マンションの8階は縁起良い?メリット・デメリットを専門家が解説!
カテゴリ:買い替え・住み替え
投稿日:2024.07.19
マンションの購入を検討する際、お部屋の階数は大きな要素の一つです。高くなればなるほど眺望や日当たり、風通しは良くなります。一方階数によっては、例えば4階であれば「死」を連想させる、9階であれば「苦」を連想させる、等の理由で縁起が悪いという考えの方もいます。とは言えそんな視点から4階や9階を敬遠する方はごく一部で、実際の売れ方に差異が出ることは無い、というのが不動産屋としての意見です。
本記事ではマンションの8階について、実際の人気動向やメリット・デメリットを客観的に解説していきます。マンションの8階の購入を検討する際の判断材料になれば幸いです。
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目次
8階のマンションは縁起が良い?
8という数字は、漢数字で「八」と書いたときに上は狭く下が広がっていることから「末広がり」と呼ばれ、縁起が良いとされています。末が広がっていることは物事の発展や繁栄に繋がるとされるためです。また、世界に目を向けてみると、例えば中国においても8という数字は、発展や富むことを意味する「発」の漢字にちなんで縁起の良い数字とされています。
ここまで数字の縁起について書いてきましたが、物件探しの際には数字のイメージに囚われすぎず、マンションの8階ならではの特徴を重視することが大切です。
8階のマンションのメリット
本項ではマンションの8階に住むメリットについて、具体的に解説していきます。マンションの8階には、以下のようなさまざまな利点があることが分かります。
- 日当たり、眺望や風通しが良好
- 部屋の中を覗かれる心配が皆無
- 騒音からの解放
- セキュリティ面でも比較的安心
- 虫の侵入リスクの減少
高層階ならではの眺望の良さやプライバシーの確保・防犯面の安心感など、8階ならではの魅力を感じられるはずです。以下で各項目を詳しく見ていきましょう。
日当たり、眺望や風通しが良好
マンションの8階は、日当たりと眺望、また風通しが良好です。8階は高層階のため、周囲の建物に遮られることなく太陽の光を浴びることができます。 朝日を楽しめるだけでなく、1日を通して明るい室内環境を保つことができるでしょう。また、観葉植物を楽しみたい方にも、同様の理由からマンションの8階はオススメです。
加えて、開けた景色を眺められるのも魅力的です。周辺の低層建物に視界を遮られることなく、遠くの山並みや夜景・花火などの景色を堪能できる可能性もあります。 プライバシーを確保しながら、開放的な見晴らしを堪能することができるのが8階の利点です。
部屋の中を覗かれる心配がない
マンションの8階のメリットの一つとして高いプライバシーの確保が挙げられます。向かいの建物や路上から部屋中を覗かれてしまうリスクが避けられない低層階に対し、マンションの8階はそういったリスクも少なくなります。仮に周囲に同程度の高さのマンションがあったとしても、距離が空いている場合が殆どです。部屋の中を覗かれる心配が少なく、カーテンを開けたまま生活することができるでしょう。
マンションの8階は高いプライバシーを確保しながら、日中はたっぷりの日光を部屋に取り入れながら暮らすことが可能なのです。
騒音からの解放
マンションの8階は、低層階に比べると非常に静かな環境が保たれています。視界が遮られることが少ないため、開放的な雰囲気を感じられるでしょう。高層階ほどではないものの、道路や駅から離れているため車の走行音もほとんど聞こえず、比較的静かで落ち着いています。夜間も静かでリラックスした生活を送ることができそうです。
セキュリティ面でも比較的安心
マンションの8階は低層階に比べ、セキュリティ面でより安心感があります。低層階では壁伝いに窓から侵入される可能性が付きまといますが、マンションの8階であれば侵入リスクが圧倒的に低くなります。とはいえ、上の階やベランダから侵入される可能性はゼロではないため、階数問わず戸締りには気を付けましょう。
また、低層階では、道行く人の視線が気になりがちですが、8階では外からの視線を気にする必要はまずありません。前述の通り、カーテンを開けたまま生活することができます。
マンションの8階は、さまざまな面でセキュリティへの安心感が得られるのです。
虫の侵入リスクの減少
マンションの8階は、低層階のお部屋と比べると虫の侵入リスクが低いです。一般的に、虫は地上付近から侵入することが多いためです。マンションの中でも低層階のお部屋は、窓やバルコニーの扉から虫が侵入しやすく、夏場は特に気になりますね。一方マンションの8階では、虫の侵入リスクがかなり減少します。虫が苦手な方はマンション選びの際に、高層階を選ぶことでリスクを回避することができます。
マンションの8階のデメリット
マンションの8階に住むメリットは前述の通り多くある一方、デメリットも存在することを忘れてはいけません。例えば、以下のようなものがあります。
- エレベーターを使う必要がある
- 日差しを遮るものがない
- 引越し費用が高くなる可能性
- 地震の揺れが大きくなる傾向
- 窓やバルコニーから落下する危険性
以下でそれぞれの項目を見ていきましょう。
エレベーターを使う必要がある
マンションの8階に住む場合には、エレベーターの利用は必須です。8階は階段で昇り降りできない高さではないですが、身体の不自由な方や高齢者には現実的であると言えません。
また、エレベーターは年に数回はメンテナンスのために利用できなくなる日もあり、災害等による停電時には停止してしまいます。朝の出勤時間には各階での利用者が重なり、思い通りに利用できない可能性も捨てきれません。
日差しを遮るものがない
マンションの8階は周りに遮るものがほとんどないため、朝日や夕日がよく差し込んでくるのがメリットですが、真夏の直射日光は避けられません。特に、夏の日差しが強い日は部屋の中が暑くなり、エアコンの効きが悪いこともあるでしょう。そのため、マンションの8階では日よけ対策が不可欠です。例えば以下のような対策が考えられます。
- ブラインドやカーテンを導入
- 窓ガラスへの遮熱フィルム施工
- ベランダに日よけを設置
遮熱対策をしっかりと行えば、夏場の室温上昇を抑えられるでしょう。マンションの8階は、眺望や日当たりが良好な反面、強い日差しへの対策は欠かせません。入居前に日よけ対策をしっかり検討し、快適な生活環境を整えることが重要です。
引越し費用が高くなる可能性
マンションの8階は、引越し費用が低層階に比べ高くなりやすいです。引越し費用には、エレベーターの有無や搬入経路の長さ・搬入作業に伴う養生の作業時間や養生範囲の広さが料金に反映します。作業時間のロジックは、「部屋からトラックまでの1往復の運搬時間×部屋とトラックの往復回数」で算出可能です。作業が増えると「1往復あたりの増加時間×部屋とトラックの往復回数」がプラスされます。
エレベーター無しのお部屋も含みますが、階数別の引っ越し加算料金の目安は以下の表の通りです。
階数 | 加算料金 |
2階 | 変動無し |
3階 | 10~20%増し |
4階 | 10~30%増し |
5階 | 20~50%増し |
参照元:「なぜ料金が変わる?建物タイプや階数と引越し料金の関係を徹底解剖|アップル引越センター」
マンションの8階は、エレベーターの待ち時間が増える事による追加料金が発生する可能性があり、引っ越し費用が高くなる傾向があると考えられます。
地震の揺れが大きくなる傾向
一般的に建物の高さが高くなればなるほど、地震の揺れ幅は大きくなる傾向にあります。マンションの8階ですと地上からおおよそ27mほどで、ある程度の高さになるため、地震が発生した際の揺れ幅は低層階と比べ大きくなります。
マンションはある程度の耐震性を持っていますが、マンションの構造によっては揺れ方が異なります。マンションの具体的な構造や耐震性は、管理組合に問い合わせてみてください。
窓やバルコニーから落下する危険性
マンションの8階は前述の通り、かなりの高さに位置しています。窓やバルコニーから転落する危険性は低層階に比べると高くなります。特に、お子様やご高齢の方がいらっしゃるご家庭では、十分な注意が必要となります。
ベランダ・バルコニーの柵の高さ、外へ繋がる窓の高さなどを確認し、落下する危険性が無いかを把握しておきましょう。また、ベランダ・バルコニーだけでなく共用部の階段などでも転落事故は発生しています。
柵が低く転落の危険性がある際には、追加の柵やネットなどを設置して落下防止対策を行ってください。高層階ほど転落の危険性は高まりますが、適切な対策と家族の気配りで、事故は未然に防げます。
マンションの8階を購入する際の注意点
マンションの8階のお部屋を購入する際には上記のメリット・デメリットを把握し、自分や家族のライフスタイルに合っているかを見極める必要があります。購入してから後悔することの無いように、以下でマンションの8階を購入する際の注意点を解説します。
落下防止対策ができるか確認する
繰り返しになりますが、マンションの8階では、ベランダや窓から転落するリスクが低層階に比べて高くなります。そのため、マンションの8階を購入する際には落下防止対策が徹底されているかを確認してください。一般的な落下防止対策には以下のようなものが挙げられます。
- 手すりの高さ・強度の確保
- 窓に転落防止柵を設置
- 登れてしまう物を置かない
事前に落下防止対策がされていない場合には、ご自身で対策することが可能かをマンション購入時に確認することが重要です。管理組合に確認してみましょう。
エレベーターの台数や広さ・点検頻度を確認する
マンションの8階で暮らす上で、エレベーターの利用は殆ど必須であると言えます。エレベーターの台数や広さ、点検頻度を事前に確認しておくことが大切です。
エレベーターの台数は、少なくとも2基以上設置されていることが理想です。1基のみだと故障や点検の際に限らず通勤時等にも非常に不便でしょう。エレベーター点検の頻度も重要なポイントになるため、入居前に十分な確認をしておきましょう。
地震が起きたときの事前確認をする
マンションの8階に限った話ではありませんが、前述の通り高層階は低層階に比べ地震発生時の揺れ幅が大きいです。そのため、事前に地震対策を十分に行っておく必要があります。
まずは家具の転倒防止対策。大型の家具は天井と家具とで固定するストッパー等の転倒防止グッズでしっかりと壁に固定しましょう。ガラス製品は安全な場所に置き、落下の危険が高い場所には物を置かないよう心がけましょう。
併せて地震発生時の避難経路を確認しておきます。万が一の災害時、もし停電でエレベーターが停止した場合には階段を使った避難となるため、あらかじめ非常階段の場所も把握しておくと安心です。
加えて、マンションの管理組合や近隣住民との連携も重要です。地域の防災訓練へ参加したり、日常的にコミュニケーションを取り安全対策を共有することで被害を最小限に抑えられるでしょう。
マンションの8階に住む上で、災害時の心配は避けては通れませんが、事前の備え、そして近隣住民との連携によって安全性を極限まで高めることができます。
8階のマンションが向いている人
マンションの階数によって得られるメリットはさまざまです。マンションの8階は、落ち着いた環境でプライバシーも守られ、絶景の眺めも楽しめる一方で、エレベーター頼みの生活や引っ越し時の大変さもあります。マンションの8階が向いている人を以下で見てみましょう。
虫が苦手な人
マンションの8階は低層階に比べ虫が出現するリスクが低いです。全く現れない訳ではありませんが、マンションが高層になればなるほど、風の影響で虫が侵入しづらくなります。そのため、虫が苦手な方は8階以上の高層マンションを選ぶと虫からの心配がほとんどなくストレスフリーな生活を送れるでしょう。
とはいえ、虫は湿気を好みますので、ベランダに水気があると虫が発生しやすくなってしまいます。虫が苦手な方は水気を避ける等、さらに対策を行ってみてください。
人目を気にしたくない人
マンションの8階を含む高層階のお部屋のプライバシー性は高い傾向にあります。防犯性が高く、人目を気にすることなくカーテンを開けることも可能です。プライバシーを重視する方にはマンションの8階はおすすめです。
メリット・デメリットを十分に理解し、ご自身のライフスタイルに最適な住まいを選びましょう。
マンションの人気の階は何階?
マンションで特定の階が際立って人気ということは、一般的にはありません。階層によってメリット・デメリットがあり、人によって好みや価値観が異なるためです。
例えば、高層階は眺望が良く開放的ですが、低層階は地震の揺れが小さく安心感があります。家族構成やライフスタイルによって、求める条件は変わってきます。本項ではさまざまな視点からおすすめの階層を紹介します。
中層階の6階については『マンション6階の住み心地は?人気の理由や注意点を詳しく解説』の記事でも紹介していますので、本記事と併せてご覧ください。
夏を快適に過ごすなら低層階
低層階は高層階に比べて窓からの日照が少なく、周辺の建物が直射日光を遮る日よけになります。 また、熱は上方向へ逃げる性質を持つため、建物内に溜まった熱気も逃げていきやすいです。一方マンションの階数が高くなるほど、直射日光が入り、熱がこもりやすくなるため、夏の暑さを感じやすくなります。
そのため、マンションの高層階に住む際は、エアコンなどの冷房設備が必須になるでしょう。高層階に比べると低層階の方が夏を快適に過ごせるため、暑さが苦手な人は低層階がおすすめです。ただし、防犯面での不安もあるため、最終的には一長一短を天秤にかけた上で判断してください。
価格を抑えるなら低層階
マンション購入時の価格面で有利な階数は低層階となります。一般的にマンションの価格は低層階ほど安く、高層階ほど高いです。資産価値を意識するなら高層階がおすすめですが、購入価格を抑えるなら低層階がおすすめです。
また、最近ではバリアフリー化で、低層階でもエレベーターが設置されるマンションが増えています。ただし、プライバシーの確保や道路の騒音が気になる場合もあります。ご自身のライフスタイルに合わせて、メリット・デメリットを十分に検討してください。
安全性を確保するなら1階と高層階以外
マンションの階数は安全性に大きく影響します。安全性を確保するなら、1階と高層階は避けた方が賢明です。1階はマンション自体のセキュリティが充実していたとしても、高層階と比べると窓からの侵入の恐れがあり、水害時には浸水被害の恐れもあります。
高層階は、火災時の避難やエレベーターが止まれば移動が困難です。また、地震の揺れが大きく家具の転倒などの被害が出やすいでしょう。
安全性を確保するのであれば、中間階の2階から7階くらいまでが理想と考えられます。マンション購入時は、安全性も重要な要素の一つです。階数の選定は入念に行ってください。
明るく見晴らし重視なら高層階
高層階のマンションは、日当たりと眺望が良好であることがメリットです。窓からの景色が開けており、心地良い光が差し込むため明るく開放的な空間が得られます。部屋の明るさや見晴らしを重視するなら、高層階をオススメします。一方、低層階に比べ購入金額は高くなりますので、予算には注意してください。眺望を確かめるのであれば、天気が良好な日の昼間に内見にいくのがおすすめです。安全性への配慮は欠かせませんが、開放的な生活を送りたい方は高層階を検討する価値があるでしょう。
まとめ
今回は、マンションの8階のメリット・デメリットや注意点について解説しました。マンションの8階は明るさと眺望が良好なことが最大のメリットです。周辺の建物に遮られることなく、遠くの景色まで見渡せるのが魅力的でしょう。
また、マンションの8階は低層階に比べてプライバシーが守られやすいメリットもあります。周りの視線を気にすることなく、安心して暮らすことができるでしょう。都会の喧騒から離れ、落ち着いた空間を望む人にとっては、8階は最適な選択肢と言えます。
ただし、移動にはエレベーターが必要になり、災害時やトラブル時の不便さは避けられません。また、地震の揺れも低層階に比べて大きくなる傾向があり、耐震性能にも注意が必要です。さらに、引っ越し費用の増加や、夏場の日差しを遮るものがないデメリットも無視できません。
ご自身のライフスタイル、価値観と向き合い、最適な選択肢を探してみてください。
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