マンションの寿命は何年?耐用年数や築40年マンションは何年住めるか解説
カテゴリ:マンション売却
投稿日:2025.06.03

この記事を読めば、古いマンションの売却や購入を検討中の皆さんの下記のような疑問が解消できます。
- マンションの寿命って何年なの?
- マンションの法定耐用年数とは?
- マンションの寿命・耐用年数が過ぎたらどうなるの?
- 築40年のマンションにあと何年住めるの?
さまざまな調査結果などから、マンションの寿命、マンションの耐用年数などについて考察していきます。
目次
マンションの寿命
マンションの寿命の平均
住宅の平均寿命を人間の平均寿命と同様の考え方で推計した調査があります。
2011年の調査によると「RC造共同住宅(分譲マンション含む)」の平均寿命は54.18年と報告されています。
区分 | 2011年 | 2006年 | 1997年 | 1987年 |
木造専用住宅 | 64.62 | 54.00 | 45.53 | 38.68 |
木造共同住宅 | 50.34 | 43.74 | 37.73 | 32.10 |
RC造専用住宅 | 68.74 | 56.76 | 49.94 | 40.68 |
RC造共同住宅 | 54.18 | 45.17 | 45.26 | 50.61 |
同論考では「RC造共同住宅」には、分譲マンションのほかに賃貸住宅や給与住宅が含まれているため、「もし(分譲)マンションのみを取り出すことができれば、その平均寿命はこの結果よりもかなり大きくなることが予想される」とコメントされています。
ちなみに同じRC造の専用住宅の平均寿命は68.74年と70年近い結果となっています。
この調査結果からは、建物の平均寿命が年々伸びていることもわかります。これは材料や施工やメンテナンスなどの技術が進み、以前に作られた建物に比べ長持ちするようになってきているからです。おそらく、今後もますます長寿化することは確実でしょう。
マンションの寿命の実際
築年数が40年を超える旧耐震マンションは、2023年(令和5年)末で136.9万戸あります。
古くはマンションの黎明期である1960年代に建てられた築50年超のマンションから、耐震基準が変更になった1980年代初めまで、こうした旧耐震基準で作られたマンションが、現在も100万戸を超えて住み続けられているという事実をみれば、分譲マンションの平均寿命は先のコメント通りに、実際はもっと長いのではないかと容易に推測することができます。
【築40年以上の分譲マンション数の推移】

マンションの耐用年数とは
マンションの寿命と耐用年数の違い
マンションなどのRC造住宅の法的な耐用年数は47年とされていますが、実際の耐用年数はどのくらいなのでしょうか?
ここで寿命と耐用年数との違いに触れておきます。
建物の寿命とは、建物が実際に存続した期間を意味しています。結果としての数字です。
一方で建物の耐用年数とは、住み続けられる可能性(あるいは見込み)としての期間を意味します。
マンションの寿命は耐用年数だけで決まるわけではないですが、建設やメンテナンスの技術進歩などにより耐用年数が伸びれば、マンションの寿命も確実に伸びるといえます。
コンクリートの耐用年数は長い
マンションはコンクリートでできた躯体とそれ以外の外装、内装、設備などで耐用年数が大きく異なります。
RC造の建物は躯体のコンクリートが中性化することで耐力が低下することが知られています。
中性化とは、アルカリ性のコンクリートに大気中のCO2が侵入し中性化することによって、内部の鉄筋などが腐食し、コンクリートがひび割れや剥離を引き起こし、コンクリートの耐力が低下する現象です。
中性化の速度はコンクリートの質、外装材、大気中のCO2の濃度などによって大きく変わります。30年程度でかぶり厚(鉄筋の周りのコンクリートの厚みのこと)の3センチまで達している事例もあれば、同じ年数がたっていてもほとんど中性化していない建物もあります。
コンクリートの中性化は、中性化しにくいコンクリートを用いたり、かぶり厚を厚くしたり、タイル貼りなどのCO2が侵入しにくい外装にすることによって、その速度を抑えることができます。また、中性化が進んだ状態でもきちんと補修や中性化対策などを施せば耐力の低下を防ぐことも可能です。
コンクリートの実際の耐用年数に関しては、さまざまな調査がなされており、50年以上、117年、120年あるいは150年など諸説がありますが、先にみたマンションの寿命に比べて、思った以上に長持ちする見解が多いことが注目されます。
RC造(コンクリート)の寿命に係る既往の研究例

マンションの寿命の年数を左右する修繕
耐用年数の鍵を握る躯体以外の部分の更新
躯体以外の外装や内装や設備は消耗品です。したがって、それぞれの耐用年数に応じて修繕や交換を行う必要が出てきます。
大まかには、塗装やシーリングや防水などは10~15年、電気や給水管や配水管などは20~30年、エレベーターなども30年程度で更新が必要になるといわれています。
マンション施工会社の最大手である長谷工コーポレーションの関連会社、長谷工リフォームのサイトに、各部位ごとの更新、修繕の時期の目安が掲載されています。
時期の目安 | 部位 |
4~6年目 | 鉄部塗装 |
11~15年目 | 屋上防水・電気設備、インターホン等(第1回大規模修繕工事) |
16~20年目 | 鉄部塗装・屋上防水、自火報関連、機械式駐車場、給排水ポンプ等 |
21~25年目 | 給水管交換(第2回目大規模修繕工事) |
26~30年目 | エレベーター交換 |
31~40年目 | 玄関ドア交換、サッシ交換、手摺交換、排水管更新(第3回大規模修繕工事) |
国土交通省の長期修繕計画作成ガイドライン(平成 20年6月 令和6年6月改定)では、各部位ごとの修繕周期の例がより詳細にまとめられています。

躯体のコンクリートが長持ちしても、配管やエレベーターなどの不具合が生じれば、その時点で住宅としては価値がなくなってしまいます。
マンションの寿命は100年?
したがって、配管やエレベーターの交換時期といわれる築30~40年前後がマンションの耐用年数を決める大きなターニングポイントの時期といえます。長期修繕計画でもこの時期に大規模な修繕工事が計画されているのが一般的です。
この時点できちんと設備などの躯体以外の部分の更新、修繕、交換そして、躯体の中性化状況のチェックと対策が行われたマンションは、「健康体」でいられるといえるでしょう。
さらには、その後も定期的な修繕を行っていけば、コンクリートの耐用年数といわれる100年あるいはそれ以上の寿命を確保できる可能性もあります。
マンションの法定耐用年数とは
マンションの法定耐用年数は躯体47年、設備15年
法定耐用年数とは国税庁が減価償却費などを計算するために設定している数字です。住宅用建物は構造によって以下のように定められています。
コンクリート造マンションの法定耐用年数は47年です。
構造 | 法定耐用年数 |
木造・合成樹脂造 | 22年 |
木造モルタル造 | 20年 |
鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造 | 47年 |
れんが造・石造・ブロック造 | 38年 |
上記の耐用年数47年は建物に関しての期間であり、給排水・衛生設備、ガス設備、電気設備などの設備部分に関しては耐用年数は15年と設定されています。
マンションの減価償却費の計算
減価償却費の計算が必要となるのは、事業用としてマンションを所有している場合のほかに、居住用でも売却時の譲渡所得の計算の際に必要になります。
減価償却費は(資産の取得価格×償却率)です。新築マンションの場合の減価償却費の計算は以下のようになります。
減価償却費=(建物の取得価額×建物の償却率0.022)+(設備の取得価額×設備の償却率0.067)
中古マンションの場合は、購入時点での耐用年数(残耐用年数)を計算して、償却率を求める必要があります。残耐用年数は「耐用年数-(築年数×0.8)」です。耐用年数がわかれば、国税庁の「減価償却資産の償却率」から償却率を求めます。減価償却費の計算は、新築マンションと同様です。
さらに詳しくはこちらの記事「マンションの減価償却とは?計算方法をわかりやすく解説」(東京カンテイ)などをご参照ください。
ちなみに法定耐用年数を過ぎると、その建物の税務上の価値はなくなることになりますが、住むことに関しては、特段の問題が生じることはありません。
マンション寿命を決める社会的・経済的価値
建て替えられたマンションの平均寿命は40年
東京カンテイによる全国の282件のマンション建替え事例調査によると、その平均の築年数(マンション竣工からマンション建替竣工まで)は、平均で40.4年、最多が築40年以上50年未満で34.4%という結果でした。(全国マンション建替え事例282件を徹底検証 出典:東京カンテイサイト)
これらの実際に建て替えられたマンションの存続期間が平均40.4年という数字は、これまで建て替えられたマンションの多くが耐震性に不安のある旧耐震マンションであり、その不安解消を急いだのだろう、という要因を考慮しても、先にみた「RC造共同住宅(分譲マンション含む)」の平均寿命54.18年、「RC造専用住宅」平均寿命68.74年に比べると、かなり短いとの印象です。
マンションが寿命を迎え建て替えられる理由
コンクリートの耐用年数は100年あるいはそれ以上であり、適切なメンテナンスが行われれば、マンションの寿命も100年を超える可能性もあるという先の見方に反して、建て替えられたこれらのマンションは、その半分にも満たずに寿命を迎えたことになります。
東京都マンション実態調査において、旧耐震の分譲マンション(建築確認が1981年5月31日以前の物件)で建て替えの検討をしている、または検討したことがある管理組合の建て替え検討の理由は以下のような回答になっています(複数回答)。

最も多い「将来への備え」という回答は、老朽化が進むマンションにおいて、将来起こるであろうさまざまなネガティブな状況(不具合、居住性、費用、資産性etc.)に対する不安が強いことの表れと解釈できます。
具体的な理由として挙げられているのが、耐震性、修繕費用、居住性の問題です。
建物の表立ったところには不具合はなくても耐震性に不安を抱えている、耐震補強や修繕、更新で長寿命化を図るにも多額の費用がかかる、専有面積や天井高、遮音性や断熱性、共用部や住戸内の段差(バリアフリー)など、修繕、更新では対応が難しい、居住性や快適性の面で問題がある、などを指していると思われます。
この結果から、マンションにおいては、修繕や更新などのメンテナンスを継続することで、躯体コンクリートの耐用年数に準じる100年を超えるような耐用年数を確保できる可能性があるとしても、こうした建物ハードの問題とは別の要因によって、実際には耐用年数の前に寿命を迎えてしまうこともありうるということが見て取れます。
マンションの建て替えに関する詳しくは、下記関連記事をご覧ください。
関連記事:マンション建て替えの年数や費用、建て替え成功がラッキーな所以を解説
マンションの寿命と社会的価値や経済的価値
耐用年数が建物の物理的価値に関わる問題だとすると、こうしたさまざまな不安や修繕費用、居住性の問題は、建物の社会的価値に関わる問題だといえます(耐震性の問題は物理的価値の問題でもあります)。
こうした不安、問題を抱えたマンションは、売却するにしても、売るに売れない、相場よりも安くないと買い手がつかないなど、経済的価値にも負の影響をもたらします。
マンションの寿命は、物理的な耐用年数以上に、社会的価値(社会的な耐用年数)や経済的価値(経済的な耐用年数)によって決まってくるといっても過言ではないでしょう。
これまで建て替えられたマンションの存続期間が平均40.4年だったということは、それを物語っているのではないでしょうか。
マンションの耐用年数が過ぎたらどうなる?
マンションの寿命がくる前にやるべきこと
マンションの耐用年数(物理的、社会的、経済的)が過ぎた場合はどうすればよいのでしょうか?マンションの寿命がくる前にどうすればよいのでしょうか?
以下のようないくつかの選択肢が考えられます。
●そのまま住み続ける
●建て替える
●1棟リノベーション
●取り壊して敷地を売却する
●寿命が到来する前に中古マンションとして売却する
マンションに住み続ける
そのまま住み続けるというのが最も容易な選択肢であり、経済的にも負担が少ない選択肢といえます。転居などのわずらわしさもありません。
ただ、将来において、先にみたよう物理的、社会的、経済的なさまざまな問題が生じてくることを覚悟する必要があります。これらの不安に加え、耐震性に問題があるマンションの場合は、地震による破損や倒壊の不安を抱え続けなければなりません。
マンションを建て替え

建て替えは、耐用年数の過ぎたマンションを取り壊して、新たなマンションを建設して住み替える選択肢です。現在、老朽マンション対策のもっとも一般的な解決方法と位置付けられています。
問題はこれまで建て替えを実現したマンションは全国で累計297件・約24,000戸(2024年4月1日(令和6年4月1日)時点)しかなく、100万戸を超える旧耐震マンションのストック数に比して1割にも満たない水準であり、マンション建て替えは、極めてハードルが高いことです。
参照:マンション建替え等の実施状況(2024(令和6)年4月1日現在) 出典:国土交通省「マンションに関する統計・データ等」
マンション1棟リノベーション
1棟リノベーションは、躯体(スケルトン)以外のすべてを新たに作り直す方法で老朽マンションの再生を図る手法です。
マンションを取り壊し
取り壊しはディベロッパーなどに老朽化したマンションを売却して、区分所有を解消する方法です。
マンション建て替え等の要件が緩和
1棟リノベや取り壊しは、敷地の規模や法規制などにより建て替え後に床面積(容積)の増加が見込めず、建て替え費用の捻出が困難であり、建て替えが進まないという現実問題に対応した選択肢といえます。いずれの場合も、現状では区分所有者全員の賛成が必要であり、4/5以上の賛成で実現できる建て替え以上に住民合意という面ではハードルが高い選択肢です。
2025年4月に、1棟リノベや取り壊しに関して、以下のように要件が緩和されることが閣議決定されており、要件緩和の効果が注目されます。

中古マンションとして売却
最後に挙げたのは、寿命が到来する前に中古マンションとして売却するという選択肢です。
現状のマンションの所有権をベースに、建て替えや1棟リノベや取り壊しなどによるマンション再生の計画に参画するも、住民同意が進まない場合や床面積(容積)の増加が見込めない場合など、先行きが見通せない場合、所有権自体を手放して、マンションの老朽化問題そのものから離脱するという選択肢です。条件によっては経済的にも有利な選択肢となることも可能性も考えられます。
古いマンションを早く手間なく売却できるマンション買取についての詳しくは下記関連記事をご覧ください。
関連記事:マンション買取業者おすすめ11選!ランキングやマンション買取価格を解説
長寿命化マンション、劣化対策等級3とは
住宅性能表示制度の劣化対策等級
劣化対策等級とは、「住宅性能表示制度」のなかの評価項目の1つです。「住宅性能表示制度」は、2000年(平成12年)年4月1日に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」に基づき、様々な住宅の性能をわかりやすく表示し、良質な住宅を安心して取得できる市場を形成するためにつくられ制度です(新築住宅の住宅性能表示簡単ガイド 国土交通省)。
劣化対策等級とは、構造躯体等に使用する材料の交換等大規模な改修工事を必要とするまでの期間を伸長するため必要な対策の程度を評価した項目です。
マンションなど鉄筋コンクリート造住宅では、水分や大気の影響による鉄筋のさびなどを軽減するための対策として、コンクリートの厚さや強度の確保(ex.コンクリートの水セメント比の低減やかぶり厚を厚くするなど)、コンクリートを保護する外装材の選択などを評価します。
躯体劣化を75年~90年まで伸ばす劣化対策等級3
劣化対策等級は1~3等級に分かれており、3等級がもっとも優れた等級です。

等級3は最も高い等級であり、想定される自然条件のもとおよび維持管理の条件のもとでおよそ3世代まで、構造体に関して大規模な改修工事などを必要としないと評価されます。期間としてはおよそ75〜90年程度とコンクリートの耐用年数に近い長さが想定されています。
劣化対策等級2
等級2は、想定される条件のもとで2世代にわたって劣化対策ができる等級です。期間としてはおよそ50〜60年程度と評価されています。
劣化対策等級1
等級1は、建築基準法定める劣化対策が講じられている一般の住宅に認められる等級です。劣化対策等級の中では最低限の劣化対策ではありますが、1世代(およそ25〜30年程度)にわたって大規模な改修工事が必要ない住宅です。
住宅ローン控除などのメリットも
現在、共同住宅では7割を超える住宅が劣化対策等級3の評価を受けています(一般社団法人受託性能評価・表示協会 令和5年度建設住宅性能評価書(新築)データ(共同住宅等))。
劣化対策等級は長期優良住宅の条件の一つでもあるため、住宅ローンや地震保険の支払いの一部が控除されるというメリットがあります。
築40年のマンションには何年住める?

築40年、節目を迎えるマンションと暮らし
それでは築40年のマンションにはあとどのくらい住めるのでしょうか?
先にみたように築40年は、その後のマンションの歩みにとって節目に当たる時期です。
過去1~2回の大規模修繕がなされ、そろそろ給排水菅やエレベーターの更新など大がかりな修繕が必要とされる段階にあるといえます。
すでに約一世代を経過したコンクリート躯体も、中性化による強度低下の懸念を考慮しなければならない時期になります。
RCマンションの寿命・鉄筋コンクリートの寿命
コンクリートは、空気中の二酸化炭素を吸収して年に厚さ0.5mmずつ中性化していくといわれています。 RC(鉄筋コンクリート)造における一般的な鉄筋のかぶり厚(コンクリートの厚み)は30mmとすると、60年でコンクリートの中性化が鉄筋にまで到達する計算になります。
コンクリート自体は、中性化しても強度が下がる訳ではありませんが、中性化が進むことによって、鉄筋が錆びやすくなり、鉄筋が錆びることによって、鉄筋が膨張し、コンクリートを徐々に押し出すような現象が発生し、強度が下がってしまいます(出典:FPI情報局)。
ただしコンクリート内部の鉄筋の腐食が始まるのは、中性化が鉄筋に達する前の中性化残り(残りのかぶり厚)が10mmからともいわれており、そうするとちょうど40年が、鉄筋の腐食のリスクが高まる時期に当たることになります(出典:一般社団法人コンクリートメンテナンス協会)。
中性化の進行速度は、コンクリートの含水率、強度、セメントの配合や外壁仕上げなどのほか、温度,湿度,二酸化炭素濃度などの環境条件にも影響を受け、具体的な物件の躯体の劣化度合いについては、上のような一般論では判断できませんが、築40年のマンションは、マンションの耐用年数の基本となる躯体の劣化状態の診断が必要とされる時期を迎えているといえます。
築40年のマンションには何年住める?の答え
築40年のマンションにあとどのくらい住めるのか?という疑問には明確な答えがあるわけではありません。所有者の認識、計画、意志、行動によって、築40年を迎えたマンションの寿命は、大きく変わってきます。
躯体の診断と対策、設備などの修繕や更新の継続的実施など、耐用年数を伸ばす対応がなされれば、そのマンションは、コンクリートの耐用年数といわれる100年あるいはそれ以上の期間住み続けることも可能といえるでしょう。
一方、今のマンションにあと何年住めるか?という問題は、上で述べたような建物ハード(物理的耐用数)とは別の問題(社会的耐用年数、経済的耐用年数)があることは、マンション建て替えのところで述べたとおりです。
さまざまな背景と理由があるとはいえ、過去に建て替えられたマンションの平均寿命は約40年というのが現実です。
断言できるのは築40年は、そろそろマンションの寿命を意識したさまざまな判断と行動 ―― 建て替えの検討あるいは耐用年数を伸ばす対応、場合によれば解体による区分所有の解消など ―― が求められる時期が到来しているということです。
同時にマンション築40年は、一世代を経過した住まい手にとって、暮らしの大きな岐路に当たる時期でもあるといえます。
以上
東京工業大学大学院修士課程修了。一級建築士。 本・映画・音楽・アート・デザイン・ファッション・都市・建築・食・料理・ワイン・まち歩きなどのフィールドを横断的に渉猟・論考するnoteを主宰。 |