築古マンション売却|築40~50年の売却相場と築古に強い買取業者3選
カテゴリ:マンション売却
投稿日:2025.07.31

築40~50年の古いマンションを売却したいけれど、「本当に売れるの?」「いくらで売れる?」「どうやって売ればいい?」と悩んでいませんか? 結論から言うと、築古マンションは売却可能です。実際に首都圏では中古マンション取引の約40%が築30年超の物件です。 この記事では、築古マンション売却の現実を最新データで解説し、実際に売却を成功させる具体的な方法をお伝えします。
目次
築古マンションは本当に売却できるのか?
築古マンションは売れます。ただし、1981年の耐震基準改正が売却可能性を大きく左右する分水嶺となります。ここでは、具体的なデータに基づき、築古マンションが実際に売買されている現実をお伝えします。
築古マンションとは?売却の明暗を分ける「3つの壁」
『築古マンション』に法律で定められた定義はありません。しかし、大手不動産ポータルサイトや多くの不動産会社では、一般的に『築30年』以上の物件を指すことが共通認識となっています。 業界の公式な統計データ(REINS)でも『築30年超』は一つの節目として扱われており、売却を考える上で重要な基準と言えるでしょう。
1. 法的な壁:耐震基準
1981年6月1日より前に建築確認を受けた「旧耐震基準」の物件は、耐震面の不安から買い控えが起きるほか、税制の優遇を受けにくい、買主のローン審査が厳しくなるなど、売却に大きく影響します。2025年現在、築44年を超える物件は旧耐震である可能性が高く、これが最初の大きな壁となります。
2. 経済的な壁:大規模修繕
マンションの資産価値を維持する大規模修繕は、国土交通省のガイドライン(「長期修繕計画作成ガイドライン」令和6年6月改訂版)でも12~15年周期が推奨されています。
築30年を超えると3回目の大規模修繕の時期を迎え、修繕積立金の値上げなど、所有者の経済的負担が重くなる傾向があります。
3. 心理的な壁:ライフサイクルとイメージ
住宅ローン(35年)を完済する築35年は住み替えを検討する一つの節目です。また、平成以前(2025年時点で築37年超)の建物は「昭和のマンション」というイメージを持たれやすく、これも心理的な壁となり得ます。
このように、築30年を超えると様々な課題が顕在化してきます。
そこでこの記事では、「築古マンション(築30年以上)」の中でも、これらの壁がより高く、売却が特に困難とされる「築40年~50年(旧耐震の可能性が高い物件)」に焦点を当て、売却を成功させるための具体的な方法をプロの視点で徹底解説していきます。
築40~50年マンションが売れない理由は?
何故、築40~50年マンションは売れないと不安に思うのでしょうか?その答えはやはり、「1981年の壁」が大きいと思います。
築50年(1975年頃)= 旧耐震基準確定
築40年(1985年頃)= 新耐震基準の可能性
この6年の差が、売却難易度を決定的に分ける理由です。
実際のデータを見てみましょう。下記は、東日本不動産流通機構(REINS)のデータより当社が独自に作成した 成約率 (=成約件数 ÷ 登録件数)のグラフです。
出典:築年数から見た首都圏の不動産流通市場(2024年)「中古マンション成約物件、築20年超の比率は全体の過半の53%」

築30年を超えたあたりで下げ止まっていますが、確かに、築年数の経過とともに成約率は低下する傾向にあります。このデータだけを見ると、「やはり築古マンションは売れにくいのか」と感じるかもしれません。
しかし、成約率だけでは市場の全体像は見えてきません。実際の取引量を見てみましょう。
取引件数の約4割は、築古マンション!
では、件数で見てみるとどうでしょう。同じく、東日本不動産流通機構(REINS)のデータ首都圏中古マンション・中古戸建住宅 地域別・築年帯別成約状況 より当社が独自に作成したグラフを見てみましょう。

直近のデータである2025年4月~2025年6月の首都圏におけるマンション売買件数は合計12,086件。そのうち、築30年を超える築古マンションの成約は4,754件にのぼり、全体の約40%を占めています。実際に多くの築古物件が売買されていることがわかります。
つまり、日本のマンション市場の大半は築古マンションのため、 古いことが必ずしも大きな足かせになる事はない という事です!
10年後は厳しくなる?築40~50年マンション
ただし、将来を見据えると状況は変わる可能性があります。
10年後、現在の築50年物件が築60年になった時、「耐震性の不安 + 物理的な老朽化」のダブルパンチで、売却が困難になる可能性があります。
一方、現在の築40年代でも新耐震の物件であれば、築50年になっても、耐震性への不安がない分、相対的に売却しやすい状況が続くでしょう。
成約率のカーブも、10年後には現在の築40年付近で急降下する可能性があり、新耐震と旧耐震の差がより明確になると予想します。
なぜ売れる?築古マンションの意外な需要層
築古マンションが売れる背景には、特定の需要層の存在があります。
リノベーション目的の購入者
築古マンションは、新築や築浅物件に比べて価格が手頃なため、購入費用を抑えて、その分を自分の好みに合わせたリノベーション費用に充てたいと考える層に人気です。
投資家
利回りを重視する投資家にとって、築古マンションは購入価格が安く、賃貸需要が見込めるエリアであれば、高い利回りを得られる魅力的な投資対象となります。
都心部の好立地を求める層
築古マンションは、都心の一等地や駅近など、現在ではなかなか手に入らないような好立地に建っているケースが多くあります。多少古くても、利便性を最優先する層にとっては非常に魅力的です。
これらの需要層が存在する限り、築古マンションの市場は常に存在し続けます。ただし、旧耐震物件については、今のうちに売却を検討することをおすすめします。
築40~50年マンションの資産価値と売却相場
築古マンションが売れるという事が分かったと思います。では、具体的に「いくらで売れるのか」が最も気になる点でしょう。ここでは、築年数の経過とともに資産価値は下がり続けるのか?築40~50年の築古マンションの売却相場の現実について解説します。
築年とともに資産価値が下がり続けるのか?
築古マンションは時間の経過とともに資産価値が下がり続けて最後にはなくなるのでしょうか?
結論から言うと、築年数の経過とともに資産価値は下げ止まります。
なぜそうなるのでしょうか。ポイントは「マンション価格=土地+建物」。経年で価値が目減りするのは主に建物部分であり、土地は「築年数」で減価しません。資産価値が下がりきった先は、価格全体に占める「土地(立地)・管理状態・リノベ適性」など築年に左右されにくい要素のウエイトが大きくなります。実際に首都圏の築年数別の価格を見てみましょう。
グラフ①首都圏の築年帯別平均価格
下記は、【2024年1月~2024年12月】の築年数ごとの平均価格のグラフです。
築浅で高値→築20年台まで段階的に下落し、築31年以降は低位安定。

グラフ②首都圏の築年帯別平均㎡単価
グラフ①における面積差をならした指標です。築31年以降はこちらも低位安定しています。

以上のように、築30年あたりから平均成約単価は安定します。新築と同じ金額で売却は難しいですが、築古マンションも一定の金額では売却可能なのでご安心ください。
築40~50年マンション売却相場<住宅地編>
それでは、築40年超のマンションは実際にいくらで売却されているのでしょうか。そして本当に価格は横ばいになっているのでしょうか。2025年上半期に売却された築44年以上のマンションのデータを見てみましょう。
今回「築44年以上」で抽出したのは、2025年上半期時点における、おおむね旧耐震~新耐震移行期にあたるラインだからです。第一章でご説明したように、旧耐震であるかどうかというのは一つの基準となります。そのため、「より価格が低くなると想定される旧耐震の築古」の価格を把握する目的で抽出しています。
実録:練馬・世田谷・杉並の築古マンション売却相場
住宅地編では、 練馬・世田谷・杉並の3区 に絞って分析しています。
これらの区は戸建て・マンションを問わず住宅地が広く分布し、築古ストックの流通量も多いため、「住宅ニーズを反映した実勢を把握しやすい」という実務的メリットがあります。また、首都圏全域を対象にすると数が多すぎて傾向がぼやける恐れがあるため、“住宅地を代表する3区”にフォーカスしました。
築年帯 | 成約件数 | 成約中央価格 (万円) | 成約平均価格 (万円) | 平均面積 (㎡) | 成約平均単価 (万円/㎡) |
築44‑48年 | 118 | 3,200 | 3,560 | 53.6 | 64.9 |
築49‑53年 | 144 | 3,160 | 3,380 | 51.8 | 63.8 |
※売却相場の計算例
住宅3区の 築44‑48年帯 は平均単価 64.9万円/㎡。
所有物件の面積が60㎡なら 64.9×60㎡ ≒ 3,890万円 が相場の目安、というイメージです。
①価格・単価差はごくわずか
中央価格:3,200 万円 → 3,160 万円(▲40 万円)
平均価格:3,560 万円 → 3,380 万円(▲180 万円)
平均単価:64.9 → 63.8 万円/㎡(▲1.1 万円/㎡、約▲1.7%)
⇒ 築年数が5年進んでも価格水準はほぼ横ばい。住宅3区では築50年前後の差は大きなディスカウント要因になりにくい。
②面積もほぼ同じ
平均面積:53.6㎡ → 51.8㎡(▲1.8㎡)
⇒ この年代帯のストックは、専有面積にほぼ差がなく「広さ」での優劣がつきづらい。
③件数は築49‑53年帯が多い
118件 vs 144件で約+20%。取引量が維持されている=買い手ニーズも継続的に存在している。これは、築古になっても、価格の値ごろ感が出るため、人気のある住宅地では築50年前後でも需要があることを示唆しています。
築40~50年マンション売却相場<商業地編>
次に、商業地の築築40~50年超のマンション売却相場について調べてみましょう。
実録:港区・中央区・千代田区の築古マンション売却相場
商業地編では、 都心3区(港区・中央区・千代田区) に絞って分析してみます。
築年帯 | 成約件数 | 成約中央価格 (万円) | 成約平均価格 (万円) | 平均面積 (㎡) | 成約平均単価 (万円/㎡) |
---|---|---|---|---|---|
築44‑48年 | 141 | 3,820 | 5,938 | 45.5 | 114.5 |
築49‑53年 | 55 | 2,480 | 4,067 | 36.2 | 102.4 |
①価格・単価ともに大きく下落
中央価格:3,820 万円 → 2,480 万円(▲1,340 万円)
平均価格:5,938 万円 → 4,067 万円(▲1,871 万円)
平均単価:114.5 → 102.4 万円/㎡(▲12.1 万円/㎡、約▲11%)
②面積は大きく減少
平均面積:45.5㎡ → 36.2㎡(▲9.3㎡)約▲20%
⇒ 平均面積が約2割も小さくなった背景には、都心部の住宅事情があります。都心は、ワンルームや1LDKの需要があり、特に築古のマンションほど、コンパクトな部屋の供給割合が多くなります。その結果、平均面積の違いが表れています。
③件数は築49-53年帯はかなり少ない
今回の調査では、築49-53年帯の成約事例はかなり少ない結果となった。これは、建築当初は、需要の旺盛だったコンパクトな住戸の供給割合が多いが、現在は30㎡以下のコンパクトな住戸の需要は乏しく、売りづらい。一方で、相対的に需要の高い30㎡以上の住戸の件数が少ないため、成約件数が少ないと推測されます。
築40~50年のマンション売却相場まとめ
グラフ①首都圏の築年帯別平均価格の通り、築年数が進んでも、築30年を超えると価格はおおむね横ばいで推移する傾向にあります。但し、住宅地と商業地では若干異なる結果となりました。住宅地は概ね横ばいで推移していますが、商業地は築古になるほど▲11%とやや下落があるように見えます。しかし、これは現在需要の乏しいコンパクト住戸の単価も加味されているためと推測されます。
ここで得られる最も重要な教訓は、「立地さえ良ければ安心、ではない」ということです。いくら人気のある都心部でも、「現在の市場ニーズに合わない物件(例:30㎡以下のコンパクト住戸)」は、築年数とともに価値が下落し続けるリスクをはらんでいます。
逆に言えば、たとえ築年数が古くても、「今の時代に求められる広さや間取り」を持っていれば、資産価値は下げ止まり、安定した価格で売却できる可能性が高いのです。
これから売却を考える方も、購入を検討する方も、「築年数」という一つのものさしだけで判断するのではなく、「立地」×「市場ニーズ」という掛け算で物件の価値を見極めることが、成功への鍵となります。
築古マンションの売却価格を左右する5つのポイント
今まで、あなたの古いマンションの売却相場について解説してきました。また、築古マンションの価格は、「築年数」という一つのものさしだけで判断するのではなく、「立地」×「市場ニーズ」という掛け算で決まります。では、立地や市場ニーズとは具体的に何でしょうか?一般的な話については、マンション売却査定のおすすめ15選でご確認ください。ここでは、特に築古マンションにフォーカスして、以下の5つのポイントについて解説します。
1. 立地・周辺環境
駅からの距離、交通の便、商業施設や公共施設の充実度、学区、周辺の再開発計画など、利便性の高い立地は築年数に関わらず高く評価されます。
2. 管理状態・修繕履歴
大規模修繕の実施状況、日常の清掃やメンテナンス、管理組合の活動状況が良好であれば、買い手にとって安心材料となり、査定額にプラスに働きます。
3.専有部分の状態・リフォーム履歴
室内の間取り、水回りなどの設備の状況、過去のリフォーム履歴。リフォーム済みであればプラス評価ですが、そうでなくても、リノベーションのしやすさなども考慮されます。
4. 耐震性・構造
新耐震基準か旧耐震基準か。旧耐震でも耐震補強がされているか、建物の構造(RC造、SRC造など)も評価ポイントです。
5. 眺望・階数・方角
日当たり、風通し、眺望の良さ、所在階(低層階か高層階か)、角部屋かどうかなども査定額に影響を与えます。
マンションの価格構成要素のうち、特にこれらの要素を重要視して、不動産会社は築古マンションの価格を算出します。
築古マンションを高く・早く売却する7つの方法
物件の評価ポイントが分かったら、次はいよいよ「どうすればその価値を最大化できるか」という実践論です。皆様がそう考えるのは当然です。
築古マンションの売却は、新築や築浅物件とは異なり、専門的な戦略と知識が求められます。闇雲に売りに出しても、時間だけが過ぎて価格を下げざるを得ない…という事態に陥りかねません。
ここでは、数多くの築古物件を取り扱ってきたプロの視点から、売却の成功確率を飛躍的に高める「7つの具体的な方法」を伝授します。
方法1:複数社査定で「売却の物差し」を手に入れる
まず、最初に行うべき最も重要なステップがこれです。1社の査定額だけを鵜呑みにするのは、羅針盤を持たずに航海に出るようなもの。その価格が本当に適正なのか、安すぎないか、あるいは高すぎて売れ残るリスクはないか、判断する基準がありません。
最低でも2社に査定を依頼し、各社の査定額とその根拠を比較検討しましょう。これにより、あなたのマンションの客観的な価値、つまり「売却の物差し」を手に入れることができます。この物差しがあるからこそ、後述する不動産会社選びや価格戦略を、自信を持って進めることができるのです。
査定を依頼する際は、以下の質問を必ずしてください
「築古マンションの取扱実績はどれくらいありますか?」
「この物件の強みと弱みを教えてください」
「売却期間の目安はどれくらいですか?」
「買取も可能ですか?買取価格はいくらですか?」
この4つの質問への回答で、その会社が築古に強いかどうかが判断できます。曖昧な回答しかできない会社は避けましょう。
方法2:【最重要】築古に強い不動産会社をパートナーにする
不動産会社ならどこでも同じ、ではありません。特に築古マンションの売却では、会社選びが成功の9割を決めると言っても過言ではありません。
築古に強い不動産会社は、以下のような点で普通の会社と異なります。
- 価値評価の視点: 築年数だけでなく、「土地の権利」「管理状態」「建物の構造」「リノベーションのポテンシャル」といった多角的な視点から物件の真の価値を評価できる。
- 独自の販路: リノベーション目的の個人や、利回りを重視する投資家など、築古物件を積極的に探している独自の顧客リストを持っている。
- 経験と知識: 契約不適合責任や税金といった、築古特有のトラブルや手続きに関する豊富な経験と知識がある。
築古に強い不動産会社の見分け方
✅ ホームページに築古物件の売却事例が豊富に掲載されている
✅ 「リノベーション」「投資物件」のページがある
✅ 査定時に建物の構造や管理状況について詳しく質問してくる
✅ 「買取」も選択肢として提案してくれる
✅ 契約不適合責任について具体的な説明ができる
逆に避けるべき会社
❌ 「古すぎて難しい」と最初から消極的
❌ 「とりあえず価格を下げましょう」しか提案しない
❌ 新築・築浅物件ばかりを扱っている
会社のウェブサイトで「築古物件の取扱実績」を確認したり、査定時の担当者の知識レベルを測ったりして、信頼できるパートナーを慎重に見極めましょう。
方法3:大規模リフォームは不要!「現状のまま」を武器にする
「高く売るために、キッチンやお風呂をリフォームした方が良いですか?」という質問をよく受けますが、答えは「NO」です。
数百万円かけてリフォームしても、その費用を売却価格に上乗せできるとは限りません。また、買い手は自分の好みにリノベーションしたいと考えていることが多く、良かれと思って行ったリフォームが、逆に敬遠される原因にすらなります。
ただし、以下の「最小限の投資」は効果的です:
【費用10万円以内で効果大】
・プロのハウスクリーニング(特に水回り):3-5万円
・壁紙の部分補修(目立つ傷や汚れのみ):2-3万円
・電球・蛍光灯をすべて新品LED電球に交換:1-2万円
・玄関ドアの清掃・ワックスがけ:5,000円 ~
【やってはいけないリフォーム】
・キッチン・バス全体の交換:数百万円かけても回収困難
・フローリング全面張替え:買主の好みと合わない可能性
・間取り変更:大規模すぎて費用対効果が悪い
高額なリフォームはせず、「自分好みの空間を一から創れる、自由度の高い素材です」と、現状のままをポジティブな武器としてアピールしましょう。
方法4:「管理状態の良さ」を書類で証明し、内覧で安心させる
築古物件の購入希望者が最も恐れているのは、「見えない部分の劣化」です。「耐震性は大丈夫?」「大規模修繕はちゃんとやってる?」といった不安は、必ず聞かれると思って間違いありません。
内覧時に準備すべき書類チェックリスト:
【必須書類】
□ 長期修繕計画書(10-30年計画)
□ 修繕積立金残高証明書
□ 直近3年分の総会議事録
□ 管理費・修繕積立金の変遷表
【あると有利な書類】
□ 大規模修繕の施工写真・報告書
□ 耐震診断結果(実施済みの場合)
□ 管理組合の財務状況報告書
□ 共用部の清掃・点検記録
内覧時にこれらの書類を揃えて提示し、「計画的に修繕が行われていること」「住民の管理意識が高いこと」を証明できれば、買い手の信頼感は一気に高まります。口頭での「大丈夫ですよ」という一言より、一枚の公式な書類の方が、何倍も説得力を持つのです。
方法5:市況と季節を読む「売却タイミング戦略」
不動産には、売れやすい「旬の時期」があります。季節や金利その他の要素も含めて解説します。
築古マンション売却のベストタイミング:
【季節戦略】
・1-3月:転勤・進学シーズンで需要増。ただし競合も多い
・4-6月:競合が減り、じっくり検討する層にアプローチ可能
・9-10月:転勤シーズン第2波。投資家の動きも活発
・11-12月:年内決済を急ぐ買主に有利な条件で売却可能
【築年数戦略】
築49年→築50年の切り替わり前が狙い目。「築40年台」で検索する層を取り込める。
【金利・市況戦略】
住宅ローン金利上昇前、増税前など、買主の購入意欲が高い時期を狙う。不動産会社と相談し、3-6ヶ月先の市況予測を聞いておきましょう。
ただし、最も重要なのは「売りたい」と思ったご自身のタイミングです。専門家と相談し、市場のトレンドを理解した上で、最適な売り出し時期を戦略的に決めましょう。
方法6:「買取」という切り札を常に用意しておく
売却戦略を考える際、「仲介」しか頭にないと、精神的に追い詰められがちです。「いつまでも売れなかったらどうしよう…」という焦りから、不利な価格交渉に応じてしまうことも少なくありません。
そこでおすすめしたいのが、「買取」という切り札を常に用意しておくことです。
買取とは、不動産会社が直接あなたの物件を買い取る方法です。仲介より価格は安くなる傾向がありますが、「すぐに現金化できる」「内覧対応が不要」「売却後のトラブルがない」という絶大なメリットがあります。
なお、買取業者にも築古マンションが得意な業者とそうでない業者が存在します。方法2と同様に築古物件の取扱実績(買取実績)を確認して信頼できる買取業者を探しましょう。
🏢 当社も、マンションの直接買取を行っています。
当社は、年間250件超の買取実績があり、特に築古マンションの買取には自信があります。「売却が初めてで不安」「時間がなくて困っている」という方も、お気軽にご相談ください。
👉 買取サービスの詳細はこちら(東京テアトルのマンション買取)
方法7:売却後のトラブルを回避する「契約不適合責任」の知識
最後に、築古物件の売却で絶対に知っておかなければならないのが「契約不適合責任」です。これは、売却後に物件にシロアリ被害や雨漏りなど、契約書に書かれていなかった欠陥(不具合)が見つかった場合に、売主が買主に対して負う責任のことです。
契約不適合責任でよくあるトラブル実例
【雨漏り】売却後に発覚→修繕費50万円を請求される
【給排水管の詰まり】売却3ヶ月後に発覚→配管工事費30万円を請求される
【シロアリ被害】床下点検で発覚→駆除・修繕費80万円を請求される
これらを防ぐ具体的対策
✅ ホームインスペクション(住宅診断)を売却前に実施:5-10万円
✅ 物件状況報告書に不具合を明確に記載して、当該箇所に関して免責になる。
✅ 契約書に「築○年の物件のため、経年劣化による不具合は免責」の特約を入れる または、契約不適合責任が完全に免除される「買取」を選択するのも有効な戦略です。
といった対策が有効です。そして、この契約不適合責任が原則として「免責」されるのが、前述した「買取」という売却方法です。売却後の心配から完全に解放されたいと考えるなら、買取は極めて有力な選択肢となります。
古いマンション、売れない場合の解決策
今まで古いマンションでも売れるという事を説明してきましたが、それでもまだ不安な方もいらっしゃると思います。そこで最後に、古いマンションが売れない場合の3つの解決策について、解説します。
賃貸運用で家賃収入を得る選択肢
売却が難しいなら、所有権を維持しつつ賃貸に出して家賃収入を得る方法も有効です。
- メリット: 収入で負担軽減、将来的な売却可能性も残せます。
- デメリット:リフォーム費用、空室リスク、家賃設定の制約、管理の手間が発生します。
収支シミュレーションの徹底を
家賃収入からリフォーム費、管理費、税金、手数料などを差し引き、毎月プラスになるか、赤字が続くかを詳細にシミュレーションしましょう。これは、賃貸管理専門の不動産会社に相談するのが最も確実です。地域の相場や費用に基づき、現実的な収支計画を立ててくれます。
マンション買取業者に売却
マンション買取は、不動産会社が直接物件を買い取る方法です。
メリット:
・売却期間の短縮: 不動産会社が直接買い取るため、買主を探す期間が不要となり、最短数日で現金化できるケースもあります。
・手間がかからない: 内覧対応の必要がなく、日程調整や掃除の手間が省けます。荷物や家具もそのままで大丈夫です。
・リスクを減らせる(契約不適合責任の免責):契約不適合責任が免除されるため、後から不具合を理由に責任を問われるリスクがありません。安心して売却できます。
デメリット:
・売却価格が低め: 不動産会社が再販諸経費、利益を見込むため、個人の買主に仲介で売却するより安くなります。8割程度になることが多いです。
築古マンションは「直接買取」が適しているケースが多い
築年数が古いマンションは、資産価値の低下や老朽化の印象から、内覧に来ても成約に至らないケースが少なくありません。特に個人の買主は、購入後の修繕コストやリフォームのイメージがつきにくく、購入をためらう傾向があります。そのため、仲介では売却活動が長期化したり、大幅な価格調整を迫られることも。一方、買取なら不動産会社がリフォーム前提で購入してくれるため、売主は現状のままで売却が可能です。結果として、築古マンションでは「時間・手間・価格」のバランスから見て、買取のほうがスムーズで現実的な選択となるケースが多くあります。
最終手段としての所有権の手放し方
流動性のあるエリアであるなばら賃貸運用やマンション買取による売却も可能ですが、マンション需要の低いエリアでかつ、築古マンションの査定額を左右する5つの要素をどれも満たさないマンションの場合は、管理費修繕費と固定資産税だけが無駄にかかってしまいます。とにかく手放したい場合の最終手段としては下記の2つが考えられます。
- 「負動産」からの解放:相続放棄(相続時のみ)
相続する方のみの選択肢です。故人の全財産を放棄することで、売れないマンションの負担から解放されます。ただし、他のプラス財産も全て放棄します。相続の開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申し立てが必要です。
- 寄付の現実(非常に困難)
マンションを自治体や個人に寄付することは、管理負担があるため、受け入れられることは極めて困難です。現実的な選択肢ではありません。
築古マンション売却 Q&A
ここからは、築古マンションの売却や購入に関して、多くの方が疑問に思う点や検索でよく見られるキーワードについて、Q&A形式で解説していきます。あなたの疑問解決の一助となれば幸いです。
Q. 築古マンションを売却した時の利益は?
売却益が出た場合:払う税金と減らす方法
マンションを売却して利益が出た場合、その利益には「譲渡所得税」がかかります。これは、所得税と住民税を合わせたものです。
1. 利益ってどう計算するの?
利益は、「売却金額」−「買った時の費用」−「売るためにかかった費用」 で計算します。
- 売却金額: マンションをいくらで売ったか。
- 買った時の費用: 購入代金や仲介手数料、登録費用など。建物の古くなった分の価値(減価償却)も考慮します。
- 売るためにかかった費用: 売却時の仲介手数料、印紙税など。
この計算でプラスになった分が「利益」です。
Q. 売却時の費用は何があるの?
築古マンションの売却では、売却価格だけでなく、手元に残る「手残り額」を正確に把握することが重要です。売却には様々な費用や税金がかかりますが、控除特例や還付制度を賢く利用することで、手残りを最大化できる可能性があります。
売却時にかかる費用一覧
発生条件 | 費用項目 | 概要 | 目安・計算式 |
必ず発生 | 印紙税 | 売買契約書に貼付する収入印紙 (2027年3月31日までの軽減措置適用) | 売却価格1,000万円超5,000万円以下は1万円 など段階課税 |
仲介会社を利用して売却する場合 | 仲介手数料 | 不動産会社への成功報酬 | (売却価格×3%+6万円)×消費税 |
売却時点で抵当権が残っている場合 | 抵当権抹消登記費用 | 登記簿から抵当権を外す費用 | 総額3万円前後 |
売却代金で住宅ローンを一括返済する場合 | 住宅ローン繰上げ返済手数料 | 金融機関への一括返済手数料 | 0〜5万円程度(ネット銀行は無料が多い) |
Q. 税金の割合(税率)はどれくらい?
売却した年の1月1日時点でのマンションを所有していた期間が…
5年超の場合⇒20.315% (所得税15%+復興特別所得税0.315%+住民税5%)
5年以下の場合⇒39.63% (所得税30%+復興特別所得税0.63%+住民税9%)
このため、5年以下での売却はまずおすすめできません。
仮に5年超保有しているマンションを売却したら利益が5,000万円の場合の税金は、
5,000万円×20.315%≒1,015万円になります!!
Q.税金の特例はないの?
特にマイホームを売却した場合に、税金を大きく減らせる特例があります。
A. マイホーム3,000万円特別控除
マイホームを売った場合、利益から最大3,000万円まで税金がかからなくなります。利益が3,000万円以下なら、税金はゼロになります。
注意:一定の条件を満たす必要があるので確認しましょう。
B. マイホームの税率優遇(10年超所有の場合)
マイホームを売却し、所有期間が10年を超えている場合、上記の3,000万円控除を使った後の利益のうち、6,000万円までの部分の税率が14.21%に下がります。
C. マイホーム買換え特例
マイホームを売って、新しいマイホームに買い換える場合に、一定の条件を満たせば、譲渡所得税の支払いを将来に繰り延べられます。
注意:税金がなくなるわけではなく、支払いを先送りにできる制度です。また、買換え先の物件価格が売却物件の価格以上であることなど、厳しい要件もあるので確認しましょう。
【重要】 これらの特例は、確定申告をしないと適用されません。売却の翌年に忘れずに手続きしましょう。

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- ・最短5日、期限までに確実に現金化可能
- ・不要な家具はそのままで手軽に売却
- ・売却後のトラブルの心配ゼロ
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