マンション事故物件、孤独死や自殺の売却価格は?
カテゴリ:マンション売却
投稿日:2023.06.01
この記事では、マンションの事故物件は売却できる?事故物件の価格はどうなる?不動産の事故物件とは?といった疑問や悩みを解決します。
マンション買取専門の弊社「東京テアトル」が持つ事故物件に対する知見や経験則に基づき、具体的に分かり易く解説していきます。
2021年5月20日、国土交通省は、不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会を設置して「事故物件」の扱いについて検討を進めてきました。
その結果として、不動産業者が売買・賃貸の契約者に告知すべき対象をまとめた指針、ガイドラインというものが公表されました。これまで明確なルールが無く不動産業者に委ねられていた、事故物件の告知について指針が定められたのです。
記事後半では、2021年10月に公表された「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」についても解説します。
- 事故物件は、室内で自殺、孤独死、殺人
- 火災、室内や共用部分が浸水も事故
- 事故物件の告知義務に関する注意点
- 人の死の告知に関するガイドライン
- マンション事故物件は5~40%ダウン
目次
中古マンションの事故物件とは?
まず、中古マンションの事故物件とはどのような物件が当てはまるのか、6つのケースごとに詳しく解説していきます。
- 居住者が自殺したマンション
- 居住者が孤独死したマンション
- 殺人事件が起きた中古マンション
- 専有部分(室内)で火災が発生した物件
- 専有部分(室内)が浸水した物件
- 分譲マンションの共用部分が浸水
一つずつ見ていきましょう。
居住者が自殺したマンション
まず初めにご紹介する事故物件のケースは、「居住者が自殺したマンション」です。
令和元年の自殺者数は20,169人で、対前年比671人(約3.2%)の減となっています。自殺者数のピークは平成15年の34,427人で、平成22年以降は10年連続減少しています。
弊社の基準では、市場価格に対する減価率は、以下の1>2>3>4の順となります。
- 居住者が室内で自殺
- 居住者がバルコニーから飛び降り自殺
- 居住者がマンション共用部分(屋上、階段等)から飛び降り自殺
- 居住者が建物やマンション敷地の外で自殺
居住者が孤独死したマンション
続いて、「居住者が孤独死したマンション」です。
令和元年の死亡数は137万6000人、出生数が86万4000人で、自然増減数は△51万2000人と推計されています。孤独死は、年間推計2.7万人とされています。「自宅で死亡し、死後2日以上経過」を「孤立死(孤独死)」と定義した数値です。
減価率については、死後経過の日数や遺体の損傷状況によって個別に判断しています。
正確な集計はしていませんが、弊社が購入する物件のうち10〜15%程度は孤独死物件と思われます。高齢化が進むことで今後更に孤独死は増加して、購入物件に占める割合も高くなるとみています。
殺人事件が起きた中古マンション
殺人事件が起きたということは、他のケースと比較してかなりセンセーショナルであり、マンションであれば建物全体のイメージダウンになります。
殺人事件が起きた部屋ということになれば更に衝撃は強く、弊社では減価率に換算することもかなり困難であると判断しています。
市橋達也の逃走劇がテレビでもたくさん取り上げられたので、皆さまのご記憶にもあると思いますが、部屋で外国籍の英会話教室講師が殺害された市川市福栄マンションの売却相談が何年か前にありました。
弊社に買取できないかという相談でしたが、総合的に判断して買取はお断りをしました。
専有部分(室内)で火災が発生した物件
専有部分の火災の減価率は、専有部分で①人が亡くなっているか②自殺か不注意か③室内損傷状況等(ボヤ程度<全焼)により、大きく異なります。
以下のように、詳細な要因を考慮して減価率は変わります。
- 火災により専有部分で人が亡くなった(原因自殺)+損傷状況
- 火災により専有部分で人が亡くなった(原因不注意)+損傷状況
- 火災のみで専有部分で人が亡くなっていない+損傷状況
専有部分(室内)が浸水した物件
1階住戸や地下・半地下の部屋で、床下〜床上などの浸水や浸水履歴がある物件を事故物件と判定しています。
加えてエリア、販売価格帯、間取り面積なども考慮して減価率を決定します。
ここ数年、豪雨災害などが頻発しています。事故物件になってしまうリスクがどの程度あるのかなどを確認をされたい方は、洪水や津波などの災害リスクを調べられるハザードマップを利用してみましょう。
分譲マンションの共用部分が浸水
マンション敷地、エントランス、駐車場、機械室など共用部分への浸水が発生した物件も事故物件として扱われます。
記憶に新しい武蔵小杉のタワーマンションは、地下の電源系統が浸水により故障して、停電等が発生しました。停電によりエレベーターが停止して住民は非常に不便な生活を強いられたと報道され、広く知られました。
武蔵小杉エリアが台風や大雨に弱いことが露呈し、風評も含めて流通性が低下して、価格は下落傾向が想定されます。
「武蔵小杉タワーマンション浸水」と検索すると下記のような記事がヒットします。
武蔵小杉の「浸水した高級タワマン」を、売るに売れない30代男性の苦悩(榊 淳司) | 現代ビジネス | 講談社
タワーマンションの災害に対する弱点が強く認識されて、タワーマンション離れ=資産価値の低下の可能性も考えられます。
事故物件とは
事故物件は心理的瑕疵を有する物件
事故物件は、いわゆる心理的瑕疵を有する物件ということになります。
心理的瑕疵
ここでの瑕疵は、欠陥、不具合、欠点という意味です。
心理的瑕疵は、「何となく気味が悪い」「何となく怖い」というような心理的な抵抗が生じる、抵抗を感じる恐れがあることがら=心理的な欠陥を有することといえます。
心理的瑕疵は、物件の物理的、機能的な瑕疵ではありませんが、物件の評価に影響することがあります。知っていながらその事実を説明しないと契約不適合責任を問われることがあります。
心理的瑕疵の具体例
心理的瑕疵には前述してきた6つのケース以外に、近くに墓地、火葬場、ゴミ処理場など嫌悪・迷惑施設がある、近隣に暴力団事務所やその構成員が居住していることなどがあります。
心理的瑕疵以外の瑕疵
告知事項となる瑕疵として心理的瑕疵以外に物理的瑕疵、法的瑕疵、環境的瑕疵があります。これらの瑕疵を有する不動産を瑕疵物件と称します。
告知事項あり
販売図面などに「告知事項あり」という記載がある物件は、事故物件の可能性が高いと言えます。
告知事項とは「物件を購入しようとしている人が、その事実を知っていたら購入しない可能性がある、物件の重大な瑕疵や事実」のことです。
続いて事故物件の告知義務について解説をしていきます。
東京テアトルは、中古マンションの高値買取に自信があります。
- ・最短5日、期限までに確実に現金化可能
- ・不要な家具はそのままで手軽に売却
- ・売却後のトラブルの心配ゼロ
マンションの買取なら東京テアトルまでご相談ください!
事故物件の売却、告知義務などの注意点
中古マンションにおける事故物件の具体例や心理的瑕疵を知ったところで、続いて事故物件を売却する際に知っておくべき注意点について解説していきます。
事故を隠して売れる?
仲介会社は、宅地建物取引業法第47条(業務に関する禁止事項)の告知義務によって、故意に事実を告げず、又は不実のことを告げる行為を禁じられています。
従って心理的瑕疵、物理的瑕疵などを知り得た場合、必ず重要事項説明書などで説明をします。
仮に仲介会社が自殺などの事実を知り得なかった場合、売主であるあなたが事実を伝えなければ、契約の相手(買主)はその事実を知らずに契約を締結してしまうということになるかもしれません。
事故物件でも売却可能、ただし・・・
マンションの事故物件の売却は可能です。ただし、この後ご紹介する表の通り、売却には割安感が必要です。
一般的に、心理的瑕疵のある物件と無い物件を比較検討した時、当然無い物件を選ぶでしょう。従って心理的瑕疵の度合いを勘案して価格を安くする必要があります。
瑕疵の度合いや瑕疵の捉え方によっては、瑕疵のある物件は絶対買わないという人も少なからずいます。
誰が事故物件を買うの?
弊社「東京テアトル」は、年間200件超の平均築年数30年超の区分所有マンションを取得して、リフォーム後に一般のエンドユーザーに販売をしています。
前述してきた自殺、孤独死などの事故物件も取得をして、フルリフォーム後に販売をしています。弊社は事故の痕跡をできる限り見えにくくするために、原則全ての内装、全ての設備(水回り等)をリフォームします。
自殺や孤独死があったことは告知をしますが、室内の見た目は全く事故物件とは分からない状態にして販売をします。
このような物件を実際にどのような方がどのようなニーズ、理由で購入しているか、弊社の事例をご紹介をします。
物件 | 事故 | 購入理由 | 居住 | 用途 | ニーズ |
藤沢 | 自殺 | 割安感 | 藤沢 | 賃貸 | 数年居住 |
板橋 | 自殺 | 割安感 | 埼玉 | 居住 | 買い替え |
横浜 | 自殺 | 割安感 | 横浜 | 居住 | 賃貸脱出 |
横浜 | 火災 | 割安感 | 横浜 | 居住 | 賃貸脱出 |
川口 | 孤独死 | 割安感 | 川口 | 居住 | 賃貸脱出 |
千葉 | 孤独死 | 割安感 | 千葉 | 居住 | 実家近い |
座間 | 孤独死 | 割安感 | 座間 | 居住 | 賃貸脱出 |
その他には、下記のような購入理由があります。
- エリアの人気物件(大規模&売主大手デベ)+割安感
- 希望エリア・支払額で購入可能はこの物件だけ(乗り越え派)
- 自殺があったことが気にならない(少数派)
- 孤独死=病死であれば気にならない(現実的冷静判断派)
- 数年住んで将来的には賃貸(投資・利回り重視派)
事故物件の売却方法
事故物件マンションの売却方法として「仲介」と「買取」2種類の方法をご紹介します。
【仲介会社の「仲介」で売却】
普通の物件と同じように仲介会社に依頼をして、買主を探してもらう売却方法です。成約時に、仲介会社へ仲介手数料(成約価格×3%+6万円+消費税)を支払います。
事故物件の場合、割安な価格にしても普通の物件に比べて流通性が低く、成約までに時間がかかる傾向にあります。
普通の売却物件を多く抱える大手仲介会社などでは、時間のかかることを嫌いあまり積極的に販売活動をしてくれないこともあるようなので注意です。
【不動産会社の「直接買取」で売却】
不動産会社(マンション買取業者)に直接売却する=買い取ってもらう売却方法です。仲介会社が間に入らないので、仲介手数料(成約価格×3%+6万円+消費税)は不要です。
仲介会社の仲介で売却、不動産会社の買取で売却、それぞれメリットデメリットがあります。詳しくは下記『関連記事:直接買取と仲介のメリットデメリット』からご確認ください。
続いて弊社が考えるマンション事故物件の価格、売却相場などを解説していきます。
マンションの事故物件の価格、売却相場
事故物件を売却する時、割安な価格設定が必要なことは既に説明をしてきました。ここでは、どの程度割安にする必要があるのかをご説明します。
事故物件の価格=市場価格との価格差
自殺は◯%ダウン、火災は◯%ダウンというような決まりや方程式はありません。
弊社に鑑定士がいますが、鑑定評価にも自殺減価率、火災減価率は無いとのことです。
下記のような物件の内容や条件によって減価率=値下り率は変動します。
- 物件所在エリア
- 駅距離
- 価格帯
- 面積、間取り
- 規模・総戸数
- 分譲不動産会社(分譲時売主)
事故物件の値段・価格まとめ
鑑定評価に自殺減価率、火災減価率といった考え方は無いため、あくまでも感覚的な数値、弊社基準となりますが、事故物件を仲介で売る場合は下記のような市場価格との差が必要と考えています。
孤独死:市場価格の5%〜10%ダウン
販売価格900万円の△5%(△45万円)と販売価格1億円の△5%(△500万円)では、同じパーセントでも値下り金額が大きく異なるので、販売価格帯によってパーセントは上下するとお考えください。
市場価格には、幅があります。市場価格を算出する根拠となる、成約登録されている成約事例の売却事情は様々であり、「売り急ぎ」の物件が多く含まれれば算出される市場価格は低くなります。
逆に成約事例が少なく、その中に「高くても買いたい」という特殊な事情・ニーズを持った買主の事例が入っていた場合、算出市場価格は高くなります。
このように市場価格自体に上下幅がありますので、減価率をかけた事故物件の価格にも幅があることをご理解ください。
事故物件の売却・購入トラブル事例
一般財団法人 不動産適正取引推進機構 | RETIO判例検索システムを利用して、事故物件の売却・購入トラブルの裁判判例を調べてみました。
- 自殺があった物件に瑕疵担保責任が認められた事例
- エレベーター設置工事中の転落事故を原因とする買主の契約解除及び手付金の返還請求を棄却した事例
2つの事例をご紹介いたします。
自殺があった物件に瑕疵担保責任が認められた事例
H1.9.7 | 横浜地裁 | 家族との居住目的で購入したマンションにおいて六年前に縊首自殺があつたことは瑕疵であるとして、買主の売主に対する売買契約の解除及び違約金条項に基づく損害賠償請求が認められた事例 |
自殺が心理的瑕疵として認められ、買主の契約解除と損害賠償請求を認める判決が下されました。
エレベーター設置工事中の転落事故を原因とする買主の契約解除及び手付金の返還請求を棄却した事例
H24.4.17 | 東京地裁 | 買主が、契約締結後に工事中のマンションにおいてエレベーター設置工事中に転落死亡事故が発生したことから、売主は債務の本旨に従った履行をすることが不可能になったなどとして、債務不履行責任等に基づく契約解除と手付金の返還を求めた事案において、事故によって売主の債務の履行が不能になったと解することはできない等として請求を棄却した事例 |
- 購入したマンションの部屋ではなく共用部分で発生した事故
- 発生現場が購入した部屋とはフロアを異にしている
以上から債務の履行が不可能になったとはいえないと判断され、買主の請求は棄却されました。
出典:不動産適正取引推進機構 | RETIO判例検索システム
これらの事例のような争いごとにならないよう、事故物件の売却には注意が必要です。
事故物件、賃貸のケース
同様に事故物件と賃貸に関する裁判判例を調べてみました。
- 事故物件における自殺の不告知トラブル
- 妻の自殺で事故物件にしてしまった賃借人
- 自殺で事故物件となった損害
3つの事例をご紹介します。
事故物件の告知義務、自殺の不告知
賃貸人が、建物内で自殺があった事実を故意に賃借人に告げなかったことが不法行為を構成するとされた事例です。
居住目的で賃貸借契約を締結した賃借人が、賃貸人は1年数か月前に建物内で自殺があった事実を故意に告げずに契約を締結したとして、賃貸人に対して、不法行為に基づく損害賠償を求め、原審がこれを認容したため、賃貸人が控訴した事案において、自殺の事実は契約の目的を達成し得ない瑕疵にあたり、その不告知は不法行為にあたる、また、賃貸人による賃料相当損害金の請求は権利の濫用にあたり認められないとして、控訴を棄却した事例
不動産適正取引推進機構
自殺があった部屋を知らずに借りてしまった場合、上記のような判例があります。賃貸契約の解除はもちろんのこと、損害賠償が認められています。
判例について詳しくは下記不動産適正取引推進機構の建物賃貸借に関する紛争をご参照ください。
妻の自殺で事故物件にしてしまった賃借人
同居人の自殺に関して、賃借人への損害賠償請求の一部を認容し、賃料保証会社への請求を棄却した事例です。
賃借中の建物内で、賃借人の妻が自殺したために、賃料を減額しなければ新規に賃貸することができなくなったとして、賃借人に対しては、債務不履行に基づく損害賠償として賃料減額分相当額及び慰謝料並びに弁護士費用等を求め、賃料保証会社に対しては、連帯保証契約に基づき同額の保証債務の履行を求めた事案において、賃借人に対する損害賠償請求の一部を認め、賃料保証会社への請求を棄却した事例
不動産適正取引推進機構
配偶者が部屋で自殺をした場合、上記のような判例があります。
賃貸人に損害賠償をしなければならない事態になりかねませんので注意が必要です。
判例について詳しくは下記不動産適正取引推進機構の建物賃貸借に関する紛争をご参照ください。
自殺で事故物件となった損害
自殺した賃借人による損害について、賃貸した部屋以外の部屋の逸失利益を否定した事例
賃貸アパート内において自殺した賃借人の相続人及び連帯保証人に対して、賃貸人が賃貸借契約の債務不履行及び連帯保証契約に基づき損害賠償を請求した事案において、自殺は借主の善管注意義務違反にあたるとして当該貸室に関する損害賠償を一部認めたが、賃室以外の部屋の逸失利益については否定した事例
不動産適正取引推進機構
自殺は借主の善管注意義務違反にあたるとして、相続人と連帯保証人は損害を賠償する責任があるとしています。
この裁判では損害を下記のように算定、逸失利益を132万円としています。
①事故物件となった部屋を1年間賃貸できない
②その後は従前賃料の半額での賃貸しかできない
③賃貸不能期間1年間と一契約期間の2年間、都合3年間後には従前賃料での賃貸が可能
この裁判では、両隣と階下の部屋の賃料減額で生じる損害は認められないとしています。
判例の詳しくは下記不動産適正取引推進機構の建物賃貸借に関する紛争をご参照ください。
事故物件の告知、病死は不要、自殺は?
事故物件となった不動産の告知
2021年5月20日に国土交通省は、入居者らが死亡した事故物件について、不動産業者が売買、賃貸の契約者に告知すべき対象をまとめた指針案を公表しています。
指針案では、告知対象を以下のように示しています。
対象の死 | 賃貸 | 売買 | 共用部 |
殺人-自殺-火災 | 告知/過去3年 | 告知 | 対象 |
原因不明 | 告知/過去3年 | 告知 | 対象 |
自然死(老衰,病死) | 不要 | 不要 | ━ |
事故死(転倒,誤嚥) | 不要 | 不要 | ━ |
告知の必要がないとした事象
病気や老衰の自然死、入浴中の転倒や食事中の誤嚥といった不慮の事故死は、原則告げる必要はないとしています。
これは、単身高齢者の賃貸への受け入れに影響することを配慮しての判断のようです。
隣接住戸や前面道路、搬送先病院での死亡なども告知の必要無しの方向になるようです。
事故物件で告知が必要な事象、対象
自然死や不慮の事故死であっても、死後、長期間発見されず特殊清掃が行われた場合は告知が必要です。
殺人や自殺、火災やガス漏れなどによる死亡や原因不明の死も告知が必要ですが、賃貸物件は3年経過すれば不要となります。
対象は住宅(マンションや一戸建て)で、居室のほかベランダや廊下など日常的に使う共用部分を含め、入居者以外が死亡するケースも対象です。
参考記事:「宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン」(案)に関するパブリックコメント(意見公募)を開始します │国土交通省
参考記事:宅地建物取引業者による人の死に関する心理的瑕疵の取扱いに関するガイドライン(案)│国土交通省
人の死の告知に関するガイドライン
令和3年10月8日、国土交通省は「不動産取引における心理的瑕疵に関する検討会」での議論を踏まえ、「宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン」を策定したと公表しました。
出所:宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン概要
不動産売却・購入など事故物件の取引上の課題、背景
ガイドライン策定までは、不動産取引にあたって過去に生じた人の死に関する事案について適切な調査や告知に係る判断基準がなく、円滑な流通や安心できる取引が阻害されている状況でした。
これらの課題を解決するために、ガイドラインが策定されました。
事故物件の告知に関するガイドライン
ガイドラインは、人の死が生じた不動産の取引における宅建業者の判断基準と、過去に人の死が生じた居住用不動産の取引において宅建業者がとるべき対応を整理したものです。
【調査】
売主・貸主に告知書の記載を求めることで調査義務を果たしたものとする。
周辺住民に聞き込み、インターネットサイトを調査するなど自発的な調査を行なう義務はない。
【告知】
宅地建物取引業者は、人の死に関する事案が、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合には、これを告げなければならない。
【告げなくてもよいケース】
①自然死・日常生活の不慮の死(転倒、誤嚥など)
②賃貸借取引、集合住宅共用部分で発生した①以外の死・特殊清掃等が行われた①の死が発生し、発生から概ね3年経過した後
③対象不動産の隣接住戸・日常生活において通常使用しない集合住宅の共用部分で発生した①以外の死・特殊清掃等が行われた①の死
※事件性、周知性、社会に与えた影響等が特に高い事案、取引の相手方等の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる場合、発生後期間や死因に関わらず買主・借主において把握すべき場合、は告げる必要あり。
ガイドラインの詳細は、国土交通省の資料(宅地建物取引業者による人の死の告知に関するガイドライン概要)をご確認下さい。
事故物件サイト
事故物件を調べる方法、大島てる
最近は文春オンラインで記事を執筆したり、テレビにも出演して有名人になられました大島てる氏が運営するサイトです。
このサイトでは、事故物件として登録された不動産をマップで探せるようになっています。
どこまで正確なのかという疑問やプライバシー問題などは保証されておりません。ご利用は自己責任でお願いします。
成仏不動産は事故物件買取
「成仏不動産」は横浜の不動産屋さんMARKSが2019年より運営、ユニークなネーミング訴求によりたくさんのメディア、ニュースに取り上げられています。2022年11月に社名をマークス不動産に変更して本社を東京都中央区に移転しています。
不動産事故物件の買取、特殊清掃・遺品整理、ご供養、成仏物件と称した不動産投資など事故物件となった不動産まわりのサービスを提供しています。
マンション事故物件、孤独死や自殺の売却価格は?まとめ
この記事で紹介した事故物件マンションの売却に関する情報を最後にまとめてお伝えいたします。
中古マンションの事故物件、どんなケースが該当?
弊社の定義では、室内の自殺、室内の火災などがあった物件を事故物件と定義しています。
その他の事故物件に該当するケースについてはこちらをご覧ください。
マンションの事故物件の価格は?
心理的瑕疵により流通性が低くなった事故物件は、市場価格と比べ割安な価格になります。
どの程度割安になるかなど詳しくはこちらをご覧ください。
孤独死や自殺などの事故物件は売却できる?
事故物件でも売却は可能です。売却後のトラブルを避けるためにも事故の内容を正しく買主に告知するようにしましょう。
告知義務など事故物件の売却について詳しくはこちらをご覧ください。
事故物件の売買に関するトラブル事例(裁判判例)
中古マンションの所謂事故物件の売買に関するトラブル事例をご紹介いたします。
自殺があった物件の瑕疵担保責任、共有部分での転落事故に対する損害賠償請求を争った裁判の判例について詳しくはこちらをご覧ください。
最後に
事故物件、特に心理的瑕疵にあたる物件の売主さんは、大切な親族を亡くして心を痛めている方が多くいらっしゃると思います。
息子さんを亡くされた相続人である80代のお父様と相続不動産であるマンションのお取り引きをさせていただいたことがあります。相続登記(不動産名義変更)や荷物の引越し手続きなどもご自身で手配をされていました。
自分の父親と同じようなご年齢で、淡々と契約をされていましたが、心中を察すると辛いものがありました。
買い替えや資産処分など前向きでプラスの売却理由の売主さまが多数ではありますが、中には様々な後ろ向きでマイナスのご事情を抱えた売主さまもいらっしゃります。
会社情報で社長の太田も申し上げておりますが、「信頼できる相談相手、お客様の心のパートナー」を私たちは目指しています。大切な資産である“マンションの売却”は普通の物件でも分からないことだらけで大変なのに、事故物件(訳あり物件)となれば更に分からないことだらけだと思います。
マンション売却でお悩みであれば、是非ご安心して東京テアトルの「マンション売却相談センター」へご相談ください。
社長の太田が言っております、我々相談員も同じ気持ちです。
「どんな些細な相談でもお気軽にお問い合わせいただけることを心よりお待ちしております。」
相続手続き、遺産分割、遺産分割協議書などについての詳しくは下記関連記事をご覧ください。
東京テアトル(株) マンション売却相談センター ☎️0120−900−881