲介物件はどのように価格が設定されるのか考えてみましょう。仲介物件は実質現金を持っている人しか購入できないため割安に設定されています。一方で売主物件は、ローンが使えるためローンの担保額が売買価格となります。

このため、ワンルームマンションの売却査定価格は、割安の価格(不動産業者の買取価格)として査定がされます。

マンション売却査定でよくある質問

マンション売却査定でよくある質問をまとめてみました。

マンション査定でどこまで見るかは貴方次第

マンション訪問査定を依頼したいけど、この部屋は汚いから見せたくないという事もあるかと思います。マンションの訪問査定は、全ての部屋を見せる必要はありません。

家庭の事情で見せたくない部屋がある場合は、見せなくても部屋の状況を不動産会社に伝えればその内容と間取りを前提に売却査定をします。

しかし、実際に売却する場合は、買主さまが現地を確認しますのでそれまでには、室内を見れるように整えておく必要がありますのでご注意ください。

マンション訪問査定で必要な時間 

訪問査定の立ち会いの所要時間は、居住中、空き家、荷物が多い少ないなどお部屋の状況にもよりますが、30分~1時間程度となります。

マンション売却査定のタイミング 

マンション売却査定を不動産会社に依頼するタイミングについて悩まれている方もいらっしゃると思います。

何かと理由をつけて後倒しにしたくなる方も多いですが、時間を作って早めの売却査定依頼することをおすすめいたします。

理由としては、不動産会社も神様ではないので、査定価格が理論的に合っていてもなかなか売れない事があります。また、契約が決まったお客様がローン解除により一からお客様を探さなければいけない事もあります。

マンションは、築年数が新しい方が高く売れますので、まずはマンション売却査定を早めに行って、マンションを売却するかのか考えるのが良いと思います。

森田学
(執筆)

森田 学

宅地建物取引士。1999年東京テアトル株式会社に入社。映画館の運営スタッフ業務、「ホテル西洋銀座」ドアマン業務を経て2008年不動産関連部署に異動、マンション買取再販を担当し現在に至る。

マンションのご売却はご不明な点も多く、不安をお感じの方もいらっしゃるかと存じます。

弊社は、マンション専門に年間200件超を買取、独自メソッドによる査定で築古物件でも高値買取致します。