レントロールとは?見方・入手方法・注目すべきポイントを詳しく解説

カテゴリ:買取ノウハウ・注意点
投稿日:2024.05.27

不動産投資のために、より良い収益物件を選ぶには物件に関する情報収集が大切です。

そこで役立つのが「レントロール」です。

レントロールには不動産購入を検討する上での重要な情報が多く記載されていますが、その読み解き方を知らない方は多いかもしれません。

この記事では、投資用物件の購入時に役立つレントロールの見方と活用方法を詳しく解説いたします。

東京テアトルは、中古マンションの高値買取に自信があります。

  1. ・最短5日、期限までに確実に現金化可能
  2. ・不要な家具はそのままで手軽に売却
  3. ・売却後のトラブルの心配ゼロ

マンションの買取なら東京テアトルまでご相談ください!

この記事でわかること
  1. 投資用マンションの購入時には「レントロール」の確認が重要
  2. レントロールとは、物件の入居者や間取りなどの情報がまとめられた資料のこと
  3. レントロールを見ることで、物件の資産価値や将来性がわかる
  4. ただし、レントロールには全ての情報が記載されているわけではない
  5. マンション購入を検討するときの情報源として上手に活用しよう

レントロールとは

レントロール

出典元:レントロール 雛形

レントロールとは、賃貸物件の入居者情報や契約内容などが一覧で記載された資料のことです。

レントロールには、部屋ごとの家賃や敷金、契約日等の契約条件が記載されています。賃借人の属性なども書かれているケースが多いです。

賃貸物件の査定や評価などで、物件の収支状況を把握するために欠かせない重要な書類です。

レントロールに記載されている基本情報

今後、賃貸不動産の売買を検討されている方は、レントロールについて正しい知識を身につけておかなくてはなりません。

まずは、レントロールに記載されている基本情報をご紹介します。

  • 部屋番号・階数・住戸面積
  • 入居者情報・契約状況
  • 賃料・共益費・敷金
  • 契約開始日・更新日

それぞれの項目の詳細を見ていきましょう。

部屋番号・階数・住戸面積

レントロールには各部屋の基本情報が記載されています。部屋番号と階数は物件内での位置を示し、面積は部屋の規模を表します。

例えば、以下のような形式で記載されることが多いでしょう。

部屋番号階数住所面積(㎡)
1011階東京都渋谷区○○1-2-325.08
2012階東京都渋谷区○○1-2-330.25
3013階東京都渋谷区○○1-2-335.46

この基本情報は、物件の構造と各部屋の特徴を把握する上で重要な要素となります。部屋番号や階数から配置を、住所と面積から広さや立地を確認できます。

入居者情報・契約状況

レントロールには、各部屋の入居者情報や契約状況が記載されています。具体的には以下の情報が確認できます。

  • 入居者氏名
  • 入居者年齢
  • 入居者職業
  • 入居者の家族構成(独身・夫婦・家族)
  • 契約形態(普通借家契約・定期借家契約)
  • 契約期間(開始日・満了日)
  • 更新の有無
部屋番号入居者名年齢職業家族構成契約形態契約期間更新
101号室山田太郎35歳会社員独身普通借家2年(2022/4/1~)
102号室鈴木花子28歳自営業夫婦定期借家2年(2023/1/1~)

このように、入居者の属性や契約内容を一覧で確認できるため、物件の適正家賃や入居者層を把握しやすくなります。また、契約更新の時期なども分かるので、運用管理に役立ちます。

賃料・共益費・敷金

レントロールには、各部屋の賃料が記載されています。賃料とは、部屋の賃借に対して支払う月々の金額のことです。

賃料以外にも、共益費という費用の記載があります。共益費とは、建物の共用部分の維持管理費や修繕積立金などにあてられる費用です。

また、敷金についても記載があります。敷金とは、入居者が契約時に一時的に支払う金額で、退去時の原状回復費用などに充てられます。賃料や共益費、敷金の金額は物件の立地や築年数、設備状況などによって異なります。

レントロールでは、これらの金額が一覧で記載されているため、賃貸経営の状況を把握しやすくなっています。金額の変動には特に注意を払う必要があり、入居者の異動時にはレントロールの更新が重要となります。

契約開始日・更新日

レントロールには、各部屋の入居者の契約開始日と次回更新日が記載されています。

契約開始日は、その入居者が最初に入居した日付を指します。一方、契約更新日は、賃貸借契約の有効期限が切れる日付で、通常2年ごとに更新されます。

契約更新日が近い部屋は、入居者の退去リスクが高まります。特に高額賃料の部屋では、更新の有無が収益に大きく影響するため、レントロールで予め把握しておく必要があるでしょう。

レントロールに記載されていないことが多い情報

レントロールには、全ての情報が記載されているわけではありません。

ここでは、レントロールに記載されていないことが多い情報について紹介いたします。

  • 敷地外駐車場や追加費用
  • 水道光熱費

物件購入の際にこれらの情報を知りたければ、レントロール以外の方法でリサーチする必要があります。

敷地外駐車場や追加費用

レントロールには、賃貸物件本体の情報のみが記載されており、敷地外の付帯設備や追加費用に関する情報は含まれていないことがあります。

例えば、駐車場が物件と別の場所にある場合、その駐車場代は賃料とは別途発生している可能性が高いです。レントロールには物件対象外の駐車場代の情報が記載されていない場合もあるため、実際に物件を見学するなどして確認する必要があります。

その他、以下のような追加費用についてもレントロールには記載がないケースが多いです。

  • 共用部分の清掃費用
  • 植栽管理費用
  • 24時間管理人の人件費
  • リフォーム工事費用
  • 修繕積立金

これらの追加費用は、物件の状況によって発生するため一概には言えませんが、投資採算を検討する際は見落とさないよう注意が必要です。

水道光熱費

レントロールには、部屋ごとの水道光熱費は記載されていないことが多いです。

一般的に水道光熱費は共益費とは別会計で、管理会社や入居者が直接各供給会社と契約し、支払いを行います。水道光熱費の支払いに管理会社は介入せず、入居者が各供給会社と直接契約を結ぶのが一般的です。そのため、レントロールにこれらの項目が必ずしも記載されているとは限りません。ただし、1棟の建物にかかる水道光熱費(例えばエレベーターの電気代等)は所有者の費用項目になりますので注意が必要です。

一方、一部の賃貸物件では、共益費に水道代や冷暖房費が含まれる場合があります。その際は、共益費の額が部屋ごとに異なることがあり、共益費欄にその旨が記載されていることがあります。

ここに注目!レントロールのチェックポイント

ここに注目!レントロールのチェックポイント

レントロールは、各項目を見るだけでその物件の価値が全てわかるというものではありません。

項目ごとに、読み解くためのポイントがあります。

レントロールを見る時は、以下のポイントに注目しましょう。

  • 同タイプ部屋の入居者の家賃が下降していないか
  • 法人による一括借上がないか
  • 入居日に偏りがないか
  • 空き家率と賃料のバランスチェック
  • 空室の想定家賃チェック

それぞれのポイントについて、詳しく解説いたします。

同タイプ部屋の入居者の家賃が下降していないか

レントロールには同タイプの部屋ごとに家賃が記載されています。物件の評価においては、同タイプの部屋で家賃の下落がないかをチェックすることが重要です。

例えば以下のような場合は、要注意です。

部屋番号専有面積家賃
101号室60㎡10万円
102号室60㎡9万円

上記のように、同じ専有面積・同じ階数でありながら家賃に差がある場合、より低い家賃の部屋は値引きされている可能性があります。

値引きが発生しているということは、物件の価値が下がっているということです。高い家賃を支払っている入居者が退去した後は、低い家賃で新しい入居者を探さなくてはなりません。

このように、レントロールの情報から物件の価値の推移を知り、予測を立てることができます。

法人による一括借上がないか

レントロールを確認する際、重要なチェックポイントの一つが「法人による一括借上」の有無です。

法人による一括借上とは、企業や不動産会社などの法人が、賃貸マンションの多数の部屋を一括して借り上げている状況を指します。例えば、以下のようなケースが該当します。

  • 企業が社員寮として一括借上
  • 不動産会社が短期賃貸用に借上
  • 学生マンション業者が学生寮用に借上

法人による一括借上がある物件は、一括で退去した場合に収益性が大幅に低下してしまうといったリスクがあります。

入居日に偏りがないか

レントロールの入居日を確認する際は、偏りがないかをチェックすることが重要です。一時期に集中して入居していると、契約が切れる2年後に大量の退去が予想され、空室リスクが高くなります。

レントロールを確認する際は、入居日に大きな偏りがないかをチェックし、将来的な空室リスクを見極める必要があります。入居日がバランス良く分散している物件は、安定した運用が期待できます。

空き家率と賃料のバランスチェック

レントロールを見る際は、空き家率と賃料のバランスも確認しておきましょう。

低い空き家率で高い家賃設定の物件が、最も好ましい状況と言えます。ただし、極端に空き家率が低すぎる場合は賃料が適正かどうかを疑うべき状況です。逆に、空き家率が高く賃料も高い物件は、資産価値が見込めないと判断すべきでしょう。

一般的には、空き家率は7〜8%以上だと空室が多いとされています。

この項目で、物件の大まかな経営状況を把握することができます。

空室の想定家賃チェック

レントロールには空室部屋の記載もあります。空室部屋の項目では、専有面積とともに、オーナーや管理会社が想定している家賃が記載されています。

この想定家賃が周辺の賃貸相場と大きく乖離していないかを確認しましょう。 具体的には、同じ間取りの入居済み部屋の家賃と比較し、大きく下回っていないかをチェックします。

想定家賃が低すぎると、家賃収入の減少が懸念されるためです。一方で高すぎると入居が進まず、長期の空室リスクが高まります。

ただし、リノベーション工事を予定している等の事情もあるため、まずは不動産業者やオーナーに確認しましょう。

レントロールの入手方法

収益物件のレントロールは、物件購入の検討段階では一般に入手できません。

個人情報が含まれるため、売主との守秘義務契約締結後に初めて開示されます。

レントロールの入手方法は、まず興味のある物件を絞り込み、取扱不動産会社に問い合わせることです。ただし、個人所有のアパートなどでは、レントロールが整備されていない場合もあります。

不動産会社の対応次第では、レントロールが開示されない可能性もあるため、十分な事前準備と情報収集が重要です。レントロールが取得できない場合は、賃貸借契約書を取得して契約条件を確認する必要があります。

不動産投資におけるレントロールの活用術

ここまでは、レントロールから情報を読み解く方法をご紹介しました。

ここからは、不動産投資にレントロールをどう活かすのか、その活用方法をご紹介いたします。

良質な物件を見極める

レントロールの情報を分析することで、「投資物件として良質かどうか」を見極めることができます。

良質な物件の条件はさまざまですが、信用に足る入居者が多く契約しており、将来的にも安定した収入が見込める環境であることは最低限求める条件でしょう。

購入してから、見えていなかった難点が出てきて、後悔をしてしまうということが無いようにレントロールの分析は重要です。

リスク管理に活用する

レントロールで買うべき物件がわかるように、買うべきではない物件もわかります

家賃収入が減少する可能性がある物件は、月々の収入が減ってしまうだけではなく、将来的な売却価格が低下するという大きなリスクを孕んでいます。

特にオーナーチェンジ物件はレントロールが重要!

投資用不動産として流通しているオーナーチェンジ物件は、特にレントロールが重要です。

物件を購入すべきかどうか迷った際に、現在のオーナーの運営状況がどのようなものだったかを知りたい方は多いでしょう。そんな時には、レントロールで運営状況が確認できます。

オーナーチェンジ物件を購入する際は、必ずオーナーからのレントロールの引き継ぎを実施するようにしましょう。

レントロールのよくある質問

考えている女性

最後に、レントロールに関するよくある質問にお答えしていきます。

  • 誰がレントロールを作る?
  • 物件購入時にレントロールの確認は必要?
  • 戸建てとマンションでは項目が異なる?

それぞれの回答と解説を見ていきましょう。

誰がレントロールを作る?

レントロールは、主に不動産管理会社が作成します。不動産管理会社とは建物オーナーから建物の管理を委託され、入居者への賃貸業務全般を行っている業者です。

不動産管理会社は、オーナーから入手した建物の情報を基に、レントロールを適切に記録・更新していきます。

一方、オーナー自身が直接管理している物件の場合は、オーナーがレントロールを作成・管理することになります。しかし、このケースは少数で、多くの場合は管理会社がレントロールの作成を担当しています。

物件購入時にレントロールの確認は必要?

物件購入時にレントロールの確認は絶対に必要と言えます。レントロールには入居者情報や賃料などの詳細が記載されており、物件の収支状況を把握する上で欠かせない情報源となります。

レントロールを入手できない、あるいは情報が古い場合は、物件の実態を正確に把握できません。そのため購入判断を誤る恐れがあり、慎重に対応する必要があります。

このように、レントロールの確認は物件購入の際に欠かせない作業となります。物件の適正評価とリスク回避のために、必ず行うべき重要な手順なのです。

戸建てとマンションでは項目が異なる?

レントロールに記載される項目は、戸建てとマンションでは一部異なります。

主な違いは以下の通りです。

項目戸建てマンション
部屋番号なし有り
階数なし有り
間取り有り有り
駐車場有り有り(敷地内・外駐車場)
管理費なし有り
修繕積立金なし有り

戸建ての場合、部屋番号や階数の記載はありませんが、各住戸の間取りや駐車場の有無は記載されます。一方マンションでは、部屋番号や階数、間取りに加え、管理費や修繕積立金の項目が設けられています。

このように、レントロールの項目は物件の種類によって若干異なりますので、投資物件を購入する際は、物件タイプに応じたレントロールを確認することになります。

まとめ

今回は、レントロールについて詳しく解説いたしました。

レントロールは、不動産投資において物件の良し悪しを見極める上で重要な情報源となります。同タイプ部屋の家賃下落の確認や法人一括借上げの有無、入居者の偏り、空室の想定家賃などを確認することで、良質な物件かを判断できます。

また、入居率と賃料のバランスなどリスク管理の観点からも欠かせません。特にオーナーチェンジ時の現状把握には、レントロールの確認が不可欠です。

レントロールの確認を怠ると、物件の実態が見えず、投資判断を誤る可能性があります。家賃水準や入居率、法人借上げ状況などの観点から、物件の収益性やリスクを事前に把握し、適切な投資判断につなげられるのがレントロールの役割と言えるでしょう。

マンション売却のお悩みは、ぜひ東京テアトルにお問い合わせください。

東京テアトルはこちら