親のマンションを相続、兄弟や子供で遺産分割
カテゴリ:マンション売却
投稿日:2024.02.15
親や兄弟が所有していたマンションを相続、売りたいけれど、どうすれば良いでしょうか?というご質問をよく頂きます。
亡くなった親や兄弟が所有していたマンションを相続人である子供や兄弟姉妹で相続する場合の遺産相続、遺産分割について説明をしていきます。
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目次
親のマンションを相続、遺産分割と相続登記
売却するなら相続登記
被相続人(亡くなった人)名義のままではマンションを売却することはできず、まずは相続人名義に相続登記しなければ、購入者への売買による所有権移転登記をすることはできないので、相続登記が必要です。
遺言が無ければ
そして、相続人へ相続登記する際に、法定相続分に基づく相続登記をするのか、遺産分割協議により、法定相続分とは異なる相続割合にして相続登記するのかを検討する必要があります。
まずは遺産分割するにあたり、協議に参加すべき相続人とその法定相続割合を確認しておきましょう。亡くなった方を被相続人といいますが、この亡くなった方の相続人が誰かをまず確定させねばなりません。
マンション相続の手続きなどについての詳しくは下記関連記事をご覧ください。
関連記事:マンション相続の手続き、相続税や評価額、売却までの税金
親のマンションなどの遺産相続、法定相続
親など被相続人の財産を相続する権利を持つ人のことを相続人と言います。遺言書で、特に被相続人から相続分の指定がなければ、相続人が法定相続分に応じて、相続を受ける権利があります。実際に「誰が相続人となり」、「相続分はどのようになるか」というと次の通りです。
誰が相続人となるのか
① 配偶者が生存していれば、常に相続人となります。
② 配偶者以外の相続人は優先順位があります。
第一順位:子。子が死亡していれば孫。子も孫も死亡していればひ孫。
(子以下は「直系卑属」と呼びます)
第二順位:両親。両親とも死亡しているが、祖父母が生存していれば祖父母。
(両親から上の世代を「直系尊属」と呼びます)
第三順位:兄弟姉妹。兄弟姉妹が死亡していれば甥・姪。
③ ②のうち、先の順位の人が1人でもいる場合は、後の順位 の人は相続人にはなりません。そして、子が死亡している場合には、子の直系卑属(子や孫など)が、兄弟姉妹が死亡している場合には、兄弟姉妹の子(被相続人の甥姪まで)が各々の相続権を引継いで相続人になることを代襲相続といいます。なお、直系尊属には、代襲相続という制度はなく、父母が死亡している場合は、その尊属が相続人になります。
例えば、Aさんが亡くなり、Aさんには妻Bさんがいるが子はいません。一方でAさんには母Cさんと兄Dさんが生存していた場合、この場合の相続人は妻Bさんと母Cさんであり、兄であるDさんは相続人とはなりません。
また、代襲相続事例としてEさんが亡くなり(妻はすでに死亡している)、Eさんの子Fさんはすでに亡くなってはいるものの、孫のGさんがいた場合、相続人は孫Gさんのみであり、仮にEさんの両親や兄弟が生存していたとしても、両親や兄弟は相続人とはなりません。
法定相続分はどのようになるのか
配偶者が生存している場合は、いずれの場合においても相続人になります。どの順位の人が配偶者とともに相続するかによって、配偶者の法定相続分が変わります。なお 非嫡出子であっても嫡出子と同じ相続分となります。
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第一順位 配偶者:2分の1 残り2分の1を子らが等分。
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第二順位 配偶者:3分の2 残り3分の1を親らが等分。
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第三順位 配偶者:4分の3 残り4分の1を兄弟らが等分。
例えば、Aさんが亡くなり、Aさんに妻と子供が3人いた場合の法定相続分は、妻が2分の1、子は各自6分の1(1/2×1/3)ずつ相続分を有することになります。
法定相続人が子供や兄弟姉妹の場合は均等に分ける
配偶者がいないか、配偶者が亡くなっていれば、第一順位、第二順位、第三順位の順で法定相続人になります。
相続人が子供(兄弟)だけの場合
法定相続人が子供だけの場合、子供が複数人いればその人数で均等に分けることになります。
母親が亡くなり、子供(兄弟)である長男Aさん、長女Bさん、次女Cさんの3人が法定相続人の場合、長男Aさん1/3、長女Bさん1/3、次女Cさん1/3を相続することになります。
相続人が被相続人の兄弟姉妹だけの場合
被相続人(長男Aさん)の配偶者は既に亡くなっていて、子供はいない、親も祖父母も亡くなっている場合、第三順位の兄弟姉妹が財産を人数で均等に相続することになります。
被相続人(長男Aさん)の弟Bさん、妹Cさん、妹Dさんの3人が法定相続人の場合、弟Bさん1/3、妹Cさん1/3、妹Dさん1/3を相続することになります。
関連記事:相続するマンションを売却、相続税、手続き、売却時の税金
親のマンションなどの遺産相続、遺産分割の方法
現物分割
現物分割とは、不動産そのものを、特定の相続人が単独で所有権を取得する方法です。
複数の不動産を各相続人が(自宅マンションは被相続人の妻、金銭は長男、自動車は長女というように)、対象物を相続人が個別にそれぞれ取得することもあれば、1つのマンションを共有名義にする、というように分割して各相続人が取得することもあります。
メリット:現物分割は、どの相続財産をどの相続人が、どのように取得するのかを決めればよいため、手続は非常に分かりやすくて簡単です。
デメリット:不動産や動産の時価は個々に異なるため、公平な分割は困難です。
代償分割
代償分割とは、特定の相続人がマンションなど現物を相続して、他の相続人に対して見合った代償金を支払うものです。
複数の相続人が同じマンションの取得を希望するために、現物分割の希望が対立する場合があります。1つのマンションを現物分割することは、物理的に事実上困難ですし、面積が小さくなるなどの理由で現物分割が実現しにくい場合があります。
このような場合に、特定の相続人がマンションを取得する代わりに、取得しなかった他の相続人に対して代償金を支払うという代償分割が検討されることになります。
メリット:後述の換価分割のように不動産を売却する手間がかかりません。また代償対象物の時価の算定が正確に行えれば、公平な金額が可能となります。
デメリット:相当な代償金の算定と、支払い能力の有無が焦点となります。
換価分割
換価分割とは、マンションなどの遺産を売却・換金し、その代金を各相続人間で分配する方法です。実際のところ、不動産はいらないので、売却したお金をわけたい、と希望する相続人が多くいらっしゃいます。
売却することについて、相続人間において合意ができれば、遺産分割協議の上、第三者に売却し、その代金を法定相続分または遺産分割協議内容に応じて分配します。
任意に売却に同意しない相続人がいる場合には,家庭裁判所へ審判を申し立て、競売を命じられるケースもあります。
メリット:換価分割の場合には、不動産を売却した代金を分割することになるため、収支が明確となり、相続人全員に利益が還元されやすいと言えます。
デメリット:売却対象の不動産などに思い入れがある相続人がいると、売却に難色を示す場合があります。また不動産がスムーズに売却できるのかといった問題や、不動産の売却に係る仲介手数料等の経費負担が発生するといった点もあります。
共有分割
共有分割とは、各相続人が相続分に応じて不動産を共有する方法です。共有関係の解消は共有物分割の手続によることになります。
現物分割、代償分割、換価分割のいずれも困難という場合は共有分割にするほかありませんが、特段のメリットはありません。
デメリット:共有状態を解消するには、調停又は共有物分割の訴え等のによって解決を図る必要があり、訴訟の労力と時間がかかります
遺産分割協議と兄弟姉妹間の揉め事例
遺産分割協議とは?
特に遺言書等で指定がなければ、法定相続分に応じた相続が発生しますが、相続人全員の話し合いによって、法定相続分とは関係なく自由に遺産を分けることができます。この遺産の分け方を決める話し合いを遺産分割協議といいます。
現金とマンションを相続した場合
事例として、Aさんが亡くなり、Aさんには遺産として現金と不動産であるマンションがありました。 一方でAさんの相続人として、妻Bさんと子供Cさんがいた場合、法定相続分であれば、現金とマンションを2分の1ずつ取得することになりますが、遺産分割協議によって、「現金はBさんが全部取得する、マンションはCさんが全部取得する」といった取り決めができることとなります。
相続人全員の合意が必要
遺産分割協議によって遺産の分け方を決める場合、相続人全員の合意が必要になります。したがって、相続人の一人でも反対すれば遺産分割協議は成立しません。(話し合いでの成立が難しければ、家庭裁判所に遺産分割の調停または審判を申し立てることはできます。)
また、我々司法書士が遺産分割協議によって相続登記を申請する場合、相続人全員の方の意思確認が必要となります。したがって、相続人の方に、例えば認知症等で意思確認が難しいと判断される方がいる場合は、裁判所に成年後見人等を選任してもらい、その方に代わって遺産分割協議に参加してもらう必要性もでてきます。
相続人に未成年がいる場合
その他にも、相続人の中に未成年の子供がいる場合、未成年者の代わりに遺産分割協議に参加する特別代理人の選任を家庭裁判所へ申し立てる必要性がでてきます。
遺産分割協議、トラブル、揉め事にならないように
遺産分割の現場では、もめにもめて、兄弟間で日本刀を振り回す、姉妹間で指輪を隠し合い、泥棒と罵り合う等、後の親族関係に支障をきたす程の騒動となる方々もいらっしゃいました。
対照に、法定相続分通りで良い、被相続人の介護をしていた人に多くあげよう、といった平和的な相続も現実にございますので、皆様が普段から親族間のコミュニケーションを良くとられることが何よりの相続対策となるのではないかと考えております。
マンションなどを相続、遺産分割協議書の具体的記載
形式や手続きについて
遺産分割協議により、相続財産の分割方法を決める場合には、現物分割・代償分割、換価分割、共有分割のどの方法でも自由に採用することができます。
遺産分割協議は、必ずしも審判等による必要がなく、弁護士、司法書士、税理士、行政書士、等の専門家が遺産分割協議書を作成するケースもありますが、相続人当事者間のみで作成することも可能です。一番重要な点は、相続人全員が参加すること及び全員が協議内容に同意することです。
相続財産の具体的記載の仕方
次に、文書としての体裁が遺産分割協議書として整っていなければ、不動産登記や預貯金等の払い戻しができませんので、遺産分割協議書における相続財産の具体的な記載の仕方をご紹介します。
例えばマンションなどの不動産を協議対象とする場合は、家屋番号や床面積等の物理的な表現が正確でなくてはなりません。記載方法はワープロでも手書きでも、いずれでも有効です。
不動産
土地なら所在地、地番と土地の種類、地積を書きます。
マンションなど建物の場合には所在地、家屋番号、建物の構造、面積、敷地権の種類、割合などを書きます。不動産の全部事項証明書の「表題部」をそのまま書き写しましょう。細かい数字が多いので、間違えないように慎重に記載する必要があります。
(例)相続財産中、下記不動産は、相続人 甲野 太郎 が相続する。
預貯金
銀行名、支店名、口座番号、名義人の名前を書いて特定します。
株式
株式などの有価証券については、預けている証券会社名、発行会社名、株式数によって特定します。
このように、具体的な相続財産を特定した上で、誰がどの相続財産を取得するのかを明確に記載します。単独で取得しても、共有割合を法定相続分と異なる持分で取得することにしても問題ありません。法定相続分とは異なる相続の仕方を相続人間で合意する内容を作成することが遺産分割協議の趣旨だからです。
遺産分割協議書作成上の注意点
なお、遺産分割協議書は相続人全員が実印で捺印し、印鑑証明書を添付する必要があります。
相続人の一人でも捺印がないと、有効な遺産分割協議書とはいえませんので注意しましょう。
遺産分割協議書という書面に、相続人全員の実印及び印鑑証明書が揃い、相続財産の記載が正確であり、相続人の誰が何を取得するのかが明確であれば、その遺産分割協議書を基にして不動産の相続登記や預貯金等の払い戻しが可能となります。遺産分割協議書は相続人全員分の通数を作成し、各相続人が1通ずつ保管するようにしましょう。
相続不動産の相続手続き、遺産分割協議書、相続登記(名義変更)の詳細は、下記関連記事をご覧ください。
関連記事:相続登記には遺産分割協議書が必要?書き方や注意点を解説
兄弟で相続したマンションを売却
「マンションの売却は長男が窓口でOK?」
兄弟姉妹間のコミュニケーションや仲の良さは家庭により様々です。 かつての日本は家長制度を重んじていたため、何事においても兄弟姉妹においては年長者がリードする機会が多いと思いますし、マンションの売却を年長者や長男に任せるというケースを実際に多くお見かけします。
しかし、売却活動の中心人物である相続人の一人に対して、他の相続人より、「実家マンションを売るなんて聞いてない!」「どう売るか、いくらで売るのか勝手に決めないで!」という争いに始まり、売却後のお金の分配でもめることが、相続したマンション売却についてまわる心配事です。
売却活動がうまくいかない理由が、相続人同士で話がまとまらないため、というケースも多々あります。
「私だったらもっと高く買ってくれる買主を見つけられるのに!」
「じゃあ、やってみろよ!!」というお話も実際に聞く機会がございます。
相続人間で良く話し合うことが重要
ですので、遺産分割内容や不動産売却までの役割分担などについては、相続人間であらかじめ、よく話し合いをしておくことが大変重要です。
長男だから、年長だから、ということのみで売却を先導することが難しい場合もあれば、せっかく労を費やして売却活動を進める他の兄弟に対しては労いの気持ちや言葉がけがなくては、全体としてうまく進めることも難しくなってしまいます。
親のマンションを相続、兄弟や子供で遺産分割のまとめ
遺産相続、兄弟や子供で遺産分割する方法は?
現物分割、代償分割、換価分割、共有分割の4つがあります。それぞれにメリット、デメリットがあります。詳しくはこちらをご覧ください。
法定相続では、誰が相続人になるの?
配偶者が生存していれば、配偶者は常に相続人になります。配偶者以外の子、両親、兄弟姉妹が相続人の場合、優先順位があります。詳しくはこちらをご覧ください。
遺産分割協議とはどのようなことですか?
遺言等で指定が無ければ、法定相続分に応じた相続が発生しますが、相続人全員の話し合いによって、法定相続分とは関係なく自由に遺産を分けることができます。この遺産の分け方を決める話し合いを遺産分割協議といいます。詳しくはこちらをご覧ください。
遺産分割協議書の作成上の注意点は?
遺産分割協議書は、相続人全員が実印で捺印して、印鑑証明書を添付する必要があります。相続人の一人でも捺印がないと、有効な遺産分割協議書にならないので注意しましょう。詳しくはこちらをご覧ください。
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関連記事:マンション相続の手続き、相続税や評価額、売却までの税金
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