マンション売却の注意点|失敗事例と売れない場合の対策を徹底解説
カテゴリ:マンション売却
投稿日:2025.06.18

「こんなに大変だなんて思わなかった…」
マンション売却を経験した多くの方が、最初に口にする言葉です。
相続や住み替え、家族の将来を見据えた決断は、誰にとっても人生の大きな転機。
「絶対に失敗したくない」「安心して任せたい」――その切実な想いに寄り添い、あなたの不安を解消するための"本当に役立つ"知識と情報を、この記事に凝縮しました。
- マンション売却の7つのステップと期間の全体像
- 仲介手数料から税金まで、「お金」に関する全てを網羅
- 大手と地元業者の比較など、後悔しない不動産会社選びの秘訣
- 経験者が語る「リアルな失敗事例」とプロによる回避策
- ケース別(相続・住み替え等)の特有な注意点と対策
目次
マンション売却の注意点|マンションを売る手順をわかりやすく解説
まずは、マンション売却がどのような流れで進むのか、全体像を掴みましょう。大きく分けて7つのステップがあり、各段階でやるべきことや注意点があります。
マンションを売る7つの手順|流れ・期間・準備しておくべきこととは?
ステップ | 主な手続き・注意点 |
---|---|
① 事前準備 | ローン残債の確認、諸費用の把握、必要書類(権利証、契約書など)の準備。 |
② 査定 | 必ず複数社に依頼。査定額の高さだけで選ぶのは危険。根拠を確認する。 |
③ 媒介契約 | 3種類(専属専任・専任・一般)の特徴を理解し、自分の状況に合わせて選ぶ。 |
④ 売却活動 | 売出価格は戦略的に設定。内覧時の印象が成約を大きく左右する。 |
⑤ 売買契約 | 手付金の額やローン特約など、契約条件を細部まで確認。トラブルの元。 |
⑥ 決済・引渡し | 残代金の受領と同時に鍵を引渡し。所有権移転登記を司法書士と行う。 |
⑦ 確定申告 | 売却で利益が出た場合のみ必要。「3,000万円特別控除」の確認は必須。 |

販売期間は、実際の首都圏における中古マンションの流通データによると、売却活動(販売開始から成約まで)にかかる平均期間は約3か月です。これに事前準備や成約後の「決済・引き渡し」までの期間を加えると4か月半から1か月はかかります。
この記事の使い方|気になるテーマだけを選んで読める構成です
この後の章では、この7つのステップを一つずつ順番に解説するのではなく、皆さんが最も不安に感じ、売却成功の鍵となる重要なテーマのみ深掘りしていきます。
- 「お金の話」をすべて知りたい方 → 第2章 費用・税金へ
- ステップ②③「査定と会社選び」で失敗したくない方 → 【第3章】会社の選び方 へ
- 各ステップに潜む「リアルな落とし穴」を知りたい方 → 【第4章】よくあるトラブル へ
- ステップ④で「売れない…」と悩んだときの対策 → 【第5章】売れない原因と対策へ
- ケース別の特有の悩みをお持ちの方へ→【第6章】売れない原因と対策へ
この記事は皆さんの「知りたいこと」にすぐたどり着ける構成になっています。それでは、まず最も気になる「お金」の話から見ていきましょう。
マンション売却の注意点|入金はいつ?手取りに差が出る費用と税金
「マンションが3,000万円で売れた!」
しかし、その金額がそのまま手に入るわけではありません。売却価格から「諸費用」と「税金」が差し引かれます。ここで全体像をしっかり掴み、「思ったより手元に残らなかった…」という事態を防ぎましょう。

マンション売却と費用|手付金・仲介手数料など4項目を解説
① 仲介手数料【最重要】
不動産会社に支払う成功報酬です。売買契約が成立して初めて発生します。
- 計算方法(上限):(売買価格 × 3% + 6万円)+ 消費税
- 計算例(3,000万円の場合): 105万6,000円
- 支払うタイミング: 売買契約時と引渡し完了時に半分ずつ支払うのが一般的です。
② 印紙税(売買契約書に貼る収入印紙)
契約金額に応じて、以下の印紙税がかかります。
契約金額 | 印紙税額(軽減措置適用後) |
---|---|
1,000万円超~5,000万円以下 | 1万円 |
5,000万円超~1億円以下 | 3万円 |
③ 登記費用(抵当権抹消など)
住宅ローンが残っている場合、金融機関が設定した「抵当権」を抹消するための登記費用(司法書士への報酬含む)として、1万円~5万円程度かかります。
④ その他の費用
状況に応じて、ハウスクリーニング代、不用品処分費用、引っ越し費用なども見込んでおきましょう。
マンション売却と税金|譲渡所得の計算方法をわかりやすく解説
ご安心ください。税金は「売却価格」ではなく、「売却益(譲渡所得)」に対してのみかかります。利益が出なければ、税金は1円もかかりません。
【重要】利益(譲渡所得)の計算式
譲渡所得 = 売却価格 -(取得費 + 譲渡費用)
- 取得費: あなたがそのマンションを買ったときの価格や購入時の諸費用など。
- 譲渡費用: 今回売るときにかかった仲介手数料など。
マンション売却と確定申告|3,000万円控除など特例を使うには?
マイホームの売却には、税金を大幅に減らせる「3,000万円特別控除」などの特例があります。これらの特例を使うには、基本的に確定申告が必要になります。
① 3,000万円特別控除【最強の特例】
最も重要で、ほとんどの方が使える特例です。計算した利益(譲渡所得)から、最大3,000万円を差し引くことができます。
これにより、ほとんどのケースで税金がゼロになります。
② その他の特例
所有期間が10年超の場合の「軽減税率の特例」や、相続した物件に使える特例などもあります。条件が複雑なため、必ず不動産会社に確認しましょう。
マンション売却の注意点|どこがいい?不動産会社の選び方
マンション売却の成功は「どの不動産会社に依頼するか」で8割決まると言っても過言ではありません。大切な資産を託すパートナー選びは慎重に行いましょう。
マンション売却に強い不動産|大手と地元の違いと見極め方
「大手なら安心?」「地元密着型の方が親身?」どちらにもメリット・デメリットがあります。
- 大手不動産会社(例:三井のリハウス、住友不動産販売など)
- メリット: 全国的な知名度とブランド力、豊富な取引実績、広範な広告ネットワーク、充実した研修を受けた営業担当者が多い傾向。広く買主を探したい場合に有利。
- デメリット: 会社の方針が強く、担当者によってはマニュアル的な対応になることも。仲介手数料の値引き交渉が難しい場合がある。
- 見極めポイント: 単に「大手だから」と安心せず、担当者個人の経験や実績、エリアへの精通度を確認する。「あなたのマンションを売るために、具体的にどんな販売活動をしてくれますか?」と質問してみましょう。
- 地元密密着型の不動産会社
- メリット: 特定エリアの市場動向や顧客情報に精通。きめ細やかで柔軟な対応が期待できることも。「このエリアならこの価格帯が動きやすい」といった、リアルで具体的なアドバイスが強み。社長自らが担当することも。
- デメリット: 広告力や全国的な集客力は大手に劣る場合がある。担当者のスキルにばらつきがある可能性も。
- 見極めポイント: そのエリアでの具体的な売却実績(可能であれば成約事例)、地域での評判(Google Mapのレビューなども参考になるが鵜呑みにしない)を確認。担当者がどれだけそのエリアを愛し、熟知しているかを感じ取ることが大切。例えば、「このマンションの強み(弱み)を、この地域で探している人にどう伝えますか?」と聞いてみましょう。
【筆者の視点】
「大手だから安心」「地元だから親身」という先入観は禁物です。重要なのは、会社の規模よりも「担当者」です。あなたの話を親身に聞き、的確な提案をしてくれ、信頼できると感じる担当者を見つけることが最も重要です。そのためには、必ず複数社(最低3社程度)に査定を依頼し、実際に担当者と会って話をしましょう。
マンション売却|不動産会社の評判は口コミで見極める
インターネット上には不動産会社の口コミやランキングが溢れていますが、これらを鵜呑みにするのは危険です。
- 活用ポイント:
- 1位だから良いとは限らない: あなたの状況や物件、担当者との相性によって最適な会社は異なります。
- 良い評価だけでなく、悪い評価にこそヒントがある: 具体的にどのような点が不満だったのか、それが自分にとっても許容できないことかを確認。
- 具体的なエピソードが書かれている口コミは信頼度が高い: 「担当者が親身だった」「説明が丁寧だった」という抽象的な言葉だけでなく、「○○の提案をしてくれた」「××のトラブルにこう対応してくれた」といった具体的な内容か確認。
- ランキングの根拠を確認: 成約件数なのか、顧客満足度アンケートなのか、何を基準にしたランキングか把握する。
- 複数のサイトで比較する: 一つのサイトの情報だけを信じない。
【筆者の視点】
口コミはあくまで参考情報の一つ。最終的には、あなた自身が担当者と直接話し、その人柄や提案内容、知識レベルを見極めることが不可欠です。「この人になら大切な資産を任せられる」と思える担当者こそ、最高のパートナーです。
マンション売却査定の落とし穴|高額に惑わされないポイント
複数社に査定を依頼すると、査定額に数百万円単位の差が出ることがあります。しかし、査定額の高さだけで不動産会社を選ぶのは非常に危険です。
- 査定額は「売れる保証価格」ではない: あくまで「このくらいの価格で売れるのではないか」という不動産会社の意見・予測です。
- 「釣り査定」に注意: 契約欲しさに、相場よりも意図的に高い査定額を提示して売主の気を引き、媒介契約を結ぼうとする悪質なケースがあります。高い査定額で契約しても、結局売れずに大幅な値下げを提案されることも。
- 査定の根拠を必ず確認する:
- 「なぜこの査定額なのですか?」
- 「どのようなデータ(近隣の成約事例、現在の市場動向など)に基づいて算出しましたか?」
- 「この価格で売るための具体的な販売戦略はありますか?」
納得できる明確な根拠を示してくれる会社を選びましょう。
- 査定価格は「買主」によっても変わる:
- エンドユーザー(個人)向け査定: 一般的に市場価格に近い価格。
- 買取業者(不動産会社)向け査定: 業者が再販して利益を出すため、市場価格の7~8割程度になるのが一般的。査定依頼時に「誰に売ることを想定した価格か」を確認することも重要です。
【賢い活用術】
査定は、売却価格の目安を知るだけでなく、不動産会社の知識レベル、提案力、誠実さを見極める絶好の機会です。査定額の数字だけでなく、担当者の説明の分かりやすさ、質問への対応、あなたへの寄り添う姿勢などを総合的に判断しましょう。
マンション売却の注意点|経験者が語るよくある失敗事例3選
「自分だけは大丈夫」と思っていても、多くの方が思わぬ落とし穴にはまっています。ここでは、プロの現場で実際に目にする、よくある失敗事例とその具体的な回避策を解説します。
マンション売却失敗事例①|自分の設定した価格を信じて大損した体験談
- よくある状況: 「少しでも高く売りたい」という思いから、周辺相場の範囲内ではあるものの、その中では高めの価格で売り出すケースがあります。一見妥当な設定に見えても、買い手からは割高に感じられ、内覧の問い合わせがほとんど来ないことも。そのまま長期間売れ残ると、物件の印象が悪くなり、最終的に大幅な値下げに追い込まれてしまうことがあります。
- 【筆者の苦い経験談】
私自身も過去に、リノベーション済みの都内マンションを相場のレンジではやや強気な価格(4,500万円台)で売り出したことがあります。しかし、結果的に1年間も売れず、最終的に1,000万円も値下げしてようやく成約した苦い経験があります。「最初から適正価格で出していれば、もっと早く、もしかしたらもう少し高く売れたかもしれない…」という後悔は、多くの売主様が経験する道です。 - 回避策:
- 客観的なデータに基づく価格設定: 不動産会社に、近隣の類似物件の「売出価格」ではなく「実際に成約した価格(成約事例)」を複数提示してもらい、必ず比較検討する。
- 売却戦略の確認: 「なぜこの価格で売れると考えるのか」「売れなかった場合の次の手は?」など、具体的な戦略を不動産会社と共有する。
- 定期的な価格見直し: 一定期間(例:1ヶ月~3ヶ月)反響がなければ、価格が市場と合っていない可能性が高い。担当者と相談し、柔軟に価格を見直す勇気も必要。
マンション売却失敗事例②|契約書の確認不足でトラブルに!
よくある状況: 売買契約書は専門用語が多く、つい不動産会社任せにしがち。内容を十分に理解しないまま署名・捺印してしまい、後で「手付金が返ってこない!」「引き渡し後に高額な修繕費を請求された!」といった深刻なトラブルに発展する。
- 国民生活センターには、賃貸借契約に関する相談が多いものの、高額取引である不動産売買に関するトラブル相談も寄せられています。契約内容の確認不足が原因となるケースは少なくありません。
- 特に注意すべき契約条項の例:
- 手付解除の条件と期日: いつまでなら手付金を放棄(買主)、または倍返し(売主)することで契約解除できるのか。
- ローン特約: 買主が住宅ローンの審査に通らなかった場合に、無条件で契約を白紙解除できる特約。期日や解除の手続きを確認。
- 瑕疵担保責任(契約不適合責任): 引き渡し後に物件に隠れた欠陥(雨漏り、シロアリなど)が見つかった場合の売主の責任範囲と期間。
- 容認事項: 「この部分の傷は了承済み」など、買主が了承する物件の現状。
- 回避策:
- 契約書は隅々まで目を通す: 不動産会社から事前に契約書の写しをもらい、時間をかけて確認する。
- 分からないことは遠慮なく質問する: 「こんな初歩的なことを聞いたら迷惑かな」という遠慮は禁物。納得できるまで何度でも質問しましょう。
- 重要なポイントは復唱・メモする: 説明された内容は、自分の言葉で復唱したり、メモを取ったりして理解を深める。
- 必要であれば専門家に相談: 不安な場合は、セカンドオピニオンとして別の不動産会社や弁護士などの専門家に相談することも検討。
マンション売却失敗事例③|強引な仲介業者との契約で後悔
- よくある状況: 「この物件を欲しがっているお客さんが他にもいます」「今日中に専任媒介契約してくれれば、仲介手数料を割引します」などと契約を急かしたり、売主の不安を煽ったりする言葉で判断を鈍らせ、不利な条件で契約させようとする。
- 国土交通省も「高齢者の自宅の売却トラブルにご注意ください!」と注意喚起しており、「断ったにもかかわらずしつこく電話をかけてくる」「長時間にわたって電話を切らせてくれなかった」などの悪質な勧誘事例が報告されています。
- 悪質業者の見分け方のヒント:
- 契約を異常に急かす。
- メリットばかりを強調し、デメリットやリスクの説明が少ない。
- 質問に対して曖昧な回答をしたり、話を逸らしたりする。
- 「キャンペーン中なので」「今だけ特別に」など、限定感を不必要に強調する。
- 媒介契約の種類について、特定のもの(特に専属専任媒介)だけを強く勧めてくる。
- 回避策:
- その場で即決しない: どれだけ良い条件に思えても、「一度持ち帰って検討します」と伝え、冷静に考える時間を作る。
- 複数の会社を比較する: 1社の話だけを鵜呑みにせず、必ず複数の会社から話を聞く。
- 少しでも「おかしいな」「強引だな」と感じたら契約しない: 直感も大切です。信頼できないと感じる相手に大切な資産を任せるべきではありません。
- 契約書の内容をしっかり確認する: 特に媒介契約の場合、契約期間や中途解約の条件などを確認する。
【筆者の視点】
信頼できる不動産会社や担当者は、決して売主が不利になるような契約を急かしたりしません。売主が十分に納得し、安心して任せてもらえるように、丁寧な説明を尽くしてくれるはずです。焦らず、慎重に判断することが、悪質な業者から身を守る最大の防御策です。
マンション売却の注意点|売れない場合に備える3つの対策
2025年5月時点の首都圏中古マンション成約価格は、平均5,311万円(前年比+5.2%)となっています。(出典:東日本不動産流通機構『Market Watch 首都圏版 2025年5月度』より)
市場全体の価格は堅調に推移しているものの、「売れない」と感じる背景には、個別物件の価格設定や訴求力の差があるかもしれません。一般的に、売却活動が3ヶ月以上続く場合は、何らかの見直しが必要と考えられます。
マンションが売れない場合の対策①|魅力が伝わらない物件の改善法
物件自体は悪くないのに、その魅力が購入希望者に十分に伝わっていないケースです。
- よくある状況:
- 広告写真がイマイチ: SUUMOなどのポータルサイトに掲載されている写真が暗い、散らかっている、枚数が少ない、アピールポイントが分からない。
- 物件説明文が魅力的でない: 物件のウリが抽象的、ターゲットに響かない、情報が不足している。
- 内覧時の印象が悪い: 室内が片付いていない、臭いが気になる、売主の対応が良くない。
- 対策:
- 販売写真の徹底的な見直しの依頼:
- 不動産会社が写真を撮影する場合は、天気の良い日中に、全ての照明をつけて明るく撮影してもらうように依頼。水回りなども清潔に。
- 荷物をクローゼット等に片づけて、スッキリとした空間を演出。生活感がな写真になるよう心がけましょう。
- 物件説明文のブラッシュアップの依頼:
- ターゲット層(例:ファミリー、DINKS、単身者など)を明確にし、その層に響くキーワードやメリットを具体的に記述する(例:「小学校まで徒歩5分」「リモートワークに最適な静かな書斎あり」)。
- 「日当たり良好」だけでなく「南向きバルコニーで一日中明るいリビング」のように具体的に表現する。
- 管理状況の良さ(例:長期修繕計画の有無、修繕積立金の状況)もアピールポイントになる。
- 内覧対応の改善:
- 内覧前には徹底的に清掃・換気し、スリッパや資料を準備。
- 売主は出しゃばりすぎず、質問には丁寧に答える。不動産会社の担当者に任せるのも良い。
- ペットやタバコの臭い対策は必須。
- 販売写真の徹底的な見直しの依頼:
マンションが売れない場合の対策②|限定的な販売活動を改善
物件の魅力を伝える努力をしていても、販売活動そのものに問題があるケースです。
- よくある状況:
- 広告媒体が少ない・適切でない: SUUMOやHOME'Sといった主要ポータルサイトに掲載されていない、チラシ配布がされていない、ターゲット層が見ない媒体に広告を出している。
- 不動産会社の動きが鈍い: レインズへの登録が遅い、他の不動産会社への情報提供が積極的でない(いわゆる「囲い込み」の可能性も)。
- オープンハウスなどの販売イベントが実施されていない。
- 【筆者の経験談】
以前、仕事の関係から懇意にしている仲介会社にマンションの販売を依頼したものの、数ヶ月経っても全く反響がないことがありました。不思議に思い、販売活動の詳細を確認したところ、「チラシをほとんど撒いていなかった」「SUUMOに掲載せず、自社サイトにしか載せていなかった」という事実が判明しました。その後、販売を自社に切り替え、広告戦略を見直した途端に問い合わせが入り、無事成約に至りました。これは仕事の付き合いなので極端な例かもしれませんが、個人の方にとって、不動産にも“セカンドオピニオン”の視点は重要だと痛感した出来事です。 - 対策:
- 担当者に販売活動の具体的な内容を確認する: 「どのような媒体に広告を出していますか?」「レインズにはいつ登録されましたか?」「他の不動産会社への協力体制はどうなっていますか?」など具体的に質問する。
- 販売活動の改善を提案する: 「オープンハウスを実施してほしい」「このエリアのターゲット層に響くような広告内容にしてほしい」など、積極的に意見を伝える。
- 媒介契約の種類を見直す: 一般媒介契約であれば、他の不動産会社にも依頼することを検討する。専任媒介や専属専任媒介の場合でも、契約期間満了時には不動産会社の変更(セカンドオピニオン)も視野に入れる。
マンションが売れない場合の対策③|価格見直しと現実的な選択肢
最も多い原因であり、最も効果的な対策となりうるのが価格の見直しです。
よくある状況:
- 売出価格が周辺の類似物件の成約価格や現在の市場動向と比較して高い。
- 問い合わせや内覧が極端に少ない、または全くない。
- 【筆者の経験談】
問い合わせが全くなかった物件が、思い切って100万円値下げした途端に、複数の購入申込が入ることも珍しくありません。 買主は常に複数の物件を比較検討しており、価格が少し下がるだけで「お得感」が増し、魅力が一気に高まることがあります。 - 対策:
- 改めて周辺相場を徹底調査: 直近の成約事例、競合物件の売出価格や価格変更の動きなどを不動産会社と共有し、客観的に自分の物件の価格水準を把握する。
- 段階的な値下げを検討: 一気に大幅値下げするのではなく、市場の反応を見ながら段階的に調整する。ただし、あまり小刻みな値下げは「売れ残り感」を強める可能性もあるため、不動産会社と戦略を練る。
- 価格以外の条件交渉も視野に: 値下げ幅を抑えたい場合、ハウスクリーニング費用や一部修繕費用の負担、引渡し時期の調整など、価格以外の条件で譲歩することも有効な場合があります。
- 不動産買取も最終手段として検討: どうしても売れない、早く現金化したいという場合は、不動産会社による「買取」も選択肢の一つです。ただし、買取価格は市場価格の7~8割程度になるのが一般的である点、メリット・デメリットをよく理解した上で判断しましょう。
👉 迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。当社では無料での買取相談も承っています。
【遠方マンション売却のヒント:Oさんの体験談より】
遠方にお住まいで、相続したマンションの売却を経験された方もいます。広島在住のOさん(50代女性)は、川口市のマンション売却で、信頼できる担当者との出会いにより、物理的な距離の不安を解消し、スムーズな売却を実現されました。「室内の写真撮影や必要書類の送付、こちら(広島)まで赴いてくださるなど丁寧に対応していただき、安心してお任せできました」とのこと。遠方売却では、コミュニケーションの密度と柔軟な対応、そして何よりも担当者との信頼関係が成功の鍵となります。
あなたの場合は?ケース別のマンション売却注意点
ここでは、特定の状況下で売却する際の、特有の注意点を解説します。
ケース①:相続したマンションを売却する場合の注意点
相続人全員の同意と協力が不可欠です。売却の意思統一や、売却代金の分配方法について、事前にしっかりと話し合いましょう。また、相続登記が完了していないと売却できません。
ケース②:住み替え(売却と購入を同時に)する場合の注意点
「売り先行」か「買い先行」か、資金計画とスケジュール管理が非常に重要になります。特に、住宅ローンが残っている場合は、ダブルローンを避けるためにも、不動産会社と綿密な打ち合わせが必要です。
ケース③:遠方のマンションを売却する場合の注意点
物理的な距離があるため、書類のやり取りや内覧の立ち会いなど、コミュニケーションを密にとってくれる、信頼できるパートナー選びが通常以上に重要になります。鍵の郵送対応や、オンラインでの面談に柔軟に対応してくれる会社を選びましょう。
【まとめ】後悔しないマンション売却のために、今日からできること
大変長い記事を最後までお読みいただき、ありがとうございました。
マンション売却は、確かに大変です。しかし、正しい知識を身につけ、信頼できるパートナーと進めれば、決して怖いものではありません。
この記事でお伝えした、後悔しないためのポイントを最後にまとめます。
- 【知識】まずは「流れ」と「お金」の全体像を把握する。 何にどれくらいのお金がかかり、最終的にいくら手元に残るのか、事前にシミュレーションすることが、すべての計画の土台となる。
- 【比較】不動産会社は、決して1社で決めない。 必ず複数社と面談し、査定額の「高さ」ではなく、その「根拠」と担当者の「人柄」で、信頼できるパートナーを見極める。
- 【質問】「分からない」を、そのままにしない。 契約書の内容、販売活動の状況など、少しでも疑問に思ったら、納得できるまで質問する。その小さな勇気が、将来の大きなトラブルを防ぐ。
- 【決断】売れない時は、固執せず柔軟に戦略を見直す。 価格、広告、時には不動産会社そのものを見直す決断も必要。早めの判断が、結果的に良い結果を生むことが多い。
- 【相談】一人で抱え込まない。 家族、そして信頼できる不動産会社の担当者に相談し、チームで売却成功を目指す。
【最後に】
売却を終えた多くの方が「もっと早く専門家に相談すればよかった」と口を揃えます。
この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、納得のいく売却への第一歩を踏み出すきっかけとなれば、これほど嬉しいことはありません。
あなたの新しい人生が、笑顔でスタートできることを心から願っています。
マンションのご売却は大きなイベントです。わからないことだらけで不安とご心配の皆様のお役に立てるよう、業務で身に着けた知識と経験を活かし、丁寧にお話をお伺いいたします。何なりとご相談ください。 弊社は、マンション専門に年間270件超、平均築年数39.2年の築古マンションを買い取ります。築浅物件はもちろんのこと、築古物件でも弊社独自メソッドによる査定で高値買取致します。 「このマンション、売れるかな…」とお悩みなら、まずはご相談ください。 運営会社:東京テアトル株式会社 |