不動産買取の注意点は?悪質買取業者のトラブル事例を使って分かり易く解説

カテゴリ:マンション買取
投稿日:2025.05.07

不動産買取の注意点は?悪質買取業者のトラブル事例を使って分かり易く解説

本記事では、実際にあった不動産買取トラブル事例をご紹介して、トラブル事例から見えてくる不動産買取の注意点などを解説します。

裁判判例から見えてくる7つの不動産買取の注意点をご理解頂き、不動産買取のトラブルを回避していただければ幸いです。

不動産買取のトラブル事例

不動産買取のトラブル事例

不動産買取のトラブルには、どのようなケースがあるのでしょうか?

不動産適正取引推進機構のRETIO判例検索システムに登録される紛争事例から、3つのトラブル事例をご紹介、詳細を解説していきます。

不動産買取業者を悪質と裁判所が判断

ご紹介する不動産買取トラブルは、前所有者(故人)から土地・建物を買取した不動産業者が、不動産業者の購入価格と転売価格の差額分の損害を受けたとして、相続人から訴えられたという内容です。

不動産買取・転売のトラブルまでの経緯は下記の通りです。

  1. 売主が不動産業者に媒介(仲介)を依頼
  2. 隣地所有者から購入意向が示される
  3. 不動産業者は媒介でなく買取を売主に提案
  4. 不動産業者は売主からの土地・建物を購入
  5. 同日付けで隣地所有者への買取・転売
  6. 不動産業者は3割相当の利益を上げる
  7. 相続人が不動産業者に対し損害賠償を提訴
本件では、不動産業者が合理的根拠なく不動産買取を行っており、これが不法行為に当たるとして買取・転売によって得た利益の範囲で損害賠償請求を認めました。

不動産転売そのものは違法ではありませんが、合理的根拠が無いのに転売目的として業者を介在させたりすると信義誠実義務に反すると判断されることがあります。

本件裁判では不動産業者が買取を行う場合、売主と買主の合意だけでなく、買取する合理的根拠が十分に揃っていることが必要であり、揃っていない場合は媒介契約=仲介による取引に留めるべきだとしています。

この不動産買取トラブルのポイントは、以下の通りです。

  • 高齢者から相当に安く買い取っている
  • 相続が発生している
  • 3割もの利益を上げている
  • 隣地所有者の購入希望がありノーリスク

不動産買取トラブルから見えてくる不動産買取の注意点などを次項で解説します。

本トラブル事例の詳しくは、下記参考記事をご覧ください。

出所:不動産の媒介契約の依頼主から、対象不動産を廉価で買取ったうえ、即日転売したことが、不法行為に当たるとして、転売によって得た利益の範囲で請求を認めた事例/RETIO. 2015. 1 NO.96

参考記事:不動産取引紛争事例等調査研究委員会(第281回)検討報告 (PDF形式:1,571 KB)

不動産買取業者と仲介業者を提訴

次にご紹介する不動産買取トラブルは、中古戸建てを売却した売主が、本当の実勢価格より安いと信じさせられ売買契約を締結させられたとして、仲介業者と不動産買取業者を訴えたという内容です。

不動産買取のトラブルまでの経緯は下記の通りです。

  1. 近くの不動産の成約事例は4,500万円と説明
  2. 仲介業者はゴミや荷物を撤去後売却を提案
  3. 荷物散乱状態では業者買取で安い旨説明
  4. 売主は早急な現金化と現状のまま売却希望
  5. 仲介業者は3,900万円で売主と媒介契約締結
  6. 売主と買取業者が残置物込3,000万円で契約
  7. 買取業者がゴミや荷物などの残置物を撤去
  8. 買取業者は売出価格4,980万円で仲介を依頼
  9. 買取業者は更地渡し条件4,900万円で売却
  10. 仲介と買取業者に対し損害賠償を求め提訴

本裁判で売主は、中古戸建ての本当の実勢価格が5,846万円であったことを前提に、仲介業者と買取業者が共謀して3,000万円という廉価で売買契約を締結させたと主張しています。

判決は、仲介業者と買取業者が共謀して中古戸建てを廉価で売却させた事実は無いとして、請求を棄却しています。

下記のような売主希望は、一般の個人に売り難いため、不動産業者の買取で成約することが少なからずあります。

  • 早急に現金化したい
  • 大量のゴミや荷物を片づけられない
  • 大量の家具や荷物を残置したい
  • リフォームをしないで売りたい
  • 契約不適合責任を負いたくなく

不動産買取の場合、買取の経費・リスク・付加価値を高めるコスト・利益を見込むため売買価格は時価より低額になることが多いといえます。

この不動産買取トラブルのポイントは、以下の通りです。

  • 売主は戸建ての本当の時価は5,846万と主張
  • 仲介業者は複数業者に戸建売り情報を流す

不動産買取トラブルから見えてくる不動産買取の注意点などを次項で解説します。

上記裁判の詳細については下記関連記事をご覧ください。

出所:RETIO判例検索結果 売買に関する紛争NO9(不動産適正取引推進機構)

参考記事:RETIO 117-132

不動産買取業者の不合理な説明は詐欺

次にご紹介する不動産買取のトラブルは、売却を依頼された仲介業者が、結局自らが買主となって仲介すべき価格の70%強程度の価格で買取したところ、詐欺を理由に売買契約が取り消されたという内容です。

不動産買取のトラブルまでの経緯は下記の通りです。

  1. 売主と仲介業者は1,650万円で専任媒介締結
  2. 仲介業者は広告、チラシ、レインズ登録
  3. 12日後に類似住戸が980万円で競売に出る
  4. 競売を理由に1,000万円超で売却困難と説明
  5. モデルルームとして1,220万円で買取可能と提案
  6. 売主は提案を受け入れ1,220万円で売買契約

売主は、引っ越し先の賃貸業者から下記2点を聞き、騙され低額で売らされたと気がつきます。引越しを中止して部屋を引渡さないという強硬手段に出たことから裁判となりました。

  • 最近同じ間取りの住戸が1,650万円で売れた
  • 購入検討客を案内しない囲い込みの事実
裁判は、上記3、4、5などの不合理な説明は詐欺にあたるとして、売買契約の取り消しを認めました。

この不動産買取トラブルのポイントは、以下の通りです。

  • 媒介契約後わずか12日で売却が困難と説明
  • 買い希望があることを隠し物件を囲い込み
  • 競売の最低売却価格を売れない理由に利用

不動産買取トラブルから見えてくる不動産買取の注意点などを次項で解説します。

上記裁判の詳細については下記関連記事をご覧ください。

出所:RETIO判例検索結果 売買に関する紛争NO35(不動産適正取引推進機構)

参考記事:RETIO 55-087

ご紹介してきたケース以外にも不動産買取に関するトラブルが多数発生しています。

ご紹介、解説してきた不動産買取トラブルを反面教師として、次項で不動産買取の注意点などを解説していきます。

不動産買取の7つ注意点

不動産買取の7つ注意点

不動産買取を検討する際の注意点を解説します。

前述した不動産買取のトラブルから見えてくる注意すべきポイント・キーワードは下記の通りです。

・不動産買取は仲介で売却するより安い

・不動産を即転売する買取業者

・仲介業者の不動産買取

・仲介で売れない不動産を買取ります

・不動産買取の査定・相談

・不動産買取業者の選び方・基準

・購入検討客を案内しない囲い込み

不動産買取のトラブルを避けるために何に注意をすれば良いかなどを解説していきます。

不動産買取は仲介で売却するより安い

不動産買取の注意点として「不動産買取は仲介で売却するより安い」があります。

後述するようなたくさんの不動産買取のメリットと引き換えに、不動産買取は仲介で売却するより安い価格になることが多いといえます。

特に人気のブランド立地、築浅マンション・戸建て、駅近など一般的に売り易いとされる不動産は、仲介で売却する価格より買取価格が安くなります。

後述する「不動産仲介と不動産買取の違い」「不動産買取のメリット」「不動産買取のデメリット」を良く理解した上、仲介か買取かを選択することが必要です。

即転売する買取業者・三為業者

不動産買取の注意点として「不動産を買取り即転売する業者」があります。

ご紹介したひとつ目の不動産買取トラブル事例がこのケースに当たります。業者は、買い取った当日に不動産を隣地所有者に転売して3割相当もの利益を得ています。

  • 不動産転売業者
  • 三為業者(サンタメ業者)
不動産買取の7つ注意点/不動産転売業者・三為業者
不動産転売業者
不動産転売業者は、一般的な不動産買取業者と比べ買取価格が安くなることが多いため注意が必要です。

不動産買取転売業者の典型として「三為業者」をご紹介します。

三為業者(サンタメ業者)と呼ばれ、三為契約(さんため契約)という不動産買取・売却方法を駆使する不動産業者がいます。三為とは「第三者のため(為)にする契約」が語源です。

【三為スキームの概略】

不動産買取の7つ注意点|三為業者の三為契約
出所:関口法律事務所HP

この図のように第1売買が「第三者のためにする契約」、第2売買が「他人物売買」となる形です。

それぞれの契約の内容は次のとおりです。

  • 第1売買:BがAに代金を支払うが、所有権はBの指定する者に直接移転する。
  • 第2売買:CがBに代金を支払い、Bは、A所有の不動産をCに売却する。

つまり、お金はC→B→Aと流れるものの、所有権はA→Cに直接移転する、ということです。

引用元:関口法律事務所

関口先生も書かれていますが、三為契約の買主Cが個人の場合は買主Cがカモにされているケースも多いようです。

三為契約の買主Cが買取業者のケースは、売主Aがカモにされているケースも多いと想像されます。

三為契約は、三為業者が多額の利益を抜いている可能性が高いため、売主、買主ともに注意が必要です。

三為や新中間省略登記の詳しくは下記関口先生の記事をご覧ください。

参考記事:三為とは?(新)中間省略登記とは? 基本を簡単に解説します(関口法律事務所)

仲介業者の不動産買取

不動産買取の注意点として「仲介業者の不動産買取」があります。

不動産買取のトラブル事例でご紹介した3件の事例のうち2件は、当初仲介を依頼された仲介業者が結果的に買取をしてトラブルになっています。

仲介を依頼しているのに不動産買取の提案をしてくるということは、買取しても損をしない情報を仲介業者が持っている可能性が高いといえます。

この情報は、売主様にすれば、仲介で売却を依頼した不動産が買取価格まで価格を下げなくても売れるという情報です。

この情報を隠して買取にまわり、この情報が何らかの形で売主などに伝わることで、安く買い取られ転売されたと感じてトラブルになっています。

売主様に以下のような売却希望・理由が無いのに仲介業者から買取を提案された場合は、注意が必要です。実は買取価格まで値下げしなくても仲介で売れる可能性が高いかもしれません。

  • 手間なく早く売りたい
  • 期限までに必ず現金化したい
  • 契約不適合責任免責で売却したい
  • ゴミ屋敷の荷物やゴミを片付けられない
  • 築古物件をリフォーム無しで売りたい
  • 近所に売却を知られたくない

売れない不動産を買取ります

不動産買取の注意点として「仲介で売れない不動産を買取ります」があります。

3つ目の不動産買取トラブル事例のように「売れない不動産」に見えるよう自作自演、詐欺的な商売をする不動産業者が存在するのは事実です。

仲介を依頼しているのに「売れない不動産」だとして自社で買い取りましょうなど提案があった場合は、仲介業者の話しを鵜呑みにせず、セカンドオピニオンとして大手不動産買取業者に査定を依頼することをおすすめします。

不動産買取の査定・相談

不動産買取の注意点として「不動産買取の査定・相談」があります。

不動産買取の査定・相談は、複数の不動産会社に相談・依頼が成功への近道です。

そしておすすめする不動産会社は、専門を持つ不動産買取業者です。専門とする不動産であれば高値査定が期待できます。

マンションや戸建の買取なら、下記関連記事の中古住宅を専門に買い取る業者から複数社を選び査定や相談をすれば安心です。

関連記事:マンション買取業者おすすめ11選!ランキングやマンション買取価格を解説

不動産買取業者の選び方・基準

不動産買取の注意点として「不動産買取業者の選び方・基準」があります。

前述したように不動産買取に絡むトラブルが多数発生しています。

不動産取引や不動産価格などの圧倒的な情報格差に乗じて、詐欺的或いは不当に安く買取をする不動産業者がいます。

裁判事例のような不動産買取をおこなう業者は避け、正当な不動産買取価格を期待できる買取業者を選ぶことが必要です。

不動産買取業者の選び方・基準として、東証上場があります。上場企業なら会社情報が開示され、社会的信用が高く、コンプライアンスの徹底も期待でき安心です。

東証に上場する不動産買取業者などおすすめの不動産買取業者の詳しくは下記関連記事をご覧ください。

関連記事:不動産買取業者ランキング!エリア別おすすめとマンション買取のランキング

不動産買取する仲介業者の囲い込み

最後に不動産買取の注意点として「購入検討客を案内しない仲介業者の囲い込み」について簡単に解説します。

不動産の売却の依頼を受けている仲介業者が、その不動産を購入・検討のため見学したいという人に対して、既に申込済みがあるなど虚偽の回答をして見学させない行為を「囲い込み」と呼びます。

不動産買取トラブルの3つ目の事例は、この囲い込みを行うことで不動産を売れない状態にして、自社買取へ誘導しています。

仲介業者が自社で安く買い取るために、囲い込みにより売れない状態にされていないか、注意が必要です。

仲介業者は、上記以外に仲介手数料を両手にするために囲い込みをするケースもあります。このケースの詳しくは下記記事をご覧ください。

関連記事:専任媒介の囲い込み構図、手数料2倍

続いては、不動産買取の注意点として最初にご説明した「不動産買取は仲介で売却するより安い」の理由を解説していきます。

不動産買取が安い理由

不動産買取が安い理由

不動産買取が安くなる理由

不動産買取が安くなる理由は、下記の3つです。

1.どんな物件も短期間で契約・現金化できる

2.下記のような個人に売り難い物件でも売れる

【個人に売り難い土地】

  • 狭小地
  • 変形地
  • 広大土地
  • 底地
  • 借地権

【個人に売り難い建物】

  • 築古戸建て
  • 築古マンション(区分所有)
  • 賃貸中ファミリータイプマンション(区分所有)
  • 老朽化賃貸マンション(一棟)
  • 老朽化古ビル(一棟)
  • 入居者の居る古アパート(居抜き)

【立地や条件が悪い不動産】

  • 駅徒歩15分超、バス便
  • 国道16号の外側超郊外
  • 近隣に嫌悪施設・騒音発生源
  • エレベーター無し4階5階
  • 旧耐震
  • 敷地借地権・定期借地権
  • ローン滞納中・任意売却
  • 事故、心理的瑕疵物件

3.下記のような仲介には無いメリットがある

・いついくらで売れるか早期確定、最短5日で現金化

・広告・営業活動不要、近所に知られずに売却可能

・契約不適合責任免責で売却後のトラブル無し

・建物や室内の不具合の修理、リフォーム不要

・お部屋はそのままの状態、荷物の片づけ不要

前述した不動産買取の”安くなる”と5つの”メリット”は、トレードオフの関係です。

不動産買取のメリット

不動産買取のメリットを一言でいうと、一般的な個人・エンドユーザーに売り難い物件でも、そのままの状態で早期・確実に売却できることです。

期限が差し迫ってるなど、急いで古い物件、駅から遠い物件を売却したい場合は、不動産買取がおすすめです。

続いて不動産買取のデメリットをご紹介していきます。

不動産買取のデメリット

不動産買取のデメリット

不動産買取のデメリットと不動産買取で売るとデメリットが大きくなる不動産仲介向き物件をご紹介していきます。

不動産買取のデメリット

不動産買取の唯一のデメリットは、仲介による売却より多少価格が安くなることです。

特に、これからご紹介する不動産仲介に向く物件は、時間をかけ仲介で売却する方が売却価格は高くなります。不動産買取で売却すると、仲介で売却する価格より安くなります。

不動産買取より仲介による売却に向く物件をご紹介します。

不動産仲介に向く物件

個人に売り易く不動産仲介に向く物件は、下記のような不動産です。

不動産仲介に向く物件は、築浅や更地の整形地など流通性の高い物件です。

【仲介向きな土地】

  • 整形地
  • 50㎡~200㎡程度の更地

【仲介向きな建物】

  • 築浅戸建て
  • 築浅マンション(区分所有)
  • 賃貸中ワンルームマンション(区分所有)
  • 築浅賃貸マンション(一棟)
  • 築浅ビル(一棟)
  • 満室稼働の築浅アパート

上記に該当して且つ駅5分以内、都内ブランド立地、人気路線、ブランド分譲地などの不動産は、居住用、投資用共に人気が高いので、特別急いで売却しなければならない理由が無ければ、仲介向き物件といえます。

不動産仲介に向く物件は、時間と手間をかけ、仲介で売却する方が売却価格が高くなります。従って期限が迫るなど急ぎで売却する理由が無ければ、仲介による売却がおすすめです。

不動産買取のデメリットや不動産仲介に向く物件を理解できたところで、続いては不動産買取と仲介の違いについて解説をします。

不動産買取と仲介の違い

不動産買取か仲介か正しく選択していただくために買取と仲介の違いについて解説をします。

不動産買取

不動産買取は、不動産会社が自ら買主となり土地や建物などの不動産を買い取ります。

不動産買取を主力事業とする不動産会社が不動産買取業者です。

不動産買取と仲介の違い
不動産買取は不動産会社が自ら不動産を購入・取得

不動産買取をおこなう不動産会社には、下記2つがあります。

❶不動産買取を専門におこなう

❷不動産仲介をメインとして買取もおこなう

一般的には❶の方が、築年数が古い、駅から遠いなど条件の悪い不動産でも幅広く買い取ります。

不動産仲介

不動産仲介は、不動産会社が売主と買主の間に立って交渉をおこない、売買契約を成立させます。

不動産仲介を主力事業とする不動産会社が不動産仲介業者です。

不動産仲介業者は、自ら不動産を買取らず、チラシなどの広告や物件への内覧同行など売却活動をおこないます。

仲介業者は、売却活動で主に個人の買主を探し、買主が見つかり売買契約が成立すると売主様、買主から仲介手数料を受領します。

不動産買取と仲介の違い一覧

不動産買取と仲介には、前述した買主以外に下記のような違いがあります。

違い買取仲介
買主買取業者個人、業者
査定額売れる売れるかも
契約不適合責任免責負担が必要
広告不要必要
売却活動不要必要
売却期間短期間長期間
現金化スピード早い遅い
売却価格買取相場仲介相場
部屋の家具荷物
部屋の不具合
部屋の経年劣化
事故物件

不動産買取は、多少売却価格が安くなっても手間なく早く売却したい方に向いています。

不動産仲介は、売却までの時間がかかっても売却価格が最優先という方に向いています。

続いて不動産買取相場として、弊社東京テアトルが買い取った中古マンションの買取実績・買取価格をご紹介していきます。

不動産買取相場

不動産買取相場

不動産買取相場事例として、マンション買取価格は、仲介で売るマンション売却相場と比較して、どの程度安くなるか弊社の実績を使って解説していきます。

マンション買取相場は80~86%

マンション買取相場は、ネットの記事でマンション売却相場の60%~70%と言われていますが、マンション買取専門の弊社が考えるマンション買取相場は下記の通りです。

マンション買取相場の目安は、マンション売却相場の80~86%です

ただしマンションの価格帯、エリア、駅距離、築年数、専有面積、周辺環境、マーケット環境などにより、買取相場のパーセントは上下します。

マーケット上昇局面の好立地物件は、マンション買取価格がマンション売却相場の90%以上になることもあります。

一方アスベストが使われているなどリフォーム費用がかさむ古いマンションは80%を大きく下回ることもあります。

マンション買取相場などの詳しくは下記関連記事をご覧ください。

関連記事:マンション買取業者おすすめ11選!ランキングやマンション買取価格を解説

マンション買取価格とマンション売却相場の差

弊社東京テアトルは、下記築古マンションを令和3年に買取価格2,200万円で購入しました。

  • 所在地:東京都江戸川区清新町
  • 最寄駅:東京メトロ東西線/西葛西駅10分
  • 専有面積:57.17㎡(17.29坪)
  • 所在階:21階
  • 築年月:S58年5月
  • 方位:西

【同一マンション売却相場】

成約売却相場面積階数方位乖離率
H312,47057.171889.1%
H312,48057.172189.1%
H302,75057.1717西80.0%
H292,45057.1713西89.8%
出所:レインズ成約データを弊社集計/売却相場:万円/面積:㎡

買取価格2,200万円は、仲介で売買された同一マンションのマンション売却相場(成約価格)の乖離率約80~89%です。マンション買取相場が、マンション売却相場の85%前後の事例です。

※正確には階数や方位などの補正が必要なのですが、ここでは詳細を割愛しています。

少し複雑な話になりますが、マンション買取相場や実際の買取事例などについて詳しくは下記関連記事をご覧ください。

関連記事:マンション買取の相場、買取価格は市場価格の何パーセント?

その他の事例もご紹介します。

【川越市築28年の買取価格は仲介の何%?】

買取価格は、仲介の成約価格の84.6%です。

 価格面積階数単価成約
仲介1,30061.02270.4R3.9
買取1,10064.31556.5R4.1
価格:万円、面積:㎡、単価:万円/坪

【横浜市築27年の買取価格は仲介の何%?】

買取価格は、仲介の成約価格の108.5%です。買取した物件は、仲介より専有面積が大きいため、仲介価格を買取価格が上回ります。

成約坪単価で比較すると買取/仲介は、84.9%です。

 価格面積階数単価成約
仲介3,50056.178205.9R3.9
買取3,80071.802174.9R4.3
価格:万円、面積:㎡、単価:万円/坪

【東京都北区築21年の買取価格は仲介の何%?】

買取価格は、仲介の成約価格の110.2%です。仲介の成約年月が4年前のため、このような仲介価格を買取価格が上回る現象が起きます。

成約坪単価で比較すると買取/仲介は、103.3%です。

 価格面積階数単価成約
仲介4,08070.1911192.1H30.4
買取4,50074.944198.5R4.3
価格:万円、面積:㎡、単価:万円/坪

マンション買取価格が仲介で売るマンション売却相場の85%を上回っていることをご理解いただけたでしょうか?

不動産買取相場も高騰

価格上昇局面、物件の立地や築年数によってはマンション買取業者の買取価格が、マンション売却相場(仲介成約価格)とそう違わないケースも見られます。

弊社の買取実績にもそのようなケースがございましたのでご紹介します。

下記北区マンション弊社買取5920万円は、2021年3月に東京都北区、面積約65㎡、築後3年、2階、南西向きという物件を買い取った金額です。

下記北区マンション売却相場6040万円は、2020年7月に仲介会社の仲介によって成約した成約価格です。

不動産買取相場|買取価格の仲介の差
2021(令和3)年3月買取
北区マンション価格㎡単価面積方位
弊社買取592090.93652南西
売却相場604092.90655南西

マンション買取価格が98%!?

上記の表からマンション売却相場に対する弊社買取の金額の%を割り出すと、以下の通りになります。

5920万円÷6040万円≒約98%

マーケットが上昇局面では、弊社を含めた買取業者が強気の買取査定をします。マーケット好調時期であればマンション売却相場に近い買取価格も期待できます。

下記データの通り、東京都の城北地区の中古マンション価格や㎡単価は、前年比で上昇を続けています。

不動産買取買取相場|買取価格の仲介の差
出所:レインズ|マーケットウオッチ

関連記事:マンション買取の相場、買取価格は市場価格の何%?

続いて不動産買取の手数料について解説をしていきます。

不動産買取の仲介手数料

不動産買取は、仲介手数料が必要なケースと不要なケースがあります。

不動産買取を誰に依頼するかによって、仲介手数料がかかったり、仲介手数料がかからなかったりします。

不動産買取で手数料がかかるケース、不動産買取で手数料がかからないケースをそれぞれご紹介していきます。

不動産買取で手数料が必要なケース

不動産仲介業者に不動産買取を依頼した場合、売主様と買主である不動産買取業者との間に不動産仲介業者が入る仲介になります。

売主様、不動産買取業者は、仲介業者に仲介手数料を支払います。

不動産買取で仲介手数料が必要なケース
不動産買取:不動産仲介業者に依頼をして不動産買取業者を探してもらうケース

不動産買取で手数料が不要なケース

不動産買取で仲介手数料が不要なケース
不動産買取:不動産買取業者探しを不動産仲介業者に依頼しないケース

前述した不動産仲介業者が売主と買主の間に立って売買契約を成立させる仲介でなく、上記のように売主様と買主である不動産買取業者が直接売買契約をすれば仲介手数料は不要となります。

売買契約に必要な書類などの案内、売買契約に必要な契約書と重要事項説明書などの作成、契約から引き渡しまでの事務手続きなどは、不動産会社である不動産買取業者がその業務をおこなってくれます。

上記のような不動産買取で手数料が不要なケースを選ぶと必要なケースに比べて手取り・買取価格がアップします。買取価格がアップの詳しくは、下記関連記事をご覧ください。

関連記事:マンション買取に手数料をかけない

続いて不動産買取を一括査定するとどうなるか解説をしていきます。

続いて、不動産買取の流れを解説していきます。

不動産買取の流れ

不動産買取の流れ、仲介の流れとの違いなどを解説していきます。

売買契約、現金化までの流れ

不動産買取業者に買取を直接依頼した場合、不動産買取の現金化までの流れは下記の通りになります。

  1. 売却のご相談・買取査定依頼
  2. 現地調査・査定価格のご提示
  3. ご契約
  4. 残金決済・お引渡し

不動産買取の流れ、仲介の流れとの違い

仲介は、主に個人の買主を探すために下記❹❺❻❼の販売活動が必要です。そのため買取に比べて売却完了までの時間が長くかかります。

不動産買取の流れ、仲介の流れとの違い
不動産買取の流れ、仲介の流れとの違い

不動産買取の即時買取と買取保証

不動産買取には、不動産買取業者が買取査定価格で即時に買取する即時買取と一定期間仲介で売却活動をして売却できなかった場合に買取査定価格で買い取ってくれる買取保証とふたつの買取があります。

不動産買取の即時買取と買取保証
出所:大京穴吹不動産HP

上記大京穴吹不動産の場合、即時買い取り、買い取り保証の他にリースバックという買い取りサービスがあります。

弊社東京テアトルの直接買取と買取保証付きの詳しくは下記関連記事よりご覧ください。

関連記事:マンション買取|直接買取の強み

関連記事:買取保証付マンション売却の流れ


(著者
今井 俊輔【不動産鑑定士宅地建物取引士

2006年東京テアトル株式会社に入社。不動産鑑定により培った「理論」と不動産取引実務の「経験」に基づき、一棟オフィスビルをはじめ多岐にわたる不動産物件の売買に携わる。現在は管理職として区分所有マンション担当若手社員の育成にも力を注ぐ。

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 弊社は、マンション専門に年間270件超、平均築年数39.2年の築古マンションを買い取ります。築浅物件はもちろんのこと、築古物件でも弊社独自メソッドによる査定で高値買取致します。