リースバックのデメリット4点、やばいとされる理由と後悔を防ぐ3策
カテゴリ:マンション売却
投稿日:2025.03.05

家を売却してそのまま借りて住める方法として注目されているリースバックですが、デメリットとしては、相場より安く売って高く借りるため、仲介による一般的な売却や賃貸に比べ高コストになることなどが挙げられます。
この記事では、リースバックのデメリットとメリットを中心に、リースバックの概要やアンケート上位5つの利用動機、リースバックがやばいとされる理由と後悔を防ぐ3策を解説します。

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- リースバックは家を売却する売買契約と、そのまま借りる賃貸借契約のセット
- リースバック利用者の7割は65歳以上の高齢者、利用動機トップは生活資金の確保
- 特にやばいのは「家賃が更新で更に上昇、更新できず退去、事業者倒産」の可能性
- リースバックは一時的な資金調達ならおすすめ、10年超の賃借を前提にすると損
- リースバックでの後悔を防ぐために複数社へ依頼、契約内容確認と交渉が必須
目次
リースバックとは何かをわかりやすく解説
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ここでは、リースバックとは何か、その概要をわかりやすく解説いたします。
リースバックとは不動産売却後そのまま借りられるサービス
2022年6月、国土交通省が消費者に向けて公表した「住宅のリースバックに関するガイドブック」では、リースバックについて以下のように定義づけています。
セール・アンド・リースバックやハウスリースバックとは同じ
リースバックは、ご売却(セール)される物件の不動産売買契約とともに、同じ物件の不動産賃貸借(リースバック)契約も行うため、セール・リースバック、またはセール・&(アンド)・リースバックと呼ばれています。
車を対象とするリースバックもあるため、住宅に限定してハウスリースバックと呼ぶこともあります。
国土交通省の調査結果では事業者数が拡大傾向
国土交通省は、リースバックに関する相談件数増加を受け、宅地建物取引業者(宅建業者)である不動産会社を対象とした実態調査を実施しました。
期間は2024年12月9日~2025年1月21日で、業界団体加入の宅建業者対象のWebアンケートに586社が回答しています。
リースバックに関わる事業への取り組み状況について、「取り組んでいる」という回答は10%、「現在は取り組んでいないが、今後取り組みたい」が25%と、今後の事業者数拡大がうかがえる結果となっています。
また、リースバックに取り組んでいる事業者に対して、開始してからの期間は「1年未満」が18%、「1~3年未満」が35%との回答結果に。過半数がスタートして3年未満の事業者であることもみてとれます。
出所:すみふの仲介ステップ|リースバック事業者拡大。国交省はトラブル防止へ(2025年02月17日)
リースバックの仕組み
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リースバックの仕組みについては、上の図で要点をわかりやすくご覧いただけます。
前述の通り、リースバック事業者(不動産会社)と利用を希望する所有者との間で、お住まいの不動産売買契約および賃貸借契約を締結することにより、ご売却後も同じ家に住み続けることができる仕組みで、以下のステップに分かれています。
- 利用の相談(査定依頼)
- 売買契約締結
- 売却代金受領
- 賃貸借契約締結
- 毎月家賃を支払って自宅に住む
以下、それぞれのリースバック利用までのステップについて詳しく解説します。
ステップ①利用の相談(査定依頼)
まず、リースバックについての相談先は、リースバック事業者である不動産会社です。自宅の買取価格(売却価格)と売却後に支払っていく家賃の2つの査定を依頼します。
ステップ②売買契約締結
提示された自宅の買取価格(売却価格)、および売買契約の内容を確認し納得した後、ご売却する自宅の売買契約を締結します。
リースバックでは、売買契約締結とともに、後述の売却代金受領、賃貸借契約締結を一度に行います。
ステップ③売却代金受領
売買契約を締結することで、まとまったお金を短時間で手に入れることができ、そのまま家に住み続けるための資金にすることもできます。また、売却した資金で住宅ローンを完済することもできます。
ステップ④賃貸借契約締結
提示された家賃、および賃貸借契約の内容を確認し納得した後、ご売却した自宅に住むための賃貸借契約を締結します。
後述しますが賃貸借契約には「普通借家契約」と「定期借家契約」とがあり、賃貸借契約形態はリースバック事業者やリースバックのサービス内容によって異なります。
ステップ⑤毎月家賃を支払って自宅に住む
売却したご自宅をそのまま借りることになるため、引っ越しなどの手間がかからず、周囲に売却したことを知られることもありません。
また、所有者が負担すべき固定資産税や維持費などの支払いもありません。
リースバックとリバースモーゲージとの違いを比較

リースバックとリバースモーゲージは、どちらも自宅の売却を伴いつつ、自宅にそのまま住みながら資金調達ができる特徴がありますが、それぞれに違いがあります。
それは主に「所有権の有無」と「支払い方法」です。それぞれを比べてみましょう。
所有権の有無
リースバックは、所有権を売却した自宅を賃借できるサービスで、リースバック事業者である不動産会社が買主および貸主となります。売却時点で所有権は手放すことになります。
リバースモーゲージは、自宅を担保に入れることで融資を受けるサービスで、銀行などの金融機関がローン商品として提供しています。死亡や施設入所等、契約上一定の事由が発生するまで自宅の所有権を保ち続けることができます。
支払い方法
リースバックは、売却金額をまとめて受け取り、その後は「自宅を借りている」状態となります。賃貸借契約に基づき、家賃を毎月支払います。
リバースモーゲージは、自宅を担保に「お金を借りている」状態です。基本的に契約中の返済は利息分のみで、毎月受ける融資額から返済することも可能です。基本的に所有者がなくなったあと、もしくは契約期間終了後に持ち家を売却し、一括返済します。
これらの違いを理解した上で、ご自身のライフスタイルや資金計画に合わせた選択をしてください。
リースバックの利用動機TOP5
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ここからは、リースバックの利用動機について具体的にご紹介します。
上の図の調査によると、リースバック利用者の主な世帯構成は65歳以上の高齢者夫婦世帯が73.3%、高齢者単身世帯が66.7%と高齢者が利用者の中心となっており、利用動機として挙がった上位5つは次の通りです。
- 生活資金の確保(76.7%)
- 住宅ローンやその他債務の返済(63.3%)
- 高齢者施設への入居資金の確保(50.0%)
- ゆとり資金、余暇資金の確保(36.7%)
- 相続対策(26.7%)
ひとつずつ解説いたします。
利用動機①生活資金の確保
リースバックは、生活資金の確保のために利用できます。
特に、年金生活で収入が減少するなかで一定の資金が必要な場合や、突然の大病など急な出費が予想されるケースに有効です。
リースバックでは、売却した家に賃貸として住み続けることができます。そのため、新たな住まいを探す手間や、引っ越しの費用なども節約することが可能です。
利用動機②住宅ローンやその他債務の返済
リースバックの利用動機の一つとして、住宅ローンなどの返済があります。
自宅をリースバックすることにより得た資金を、残っている住宅ローン(残債)の返済に充てることができます。これは住宅ローンの支払いが困難になった方にとって有効な手段です。
ただし、リースバック後には賃貸として借り続けることになるので、毎月の家賃が発生します。そのため、リースバックを利用する際は、家賃支払いが可能な経済状況であることが重要です。
利用動機③高齢者施設への入居資金の確保
自宅をリースバックすることにより得た資金を、高齢者施設への入居に充てることもできます。これは入居まで一時的にご自宅に住み続けたいとお考えの方にとって有効な手段です。
この場合もリースバック後には賃貸として借り続けることになるので、毎月の家賃が発生します。
そのため、リースバックを利用する際は、入居予定がはっきりしているほうが計画が立てやすいですし、入居資金とは別に、入居までの家賃支払いが可能な経済状況であることも重要です。
利用動機④ゆとり資金、余暇資金の確保
自宅をリースバックすることにより得た資金を、ゆとり資金や余暇資金に充てることもできます。これはご自宅に住み続けながら趣味などでこれからの時間を楽しみたいとお考えの方にとって有効な手段です。
この場合もリースバック後には賃貸として借り続けることになるので、毎月の家賃が発生しますから、家賃支払いが可能な経済状況であることが重要です。
加えて、ご自宅に住み続けなくてもよい場合の選択肢も考慮に入れつつ、試算をして比較することもおすすめします。
一般的な仲介での売却相場はリースバックの買取査定よりいくら高く売れるのか、自宅に似た環境の賃貸物件相場はリースバックで提示された家賃よりいくら安いのかを確認しましょう。
利用動機⑤相続対策
リースバックは、相続対策における有効な手段の一つです。
相続税の支払いや遺産分割によるトラブルを避けるために、リースバックを活用するケースが増えています。具体的には、下記のようなメリットがあります。
- 不動産を売却することで、相続税を支払うための資金を得られる
- リースバック契約により、住み慣れた家に住み続けることが可能
上記の通り、相続対策としてリースバックを利用することは、相続税などの資金の確保や遺産分割トラブルの回避に有効です。
ただし、相場と比べて売却価格が低く設定される可能性や、家賃負担が増えるという点には注意が必要です。
ただし、リースバックはあくまで一時的な資金調達に過ぎないため、その後の生活計画や家賃の支払い能力などをしっかりと考慮する必要があります。
また、契約内容によっては、自宅を無期限で維持することが難しいケースもあるので、リースバックを選択する際には十分な情報収集と慎重な判断が求められます。
リースバックのデメリット4点

前述の国土交通省の実態調査では、「事業者がリースバックのメリットしか伝えず、リスクやデメリットを伝えない」「利用者が契約内容を理解しないまま契約」といった、トラブルに発展しかねないケースを指摘する回答もあったようです。
ここでは、リースバックのデメリットについて詳しく解説します。
誤解などによるトラブルを防ぐため、利用前に必ず確認していただきたいリースバックのデメリットは以下の4つです。
- 所有権がなくなる
- 仲介より売却価格が低い
- 家賃が相場より高い
- いつまでも借りられる保証はない
順を追ってみていきましょう。
出所:すみふの仲介ステップ|リースバック事業者拡大。国交省はトラブル防止へ(2025年02月17日)
デメリット①所有権がなくなる
リースバックのデメリット一つ目は、お住まいの売却により所有権を失い、自分のものでなくなることです。
例えば、将来自宅を相続してほしいと家族に希望する場合、自分の資産でなくなってしまえば、当然ながら住み継いでもらうことはできません。そのため他の選択肢も含め、慎重に検討するべきです。
また、所有権がなくなると、勝手にリフォームや建て替えなどをすることもできなくなります。
しかしながら、買い戻しができた場合は所有権が戻るため、リフォームや建て替えなどは自由におこなえるようになります。
デメリット②仲介より売却価格が安い
リースバックのデメリット二つ目は、不動産会社が一括現金で買い取るため、一般的な仲介による売却よりも売却価格が70%~90%程度安くなる傾向があることです。
これには、購入者となる不動産会社側が、将来的に家賃滞納リスクや、その家を自由に売買できない制約を抱えることを考慮して価格を抑えるためという理由もあります。
そのため、金額に納得できるかどうかは利用者の方次第ですが、リースバックは通常の不動産買取よりも安くなるデメリットがあるので、慎重な検討が必要です。
デメリット③家賃が相場より高い
リースバックのデメリット三つ目は、リースバックの家賃が一般的な賃貸相場より高いことです。
リースバックで売却された家に住み続ける場合の家賃は、売却先の業者によって決められます。
リースバック後の年額家賃の決め方は、一般的な賃貸住宅とは異なり、売却価格の7~13%で設定されているケースが多く、当然ながら売却価格が高くなれば家賃も高くなります。
そのため、想定よりも高額の家賃を支払うことになったり、地域周辺の家賃相場よりも高い相場で支払わなければならないので、後述しますが継続しての支払いが困難になるケースもあります。
下記の表は、家賃の年額が売却価格の7~13%で設定されている場合、どれくらいの期間で売却価格を超えるのかをおおまかに算出したものです。
家賃年額/売却価格 | 売却価格を超える時期 |
7% | 14.3年 |
8% | 12.6年 |
9% | 11.2年 |
10% | 10.1年 |
11% | 9.1年 |
12% | 8.4年 |
13% | 7.7年 |
リースバックで家賃を支払うと、短くて8年弱、長くても15年以内に売却価格を超えてしまうことにご留意ください。
リースバックを行う際は、提示された売却額とともに、デメリットである(一般的な賃料相場より高い)家賃の支払いが、どのくらい継続可能かをしっかり確認しましょう。
デメリット④いつまでも借りられる保証はない
前述の国土交通省の実態調査によると、賃貸借契約についての複数回答の結果は「普通建物賃貸借」が71%、「定期建物賃貸借」が48%で、「終身建物賃貸借」を利用しているケースはありませんでした。
リースバックで売却したあともずっと長く住みたい、と考える方は多いですが、いつまでも借りられる保証はないというデメリットがあることにご注意ください。
リースバック後の賃貸借契約は2年以内の契約期間であることが多く、しかもこの契約のなかには更新を前提としない「定期借家(定期建物賃貸借)契約」もあるのです。
定期借家契約が満了しても、双方の合意がある場合は新たに再契約できますが、もし貸主である不動産会社が拒否すれば再契約はできません。
例えば、貸主である不動産会社からすると、家賃収入を得続けるより売却する方が一時的な利益は大きいため、定期借家契約満了後の再契約への合意が、経営上難しい場合があるかもしれないからです。
もし再契約を拒否されれば継続して住むことができなくなり、引っ越す必要に迫られます。
リースバックを契約・利用する3つのメリット
4つのデメリットがある一方、リースバックの活用で得られるメリットもあります。
リースバックのメリットは以下の3つです。
- 住み慣れた家に引き続き住める
- 家の維持コスト・リスクがなくなる
- 物件購入など使途が自由な資金を得られる
それぞれのメリットを具体的に見ていきましょう。
メリット①住み慣れた家に引き続き住める
リースバックを活用すれば、家を売却した後もそのまま賃借して住み続けられるメリットがありますから、引っ越しの手間や新しい環境への適応といったストレスを避けることができます。
長年生活してきた地域の人々との関係は変わらず、近所の施設も変わらず利用できるため生活環境を変えることにストレスを感じる人も安心です。これは精神的な安定や生活の質を維持する上で大きなメリットです。
メリット②家の維持コスト・リスクがなくなる
ローン残債のあるお住まいの場合、リースバックを活用することで住宅ローンを一括で返済できるため、住宅ローンの返済リスクがなくなることがメリットです。
また、リースバックを活用した場合、その後の物件維持にかかるコストやリスクはすべてリースバック事業者である不動産会社が負担しますので、これもメリットとなります。これには、固定資産税や管理費・修繕費などが含まれます。
維持にかかる経済的負担がなくなることで、生活費に余裕ができ、安心して生活できるようになります。
老後、突然の修繕などの大きな出費が発生した場合でも、リースバック事業者である不動産会社がすべて対応するため、不安なく住み続けることが可能となります。
表にまとめると以下のようになります。
リースバック前 | リースバック後 | |
固定資産税 | 自己負担 | 不動産会社負担 |
管理費・修繕費 | 自己負担 | 不動産会社負担 |
突発的な修繕費用 | 自己負担 | 不動産会社負担 |
また、災害による建物の損壊、浸水などで建物の資産価値が損なわれる、といったリスクを負うこともありません。
メリット③物件購入など使途が自由な資金を得られる
リースバックを活用するメリットの一つが、まとまった資金が得られるという点です。
通常の不動産売却では、買い手を見つけて売却手続き完了に通常3ヶ月~半年ほどかかりますが、リースバックの場合は事業者である不動産会社が家を買い取るため、1~2週間ほどの短期間でまとまった資金が得られます。
この資金を使って新たな物件の購入に充当する、投資をする、学費にする、老後資金にするなど自由な使途での活用が可能です。
リースバックがやばいとされる理由

リースバックは仲介による一般的な家の売却や賃貸契約とは異なる点が多く、その違いや、リースバックのデメリットをよく理解しないまま利用した結果、さまざまなトラブルに見舞われるケースがあります。
そのため、「リースバックはやばい?」と心配して、インターネットで検索される方も増えています。
リースバックがやばいとされる理由は、下記の通りです。
- 家賃が高いため払えない
- 契約更新できず退去
- 契約更新で家賃が上昇
- 買い戻し金額が高い
- 悪徳な事業者によるトラブル
ここでは、リースバックがやばいとされる理由5点を、順に詳しく解説します。
理由①家賃が高いため払えない
前述の通り、リースバック後の年額家賃は一般的な賃貸相場より高く、売却価格の7~13%で設定されています。
そのため、家賃が周辺の相場よりも高いため継続して払えなくなるケースが多く、これがリースバックが「やばい」と心配される一因となっています。
具体的には、自宅売却の際に得た資金で生活をしていくなかで、家賃が高額なため資金が早く底をつき、結果的に家賃の支払いが困難になるケースが考えられます。
また、年金収入で家賃を払う場合でも、下記の相談事例のように配偶者が亡くなって受給額が減ってしまった結果、家賃が支払えなくなるケースもあります。
・相談事例
4年前、所有していたマンションを売って、そのまま賃貸でそこに住み続けられる契約をした。
売却金額は1千万円で、家賃の月額は9万5千円。当時の月収は、夫と私の年金で25万円以上あったが、しばらくして夫が亡くなり、年金が減って家賃の支払いが遅れるようになった。
本日集金人がやってきて催促された。事情を話すと「払わないなら出て行ってもらう」と言われた。
リースバックを検討する際には家賃相場を確認するとともに、収入や生活費と照らし合わせて家賃を支払い続けられるか計画的に検討することが大切です。
関連記事:自宅を売っても住み続けられる? リースバックは慎重に検討して!|国民生活センター
理由②契約更新できず退去
リースバックでは、いつまでも借りられる保証がないというデメリットに関連して、契約更新できず退去を余儀なくされるケースもあることにご注意ください。
例えば、賃貸借契約期間が終了した際に更新できない事情が生じた場合、退去を余儀なくされる可能性があります。
契約更新ができない理由としては、借主(元の所有者)の支払い遅延や、前述の定期借家契約期間終了時における貸主(不動産会社)の判断などが考えられます。
理由③契約更新で家賃が上昇
加えて、契約更新時には家賃の上昇も予想されます。経済状況や物件の評価により家賃が上昇し、もし当初の想定より手の届かない範囲になってしまうと、住み続けること自体が難しくなります。
このように、リースバックで自宅に住み続けられる一方で、契約更新に関連するリスクも抱えているのが現状です。
そのため、リースバックを検討する際には、契約期間や更新条件をしっかり確認することが重要となります。
理由④買い戻し金額が高い
下図は、2021年に株式会社価値総合研究所が行ったリースバック後の買い戻しに関する調査結果です。
戸建て、マンションともに、リースバック利用者のうち買い戻しをしたのが6.3%と、低い状況となっています。
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リースバック事業者の大手、セゾンファンデックスは、買い戻し価格は売却価格の1.1倍~1.3倍程度と解説しています。
例えば、2,000万円で売却した自宅を買い戻すには2,200~2,600万円かかってしまうため、このことが買い戻しが難しくなる一因であると推察されます。
出典:セゾンくらしの大研究|リースバックの買戻しは難しい?住宅ローンの利用や買戻し価格相場、再売買の予約との違いなどを解説
理由⑤悪徳な事業者によるトラブル
リースバックがやばいとされる理由に、悪徳な事業者によってトラブルが発生してしまうというケースもあります。
前述の国土交通省の実態調査では、リースバックに関する問題について「営業時の説明と契約書の内容が異なっている」「強引な勧誘」など、宅建業法や消費者契約法に抵触しているケースの指摘もあったようです。
これらのほか、万が一リースバック事業者である不動産会社が倒産してしまうと、その後の契約更新やメンテナンスなどが途絶えてしまう可能性があります。
たとえば、その不動産会社が管理していた物件のメンテナンスや修繕が滞ってしまい、生活に支障をきたす可能性があります。
最悪の場合、その不動産会社の倒産により契約が無効になり、住む場所を失う危険性もあります。
契約が無効になってしまった場合、家の所有権は別の不動産会社に売却されてしまう可能性があり、そのまま家に住み続けられるかどうかは新しい不動産会社の判断になってしまいます。
「売却を考えている業者が信頼できる企業なのか」「業績は安定しているのか」などを事前にチェックしておくことが重要です。
出所:すみふの仲介ステップ|リースバック事業者拡大。国交省はトラブル防止へ(2025年02月17日)
リースバックでの後悔を防ぐ3つの対策
ここからは、リースバックでの後悔を防ぐ対策についてご紹介します。
押さえておきたいのは以下の3点です。
- 複数の会社に査定・条件提示を依頼
- 契約内容をしっかり確認・交渉する
- 経営の安定した業者を選ぶ
リースバックは一般的な不動産売却とは異なる部分が多く、リースバック特有のデメリットによるリスクも多いのが現実です。
ここでは、リースバックを活用しても後悔せず、安全に行うための方法や注意点を詳しく紹介します。
対策①複数の会社に査定・条件提示を依頼
リースバックを利用する際には、一つの不動産会社に査定・条件提示を依頼するのではなく、複数の不動産会社に依頼することをおすすめします。
複数の不動産会社から査定額やまた契約条件を提示してもらうことで、より適切な提案を受けるチャンスが広がります。
比較ポイントは以下の3つを意識しましょう。
- 賃貸の更新期間や更新時の条件
- 売却額や売却後の家賃
- 買い戻しの取り扱いや条件
1社だけの見積もりだけでは提示された不動産売却額や契約内容が適性なものなのか判断が難しく、複数社の見積もりを比較することで信頼できる業者を判断できます。
対策②契約内容をしっかり確認・交渉する
リースバックの契約に際しては、内容の確認と交渉が重要です。
契約を結ぶ際は、以下の4つを必ず確認しましょう。
- 売却価格:住宅ローンが残っている場合には返済できる額かを確認
- 賃貸価格:相場通りの家賃か、更新後の家賃は変動するかを確認
- 賃貸借契約期間:短期間の契約ではないか、希望する期間住み続けられるかを確認
- 賃貸借契約形態:普通借家契約か定期借家契約かを確認
契約書に含まれる専門用語や法律用語について理解できない点は、契約に先立って重要事項説明を行う宅地建物取引士に説明を求めることも大切です。
条件が自分に合わない場合や不明確な点があれば、リースバック事業者に対し適切な交渉を行いましょう。
交渉を通じて、自分自身の利益を守りつつ、リースバックによる恩恵を最大限に引き出すことが可能となります。
リースバックは自身の住まいと資産を巡る重要な契約です。不安な点は細分まで確認し、納得のいく形で契約を進めましょう。
対策③経営の安定した事業者を選ぶ
リースバックを利用する際には、事業者選びが重要となります。特に、経営の安定した事業者を選ぶことが後悔しないポイントの一つです。
なぜなら、事業者が倒産すると契約が白紙に戻ってしまうからです。
経営の安定した事業者を見極めるためには、以下の点をチェックしましょう。
- 設立年数:設立から長く経過している事業者ほど、経営の安定性が期待できる
- 売上高:売上高が安定している、または右肩上がりで増加している
- 口コミ・評判:インターネットやSNSでの口コミや評判も参考にする
以上のポイントを踏まえて事業者選びを行うことで、リースバックでの後悔を最小限に抑えることができます。
リースバック大手会社のおすすめランキングを下記の記事で公開していますので、併せてご覧ください。
関連記事:【2024年版】リースバック大手のおすすめランキング、一括査定の解説も
リースバックのデメリット4点、やばいとされる理由と後悔を防ぐ3策のまとめ

最後に、この記事でご紹介した、(ハウス)リースバックのデメリットとやばいとされる理由について、要点をまとめます。
ハウスリースバックはどんなからくりなの?
ハウスリースバックは、事業者(不動産会社)との間で、お住まいを売る不動産売買契約と、売ったお住まいを借りる不動産賃貸借の契約をともに締結することで、ご売却後もそのまま同じ家に住み続けることができる仕組みになっています。
事業者のリスクやコストが勘案されているため、一般的に仲介で売却する相場より売却価格が安く、また一般の賃貸相場より家賃が高い設定になっています。
ハウスリースバックの仕組みについての詳細はこちらをご覧ください。
リースバックでの家賃設定、相場はどの程度?
リースバックでの家賃の年額は、売却価格のおよそ7~13%で設定されています。
そのため家賃の支払いは短くて8年弱、長くても15年以内に売却価格を超えてしまいます。借りるのが長期になるほど、高い家賃で受けるデメリットも大きくなることにもご注意ください。
リースバックでの家賃の詳細はこちらをご覧ください。
リースバック後はいつまで、何年住める?
リースバック後の居住可能な期間は、賃貸借契約の種類とその契約期間によって全く異なります。
リースバックの賃貸借契約が「普通借家契約」のケースでは、多くが2年ごとの更新で、正当な理由として認められる解約の申し入れがない限り、借主の意思のみで契約更新ができ、希望する限り住み続けることが可能です。
一方、リースバックの賃貸借契約が「定期借家契約」のケースでは、契約期間が定められ、期間終了後は再契約できないリスクがあり、契約完了までしか住めない可能性が高まりますのでご注意ください。
リースバックの賃貸借契約の詳細はこちらをご覧ください。
ハウスリースバックで騙されたらどうすればいい?
もしハウスリースバックで騙されたなどトラブルを抱えてしまったと感じたら、相談窓口を設けている国民生活センター、国土交通省に連絡してみましょう。
国民生活センター
国民生活センターは、商品やサービスに関する苦情、問い合わせを受け付けており、ハウスリースバックに関するトラブルの相談にも対応している国の機関です。
(消費者ホットライン:電話番号 188)
消費者ホットラインは、土日祝日は営業時間外ですが、別の電話番号(03-3446-1623)が同様の相談に対応しているので、土日祝日でも相談できます。
国土交通省
国土交通省の相談窓口は、都道府県ごとに異なりますので、連絡先は公式ホームページでご確認ください。
![]() (著者) 今井 俊輔【不動産鑑定士、宅地建物取引士】 2006年東京テアトル株式会社に入社。不動産鑑定により培った「理論」と不動産取引実務の「経験」に基づき、一棟オフィスビルをはじめ多岐にわたる不動産物件の売買に携わる。現在は管理職として区分所有マンション担当若手社員の育成にも力を注ぐ。 マンションのご売却は大きなイベントです。わからないことだらけで不安とご心配の皆様のお役に立てるよう、業務で身に着けた知識と経験を活かし、丁寧にお話をお伺いいたします。何なりとご相談ください。 マンション専門に年間200件以上、取引築年数平均が30.8年と築古物件が得意な弊社が独自メソッドによる査定で高値買取致します。 |