マンションのリースバックを解説!家賃周りの注意点・その他トラブル事例も

カテゴリ:マンション売却
投稿日:2024.08.23

マンションの上にリースバックと書かれている画像

マンションのリースバックは、所有しているマンションのお部屋を売却しつつも、そのまま賃貸として住み続けることが可能な契約方法です。売却によるリターンを得ながら住み慣れた環境を維持できるため、多くの人に選ばれています。リースバックは特に資金繰りが急を要する場合や、高齢者が住み慣れた地域を離れたくない場合に適しています。大きな金融的メリットはありますが、その分デメリットもあります。

目次

マンションのリースバックとは?基本から詳しく解説

マンションのリースバックとは、所有しているマンションのお部屋を一度売却し、その後賃貸という形で退去せず住み続けることができる契約方法を指します。これは資産の現金化が急務な場合や、一定の資金を得ながらも生活環境を大きく変えたくないと考えている人にとって有効な売却方法です。反面、デメリットも多く存在しますので、詳しく解説します。

マンションのリースバックのメリット

リースバックとは、マンションのリースバックを通じて現金化しつつ、そのまま物件に住み続ける仕組みです。これにより、資金を得たい場合でも生活の場所を変えずにすむメリットがあります。例えば、急な医療費が必要なときや、経済的に困窮した際に、物件を手放す形で一時的な資金を得ることができます。また、住み慣れた環境を維持できるため、過度な環境の変化がストレスとなってしまう高齢者や、学区を変えることが負担となってしまう子供のいる家庭にも適した売却方法であると言えます。

売却後も住み慣れたマンションに住める理由

売却後も住み慣れたマンションに住むことができるのは、リースバックの本質である、物件を購入したオーナーと賃貸契約を結ぶという仕組みによるメリットです。これにより、売却時に得た資金を必要なところに使いながら、環境を大きく変えないまま生活を続けることができます。マンションのお部屋は自身の所有資産ではなくなり、賃貸契約を新たなオーナーと取り交わすため家賃の支払いが発生しますが、この仕組みを利用することで住み慣れた家から引越す労力とコスト、そしてストレスを減少させることができます。

家を所有するリスクの軽減について

家を所有することには様々なリスクが伴います。例えば、不動産市場の変動や災害などによって資産価値が大きく下がるというリスクです。マンションのリースバックを利用することで、売却によって一時的に資産を現金化し、これらのリスクを回避することができます。また、所有することで発生する維持費や税金の支払いを避けることができる点も重要です。現金化後も賃貸という形で住み続けるため、自身の生活は大きく変わりません。

現金化までのスピーディなプロセス

マンションのリースバックは、不動産を現金化するまでの手続きが迅速である点が強みです。通常の不動産売却と比較してもスピーディに進行し、売却から資金受け取りまで数週間で完了することが多いです。これにより、急な資金需要に対応することができます。不動産を売却した後も、そのまま住み慣れた環境で生活を続けることができるので、生活の変化を最小限に抑えることが可能です。

マンションのリースバックのデメリットと注意点

マンションのリースバックは、住み慣れた家に住み続けながら資金を得られる便利な仕組みですが、多くのデメリットが存在します。まず、高額な生活費用が挙げられます。リースバック後は賃貸契約となるため、家賃支払いが新たに発生します。さらに、多くの場合家賃と合わせて管理費も継続して支払う必要があります。

また、不動産会社の選び方も重要になってきます。信頼できる不動産会社と契約しないと、急に家賃を引き上げられてしまったり、不公平な内容で契約を結ばされてしまうなどのトラブル事例が発生する危険性があります。契約内容と契約手順を徹底的に確認し、デメリットを踏まえた上で慎重に進めることが、後悔しないためのポイントです。慎重に売却手段を選ぶことで、安心して住み続けられる環境を整えましょう。

ここではいくつかの重要なデメリットをご紹介します。

売却価格が相場より安くなる傾向

マンション売却においてリースバックを利用すると、売却価格が通常の市場相場より低くなる可能性が高いです。これは、購入者側(不動産会社)が投資用物件を購入するというリスクを背負うため、購入価格を抑える必要があるからです。さらに、リースバック契約には賃貸として物件を維持するための追加コストが発生するため、家賃相場も事前に確認しておくことが重要です。賃料の負担と売却価格をバランスよく考慮することで、より良い選択ができます。

家賃の発生とその相場

リースバックでマンションを売却した後、売却後も同じ物件に住み続けるためには家賃を支払う必要があります。家賃の金額は地域や物件の資産価値によって異なりますが、不動産会社視点では利回りが重要になってしまうため、一般的に近隣相場よりも高い金額で設定されます。売却によって得た資金をどのように管理し、相場より高い家賃を支払いながら生活していくのかを考慮することが求められます。家賃を事前に確認し、予算を立てることで生活の安定を図ることが可能です。

契約期間と再契約のポイント

リースバックの契約期間は物件の契約書に詳細が記載されていますが、一般的に1年から数年の範囲で設定されます。契約期間が終了した際に再契約を希望する場合は、新たな契約条件や家賃の見直しが行われることになります。再契約の際には、契約書の内容をしっかりと確認し、自分の生活状況と合致するかを検討することが重要です。また、再契約が難しい場合もあるため、代替の住居計画を立てておくことも必要です。

リバースモーゲージとの比較

リースバックとリバースモーゲージは共に資産活用の方法ですが、重要な違いがあります。リースバックは物件を売却して現金化する一方で、リバースモーゲージは物件を担保に借入れを行います。リバースモーゲージの場合、借入金利や返済条件が変動しますが、所有権を保持しながら資金を得ることができます。それぞれのメリットとデメリットを理解し、自分のライフスタイルと資金ニーズに最も適した方法を選択することが大切です。

マンションのリースバックにおける具体的なトラブル例

リースバックには、事前に把握し避けるべきいくつかのトラブルがつきまといます。以下は主なトラブルの一覧です。

  • 家賃の引き上げ
  • 買い戻し額が想定以上に高額に
  • 家族や相続人とのトラブル
  • リースバック事業者の倒産

これらの問題を予防するためには、信頼できる不動産会社を見極めた上で、契約内容を詳細に確認することが不可欠です。

ここからは具体的なトラブル例とその対策について解説します。

家賃の引き上げとその対策

リースバックで売却した後、家賃が引き上げられることがあります。この問題を回避するには、契約時に将来の家賃引き上げについての条項を確認し、適切な対策を講じることが重要です。また、家賃の固定期間を設定することや、引き上げ時の上限を事前に取り決めておくことで、家計への負担を軽減できます。家賃が家計に及ぼす影響を十分に検討し、契約書に明記することで予期せぬトラブルを防止することが可能です。

買い戻し額が想定以上に高額になる場合

リースバック契約時に、将来的に家を買い戻す選択肢を持つことがあります。その際、再度取得するための費用が想定以上に高額になる場合があり、問題が発生します。契約時には買い戻し額の算定方法を詳細に確認し、価格変動の条件を明確にすることが大切です。買い戻しを希望する場合には、契約書をよく読み、価格に関する条項をしっかりとチェックし、予算計画を立てることで不測の出費を回避できます。

家族や相続人とのトラブル

家をリースバックする際、家族や相続人との間で意見が対立することがあります。このようなトラブルを避けるためには、事前に家族全員と充分に話し合い、リースバックの意図や条件を共有することが不可欠です。特に相続人となる子供や親戚には、リースバック後の生活設計について詳しく説明し、理解を得ることが重要です。家族全員の同意を得た上で契約を進めることで、将来的なトラブルを防ぐことができます。

リースバック事業者の倒産リスク

リースバック事業者が倒産するリスクも考慮する必要があります。事業者が倒産した場合、家賃支払いに影響が出たり、再契約が困難になることがあります。このようなリスクを避けるためには、事業者の信用情報や過去の実績をしっかりと調査することが重要です。さらに、複数の事業者から見積もりを取り、条件を比較検討することも有効です。信頼できる事業者を選ぶことで、安定したリースバック生活を維持することができます。

信頼できる不動産会社の選び方

リースバックを行う際には、信頼できる不動産会社を選ぶことが重要です。不動産会社の選定によって、売却価格や契約条件が大きく変わるため、いくつかのポイントを押さえることで適切なパートナーと協力することができます。以下に信頼性の高い不動産会社を選ぶための具体的な方法と、実績が豊富な会社のメリット、目的に合った契約内容の確認方法について説明します。

信頼性の高い不動産会社を選ぶためのポイント

不動産会社の信頼性を判断するためには、いくつかの要素を確認することが重要です。まず、会社の履歴や評判を調査し、過去の実績を基に評価することが必要です。また、インターネットの口コミや評判を参考にするのも効果的です。次に、契約書や相談時に担当者の対応を確認し、説明の明確さや親切さもチェックポイントです。信頼性の高い不動産会社は透明性が高く、質問に対しても丁寧に対応します。また、チェーン展開をしておらず、会社規模こそ小規模ではあっても、対応が丁寧で、しっかりと対応してくれる業者も存在します。反対に、会社規模の大きさを盾に相場とかけ離れた買取金額を提示されてしまったり、相場とかけ離れた家賃を設定されてしまうケースもありますので、注意しましょう。

実績が豊富な会社のメリット

実績が豊富な不動産会社を選ぶことには多くのメリットがあります。まず何より、多くの取引を経験しているため、様々なシチュエーションに対応できるノウハウを持っています。これにより、物件の市場価格を正確に評価し、最適な売却価格を提示してもらうことが可能です。また、過去の取引実績に基づいた信頼性も高くなるため、安心して契約を進めることができます。豊富な経験を持つ不動産会社は、追加のサービスやアドバイスも提供してくれます。

目的に合った契約内容の確認方法

契約内容を確認する際には、自分の目的に合った条件が含まれているかを必ずチェックすることが大切です。まず、契約書の全体をよく読み、不明点があれば担当者に質問することで誤解を防ぎます。また、契約書には家賃や契約期間、再契約の条件などが記載されていますので、これらが満足できるものであるか再確認します。契約書には細かい条項も多いため、弁護士や専門家に相談して内容を精査してもらうことも有効です。

コチラの記事では大手リースバック会社のおすすめランキングを発表していますので、参考にしてみてください。

マンションのリースバックを利用する際の流れ

マンションのリースバックを利用する際の一連の流れを把握しておくことは非常に重要です。各ステップをしっかり理解することで、手続きを円滑に進めることができ、予想外のトラブルを避けることができます。以下では、具体的な手順について詳しく解説します。まずは初回の相談から始まり、査定や契約に至るまでのプロセスを理解しておくことで、より適切な判断が可能になります。

相談から査定までのステップ

マンションのリースバックを検討する際、まずは信頼できる不動産会社に相談することから始めます。不動産会社の専門家がリースバックのメリット・デメリットを詳しく説明し、個々の状況に最適なアドバイスを提供します。次に、物件の査定が行われます。この査定では、マンションの市場価値が評価され、リースバック契約が進行可能かどうかが判断されます。査定結果に基づいて、具体的な売却価格と家賃の金額が提示されます。

売却契約と賃貸借契約の手続き

査定結果に納得した場合、次のステップは売却契約と賃貸借契約の手続きです。売却契約では、マンションを売却するための正式な契約書が作成され、双方が合意する条項に基づいて署名が行われます。併せて、同じ物件に住み続けるための賃貸借契約も結ばれるため、住環境は維持されます。契約書には家賃や契約期間、その他の諸条件が詳細に記載されているため、再確認が重要です。全ての手続きが完了すると、正式に契約が成立します。

リースバック後の生活費用と管理費について

リースバック後の生活では、家賃や管理費などの新たな負担が発生します。これらの費用をいかに効率よく管理するかが、生活の質を左右する重要なポイントになります。家賃はリースバック契約の際に決定されるため、事前に十分な検討が必要です。また、管理費や修繕積立金は継続的に発生するため、それらの全体像を把握し、計画的に対応することが求められます。

家賃支払いの負担とその対策

リースバック後の家賃支払いが家計に与える影響は大きいです。家賃の負担が重くなると生活の質が低下し、最悪の場合にはやばい状況に陥ることもあります。そのため、家賃支払いに対する対策が重要です。まず、家賃が適正であるかを事前に確認し、必要ならば交渉することが推奨されます。また、収入と支出を見直し、家賃支払いに充てる予算を確保するための家計管理も必要です。特に高齢者の場合、年金収入などを考慮して計画を立てることが重要です。

管理費や修繕積立金の影響

リースバック後も、マンションの管理費や修繕積立金は継続して発生します。これらの費用は家計に及ぼす影響が大きく、無視できません。管理費は共用部分の維持管理に使われ、修繕積立金は大規模修繕のために積み立てられます。事前に管理費や修繕積立金の金額を把握し、それらが家計に及ぼす影響をシミュレーションすることで、突然の出費に対して備えることができます。また、家保険も含めて、全体的な費用を把握することが安心な生活を送るための基本となります。

マンションのリースバックで後悔しないためのポイント

マンションのリースバックは、資金調達や住み続けるための合理的な手段として魅力的です。しかし、適切に進めないと後悔する可能性があるため、いくつかのポイントに注意することが重要です。具体的には、不動産リースバックの基本概念を理解し、適正な価格と契約条件の確認、家賃負担を抑える方法、そして取り返しのつかない事態を避けるための予防策を講じることが求められます。

リースバックとは何かを理解する

リースバックとは、自身の不動産を売却した後、そのまま賃貸契約を結んで住み続ける方法です。このプロセスでは、資産を現金化しつつ、住み慣れた場所に留まることができます。まずはこの仕組みをしっかりと理解することが重要です。リースバックを利用することで売却後も生活を大きく変えずに済みますが、賃貸としての家賃が発生するため、事前に支出計画を立てておくことが必要です。

適正価格と契約条件の確認

マンション売却を行う際には、適正価格と契約条件の確認が不可欠です。契約時に提示される価格が市場価格と離れていないか、契約内容に不利な条件が含まれていないかを慎重にチェックします。特に契約書には売却価格はもちろん、家賃や契約期間、再契約の有無などが記載されているため、その内容をしっかりと把握することが求められます。不明点があれば専門家に相談し、納得できる条件か確認することが後悔を防ぐために重要です。

家賃負担を抑える方法

リースバック後に発生する家賃負担を抑えることは重要です。高額な家賃を設定された場合、家計がやばい状況に陥る可能性があります。まず、契約時に家賃の適正価格を確認し、必要に応じて交渉することが有効です。次に、家賃支払いのための収支バランスを見直し、生活費用を再計算して余裕を持たせることが求められます。さらに、年金受給者や低収入の方は、各種支援制度を活用して家賃負担を軽減する策を講じることが大切です。

直接買取のススメ

リースバックでは相場より低い金額で売却することになってしまったり、家賃が相場よりも高くなってしまうことを説明してきましたが、そういった事態を避けながらマンションを即現金化する方法があります。直接買取を利用するという方法です。

弊社マンション売却相談センターでは、最短5日で現金化が可能です。また、買取価格は相場に基づいて算出されます。ただし、リースバックとは異なり、売却後も同じ物件に住み続けるということはできませんので、ご注意ください。

詳しくは弊社HPの直接買取ページをご覧くださいませ。

まとめ:リースバックの注意点とメリットを理解して賢く利用

マンションのリースバックは、資金調達や住み続けるための柔軟な選択肢を提供します。そのため、正確な情報と適切な対策を講じることで、多くのメリットを享受できます。リースバックの注意点としては、家賃の上昇リスクや契約条件、事業者の信頼性などが挙げられます。一方で、これらの点に注意を払うことで、資金調達の手段として非常に有効であることも忘れてはなりません。以下に、確実なリースバックのための対策とメリットを最大限に生かす方法について説明します。

確実なリースバックのための対策

リースバックを検討する際には、やばい状況を避けるための対策を講じることが重要です。まず、信頼できる不動産会社を選定することが最優先事項となります。実績や評判、口コミを徹底的に調査し、透明性の高い企業を選ぶことが求められます。次に、契約書の内容を詳細に確認し、不利な条件が含まれていないか、長期的なリスクがないかをチェックします。また、家賃の上昇が予想される場合、その上限を契約書に明示することも重要です。専門家の意見を取り入れることで、より確実な対策が可能となります。

リースバックのメリットを最大限に生かす方法

リースバックの最大のメリットは、物件を売却して得た資金を自由に利用しつつ、同じ場所に住み続けられることです。このメリットを最大限に生かすためには、まず現金化した資金を計画的に使うことが重要です。たとえば、借金の返済や子供の教育資金、医療費など、特定の目的に応じて資金を適切に分配します。また、家賃負担を軽減するための対策も講じることが推奨されます。無駄な支出を抑え、固定費を見直すことで、長期的な家計の安定を図ることができます。